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若い時によく勉強した人はアルツハイマー型認知症になりにくい?

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若い時によく勉強した人はアルツハイマー型認知症になりにくい?
若い時によく勉強した人はアルツハイマー型認知症になりにくい?

Vlad Sargu|unsplash

「症状が出ないアルツハイマー」:脳と言語技能の関係を研究(2009/7/14、WIRED)

「10代の頃に高い言語技能を習得していると、50〜60年後に認知症になる確率を下げることができる可能性がある」と語るのは、神経病理学者のDiego Iacono氏だ。

<中略>

研究者たちは、高い言語技能を持っていることが、認知機能の低下を防ぐことにつながっているように見える理由を理解できていないが、若い頃にシナプスがより多く形成されていることと何か関係があるのではないかと考えている。

ジョンズ・ホプキンス医科大学の研究によれば、高齢になっても認知機能にまったく問題がない修道女は、脳にアルツハイマー型認知症と同じ変化が確認されているにも関わらず、病気の症状が表れにくいことが分かったそうです。

そのポイントは、10代の頃に高い言語技能を習得していること。

なぜ高い言語技能を習得していることが認知機能の低下を防いでくれるのかはわかっていないものの、結果として認知症を防ぐことにつながっているというのはすごいことです。

よく「生まれ(Nature、DNA)」か「育ち(Nurture、家庭環境)」かが論争の種になりますが、今回のケースで興味深いのが、遺伝子の影響も大きいと思うのですが、修道女たちは同じ環境に暮らしているにもかかわらず、認知症のなりやすさに差が生まれているということ。

考え方のヒントになると思ったのは「エピジェネティクス」です。

エピジェネティクスとは?意味|簡単にわかりやすくまとめました【入門編】【動画・論文・エビデンス】で紹介した「エピジェネティクス」の考え方によれば、遺伝子の影響は大きいから変えられないという考えは間違いであり、自分自身のライフスタイルによって自身の健康は選択できるのです。

若い頃にたくさん勉強したことでシナプスがより多く形成されていることにより認知症によるダメージを軽減したともいえますが、若いころにたくさん学ぶ人は好奇心旺盛だったり、積極的に行動するタイプだったりするのではないでしょうか?

積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下して可能性があるようです。

何事にも好奇心を持って積極的に一つ一つの行動が結果的に認知症のような病気を防いでくれるのかもしれませんね。

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鼻をほじるとアルツハイマー型認知症になるリスクが高まるって本当?

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「鼻をほじるとアルツハイマー病のリスクを高める…」研究結果発表される(2022/11/9、Newsweek)を簡単にまとめると、これまで「肺炎クラミジア(ヒトに感染して肺炎を引き起こす)」がアルツハイマー型認知症の危険因子のひとつと考えられていて、豪グリフィス大学の研究チームが行ったマウスによる実験を参考にすると、肺炎クラミジアが鼻腔と脳の間に伸びる神経を用いて中枢神経系に侵入し脳に感染したことから、鼻をほじったり、鼻毛を抜く行為で粘膜を傷つけてしまうと脳に侵入する細菌が増えて認知症を起こす恐れがあるそうです。

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ただ、鼻ほじりがアルツハイマーのリスク高めるとの研究に異論(2022/11/4、Gadget Gate)によれば、認知症の発症には様々な要因があり、鼻ほじりによる細菌感染と認知症の仮説は飛躍しすぎている可能性があるというのが2022年の段階でした。

鼻ほじりがアルツハイマー型認知症の発症リスクを高めるというアイデアは馬鹿げたもののように思えましたが、2024年にはまだ研究が進んでいました。

Zhou, X.; Kumar, P.; Bhuyan, D.J.; Jensen, S.O.; Roberts, T.L.; Münch, G.W. Neuroinflammation in Alzheimer’s Disease: A Potential Role of Nose-Picking in Pathogen Entry via the Olfactory System? Biomolecules 2023, 13, 1568. https://doi.org/10.3390/biom13111568

鼻ほじがアルツハイマー病のリスクを高める仕組みを科学者が明らかに(2024/2/8、Sciencealert)によれば、近年の研究でアルツハイマー病における神経炎症プロセスが外部から侵入する病原体が関与している可能性があり、鼻をほじると病原菌を押し込むリスクが高まる、鼻毛を抜くとバリア機能が低下するというように感染リスクが増加することから鼻をほじる行為による細菌感染と認知症仮説は研究するに値するものと言えそうです。

また、鼻ほじりの習慣と新型コロナウイルス感染症の感染リスクとの関連性が示されているそうで、手をきれいに洗う、鼻をほじらないということが私たちが日ごろからできるウイルス対策、認知症予防の一つになっていくかもしれませんね。

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奥歯を失うとアルツハイマー型認知症になるリスクが高まる?




奥歯失うと認知症になるリスク増加か 九州大の研究グループ(2024/6/10、毎日新聞)で紹介されている九州大大学院歯学研究院の鮎川保則教授の研究によれば、奥歯のかみ合わせが全てそろっている人に比べ、歯の欠損でかみ合わせが一部失われた人は、認知症の症状が1.34倍表れやすく、前歯も含めてかみ合わせが全くない人だと1・54倍高かったそうです。

奥歯がなくなることと認知症の進行に関係があるのでしょうか?

 今回の研究で奥歯の喪失と認知症の進行との因果関係が特定されたわけではないが、鮎川教授は奥歯の喪失により▽脳血流の減少▽栄養状態の低下▽会話困難や自信喪失による社会活動の低下――が進み、認知症の進行リスクが高まるとみている。

今回の研究では奥歯の喪失自体が認知症の進行に関連しているというものでしたが、これまで紹介した研究を参考に一つの仮説を考えると、歯周病によって奥歯を失われた人は歯周病によって認知症が悪化してしまうのではないかということが考えられます。

歯周病で認知症悪化の仕組み解明|歯周病治療と口腔ケアによるアルツハイマー病発症予防に期待|#名古屋市立大学によれば、マウスの実験で、歯周病菌の毒素がアルツハイマー病の原因となるアミロイドβを増やし、認知機能が低下したことがわかりました。

歯周病がアルツハイマー病の原因の一つ!?|歯周病菌が作る「酪酸」が酸化ストレスを引き起こすによれば、1)歯周病の原因菌「ジンジバリス菌」などが作る酪酸が細胞内に取り込まれる→2)「鉄分子(ヘム)」「過酸化水素」「遊離脂肪酸」が過剰に作り出される、3)細胞に酸化ストレスを起こして壊してしまう→アルツハイマー病というメカニズムがあると考えられています。

またもう一つの仮説として「脳糖尿病仮説」があります。

九州大の生体防御医学研究所によれば、アルツハイマー病患者は、脳内の遺伝子が糖尿病と同じ状態に変化することがわかったそうです。

【参考リンク】

糖尿病患者の半数でアルツハイマーの初期症状を確認で紹介した加古川市内の病院に勤務する医師らの臨床研究によれば、糖尿病の通院患者の半数以上に、「海馬傍回(かいばぼうかい)」と呼ばれる脳の部位が萎縮(いしゅく)するアルツハイマー病の初期症状がみられることがわかったそうです。

インスリンには記憶、学習機能を高める作用もあり、糖尿病でインスリン反応性が低下することが、アルツハイマー病発症につながっている可能性があるようです。

インスリン抵抗性を伴った2 型糖尿病にアルツハイマーのリスク|九大研究によれば、インスリン抵抗性を伴った2型糖尿病の場合、アルツハイマーの発症に関係があるとされるプラークが形成されるリスクが高くなるという研究結果が発表されたそうです。

九州大学の研究によれば、血糖値の異常が認められた患者にはプラークが形成されるリスクが高いという結果がでたそうです。

論文を執筆した九州大学の佐々木健介さんによれば、インスリン抵抗性がプラーク形成の原因と結論するにはさらに研究を進める必要があるものの、糖尿病をコントロールすることによってアルツハイマーを予防できる可能性があるとしています。

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最近の研究では、歯周病は糖尿病の合併症の一つといわれており、糖尿病の人はそうでない人に比べて歯肉炎や歯周病にかかっている人が多いといわれています。

それは、糖尿病になると、唾液の分泌量が減って歯周病菌が増殖したり、免疫機能や組織修復力が低下して、歯周病が発症・進行しやすくなるからだと考えられます。

糖尿病と歯周病との関連 免疫低下で原因菌増加によれば、糖尿病と歯周病の関連性は疫学調査や動物実験などで明らかにされており、糖尿病を多く発症する米アリゾナ州のピマインディアンを対象にした調査では、歯周病の発症率が糖尿病ではない人に比べて二・六倍高い、といったことも分かっているそうです。

なぜ、糖尿病の人は歯周病になりやすく、また治りが遅いのでしょうか?

高血糖状態が長く続くと、血液中に体内のタンパク質に糖が結合した糖化たんぱくが増加し、体内に侵入した細菌やウィルスを捕食・消化し、その情報をリンパ球に伝える働きを持つマクロファージを刺激し、ある特定のサイトカイン(細胞同士の情報伝達を担うタンパク質で、過剰に分泌されると、自らの組織が破壊されることがある)の分泌量が増え、歯周病が悪化するのではないかと考えられるそうです。

糖尿病と歯周病との関連 免疫低下で原因菌増加で紹介した愛知学院大歯学部歯周病科(名古屋市)の野口俊英教授によれば、糖尿病と歯周病には5つの共通点があるそうです。

  1. 初期に顕著な自覚症状がない
  2. 罹患率が高い
  3. 生活習慣病
  4. 慢性疾患
  5. 病気の進行のメカニズムが似ている

今回の研究では奥歯の喪失だけにスポットが当てられていましたが、奥歯の喪失が何によるものか、例えばそれが歯周病であったり、さらに元をたどれば糖尿病から来るものであるとしたら、糖尿病と歯周病とではアルツハイマー病になるメカニズムが違ったとしても、糖尿病と歯周病には共通点が多いということですから、アルツハイマー病を予防するには、歯周病・糖尿病になる生活習慣を改善することが大事ということが言えそうです。

→ 歯周病は糖尿病の合併症の一つ!?糖尿病と歯周病の関係 について詳しくはこちら

→ 歯周病を予防する方法(歯磨き・歯ブラシ) について詳しくはこちら







【主治医が見つかる診療所】蛭子能収さん、レビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の合併症と診断

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Newholme Gardens celebrates 20th anniversary

by Bromford(画像:Creative Commons)

2020年7月9日放送の「主治医が見つかる診療所」で、記憶力低下が心配された蛭子能収さんの妻やマネジャーが番組に相談し検査を実施したところ、物忘れや幻視などの症状からレビー小体型認知症とアルツハイマー型認知症の合併症と診断されました。

◎レビー小体型認知症とは?

長引く便秘が「認知症(レビー小体型認知症)」の前兆だった!?|#その原因Xにありによれば、レビー小体とは不要なタンパク質の一つで、これが、脳全体に溜まることで、神経細胞が破壊され認知症状を起こします。

レビー小体型認知症の特徴は「視覚障害」で物が歪んで見え、字が書けなくなったり、幻視症状(いるはずのない人が目の前に現れる)があります。

2016 年3月 コラム 「レビー小体病は全身病」DLBSN 東京 協力医 福井俊哉(かわさき記念病院)によれば、レビー小体型認知症は体のいたるところに症状が現れる全身病と考えた方がよいようです。

◎レビー小体型認知症の症状

レビー小体型認知症の症状として、次のような症状が現れるそうです。

  • 脳貧血(立ちくらみのように立ち上がったときに血圧が下がり気分が悪くなる)
  • 血圧の変動
  • 食欲の変動
  • 排泄の問題
  • 体感温度の異常
  • 発汗過多
  • 何でもないところでよく転ぶ
  • 匂いや味がわかりにくい
  • レム睡眠行動異常症

レビー小体型認知症介護ガイドブックによれば、認知機能の変動や幻視、パーキンソン症状、レム睡眠行動障害、認知機能障害、抑うつ症状、自律神経症状、薬に対する過敏症などが特徴的な症状として挙げられています。

これらの症状が一つだけ現れた時や初期段階の場合は、他の病気と間違えてしまうような症状があります。

◎レビー小体型認知症チェックリスト

  1. 物忘れがある
  2. 頭がはっきりしているときと、そうでないときの差が激しい
  3. 実際にはないものが見える
  4. 妄想がみられる
  5. 鬱的である
  6. 動作が緩慢になった
  7. 筋肉がこわばる
  8. 小股で歩く
  9. 睡眠時に異常な言動をとる
  10. 転倒や湿疹を繰り返す

五個以上該当すれば、レビー小体型認知症の可能性あり!

◎レビー小体型認知症の対処法

レビー小体型認知症の薬と治療方法(幻視やパーキンソン病との関連性)(2018/4/20、NHK健康ch)

  • ドネペジル・リバスチグミン・ガランタミン・などの「抗認知症薬」で症状を改善・進行を遅らせるそうです。
  • 漢方薬
  • 抗精神病薬
  • パーキンソン病の薬(小刻み歩行・ふるえ・筋肉のこわばりがある場合)

◎認知症を予防する生活習慣

マイホスピタル(2014 vol.43)では認知症を予防する生活習慣が提案されています。

  • 糖質や動物性脂肪の摂りすぎを避けて、糖尿病脂質異常症を防ぐ
  • 活性酸素を撃退するビタミンCやビタミンE、βカロチンが豊富な野菜・果物をとる
  • オメガ3脂肪酸(シソ油・エゴマ油、アジ・サバ・イワシなどの青魚に含まれるDHA・EPA)の摂取
  • ウォーキングなどの運動(細胞の新陳代謝を高める成長ホルモンの分泌を促す)







アルツハイマー型認知症はアミロイドベータタンパク質(Aβ)を除去することによって回復する可能性がある|国立精神・神経医療研究センター

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■アルツハイマー型認知症はアミロイドベータタンパク質(Aβ)を除去することによって回復する可能性がある|国立精神・神経医療研究センター

アルツハイマー型認知症の病態の回復可能性
アルツハイマー病の初期には、病原的因子Aβオリゴマーによってタウ異常、カスパーゼ活性化、シナプス異常などが引き起こされる。病態が進行すると、老人斑、神経原繊維変化、シナプス減少、神経細胞脱落などの病理変化が現れる。早期にAβオリゴマーの蓄積を抑制することにより、病態が回復する可能性がある。

参考画像:アルツハイマー型認知症の病態の回復可能性が実験モデルで明らかに(2017/1/31、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP))|スクリーンショット

アルツハイマー型認知症の病態の回復可能性が実験モデルで明らかに

(2017/1/31、国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP))

結果としては、2日間のAβオリゴマー処理後の細胞では、無処理の細胞(対照)に比較して、①カスパーゼ3の活性化などのアポトーシス(細胞死)誘導性の変化が現れるとともに、②リン酸化、分子内切断の増加といったタウタンパク質の異常変化が認められました。さらに、③シナプスの形成・維持などに重要な役割を持つβカテニンの異常変化(タンパク質レベル低下、及び局在異常)も観察されました(図2)。これらの変化はアルツハイマー病の脳で観察される特徴的な病的変化に関連するものといえます(図3)。

アルツハイマー型認知症は、脳内に異常タンパク質であるアミロイドベータタンパク質(Aβ)が蓄積し、その影響によって記憶などの脳の認知機能の異常といった症状が現れる病気ですが、国立精神・神経医療研究センターなどの研究グループによれば、Aβが2~30個程度集合した凝集体であるAβオリゴマーによって引き起こされる神経細胞の異常な変化を、Aβオリゴマーを除去することによって回復する可能性があることを実証したそうです。

今回の研究結果は、細胞モデルで得られたものではありますが、脳内の病態を間接的に反映していると考えられ、何らかの手段によりAβオリゴマーを除くことができれば、病態が回復する可能性を示唆するものといえます(図3)。
 現在、Aβオリゴマーの蓄積に対する抑制作用を持つ薬剤の開発が進められています。たとえば、Aβオリゴマーに対する抗体療法や、Aβ産生酵素BACE1の阻害薬などがあげられます。

この研究をヒトの脳でも応用ができれば、早い段階で蓄積したアミロイドβオリゴマーを除去できれば、アルツハイマー型認知症の予防や治療ができる可能性があるということですね。

→ 認知症の症状|認知症予防に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら







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