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下り坂運動で糖尿病予防|なぜ下り坂トレーニングをすると血糖値が下がるの?

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【目次】

■下り坂運動で糖尿病予防

#hiking

by Adam Bautz(画像:Creative Commons)

「下り坂運動」が糖尿病を予防する|ウェブリーグ

血中トリグリセリド(中性脂肪)濃度は、予想どおり「上り坂トレーニング」後にのみ低下しました。しかし、グルコースを摂取したときに血糖値を維持する能力(耐糖能)は、「下り坂トレーニング」後にのみ著しく向上しました。

Drexelらは、下り坂を歩くことにより糖尿病が予防できることを米心臓病学会(2005)で報告しました。

歩いて山を登り、スキー用のリフトで下りる運動を週に3~5回、2か月行ったグループは、血液中の中性脂肪(トリグリセライド)が効果的に減少しました。

山をリフトで登り、歩いて降りる運動を週に3~5回、2か月行ったグループは、耐糖能(グルコースを摂取したときに血糖値を維持する能力)が向上し、血糖値が下がるという結果が出ました。




■なぜ下り坂を歩く運動をすると血糖値が下がるの?

なぜこのような違いが現れたのでしょうか?

筋の収縮形態には、筋が短縮しながら力を発揮する短縮性収縮(コンセントリック収縮)と、筋が伸張されながら力を発揮する伸張性収縮(エキセントリック収縮)があります。

下り坂を歩く運動は筋肉にブレーキをかけるので、エキセントリックです。

エキセントリック収縮で優先的に使われる速筋線維は、糖を主なエネルギー源とします。したがって、エキセントリック収縮を繰り返すようなタイプのトレーニングを行うことによって速筋線維の肥大や機能向上が起これば、血糖の吸収能も向上することが期待されます。

エキセントリック収縮で使われる筋肉は糖をエネルギー源とするため、下り坂を歩く運動をすると、血糖値が下がることが期待されます。

一方、Sherman ら(1992)は、高強度のエキセントリック運動を1回行った後に、全身の糖代謝がどのように変わるかを調べています。彼らは上記と全く逆の結果を得ており、遅発性筋痛が起こっているような状態では耐糖能が低下すると報告しています。

ただ、短期的には、遅発性筋痛(運動後1~2日経ってから発生する痛み)が起きている状態では耐糖能が低下するという研究結果も出ているので、Drexelの研究では2か月行なっており、下り坂を歩く運動は長期的なトレーニング効果とみた方がよいようです。

■まとめ

#hiking

Adam Bautz(画像:Creative Commons)

糖尿病予防のために運動をするときには、坂道を選ぶようにしてみてはいかがですか?

→ 坂の傾きが約1.5度上がると、中等度の糖尿病になるリスクが18%低下する|東京医科歯科大学など について詳しくはこちら




→ 糖尿病の症状・初期症状 について詳しくはこちら

→ 糖尿病改善・予防する方法(食べ物・運動) について詳しくはこちら

→ 糖尿病の運動(運動療法)|筋トレ・有酸素運動 について詳しくはこちら




【参考リンク】
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筋トレ1日3秒でも効果あり!/1日3秒間でも全力で「伸張性収縮」をすることで筋力がアップすることが明らかに!|新潟医療福祉大学




1日3秒間でも全力で「伸張性収縮」をすることで筋力がアップすることが明らかに!|新潟医療福祉大学
1日3秒間でも全力で「伸張性収縮」をすることで筋力がアップすることが明らかに!|新潟医療福祉大学

YulissaTagle|unsplash

3秒間でも毎日,全力で筋力発揮することで筋力がアップすることを明らかに!!(2022/2/1、新潟医療福祉大学)によれば、新潟医療福祉大学大学院博士後期課程佐藤成さん、理学療法学科の中村雅俊講師らによる研究グループは、1日3秒間でも全力で「伸張性収縮」(ゆっくりとダンベルを降ろす時のように、ブレーキをかけるような動き)を5日間連続(平日のみ)4週間実施することにより筋力がアップすることが明らかになったことを国際誌『Scandinavian Journal of Medicine and Science in Sports』で発表しました。(採択)

■運動は短時間でも効果あり

これまでにも「時間がない」という言い訳はできない?1分間の激しい運動が45分間の穏やかな運動と同じ効果がある!?で紹介したカナダのマクマスター大学の研究チームによれば、1分間の激しい運動を継続すれば、軽めの運動を45分間したのと同じくらいの効果があるということを紹介しており、運動は短時間でもしっかりと効果を発揮してくれることがわかっています。

例えば、糖尿病の予防には週に7分の運動でも効果がある=英研究(2009/1/28)によれば、週に7分間の運動でも体内の血糖値を下げるインスリンの働きを改善してくれることにより、糖尿病の予防に役立つ可能性があることを紹介しました。

一日30分または一週間に150分、体を動かすことは、ジムの運動・歩行・家事などに関係なく死亡リスクを低くする!|マクマスター大学によれば、一日30分もしくは一週間に150分のエクササイズをすると、どんな運動なのかは関係なく、死亡リスクが28%、心臓病リスクが20%減少することがわかったそうです。

<糖尿病>1日の歩行時間30分未満、糖尿病のリスク2割増で紹介した国立がん研究センターによれば、1日の歩行時間が30分未満の人は、2時間以上の人と比べて糖尿病になっているリスクが2割高いということがわかったそうです。

ためしてガッテン(NHK)5月12日 AMPキナーゼを運動で活性化させ、血糖値や中性脂肪を下げる

・宮下政司 次席研究員 (早稲田大学スポーツ科学学術院)が、有酸素運動の効果に関して画期的な研究成果を発表したそうです。

自転車こぎ 3分間の運動を一日に10回をしてもらいます。

翌日、脂肪を多く含んだ食事をとってもらい、血液中の中性脂肪の量を詳しく調べたところ、前日運動しない場合に比べ、中性脂肪値が下がっていることがわかったそうです。

運動後1日たっても筋肉に脂肪がたまりにくくなっていたということです。

脂肪を燃やす有酸素運動は、一般的に長い時間行わなければいけないといわれていますが、3分間細切れに行なった運動でも中性脂肪を低下させる効果が出るということです。

・藤井宜晴教授(首都大学東京)

筋肉を動かすと、AMPキナーゼが活性化し、糖や脂肪を効率良くエネルギーに変えてくれることがわかったそうです。

インスリンと同等くらい強力なのだそうです。

・宮地元彦 (国立健康・栄養研究所 運動ガイドラインプロジェクトリーダー)

どんな運動でも筋肉に刺激が入るので、筋肉に刺激が入れば、好ましい結果が得られる。

■筋の収縮形態

筋の収縮形態は2つ。

1.短縮性収縮(コンセントリック収縮)

筋が短縮しながら力を発揮する

2.伸張性収縮(エキセントリック収縮)

筋が伸張されながら力を発揮する

例えば、下り坂を歩く運動は筋肉にブレーキをかけるので、伸張性収縮(エキセントリック収縮)です。

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■まとめ

今回の研究では短時間の運動でも筋力アップができること、そして運動の中でも全力で「伸張性収縮」(ゆっくりとダンベルを降ろす時のように、ブレーキをかけるような動き)をすることにより筋力アップができることがわかったので、ぜひ試してみてくださいね!







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