「オステオポンチン」タグアーカイブ

オステオポンチン|免疫力をコントロールするメッセージ物質|#NHKスペシャル #人体




■オステオポンチン|免疫力をコントロールするメッセージ物質|#NHKスペシャル #人体

2012:11:24-16:49:58

by Josef Wells(画像:Creative Commons)

2018年1月7日放送のNHKスペシャル「人体」のテーマは「骨」。

今回はその中でも「オステオポンチン(Osteopontin)」についてまとめてみたいと思います。

まずは骨が作り替えられるメカニズムについて簡単にまとめてみたいと思います。

骨は、新しく強い骨を維持することで疲労骨折などを防ぐために、常に作り替えられていて、大人では3~5年で全身の骨が入れ替わっているそうです。

骨の中には、骨を作る「骨芽細胞(こつがさいぼう)」と骨を壊す「破骨細胞(はこつさいぼう)」があり、この2つの細胞が骨の作り替えを行なっているそうです。

「オステオポンチン」は骨芽細胞が出すメッセージ物質の一つです。

年老いたマウスの骨髄内では「オステオポンチン」の数が少なくなっていることに着目した独ウルム大学のハームット・ガイガー(Hartmut Geiger)博士によれば、オステオポンチンが減少すると、骨髄内で生まれる免疫細胞の量が低下することがわかったそうです。

免疫細胞の量が減れば、免疫力が下がり、肺炎やがんといった病を引き起こすリスクがあります。

「オステオポンチン」は骨芽細胞だけでなく、他の細胞からも放出されているのですが、骨芽細胞から出されるオステオポンチンは、免疫細胞(T細胞やB細胞)や赤血球、白血球などのもとになる「造血幹細胞(Hematopoietic stem cells:HSC)」の機能を若く保ち、免疫力を活性化する働きがあることがわかってきているそうです。

つまり、オステオポンチンは老化による免疫力の低下のメカニズムも説明することができる物質ではないかと考えられるのです。

こう考えると、オステオポンチンを増やした方がいいのではないかと考えますよね。

しかし、ポイントはここにあります。

「オステオポンチン」は免疫細胞の量をコントロールするものであり、単純に増えればいいというものではないのです。

免疫細胞であるT細胞がオステオポンチンを必要以上に放出すると、慢性炎症を引き起こし、かえって老化が進んでしまうという研究もあります。

内臓脂肪型肥満で免疫力が老化するメカニズムをマウスの実験で解明|慶応大学で紹介した慶応大の佐野元昭准教授らによるマウスの実験によれば、食べ過ぎや運動不足が原因で内臓脂肪型肥満になると、免疫細胞のT細胞が老化して免疫機能が低下し、炎症を引き起こす物質を大量に生み出すことで、糖尿病高血圧などの生活習慣病につながる可能性が高いことがわかったそうです。

ポイントをまとめてみます。

  • CD153陽性PD-1陽性Tリンパ球は、オステオポンチンという強力な炎症性サイトカインを大量に産生する性質を持つ
  • オステオポンチンは、Tリンパ球からの炎症性サイトカインの分泌を促進し、また、Bリンパ球の抗体産生能を高めるだけでなく、マクロファージの機能も活性化する
  • CD153 陽性PD-1陽性Tリンパ球から分泌されるオステオポンチンが、内臓脂肪の過剰な炎症、インスリン抵抗性を誘導していることを証明

また、結石対策|尿路結石予防に抗酸化物質が良い!?|ためしてガッテン(NHK)によれば、「結晶」を固めて「結石」へと成長させているのは、「オステオポンチン」であることを紹介しました。

オステオポンチンは、腎臓の細胞がシュウ酸の攻撃に反応して出す物質なのだそうで、シュウ酸は体にとって猛毒であるため、オステオポンチンがシュウ酸カルシウムとして固めていることで体を守っていると考えられるのですが、このオステオポンチンが働きすぎると、結石となってしまうそうです。

お茶や青魚、ブルーベリー、大豆、かぼちゃ、にんじんなどに含まれる「抗酸化物質」を摂取することで、オステオポンチンの働きを抑制できるそうです。

→ 抗酸化作用・抗酸化物質を含む食品 について詳しくはこちら

つまり、オステオポンチンは若さを保つために重要な物質でありながら、老化を引き起こす原因ともなりうるものであり、大事なのはバランスなのです。

→ オステオカルシン(骨ホルモン)をかかと落としで増やして血糖値を下げる!|オステオカインが全身の臓器を制御している|#ガッテン について詳しくはこちら

→ スクレロスチンの値を下げて骨量を増やし骨粗鬆症を予防する方法|骨が作り替えられるメカニズム|#NHKスペシャル #人体 について詳しくはこちら







【参考リンク】
続きを読む オステオポンチン|免疫力をコントロールするメッセージ物質|#NHKスペシャル #人体

内臓脂肪型肥満で免疫力が老化するメカニズムをマウスの実験で解明|オステオポンチンが老化を進める!|慶応大学

> 健康・美容チェック > 肥満 > 内臓脂肪 > メタボリックシンドローム > 内臓脂肪型肥満で免疫力が老化するメカニズムをマウスの実験で解明|慶応大学




■内臓脂肪型肥満で免疫力が老化するメカニズムをマウスの実験で解明|慶応大学

Lunch Break

by IQRemix(画像:Creative Commons)

内臓脂肪型肥満で免疫老化=マウス実験で解明―慶応大

(2016/11/8、時事通信)

この免疫細胞は、リンパ球の一種のT細胞。若いマウスに高脂肪の餌を与えて肥満させ、内臓脂肪を調べると、高齢マウスのT細胞に似た性質のT細胞が急速に増えていた。病原菌などに対抗する免疫機能が低下し、炎症を引き起こす物質を大量に生み出すようになっていた。

慶応大の佐野元昭准教授らによるマウスの実験によれば、食べ過ぎや運動不足が原因で内臓脂肪型肥満になると、免疫細胞のT細胞が老化して免疫機能が低下し、炎症を引き起こす物質を大量に生み出すことで、糖尿病高血圧などの生活習慣病につながる可能性が高いことがわかったそうです。




■研究の概要

食べ過ぎが見た目だけでなく内臓の老化を加速させるメカニズムをマウスにおいて解明―内臓脂肪型肥満による免疫老化の怖さ―

(2016/11/8、慶応大学)

CD153 陽性 PD-1 陽性 T リンパ球を、通常食を食べ痩せている健康な若齢マウスの内臓脂肪に細胞移植すると、高脂肪食を食べ過ぎて太ったマウスに見られる内臓脂肪の過剰な炎症、インスリン抵抗性、血液中オステオポンチン濃度の上昇が、再現されることが分かりました。

オステオポンチンは、Tリンパ球からの炎症性サイトカインの分泌を促進し、また、Bリンパ球の抗体産生能を高めるだけでなく、マクロファージの機能も活性化することから、オステオポンチンを大量に分泌するCD153陽性PD-1陽性Tリンパ球の蓄積は、脂肪組織内の免疫系全体にわたって悪影響を及ぼし、過剰な炎症を引き起こすことが予想されました。

実際、オステオポンチンが欠損したマウスに高脂肪食を食べさせて太らせたマウスから採取したCD153陽性PD-1陽性Tリンパ球を細胞移植しても、内臓脂肪の過剰な炎症、インスリン抵抗性は生じなかったことから、CD153陽性PD-1陽性Tリンパ球から分泌されるオステオポンチンが、内臓脂肪の過剰な炎症、インスリン抵抗性を誘導していることが証明されました。

ポイントをまとめてみます。

  • CD153陽性PD-1陽性Tリンパ球は、オステオポンチンという強力な炎症性サイトカインを大量に産生する性質を持つ
  • オステオポンチンは、Tリンパ球からの炎症性サイトカインの分泌を促進し、また、Bリンパ球の抗体産生能を高めるだけでなく、マクロファージの機能も活性化する
  • CD153 陽性PD-1陽性Tリンパ球から分泌されるオステオポンチンが、内臓脂肪の過剰な炎症、インスリン抵抗性を誘導していることを証明

今後は、CD153 陽性PD-1陽性Tリンパ球をターゲットとして、CD153陽性PD-1陽性 T リンパ球を取り除く方法やを増加させない方法、CD153陽性PD-1陽性Tリンパ球からのオステオポンチンの産生を抑制する方法などによって、免疫機能を回復させ、内臓脂肪型肥満が関係している生活習慣病の予防をする治療法の開発が期待されます。

→ 内臓脂肪を減らすには|内臓脂肪の落とし方 について詳しくはこちら

→ オステオポンチン|免疫力をコントロールするメッセージ物質|#NHKスペシャル #人体 について詳しくはこちら







【補足】
続きを読む 内臓脂肪型肥満で免疫力が老化するメカニズムをマウスの実験で解明|オステオポンチンが老化を進める!|慶応大学

結石対策|尿路結石予防に抗酸化物質を摂取してオステオポンチンの働きを抑制しよう|#ためしてガッテン(#NHK)

> 健康・美容チェック > 結石 > 結石対策|尿路結石予防に抗酸化物質を摂取してオステオポンチンの働きを抑制しよう|#ためしてガッテン(#NHK)

2015年4月15日放送のNHKためしてガッテンのテーマは「結石(尿路結石)」です。

【目次】




■「尿路結石」は日本人の10人に1人が生涯で一度は経験する病気!?

■遺伝や体質的に結石ができやすい人がいる

■結石ができやすい体質はおしっこでわかる

尿が酸性化していると結石ができやすいそうです。

肉食中心の食生活をしていると、尿が強い「酸性」に傾き、結晶の原因になるそうです。

リトマス試験紙で、phが5.5.以下が3日以上続く場合は、結石ができやすい生活習慣だと考えられるため、食生活など生活習慣の改善が必要。

■野菜食べてても「結石」になる理由

vegetables

by Rick Ligthelm(画像:Creative Commons)

肥満になり内臓脂肪が増えると、アンモニアの産生を抑制するため、酸性に傾く。

尿が酸性に傾くと、結石ができやすくなる。

→ クエン酸 について詳しくはこちら

【関連記事】




■結石を予防する方法

●「結晶」を固めて「結石」へと成長させているのは、「オステオポンチン」。

オステオポンチンは、腎臓の細胞がシュウ酸の攻撃に反応して出す物質なのだそうで、シュウ酸は体にとって猛毒であるため、オステオポンチンがシュウ酸カルシウムとして固めていることで体を守っていると考えられるのですが、このオステオポンチンが働きすぎると、結石となってしまうそうです。

お茶や青魚、ブルーベリー、大豆、かぼちゃ、にんじんなどに含まれる「抗酸化物質」を摂取することで、オステオポンチンの働きを抑制できるそうです。

→ 抗酸化作用・抗酸化物質を含む食品 について詳しくはこちら

●また、肉や卵などの尿を酸性にする食品を多く摂取していると、尿中の結晶が増え結石のリスクが高まるので、野菜や海藻類、果物などを摂取して、バランスの良い食事に改善することによって結石のリスクは減るそうです。

●コレステロールを多く含む食品は結石の原因となるので気をつけましょう。

→ コレステロール について詳しくはこちら

●結晶の材料である「シュウ酸」を含む食品や「プリン体」を含む食品の過剰な摂取も避けた方がよいそうです。

→ 腎臓結石・シュウ酸を含む食品 について詳しくはこちら

→ プリン体を多く含む食品 について詳しくはこちら

腎臓結石を予防する方法

●1.5~2リットルを目標に水分をたくさんとるようにする。

特に、夏の暑い日に汗をたくさんかくような時には、尿の出や色(あまり濃い尿とならないように)を気にしながら十分に水分をとるようにしましょう。

●動物性タンパク質の取りすぎによって、尿中のカルシウム排泄量を増やすために結石ができやすくなります。

また、尿酸の元であるプリン体を多量に含むレバーなどを摂り過ぎると、高尿酸血症となり、痛風の原因となると同時に尿酸結石の原因となります。

●腎結石ができやすい人は、シュウ酸塩を高濃度に含むほうれん草やチョコレート、ナッツなどを避けたほうがよいようです。

また、シュウ酸塩の吸収を抑えるため、

  • 塩分を控えめにする
  • 肉の摂取量を減らす
  • 1日に何杯か水を飲む

ことも大事です。







【関連記事】
続きを読む 結石対策|尿路結石予防に抗酸化物質を摂取してオステオポンチンの働きを抑制しよう|#ためしてガッテン(#NHK)