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オフィスデザインのアイデア|在宅勤務制度がダメな理由|生産的なグッドアイデアを作るツール=おしゃべりの場




■どんなオフィスデザインにすれば社員が創造的になれる?

Office Equipment [1920x1200 Pixel Wallpaper]

by Andreas Wieser(画像:Creative Commons)

仕事する身体−−スマートニュースのオフィス移転物語

(2015/10/13、スマートニュース)

社員が創造的で生産的な仕事をするためには、脳だけを使えばいいわけではない。人間を含む生命は身体を使って知能を実現している。身体は環境と相互作用する。したがって、環境をデザインすることにより、身体の知性を引き出すことができるはずだ。また、環境は個体と個体が相互作用する場でもあり、集合知を創出する力をもっているはずでもある。個体としての身体の知能、集合知としての知能、両方を引き出すことができるのが環境の力であり、オフィスデザインはそのために考えなくてはならない。

会社にとって社員の最大限の力を発揮できる環境を作ることは重要で、オフィスデザインについてはいろいろなアイデアが出ていますよね。

例を挙げると、このようなものが挙げられます。

  • 社長室をなくす(垣根をなくし、コミュニケーションをはかりやすく)
  • 決められた席をなくす(フリーアドレス)
  • 自由な時間を与える(一番有名な例でいえばGoogleの20%ルールです)
  • 壁をホワイトボードにする(アイデアをすぐに書き出せるから)
  • 一人で作業できるエリアを作る
  • 外部からの電話を受けたい時間帯を作る(作業に集中するため)
  • 社員食堂(社員がキッチンで作るというところも)
  • フリースペース(遊びのスペースだったり、朝ワークをしたりする)

今回は広義のオフィスデザイン(環境などを含む)について考えてみたいと思います。

【目次】

■オフィスのパーティションはOK?NG?

よく言われるのが、垣根をなくすために、壁やパーティションを透明にして、オープンな場を作ろうというもの。

透明にすることで、悪いことができないし、風通しがよくなるというイメージを持つ人もいると思います。

BBCで紹介されている米アリゾナ大学の研究によれば、開放的な設計のオフィスで働く人の方が、仕切りで区切られた半個室(キュービクル)や個室で働く人よりも活動性が高くストレスも低いそうです。

開放的なオフィスでは「活動量が増加」 労働者の健康に影響=米研究

(2018/8/21、BBC)

オフィス労働者は他の環境で働く人に比べて体を動かす機会が少なく、心臓疾患や疲労感、気分の落ち込みといった健康問題を抱える傾向にある。

また、就業時間の活動性が低いと、ストレスを多く感じることが分かっている。

仕事の合間に運動をするとモチベーションや生産性がアップするという研究結果で紹介したエロン大学で行なわれた調査結果によれば、一日の途中でエクササイズをした後、シャワーを浴びて仕事に戻ると、モチベーションや生産性がアップするそうです。

軽い運動でも脳の認知機能は向上する!?によれば、筑波大学体育系の征矢英昭教授らの研究で、ジョギングに相当する運動を短時間行うと脳の中の判断力や注意力を支配する部分の活動が活発になることがわかっていましたが、ウォーキング程度の軽い運動を短時間行なっても脳の認知機能が高まることがわかりました。

今回の研究チームによれば、オープンなオフィスでは、「個人的なやり取りの際には机を離れようとする」ために、活動性が高く、ストレスも低いのではないかと指摘しています。

しかし、あまりにもオープンすぎる環境にすると、全ての場所が公の場所になってしまい、個人の場所がなくなってしまうため、ストレスに感じてしまうという研究もあります。

個室を返せ:時代の流れに逆らうCEOたち

(2017/5/23、WSJ)

英国の研究者たちは、職場環境に関する100件以上の調査を精査し、オープンなオフィススペースは一部でコミュニケーションの改善につながったものの、従業員の意欲や集中力を低下させていたと結論づけた。

だからこそ、創造性の視点から考えると、みんなと話ができる環境がある重要性と同じくらい、必ず一人で作業ができる場所やアドレスを設けることは重要になります。

オープンなオフィスだと、従業員の活動量が増えることでストレスが低下しますが、個人の場所がないためにストレスを感じてしまう人もおり、オープンオフィスだから創造性を高めるとは言えないというのが現状です。

これからの企業の目標は「#健康経営」!?|「健康経営」のために企業はどのように取り組んだらいいの?でも取り上げましたが、現在は「健康経営(従業員の健康維持・増進について取り組むことが企業にとっての収益性・生産性向上につながるという考え方)」が注目されています。

健康と生産性の関係|出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっているによれば、出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっており、それが企業の生産性損失コストの多くを占めているようです。

つまり、いかにオフィスを従業員の心身を健康的な状態にすることができるかがポイントとなってきていますが、まだその「最適解」は見つかっていないようです。

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【参考リンク】

■オフィス環境が悪いと健康にまで影響を与える!?

オフィス環境が悪いと健康にまで影響を与えてしまいます。

例えば、椅子の高さが合わないと姿勢が悪くなり、腰痛の原因ともなりかねません。

また、長時間モニターを見つめることは、目の不快な症状(目の充血目のかすみ目の疲れまぶたの痙攣など)の原因になるだけではなく、肩こり・頭痛の原因ともなります。

そして、オフィス内での冷えによる体調不良が問題となっています。

エアコンが効いたオフィス内で長時間パソコン作業をしていると、体の冷え、目の疲れなどの不調が現れてきます。

「ストレスや寒さを感じながら、長時間、緊張状態でじっと動けずに作業をすることは、自律神経に影響を与え、身体の不調につながる可能性がある」ようなのです。

【関連記事】

■在宅勤務制度がダメな理由|生産的なグッドアイデアを作るツール=おしゃべりの場

Confluence talks Google Gears

by Lachlan Hardy(画像:Creative Commons)

今回は広義のオフィスデザイン(環境などを含む)として在宅勤務についても考えてみます。

近年、在宅勤務を取り入れている企業もありますが、米Yahoo!のマリッサ・メイヤーCEOが在宅勤務を禁止したという話をご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

米Yahoo!のメイヤーCEO、“在宅勤務禁止”について初めてコメント「現在のYahoo!には適さない」

(2013/4/22、itmedia)

「人は1人でいる方が生産性は上がるが、集団になった方がイノベーティブになる」と強調した。

米Yahoo!CEOの「在宅勤務禁止令」から見えてきた在宅勤務/オフィス勤務のメリット

(2013/3/12、ライフハッカー)

メイヤー氏の視点に賛成する人は、オフィスがアイデアを共有する場としていかに大切であるかを述べています。メイヤー氏が長年役員だったGoogleでは、デジタルイノベーションの成功には、社員がオフィスに「実際に居る」ことが欠かせないという哲学があります。

また最近のニュースによれば、IBMでは自宅勤務制度を廃止するそうです。

IBM: 自宅勤務制度の廃止を従業員に通告

(2017/2/10、Newsln Biz)

IBMがこれまで採用してきた自宅勤務制度を廃止することを対象となる従業員に通告していたことがtheregister.co.ukが入手したIBMの社内発表資料によって明らかとなった。

<中略>

自宅勤務制度は、フレキシブルな勤務が可能となり、また、会社まで通勤するためのコストも削減することができることから、一時期、IT企業の間で流行したことがあったが、最近になり「チームワーク」の重要性が強調されると共に、自宅勤務制度についてはむしろ弊害を指摘する声の方が強まっていた。

自律する力がある人は在宅勤務のほうが生産性が上がると思います。

しかし、会社にとって重要な要素には生産性だけでなく、創造性があります。

GoogleやGoogle出身のマリッサ・メイヤー氏にとっては、オフィスに実際にいることがイノベーション(技術革新)のためには欠かせないという哲学があり、そのために、在宅勤務を禁止しているようです。

イノベーションのアイデアを生み出す七つの法則(著:スティーブン・ジョンソン)にはこう書かれています。

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ダンバーが作ったアイデア形成地図を見ると、イノベーションの中心地は、顕微鏡ではなくて、会議用のテーブルだった。

おしゃべりの場でのコミュニケーションによって、ある人の結論が、別の人にとってのきっかけとなることで、アイデアに大きな変化をもたらすことが考えられます。

凄いアイデアというのは誰かが一人きりで研究室に閉じこもって生まれるのではなく、実は人々が集まってコミュニケーションをとっている中で生まれているのだそうです

イギリス人の数学者アラン・チューリングが、第二次世界大戦中にドイツ軍の暗号エニグマを解読するドラマを中心としたストーリーである『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』では、パブのシーンである女性の何気ない一言が暗号エニグマの解読のヒントとなっています。

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研究室で一人で仕事をして顕微鏡を覗いていたのでは、考えが一カ所にひっかかって、最初にあった自分自身の偏見から抜けられない。

集団での会話にある社会的な流れが、個人の固体的な状態を液体のネットワークに変える。

Steven Johnson:スティーブン ジョンソン「良いアイデアはどこで生まれる?」(Jul 2010、TED Talk)

Community + Entrepreneurship: Tim Rowe at TEDxGrandRapids(2013/6/24、YouTube)

How Buildings Learn: What Happens After They’re Built

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孫泰蔵「思考停止を疑え」「オフィスと社員はもう要らない」「経路依存性」という悪習慣

(2018/8/30、日経ビジネスオンライン)

ミートアップ(出会いの場)です。つまり、皆、偶然の出会いから得られる気づきや刺激、交流を求めているんです。

オフィスはいらないという孫泰蔵さんのインタビュー記事を読むと、(会議をするための)オフィスはいらないのであって、(気づきや刺激が得られる出会いの場としての)オフィスは必要だとあります。

このように考えると、いかに積極的に参加したくなるような面白い場を作ることができるかがこれからの鍵になってくるのではないでしょうか。

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■まとめ

オフィスデザインに対するアイデアについてはまだまだ考えることが多いですよね。

オフィスデザインを研究し、共有できることができれば、もっとよいオフィスができて、未来はもっといいものになるような気がするのですが、どうでしょうか。

ただ、先の未来はもしかすると、オフィスも社員もいらない時代が来るという予測をしている人もいます。

ブロックチェーンで「オフィスも社員も不要」になる?

(2017/5/26、Forbes)

取引や交渉、契約実行、信頼構築がネットワーク上で行われるため、オフィスも従来の社員も必要ない。人間が介在するにしても、ネットワーク上で緩やかにつながるだけだ。契約条件はスマートコントラクトと自律化のコラボレーションで実行され、経営陣の役割や行動も、企業の目的などに合うようにプログラム化される。

ビットコインに代表される分散型台帳テクノロジーである「ブロックチェーン」が商取引に活用されるようになると、具体的には、当事者間の契約条件を再現し、取引の実行や支払いのための価値の移動を(ブロックチェーン上で)自動的に遂行するスマートコントラクトが実用化されれば、信頼構築や取引の調整などを行う仲介機関がいらなくなる可能性があり、オフィスも社員もいらなくなるかもしれないそうです。

複式簿記に加え、取引がスマートコントラクトなど分散型台帳にも記録され、三式簿記会計システムが採用されれば、規制当局や監査会社がリアルタイムで企業活動を確認できる。人間がかかわる余地が少なくなり、財務部のルールが一変する。

ブロックチェーン技術が用いられることで会計の仕組みも変わり、会社の仕組みも変わっていくかもしれません。

【参考リンク】

このように考えると、本当に人はアイデアを出すことができる人こそ価値があるという時代になるかもしれません。







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