by Lars Plougmann(画像:Creative Commons)
30%余の子ども 味覚認識できず
(2014/10/20、NHK)
「甘み」や「苦み」などの味覚について、およそ350人の子どもを対象に東京医科歯科大学の研究グループが調べたところ、基本となる4つの味覚のいずれかを認識できなかった子どもが全体の30%余りを占めたことが分かりました。
このニュースは、以前とのデータとの比較ができないため、昔に比べて増えたのか減ったのかがわかりませんし、そもそも子供はいつの時期に味覚が認識できるようになるのかという点がわからない、つまり、比較するための基準がないため、扱うのが非常に難しいニュースです。
ただ、味覚の低下と食生活の乱れや生活習慣病につながる恐れがあるということで取り上げてみました。
味覚障害については、これまでも何度か取り上げてきました。
【関連記事】
濃い味と味覚障害の関係については、濃い味に慣れると、薄い味やかすかな味が感じられなくなってしまうそうです。
また、亜鉛不足と味覚障害の関係については、腸での亜鉛の吸収が低下したり、亜鉛が薬と結びついて排出されてしまっていたり、食品添加物が亜鉛の吸収を妨げていたり、偏った食事で亜鉛が摂取できていないと、亜鉛不足に陥ってしまうと考えられるようです。
→ 亜鉛を含む食品 はこちら
二つに共通するのは、普段での家庭での食事によって、味覚障害が起きる可能性があるということです。
研究グループによりますと、味覚を認識できなかった子どもはジュースを毎日飲んでいたり、野菜の摂取が少なかったりしたほか、ファストフードなどの加工食品を好む傾向も見られたということです。調査を行った東京医科歯科大学の植野准教授は、原因ははっきりしないものの味の濃いものを好むことが味覚の低下につながっている可能性もあるとしたうえで、「味覚が認識できなくなるとさらに味の濃い食品を好んだり食事の量が増えたりするため、食生活の乱れや生活習慣病につながるおそれがある。子どものたちの味覚を育てることが必要だ」と話しています。
味覚を認識できなかった子供の食事の傾向をまとめてみます。
- ジュースを毎日飲む
- 野菜の摂取が少ない
- ファストフードなどの加工食品を好む傾向がある
- 味の濃いものを好む傾向がある
食事の傾向から予想すると、栄養バランスが偏った食事になっていることが予想され、亜鉛が摂取できておらず、また、亜鉛は食品添加物によって体外に排出されやすいため、味覚障害になっている可能性があります。
また、濃い味を好む傾向にあるのも、味覚が認識できなくなるとさらに味の濃い食品を好んだり食事の量が増えたりすることに関係しているようです。
ミシェル・オバマ大統領夫人が推奨する「ダイエット・プロジェクト」とは
ミシェル・オバマ夫人が、記者団に語るシカゴ時代の自分自身のエピソードにこんなものがあります。
「弁護士の仕事を持つ母親として、会議と子供たちのサッカーやバレー教室と駆け回った日の夜には、簡単で安いファーストフードのドライブスルーや、電子レンジで温めるだけの栄養バランスのとれていない食事を子供たちに出していた」--。
自分がそうだったからこそ、多くのアメリカ人が、栄養バランスのとれた食事の大切さは知ってはいるものの、新鮮な野菜や魚などを買うための支出と、手に入れた素材を調理する手間と時間を考えるとき、それよりも数百円で手に入れることができる完成したファーストフードの魅力が大きいと感じてしまう。
健康について関心がある人は、新鮮な魚や野菜を買って、料理を作った方が良いということはわかっていると思います。
しかし、仕事・家事をして疲れてしまうという生活をしていると、調理する時間や家計のことを考えてしまい、ファストフードの魅力を感じてしまう人も多いと思います。
そこで、手軽で安いファストフードや冷凍食品に頼りがちの生活になってしまいがちです。
ですが、そうした加工食品やファストフードに頼りがちの食生活が子供の味覚障害を引き起こし、また生活習慣病にする恐れがあるということです。
あなた自身の健康だけでなく、お子さんの健康のためにも、一度食生活を見直してみてください。
【関連記事】