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【目次】
■日本の女性は更年期症状やPMSなどの女性特有の症状に対しての自覚率が低い
by Rocky T(画像:Creative Commons)
生理痛やPMSの自覚率、米国は日本の約2倍 ‐ 女性ホルモンの認知度も影響?
(2016/4/1、マイナビニュース)
自覚している女性特有の症状について聞いたところ、子宮筋腫を除く全ての症状において、アメリカの女性の自覚率が日本人女性よりも高いことがわかった。何らかの症状を自覚している割合は、日本が57.3%、アメリカが83.0%だった。特に「PMS(月経前症候群)」ではアメリカ57.0%、日本28.3%、「月経痛」ではアメリカ59.7%、日本33.0%と大きく差が出た。
日本とアメリカの20~50代の有職女性それぞれ300名ずつを対象にインターネットで調査したところ、アメリカの女性の方が日本の女性よりも更年期症状やPMS(月経前症候群)、月経痛、子宮内膜症といった自覚している女性特有の症状に対しての自覚率が高かったそうです。
※生理の一週間ほど前から起こるむくみや乳房の張り、吹き出物、便秘、イライラといった生理前の症状のことを「PMS(Premenstrual Syndrome:月経前症候群)」と呼びます。
→ 生理痛の症状・原因・緩和する方法 について詳しくはこちら
次の質問になると、女性特有の症状に対する関心の度合いの違いがさらにはっきりとします。
婦人科受診の頻度について聞くと、アメリカの女性の65.7%が年に1回程度であるのに対し、日本人女性は29.0%にとどまっている。また、「婦人科に行ったことがない」と回答した女性は日本33.0%、アメリカ6.3%で、日本人女性の方がおよそ5倍多いことがわかった。
アメリカの女性
- 婦人科受診の頻度 年に1回程度 65.7%
- 婦人科に行ったことがない 6.3%
日本の女性
- 婦人科受診の頻度 年に1回程度 29.0%
- 婦人科に行ったことがない 33.0%
つまり、日本の女性はアメリカの女性と比較すると、女性特有の症状に対する関心が低く、そうした症状に対する行動(婦人科を受診するなど)をしない傾向にあることがわかります。
日本のがん検診受診率は欧米に比べて低い!?|平成25年国民生活基礎調査によれば、欧米のがん検診受診率は70%以上であるのに対して、日本は20%と受診率が低く、女性特有の症状に対する関心だけでなく、がん検診を受診する人が少ないことがわかります。
■ホルモンケアの重要性
「月経周期を記録」「基礎体温の測定」「出来事の記録」のほか、イソフラボン関連の中ではエストロゲン活性が最も高いと言われる「エクオール」の産生能力を確認することも大切とのこと。
女性ホルモン(エストロゲン)の働きには、次のようなものがあります。
- 骨密度の維持
骨密度を高めて骨粗しょう症を防ぐ - 血中の脂質を下げる
悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を下げる - 肌のハリを保つ
肌のコラーゲンを増やして、しっとり潤い肌を保つ - 女性らしい体を作る
- 自律神経・感情の動きを整える
そのため、女性ホルモンが減少する更年期にはホルモンバランスの乱れがきっかけとなり、骨粗鬆症や高血圧、高脂血症、糖尿病など様々な病気を起こしがちになります。
特に女性の場合、閉経によって女性ホルモンが減少するため、動脈硬化の進行が早まる場合があります。
そこで大事になってくるのが、「月経周期を記録」「基礎体温の測定」「出来事の記録」することなのだと思います。
基礎体温をつける習慣を持つことで、ホルモンバランスの変化も早期に気づくこともでき、更年期障害などの体調の変化にも早めに気づくことができます。
基礎体温を測り、グラフをつけると、例えば、「低温期が短くなった」「高温期が短くなった」などあなたの体の変化に早めに気づくことにつながると思います。
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そして、この記事の中で最も重要だと思われるのが、「エクオール」の産生能力をチェックすることです。
■エクオールとは?
エクオールとは、大豆イソフラボンがエクオールを作り出すための腸内細菌(エクオール産生菌)のチカラでつくられます。
大豆イソフラボンは、更年期障害の原因といわれる「エストロゲン」と構造が似ているため、体内に入ると、エストロゲンと同じような働きをするといわれています。
ただ、最近の研究によれば、大豆イソフラボンの健康効果の恩恵を受けやすい人とそうでない人がいることが明らかになったそうです。
その違いは、エクオールを作り出すためのエクオール産生菌という腸内細菌を持っているかどうかです。
腸内細菌によって大豆イソフラボンに含まれるダイゼインという成分をエクオールに変えることで、ダイゼインのままと比べ、よりエストロゲンに似た働きをすると言われています。
エクオール産生菌という腸内細菌を持っている人といない人がいるそうで、エクオール産生菌がいない人は、大豆イソフラボン(ダイゼイン)のまま吸収されるそうです。
日本人の50%がエクオールを作れるそうです。
【追記(2017/6/5)】
第15回日本抗加齢医学学会総会たった3割?エクオール産生者減少の可能性。
(2015/5/29、浜松町ハマサイトクリニック)
2015年5月29日に開催された第15回抗加齢医学会総会での発表によれば、エクオール産生能力者は約3割の結果が出ているとのことで、エクオール効果の恩恵にあずかれる女性は、これまで知られていた以上に減少している可能性があります。
【!追記終わり】
若い人にエクオールを作れる人が少なくなっているそうですが、食の欧米化が原因ではないかと考えられます。
エクオールの産出能力をチェックするには、「尿中エクオール検査」や「ソイチェック」といった簡単な尿検査で調べることができるそうです。
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■エクオールに期待されるその他の健康効果とは?
●肌のシワの改善
12週間摂取で目尻のシワが改善
●死亡リスクの低下
7年後までに要介護認定/亡くなった人の割合によれば、エクオールを作れない人のほうが多い
●動脈硬化・糖尿病などのメタボリックシンドロームのリスクを低下
●抜け毛が抑制
過剰な男性ホルモンの働きを抑制(直接的なデータはないが、エクオールの効果が期待できるのではないか)
●骨粗鬆症の予防
エクオールとは?によれば、女性は更年期以降女性ホルモンの分泌量が減少するに伴い、骨量が減少します。
大豆イソフラボンを摂取することによって、骨からカルシウムが溶け出すことを抑えることができるのですが、エクオールを作れる人は作れない人に比べて、豆乳を飲んだ場合に、より骨密度に対して高い効果を示すことがわかったそうです。
その他にも、中性脂肪、悪玉コレステロールの低減、肌にハリ・ツヤを与えるなどが期待できるそうです。
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■どのような食事をすればいいの?
バランスの良い食事に、エクオール(イソフラボン)、乳酸菌、食物繊維の3栄養素をプラスするなどして、栄養で対策することも有効だという。エクオールはある種の腸内細菌の働きによって、大豆イソフラボンから変換されるため、腸内細菌を整える栄養素も一緒に摂取するのが望ましいとのこと。
<中略>
エクオール産生能力がある場合は、大豆製品を1日豆腐2/3丁、納豆1パック程度、豆乳200ccを目安に摂取するのがいいという。エクオールの産生能力がない場合は、エクオールを含むサプリメントの活用が有効とのこと。
まとめます。
- 腸内細菌を整えるためにも乳酸菌や食物繊維を摂ること
- エクオール産生能力がある場合には、大豆製品を1日豆腐2/3丁、納豆1パック程度、豆乳200ccを目安に摂取
- エクオールの産生能力がない場合は、エクオールを含むサプリメントの活用が有効
→ 更年期障害の症状・原因・チェック|40代・50代の更年期の症状 について詳しくはこちら
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