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黄砂飛来の翌日に急性心筋梗塞が増加|慢性腎臓病の人は黄砂の影響によって急性心筋梗塞を起こしやすい|熊本大

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■黄砂飛来の翌日に急性心筋梗塞が増加

参考画像:黄砂飛来の翌日に急性心筋梗塞が増える可能性(2017/9/4、熊本大学プレスリリース)

黄砂飛来の翌日に急性心筋梗塞が増える可能性

(2017/9/4、熊本大学プレスリリース)

黄砂が観測された翌日に急性心筋梗塞を発症するオッズ比(相対危険度の近似値)は 1.46(95%信頼区間 1.09-1.95)であり、黄砂が観測された後に急性心筋梗塞患者が増えるという関連性が明らかになりました。

熊本大学の小島淳特任准教授ら、国立環境研究所の道川武紘主任研究員ら、京都大学、工学院大学、国立循環器病研究センターの研究者らと共同で行なった研究によれば、黄砂が心筋梗塞の発症と関連している可能性がわかりました。

特に慢性腎臓病のある人は、黄砂の影響を受けて心筋梗塞を起こしやすくなる可能性があるそうです。




■まとめ

今回の研究では、黄砂にさらされると心筋梗塞を発症しやすい可能性があることを示していますが、黄砂が心筋梗塞の発症リスクを上げるというメカニズムについては分かっていないようです。

黄砂飛来時は光化学オキシダント、二酸化窒素や二酸化硫黄といった大気汚染物質濃度が高くなりますが、統計モデル上でこれらの影響を排除するよう調整しても黄砂と急性心筋梗塞発症に関連性を認めました。

黄砂は比較的粒径の大きい粒子で構成されていますが、急性心筋梗塞との関連が報告されている PM2.5 を含んでいます。

黄砂飛来時には PM2.5 の濃度も高くなるので、PM2.5 の影響を排除した解析も行いましたが、同様に関連性を認めましたので、PM2.5 よりも径の大きい粒子が影響している可能性があります。

また、慢性腎臓病を有すると、体内では酸化ストレスや炎症など生体に悪影響をもたらす反応が進んでいますので、黄砂への曝露がこの反応を後押しすることでより急性心筋梗塞を起こしやすくしている可能性が考えられます。

一つの可能性として、今回の研究では、慢性腎臓病の人が黄砂の影響を受けて心筋梗塞になる可能性があることから、黄砂にさらされることによって、酸化ストレスや炎症などの反応を後押ししているのではないかという仮説が紹介されています。

これまでにも大気汚染が健康に悪影響を及ぼしているというニュースを紹介してきました。

今回の研究では、微小粒子状物質(PM2.5)、光化学オキシダント、二酸化窒素や二酸化硫黄といった大気汚染物質の影響を考慮しても、黄砂によって心筋梗塞になりやすく、特に慢性腎臓病の人は心筋梗塞になりやすいということでしたので、注意するようにしましょう。

→ 心筋梗塞の症状・原因・前兆・予防 について詳しくはこちら

→ 慢性腎臓病とは|慢性腎臓病(CKD)の症状・原因・チェック について詳しくはこちら







【参考リンク】
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クロちゃんについに余命宣告!|2型糖尿病・慢性腎臓病・肝機能障害の発覚後の教育入院で生活習慣はどう変わった?|名医のTHE太鼓判|4月23日




【目次】

  1. クロちゃんについに余命宣告!|2型糖尿病・慢性腎臓病・肝機能障害の発覚後の教育入院で生活習慣はどう変わった?|名医のTHE太鼓判|4月23日
  2. 1.自分の健康リスクを低く見積もりがちなこと
  3. 2.生活習慣の改善の仕方・アプローチを間違っていること
  4. より自然に人々の行動変容を促すことで健康になる時代に!

■クロちゃん、2型糖尿病・慢性腎臓病・肝機能障害の発覚後の教育入院で生活習慣はどう変わった?|名医のTHE太鼓判

Man of concern

by Lisa Brewster(画像:Creative Commons)

クロちゃんについに余命宣告!教育入院で“改心”も…フジモン怪しむ「嘘つきクソダルマ」

(2018/4/22、スポニチアネックス)

クロちゃんは1月29日に放送された同番組で2型糖尿病であることが判明したほか、慢性腎臓病、肝機能障害などの生活習慣病も発覚。血糖値は即入院レベルと診断された。過去の出演から暴飲暴食ぶりが全く改善されていなかったため、番組は「教育入院」を実施。

<中略>

実際に教育入院を終えてから3週間後の定期健診では空腹時の血糖値が233から103と大幅に改善。退院後の密着でも朝食を自炊し、仕事場までも7キロをウォーキングするなど生活改善が見られた。

「安田大サーカス」のクロちゃんが2018年1月29日放送の「名医のTHE太鼓判!」で2型糖尿病慢性腎臓病肝機能障害などの生活習慣病が発覚し、暴飲暴食が改善されていなかったため、専門医に食事や運動療法を指導される「教育入院」を実施しています。

2018年4月23日放送の「余命宣告3時間SP」では「教育入院」を行った結果、どれだけ生活改善がなされたかをチェックするそうです。

今回考えたいのは「生活習慣を改善する難しさ」についてです。

なぜ生活習慣を変えるのが難しいのでしょうか?

それは、1.自分の健康リスクを低く見積もりがちなこと、2.生活習慣の改善の仕方・アプローチを間違っていること、です。

1.自分の健康リスクを低く見積もりがちなこと

私たちは高齢化に伴う健康や金融リスクを低く見積もりがち!?|英エコノミスト「リアリティ・チェック:健康・経済プラン・QOLが映し出す未来像と現実のギャップ」によれば、人びとは高齢化に伴う健康リスクを低く見積もっているようです。

どんなに悪い生活習慣であっても、自分だけは病気にならないと健康リスクを低く見積もりがちであるため、実際の行動に移りづらいんですよね。

2.生活習慣の改善の仕方・アプローチを間違っていること

健康的な生活をするためには食事や運動など生活習慣を見直すことが重要だという結論になるのですが、食事バランスガイドを守ると死亡リスクが減少する!|バランスの良い食事をしようというメッセージは伝わっているの?で取り上げましたが、実は「健康のためにはバランスの良い食事をおすすめします」というメッセージでは生活習慣は変わりにくいのです。

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、「もっと健康的な食生活を送る」といったトータル的な目標は、はっきりしておらず、あいまいさがあるために、感情に言い逃れの余地を与え、失敗を正当化しやすくしてしまうそうです。

わかりやすくいえば、「健康のためにはバランスの良い食事をしましょう」というメッセージは正しいのですが、はっきりとした目標ではないために、「どうやったらいいかわからないからやらない」というような言い訳ができてしまい、「生活習慣の改善に失敗したのはわかりづらかっただけで自分のせいではない」と自分の行動を正当化する理由になってしまうのです。

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そうなると、結果的に、今まで通りの生活をしてしまうことになってしまいます。

では、どのようにすれば生活習慣を変えることができるのでしょうか?

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)によれば、

デューク大学の学者が2006年に発表した論文によると、毎日の人の行動の、じつに40%がその場の決定ではなく習慣

なのだそうです。

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また、「スイッチ 変われないを変える方法」(著:チップ・ハース ダン・ハース)によれば、セルフ・コントロールは消耗資源であり、例が挙げられています。

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例:ウェディングレジストリ(アメリカで結婚時に新郎新婦が作る結婚祝儀のほしいものリスト)の作成やコンピュータの購入など複雑な選択や検討をさせられた人々はさせられていない人々よりも集中力や問題解決能力が落ちる事が分かっている。

例:ある研究によると、感情を抑えるように支持された被験者は、自由に涙を流した被験者と比べて、その後の身体持久力が低下することがわかった。

私たちはあらゆる場面でセルフ・コントロールを消耗するものであり、一つ一つの行動をいちいち決定してしまうと疲れてしまうため、人は習慣として自動化された行動をしてしまうのです。

つまり、反対に考えると、変化を起こしたいときには、自動化された行動=習慣を変えなくてはならないのです。

具体的には習慣を変えるためにどのようなことをすればよいのでしょうか?

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)によれば、人間の心理には、2つの基本原則があるそうです。

1.シンプルでわかりやすいきっかけを見つけること

2.具体的な報酬を設定すること

新しい習慣作りには、「きっかけ」と「報酬」が重要です。

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)では、「きっかけ」と「報酬」についての具体的な例が紹介されています。

新しい運動習慣を身につけるのに成功した人々の研究では、職場から帰宅した直後にジョギングに行くといった特定のきっかけと、罪悪感から解放された夜のテレビ鑑賞やビールといった具体的な報酬を設定した人のほうが続きやすいことがわかっている。

食餌療法についての研究では、挫折せずに新しい食習慣をつくり上げるのには、前もってメニューを作成しておくなど、事前にきっかけを決め、シンプルな報酬を設定する必要が有ることも判明した。

あるグループでは、92%の人が、気持ちが良いから習慣的に運動すると話している。運動で分泌されるエンドルフィン等の神経伝達物質を期待し、求めるようになるのだ。

毎朝、走りたければ、シンプルなきっかけと明確な報酬を選ぶ必要がある。

しかし、その後の無数の研究によって、きっかけと報酬そのものには新しい習慣を長続きさせる力はないとわかった。脳が報酬を期待するようになってはじめて、つまりエンドルフィンや達成感を求めるようになってはじめて、毎朝、ジョギングシューズのヒモを無意識のうちに結ぶようになるのだ。きっかけはルーチンを生み出すだけでなく、その先の報酬への欲求を生み出すものでなくてはならない。

「きっかけ」と「報酬」は新しい習慣を作るうえで欠かせないものですが、「きっかけ」と「報酬」そのものには新しい習慣を長続きさせる力はなく、「〇〇したい」「〇〇がほしい」というような明確な欲求が習慣のための原動力となるのです。

そのため、このプログラムにおいては、変わりたいという感情をいかに生み出すのか=「動機づけ」をいかに行うかがポイントになってくるのではないでしょうか?

どのような目標を立てるのかも大変重要です。

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、

「いかに小さな成功であってもそれを積み上げることで自信につながる」

NFLコーチ ビル・パーセルズの言葉を紹介しています。

手の届く範囲の目標を掲げて、それを達成することにより、小さな成功を感じることは、その人にとっての自信になるはずです。




■より自然に人々の行動変容を促すことで健康になる時代に!

もう一つ考えられているのは、社会全体が健康的なものに変わっていくことです。

31歳で横浜市立大学の教授となった武部貴則教授が取り組む「広告医学」とは?|なぜ「広告医学」が必要なの?|「広告医学」の例で紹介した広告医学とは、医療・医学情報と、デザインやコピーライティングなどの広告的視点を組み合わせることで、より自然に動機付けして、人々の行動変容を促すことにより、健康を実現していくことを目指すものです。

言い換えると、先ほど紹介したのは、個人の生活習慣を変えたいという意志が重要だったのですが、ここでは人々が普通に生活しているだけで健康的な行動を起こすようになっているという考え方ですね。

横浜市大×電通『広告医学プロジェクト2016』が本格始動では3つのプロジェクトが紹介されています。

1.Another Steps ・・・つい上りたくなる健康階段

『Another Steps(健康階段)』は、一日中ラボに籠って研究に勤しむ研究者に、階段の上り下りの中で、世界50か国もの天気情報をリアルタイムで提供します。研究者が階段を使うことによって、外の世界の「今」を知るきっかけとなるだけでなく、自然に健康づくりが促進される実験的な取組として、平成28年4月に先端医科学研究棟内において実施しました。

エスカレーターを使うよりも階段の上り下りをするほうが健康的であり、階段を上り下りする中で世界の天気情報を見ることができるというものです。

ICAROS|飛行シミュレーションができるVRゲームとワークアウトを組み合わせたフィットネスマシン
で紹介したICAROSは、飛行シミュレーションができるVRゲームとエクササイズを組み合わせたフィットネスマシンもこの考え方に近いもので、ゲームをすると結果的に健康的になれるというアイデアです。

2.演劇クエスト ・・・ロールプレイングゲームで健康行動促進

このプロトタイプでは、患者さんが冒険者として院内を探索するストーリーになっており、シナリオにある選択肢にそって参加者はそれぞれ違うルートで、屋上から駐車場まで、いろいろな所を楽しみながら歩くことができ、リハビリ等の促進が期待できます。

RPGの主人公になってストーリーを楽しみながら歩くことによってリハビリの促進が期待できるというものです。

【関連記事】

「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが「#健康格差」の要因|#NHKスペシャルでは、イギリス食品基準庁が食品に塩分量の目標値を設定することでは脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を減らすことに成功したケースや東京都足立区が飲食店にお客に出すお通しに野菜を提供するなどをお願いすることによって糖尿病患者を減らしたケースを紹介しました。

■イギリス食品基準庁、食品に塩分量の目標値を設定

NHKスペシャルの低所得者の疾病リスクに迫った「健康格差特集」に反響の声

(2016/9/21、マイナビニュース)

イギリスでは、脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功した。これらの疾病は、低所得がかかりやすいとされているが、イギリスは高血圧などの心疾患を招く塩分を減らすことに着手したとのこと。

イギリスでは脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功したそうですが、その理由としては、イギリス食品基準庁が塩分を減らすように食品の塩分量の目標値を設定したことにあるそうです。

2006年に85品目の食品に塩分量の目標値を設定し、メーカーに自主的達成を求めた。その理由は、主食であるパンが国民の最大の塩分摂取源となっていたためだが、メーカー側は売れ行き減を懸念。見かねた医学や栄養学などを専門とする科学者団体「CASH(塩と健康国民運動)」がメーカー側に徐々に塩分を下げるように提言した。

この提言に大手パンメーカーによる業界団体も納得し、7年でパンを20%も減塩。こういった取り組みの結果、国民1人当たりの塩分摂取量を15%減らすことにつながり、年間で2,000億円の医療費削減につながったと考えられている。

現在、日本人の一日の塩分摂取量として推奨されているのは、10g未満です。

ただし、高血圧患者ではさらに基準が厳しく、1日6g未満となっています。(日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインより)

減塩のための食事を自分で作るのは大変ですが、食品メーカーが減塩に取り組むことによって、全体的に塩分摂取量が減らすことができるというのは大変いい取り組みだと思います。

→ 高血圧の症状・食事・数値・予防・原因 について詳しくはこちら

→ 血圧を下げる方法(食べ物・サプリメント・運動) について詳しくはこちら

■糖尿病患者を減らした東京都足立区の事例

NHKスペシャルの低所得者の疾病リスクに迫った「健康格差特集」に反響の声

(2016/9/21、マイナビニュース)

まず実行したのは飲食店巡り。お客のお通しに野菜を提供するようにお願いし、肉のメニューと野菜のメニューを同時に頼まれても、必ず野菜から出してもらうように店側にお願いした。

その理由は血糖値の変化にある。野菜を炭水化物よりも先に摂取することにより、食物繊維が糖の吸収を遅らせて血糖値の変化量を約30%抑えられる。

東京都足立区の平均年収は23区で最も低い300万円台前半(港区の3分の1程度)で、健康寿命は23区の平均よりも2歳短く、糖尿病の治療件数が最も多いそうです。

そこで足立区は区民が「自然と」健康になるようにする対策として行なったのが、飲食店にはお客のお通しに野菜を提供すること、肉のメニューと野菜のメニューを同時に頼まれても、必ず野菜から出してもらうようにお願いをし、また、区立のすべての保育園で野菜を食べる日を設け、調理は子ども自身が担当することで、楽しみながら野菜を摂取してもらうようにしたそうです。

この取り組みによって、足立区の1人当たりの野菜消費量は年間で5kg増えたそうです。

ポイントは、人々は生活習慣を変えることなく、メーカーや飲食店が健康的な食事を提供することによって、自然と人々が健康になっていったということです。

つまり、大事なことは、社会全体が健康に対する意識を高めることで、メーカーや外食店が健康的な食事を提供するようになれば、人々も以前と比べて健康的な生活習慣への改善を意識することなくできるということです。

健康寿命を延ばすことは国の医療費を削減するためにも大事なことですのでみんなで取り組んでいきたいですね。







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便秘症の治療薬が慢性腎臓病の治療薬になる可能性|腸内環境改善による腎臓病治療法の開発|東北大

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■便秘症の治療薬が慢性腎臓病の治療薬になる可能性|腸内環境改善による腎臓病治療法の開発|東北大

Children surprise

by Michel Riallant(画像:Creative Commons)

便秘症の薬が腎臓病に効く可能性示す

(2014/12/26、ハフィントン・ポスト)

便秘症の治療薬のルビプロストンに慢性腎臓病の進行を抑える効果があることを、東北大学大学院医学系研究科の阿部高明(あべ たかあき)教授らがマウスの実験で見いだした。

東北大学大学院医学系研究科の阿部高明教授らによるマウスの実験によれば、便秘症の治療薬であるルビプロストンに慢性腎臓病の進行を抑える効果があるそうです。

腎臓病で蓄積する種々の尿毒素のうち、最も悪い作用をするといわれているインドキシル硫酸などの産生には腸内細菌叢が関わることが知られていた。さらに近年、慢性腎臓病では、腸内細菌叢を含む腸内環境全体が悪い方向に変化していることも明らかになっていた。

今回の研究の仮説のポイントはこちら。

1.腎臓病で蓄積する尿毒素の産生に腸内細菌叢が関わっている

2.慢性腎臓病では、腸内細菌叢(腸内フローラ)を含む腸内環境全体が悪い方向に変化している

→腸内環境を変えるものとして、便秘症の下剤として使われているルビプロストンで実験

ルビプロストンを投与したマウスでは、腸内細菌に由来する尿毒素物質の血中濃度が減少していた。これらの結果から、ルビプロストンは腸内環境・腸内細菌叢の変化を介して、尿毒素の蓄積を減少させ、慢性腎臓病の進行を抑制すると考えられる。

ルビプロストンによって、腸内環境・腸内細菌叢の変化を介して、尿毒素の蓄積を減少させ、慢性腎臓病の進行を抑制すると考えられるそうです。

【参考リンク】




→ 「腸腎連関」|腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが慢性腎臓病の悪化を抑制するカギに について詳しくはこちら




腎臓関連ワード

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急性腎障害の早い段階で、酸化ストレスの抵抗性を高める薬を飲むことにより、慢性腎臓病の進行を抑制できる|東北大学

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【目次】

■急性腎障害の早い段階で、酸化ストレスの抵抗性を高める薬を飲むことにより、慢性腎臓病の進行を抑制できる

酸化ストレスによる急性腎障害から慢性腎臓病への進行
酸化ストレスによる急性腎障害から慢性腎臓病への進行

参考画像:腎臓病が進行するしくみを解明〜慢性腎臓病の進行を防ぐ治療薬の開発に期待〜|東北大学ニュースリリースPDF|スクリーンショット

腎臓病が進行するしくみを解明〜慢性腎臓病の進行を防ぐ治療薬の開発に期待〜

(2016/10/21、東北大学ニュースリリースPDF)

マウスに手術を施し、急性腎障害を起こすと、2週間で慢性腎臓病のような病態を生じます。

本研究グループでは、酸化ストレスを消去する能力の高い遺伝子改変マウスを作出しており、この遺伝子改変マウスでは、同様の手術を施しても、慢性腎臓病の病態が軽度であることを発見しました。

次に、急性腎障害を生じたマウスに酸化ストレスへの抵抗性を高める薬剤を飲ませました。

その結果、急性腎障害を起こした後、1日目から5日目の間に薬を飲ませることで、2週間後の慢性腎臓病への進行が抑えられることがわかりました。

一方、急性腎障害を起こしてから、7日目以降に薬を飲ませても、慢性腎臓病の病態は改善されませんでした

東北大学の祢津昌広 助教(東北メディカル・メガバンク機構地域医療支援部門)、相馬友和 研究員(大学院医学系研究科医化学分野・現 米国ノースウエスタン大学)、鈴木教郎 准教授(大学院医学系研究科酸素医学分野)、山本雅之 教授(同医化学分野・東北メディカル・メガバンク機構長)らのグループによれば、酸化ストレスが腎臓病を進行させる原因となることがわかったそうです。

また、急性腎障害となった場合には、早い段階で、酸化ストレスの抵抗性を高める薬を飲むことにより、慢性腎臓病の進行を抑制できると考えられるそうです。

■酸化ストレスによる急性腎障害から慢性腎臓病への進行

急性心不全や敗血症、大出血などにより、腎臓へ流れる血流が不安定になると、急激に大量の酸化ストレスが生み出され、腎臓を損傷します(急性腎障害)。急性腎障害は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を含む様々な慢性疾患を伴う場合、徐々に進行し、慢性腎臓病に至ります。

急性心不全や手術(血管手術・腎移植)、細菌感染・敗血症、大出血により腎臓へ流れる血流が不安定になると、酸化ストレスが生まれ、急性腎障害を起こします。

急性腎障害は、高血圧糖尿病などの慢性疾患を伴う場合に、徐々に進行し、慢性腎臓病になります。




■酸化ストレスとは?

※酸化ストレス:活性酸素種などの細胞に傷をつける分子が細胞内に溜まった状態。本研究グループでは、Nrf2 というタンパク質が酸化ストレスを除去する重要な役割を担っていることを世界に先駆けて発見し、研究を進めている。

酸化ストレスとは、活性酸素など細胞を傷つける分子が細胞内にたまった状態で、今回の研究で酸化ストレスの抵抗性を高める薬として考えられているのは、酸化ストレスを除去する重要な役割を担っているタンパク質「Nrf2」で、「Nrf2」を活性化させることにより酸化ストレスを減少して慢性腎臓病の進行を抑えることが期待されます。

【補足】成人の8人に1人の新国民病「慢性腎臓病」

慢性腎臓病とは、慢性的にかかる腎臓病の総称のことで、糖尿病の合併症の一つである糖尿病性腎症や慢性糸球体腎炎(IgA腎症)、腎硬化症、膜性腎症など様々な病気が含まれています。

慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)とは、簡単に言うと、腎臓の機能が60%未満に低下することを言います。

腎臓の機能が低下し、血液中の水分や老廃物のろ過機能が低下してしまい、症状が悪化すると、人工透析が必要となります。

慢性腎臓病は、自覚症状がほとんどなく、気付いた時には重症化してしまい、「サイレントキラー」とも呼ばれています。

慢性腎臓病の患者数は推定1330万人で、日本人の成人の実に8人に1人が患っていることから新国民病の一つともなっています。

慢性腎臓病を発症すると人工透析が必要になってしまうケースもあり、重症化する前に発見することが重要です。

→ 慢性腎臓病 について詳しくはこちら

【補足】高血圧が慢性腎臓病の引き金になる

高血圧になると、腎臓の血管でも動脈硬化が起こり、腎臓にある糸球体(血液をろ過する腎臓の血管)が動脈硬化を起こすことで、濾過する能力が低下し、その結果、腎機能の低下が起こると考えられます。

→ 高血圧の症状・食事・数値・予防・原因 について詳しくはこちら

→ 血圧を下げる方法(食べ物・サプリメント・運動) について詳しくはこちら

【補足】慢性腎臓病の早期発見のサイン

●夜にトイレに行きたくなり頻繁に目が覚める(頻尿)

一般的な人の尿の回数は、昼5回、夜が0から1回なのだそうです。

しかし、腎臓からSOSが出ている場合、昼夜逆転現象が起きてしまうそうです。

昼間は、腎臓の処理能力が追い付かないため、尿の量が減り、夜(睡眠)になると、腎臓の処理能力が回復し、尿の量が増えてしまうということが起きてしまうそうです。

●朝のむくみ

通常は睡眠中に尿に処理されるため、むくみというのはあまり起きません。

前の晩に水分を過剰に飲んでいないにも関わらず、朝起きたらむくみがある、あるいは毎朝むくんでいるという人は、腎機能が低下している可能性があるそうです。

●尿が濁っている(例:血が混じってコーラのような赤茶色)

●尿が泡立つ(または泡立ちがなかなか消えない)

腎臓のフィルター機能かうまく機能していないため、泡立つ性質を持つたんぱく質が出ている可能性があります。

●汗があまり出ない季節なのに、尿の量が少ない

その他にも意外な病気がきっかけとなることもあるそうです。

●感染症を繰り返している

1年に5回は熱が出てしまったり、扁桃腺がよく腫れるという人は炎症によるダメージがたまることで慢性腎臓病になることがあるそうです。

感染症にかかる、つまり体内にウイルスや細菌が侵入すると、体内ではそれらを倒すために抗体を作って攻撃をします。

しかし、長期にわたって病気が治ったりかかったりを繰り返すことで、抗体が違った形で影響し、腎臓への負担となって、慢性腎臓病になることがあるそうです。

歯周病、鼻腔炎、扁桃腺炎、膀胱炎などを繰り返している人は注意が必要なようです。







【関連記事】
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甲状腺ホルモンが慢性腎臓病(CKD)の悪化を防ぐメカニズムを解明|山梨大学

健康・美容チェック > 腎臓 > 腎臓の病気 > 慢性腎臓病 > 透析患者数は32万448人|糖尿病腎症・慢性糸球体腎炎で全体の7割を占める|日本透析医学会




■甲状腺ホルモンが慢性腎臓病(CKD)の悪化を防ぐメカニズムを解明|山梨大学

活性化した組織障害マクロファージが炎症性サイトカインを産生し続ける、慢性炎症は、マクロファージの転写因子の制御異常によって引き起こされ、その転写因子の制御には甲状腺ホルモンと甲状腺ホルモン受容体が関与している
活性化した組織障害マクロファージが炎症性サイトカインを産生し続ける、慢性炎症は、マクロファージの転写因子の制御異常によって引き起こされ、その転写因子の制御には甲状腺ホルモンと甲状腺ホルモン受容体が関与している

参考画像:甲状腺ホルモンが慢性腎臓病の悪化を防ぐメカニズムを解明(2017/3/7、山梨大学プレスリリース)|スクリーンショット

甲状腺ホルモンが慢性腎臓病の悪化を防ぐメカニズムを解明

(2017/3/7、山梨大学プレスリリース)

CKDの腎臓では、尿細管間質で活性化した組織障害マクロファージが炎症性サイトカインを産生し続ける、慢性炎症の状態にあると考えられます。

慢性炎症は、マクロファージの転写因子の制御異常によって引き起こされ、その転写因子の制御には甲状腺ホルモンと甲状腺ホルモン受容体が関与していることがわかりました。

山梨大学の古屋文彦講師、北村健一郎教授らの研究グループが慢性腎臓病モデルマウスを用いて行った研究によれば、甲状腺ホルモンが腎障害進行の抑制に重要な役割を担っていることを解明したそうです。

【補足】慢性腎臓病(CKD)とは?

【主治医が見つかる診療所】新国民病!慢性腎臓病|高血圧が慢性腎臓病の引き金になる!によれば、慢性腎臓病とは、慢性的にかかる腎臓病の総称のことで、糖尿病の合併症の一つである糖尿病性腎症や慢性糸球体腎炎(IgA腎症)、腎硬化症、膜性腎症など様々な病気が含まれています。

慢性腎臓病(chronic kidney disease;CKD)とは、簡単に言うと、腎臓の機能が60%未満に低下することを言います。

国民のほぼ1割、1,300万人の腎機能が60%以下に低下していると言われ、慢性腎臓病は、“新たな国民病”として注目されています。

腎臓の機能が低下し、血液中の水分や老廃物のろ過機能が低下してしまい、症状が悪化すると、人工透析が必要となります。

慢性腎臓病は、自覚症状がほとんどなく、気付いた時には重症化してしまい、「サイレントキラー」とも呼ばれています。

「慢性腎臓病」が悪化すると、老廃物が血管の内皮細胞を傷つけることによって、脳卒中心筋梗塞など血管の病気になるリスクが高くなります。

生活習慣を改善することなくそのままの生活を続けてしまうと、さらに腎臓機能が低下して、慢性腎臓病から慢性腎不全・脳卒中・心筋梗塞を引き起こす可能性があります。

→ 慢性腎臓病とは|慢性腎臓病(CKD)の症状・原因・チェック について詳しくはこちら




■背景

甲状腺ホルモンが低下した患者さんでは、その作用が弱くなり動脈硬化やメタボリックシンドロームのリスクが高いことが指摘されています。

CKD患者さんの腎臓や、メタボリックシンドロームの患者さんの血管では炎症細胞としてのマクロファージによる「慢性的な炎症」が、尿細管間質の線維化や動脈硬化の原因となっています。

甲状腺ホルモンが低下すると、動脈硬化メタボリックシンドロームのリスクが高くなり、また、CKDやメタボリックシンドロームの患者の血管では、マクロファージによる慢性炎症が尿細管間質の線維化や動脈硬化の原因となっていることから、甲状腺ホルモンと腎障害進行に何らかの関係があるのではないかと考えられます。

■研究結果

骨髄の甲状腺ホルモン受容体が欠損したマウスの腎臓では、炎症性サイトカインを産生して慢性的な炎症を進めて組織の破壊を起こす組織障害性マクロファージが集まり、尿細管間質の線維化や腎障害を引き起こすことが分かりました。

通常の状態では、甲状腺ホルモン受容体はマクロファージの転写因子の働きを調節して、炎症性サイトカインの産生を抑制し、炎症を収束させるのですが、甲状腺ホルモンの働きがなくなると、マクロファージで転写因子の働きが活性化し続けることによって、炎症性サイトカインの産生が続き、慢性炎症の状態となり、腎障害が進行することが分かりました。

■まとめ

透析人口は32万448人|糖尿病腎症・慢性糸球体腎炎で全体の7割を占める|日本透析医学会で紹介した日本透析医学会によれば、2014年末現在の日本の透析人口は32万448人で、このうち透析の原因となる病気は糖尿病腎症が11万8,081人と最も多く、その次に慢性糸球体腎炎が9万6,970人と続き、糖尿病腎症と慢性糸球体腎炎の2つの疾患で透析人口の全体の7割を占める結果となっています。

慢性腎臓病の治療は、生活習慣の改善や高血圧糖尿病に対する治療が行われてきましたが、甲状腺ホルモンが腎障害進行の抑制に重要な役割をになっていることが分かったことにより、別のアプローチによる新しいCKDに対する治療法が期待されます。

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