Xの投稿によれば、男性と女性でダイエット戦略は違って、女性の場合、空腹有酸素を習慣的に続けると、過食やホルモンバランスの乱れにつながりやすいため、女性には推奨されにくいとあります。
以前、コロチキ西野さんが3か月で10キロやせた時に一番効果的だった方法は「空腹ブラックコーヒーウォーキング」!でコロチキの西野さんが3カ月でマイナス10kg痩せたときにいちばん痩せたのは、お腹が空いてる状態でブラックコーヒーだけを飲んで、30分ウォーキングしたことだったそうです。
つまり、男性の体では空腹状態での有酸素運動が効果的に働くケースがあると考えられます。
■女性は運動前に軽く食べた方がよく、空腹での有酸素運動を続けると後で過食になりやすい
Dr. Stacy Sims(ステイシー・シムス博士)の女性生理学に基づく見解によれば、「女性は小さな男性ではない(Women are not small men)」と強調し、運動・栄養の研究の多くが男性中心だった点を指摘しています。
●脂肪燃焼の仕組みが違う
運動時のエネルギー源の使い方が男女で異なり、男性に比べて運動中に脂肪を優先的にエネルギーとして使う能力が元から高い(エストロゲンという女性ホルモンや、タイプI筋繊維の割合などが影響)。
つまり、「空腹になって脂肪を燃やしやすくする」というテクニックを使わなくても、女性の体はすでに運動中に脂肪を燃やしやすい体質になっているため(同じ相対強度の有酸素運動では、女性の方が脂肪酸化の割合が高い傾向がある)、わざわざ空腹にするリスクをとってまで行うメリットが薄いと考えられます。
むしろ空腹+運動のストレスがホルモンに影響しやすいです。
●エネルギー不足への敏感さが違う
低エネルギー可用性(体が必要とするエネルギーが足りない状態)の閾値が男女で大きく異なります。
男性は比較的低くても内分泌(ホルモン)機能が保たれやすい一方、女性はより高いレベルで甲状腺機能低下、月経不順、食欲ホルモンの乱れ、腹部脂肪増加などが起きやすくなります。
脳(視床下部)にある「キスペプチンニューロン」というセンサーが、エネルギー代謝と生殖機能をコントロールしていて、女性はこのセンサーが非常に敏感です。
※キスペプチンとは、生殖ホルモンや食欲・血糖を調節する神経ペプチドのこと。
つまり、女性が空腹で運動すると、脳がすぐに「危機的状況(飢餓+ストレス)」と察知します。
その結果、体を守ろうとして基礎代謝を落としたり、後から強烈な食欲(特に即効性のある糖質への欲求)を発生させたりしやすくなります。
●ストレスホルモン(コルチゾール)の上昇率が違う
朝一番の空腹状態は、もともと体内コルチゾール(ストレスホルモン)が高い状態です。
そこにさらに有酸素運動を重ねると、コルチゾールが過剰に跳ね上がります。
コルチゾールが高止まりすると、筋肉を分解しやすくなったり、お腹周りに脂肪を溜め込みやすくなったりします。
●食欲のコントロールが違う
空腹での運動は主観的な空腹感を高め、エネルギー消費が下がりやすいという分析がある一方、食事を摂った状態での運動+運動後の食事は、1日全体の摂取カロリーを抑えやすく食欲制御に良いとするデータがあります。
女性の方がエネルギー不足に対する補償的な食欲反応が強い傾向を示す報告もあることから、慢性的な空腹トレーニングでは女性で過食やホルモン乱れにつながりやすいのではないかと考えられます。
注意点として、すべての研究が「女性は絶対に空腹運動NG」と断定しているわけではないのですが、「運動前に少し燃料を入れて脳(視床下部)に『栄養がある』と知らせ、コルチゾール過剰やホルモン乱れを防ぎ、パフォーマンスと回復を高める」という戦略をとった方が効果的なのではないかというSims博士が勧める考え方です。
■具体的な方法
●筋トレ前
タンパク質約15g程度(筋肉タンパク合成のシグナルや代謝維持に)。例:プロテインパウダー少し、ギリシャヨーグルト少量、プロテインコーヒーなど。
●有酸素(〜90分程度)前
タンパク質約15g+炭水化物約30g。例:バナナ半分+ヨーグルト、トースト少し+プロテイン、プロテイン入りの甘いアーモンドミルク入りコーヒーなど。
●運動後
できるだけ1時間以内にタンパク質30g前後(更年期以降は40g程度推奨)+炭水化物。回復とホルモンの安定化に。
朝一番の空腹有酸素運動を避け、筋トレ前に燃料を入れ、有酸素運動前にも補給する形です。
■まとめ
女性は空腹で有酸素運動をするとホルモンや食欲のバランスを崩しやすい傾向にあるため、筋トレ前に燃料代わりの栄養を補給することで、後の過食を防ぎ、トレーニング効果を得やすくなります。
ただし、全体のカロリーや栄養バランスがきちんと取れている場合は、たまに空腹で運動しても大きな問題にならないケースもあるため、個人の体感や目的に合わせて調整するのがおすすめです。
【参考文献】
- Sims, S. (2025). Why Fasting Doesn’t Work for Active Women. Dr. Stacy Sims公式サイト.
https://www.drstacysims.com/newsletters/articles/posts/fasting-for-active-women-risks - Sims, S. (各種講演・記事). Women Are Not Small Men(女性は小さな男性ではない)の考え方に基づく女性特有の運動・栄養アドバイス。
- Cano, A. et al. (2021). Analysis of sex-based differences in energy substrate utilization during moderate-intensity aerobic exercise: a systematic review and meta-analysis. European Journal of Applied Physiology.
(男女で運動中の脂肪・炭水化物利用に差があることを示したメタ分析) - Boisseau, N. & Isacco, L. (2022). Substrate metabolism during exercise: Sexual dimorphism and women’s specificities. European Journal of Sport Science.
- Templeman, I. et al. (2021). The acute effect of fasted exercise on energy intake, energy expenditure, subjective hunger and gastrointestinal hormone release compared to fed exercise in healthy individuals: a systematic review and network meta-analysis. International Journal of Obesity.
(空腹運動と食事後運動の食欲・エネルギー摂取への影響を比較したネットワークメタ分析) - Allaway, H. C. et al. やDe Souza, M. J. らの研究群、および関連レビュー:
低エネルギー可用性(LEA)とキスペプチン、女性の生殖機能・甲状腺機能への影響について。 - Loucks, A. B. et al. の一連の研究:
運動そのものではなく「エネルギー不足」が女性のホルモン(LHパルスなど)に影響することを示した古典的研究。
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