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なぜ岐阜県の女性の胃がんによる死亡率が全国平均を大きく上回っているのか?

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■なぜ岐阜県の女性の胃がんによる死亡率が全国平均を大きく上回っているのか?

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by bryan…(画像:Creative Commons)

胃がん死亡率、県内女性なぜ高い? 県、検討会新設へ

(2016/1/30、中日新聞)

がん対策情報センター(東京)によると、岐阜県内の七十五歳未満の女性の胃がんによる死亡率は一三年、人口十万人当たり八・二人だった。全国平均の五・七人を大きく上回り、都道府県別では秋田県に次いで二番目に高かった。

岐阜県の女性の胃がんによる死亡率が全国平均を大きく上回っていることから、県は原因究明に乗り出すそうです。

胃がんの原因には、塩分の取り過ぎや喫煙、肥満が関係しているとされる。しかし、岐阜県の女性の塩分摂取量の平均は一二年、都道府県別で高い方から数えて二十六位。喫煙率も一三年、二十位だった。値が大きいほど肥満であることを示すBMI指数の平均に至っては一二年、小さい方から数えて三位だったという。

胃がんの原因には、塩分の摂り過ぎや喫煙、肥満が関わっているといわれていますが、岐阜県の女性の塩分摂取量、喫煙率、BMI指数が飛びぬけて高い数字のものはないようです。

また、男性はここ二十年、全国平均並みで推移していることからも、生活習慣が大きくかかわっているとは考えにくいですよね。

胃がんの原因としてもう一つ忘れてはならないのは、「ピロリ菌」です。

ピロリ菌は、胃炎胃潰瘍、胃がんなどを引き起こすことがわかっています。

胃がんの8割がピロリ菌が原因 胃がん対策はピロリ菌除菌を中心に|国際がん研究機関によれば、ピロリ菌が胃がんの原因の一つであり、ピロリ菌を除菌することが胃がん予防につながるといわれています。

なぜ胃がん患者は日本海側で多い傾向にあるのか?でも紹介しましたが、ピロリ菌感染者の親が口をつけた食べ物を子供に与える習慣を持つ家庭が多い、ピロリ菌がいる井戸水を使用しているなどの可能性はないでしょうか。

生活習慣以外の何かが大きく影響している可能性があるのでこの調査には注目したいですね。

→ 胃がん|胃がんの症状・原因・手術・食事 について詳しくはこちら







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山本KID徳郁さんの病気は胃がん

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■山本KID徳郁さんの病気は胃がん

Helicobacter pylori, Gastric Mucosa, H&E

by Ed Uthman(画像:Creative Commons)

山本KID徳郁さんの「胃がんが見つかったのは2年以上前」 RIZIN実行委員長が告白

(2018/9/19、スポーツ報知)

榊原氏は、山本さんの父で1972年ミュンヘン五輪レスリング代表の郁栄(いくえい)氏(73)の許可を得た上でインタビューに応じ、「最初に胃がんが見つかったのは、2年以上前のタイミングだったと思います」と明かし

格闘技イベント「RIZIN」の榊原信行実行委員長が「ノンストップ!」に出演し、山本KID徳郁さんの病名が「胃がん」であることを明かしました。

■胃がんとは?

胃がんの原因としては、最近の研究によって、ヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)が大きく関わっているのではないかと考えられています。

ピロリ菌感染者6000万人!|あさイチ(NHK)によれば、胃がん患者の98パーセントがピロリ菌の感染者であったという調査結果があるそうです。(もちろん、ピロリ菌感染者が必ず胃がんになるわけではありません。)

胃がんの8割がピロリ菌が原因 胃がん対策はピロリ菌除菌を中心に|国際がん研究機関で紹介した世界保健機関(WHO)の専門組織「国際がん研究機関」の報告書によれば、「胃がんの8割がピロリ菌の感染が原因で、胃がん対策はピロリ菌除菌を中心にすべき」としています。

ピロリ菌による胃がんを予防するには、

・ピロリ菌検査を行い、ピロリ菌が見つかった人は、除菌をおこなう。

血糖値をコントロールする。

・禁煙する。

・塩分の量を減らす。

といった対策を行う必要があります。

気になる方は、まずは、ピロリ菌の検査(内視鏡検査や呼気検査、血液検査、尿検査など)を行ってみましょう。

→ 胃がん|胃がんの症状・原因・手術・食事 について詳しくはこちら

【胃がん 関連記事】
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肝臓がん・肺がんは厳しい結果|がん患者の5年後生存率

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by Phalinn Ooi(画像:Creative Commons)

肝臓と肺がん、厳しい生存率 治療5年後を集計

(2015/9/14、日本経済新聞)

国立がん研究センターが発表した2007年にがん診療連携拠点病院でがんと診断され治療を始めた患者の5年後の生存率は、すべてのがんを合わせると64.3%で、乳がん92.2%・大腸がん72.1%・胃がん71.2%は比較的高く、肝臓がん35.9%・肺がん39.4%は厳しい結果となっています。

→ 肝臓がん について詳しくはこちら

→ 肺がんの症状・原因・予防するための検査 について詳しくはこちら







【参考リンク】
続きを読む 肝臓がん・肺がんは厳しい結果|がん患者の5年後生存率

日本を含む東アジアで胃がんが多い理由はピロリ菌が産生する病原因子CagAタンパク質の1つのアミノ酸残基の違いから起きていた!?

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■東アジアは胃がんが多い!?

1アミノ酸残基の違いにより増強されるCagAの発がんシグナル誘導
1アミノ酸残基の違いにより増強されるCagAの発がんシグナル誘導

参考画像:図3.1アミノ酸残基の違いにより増強される CagA の発がんシグナル誘導|【関連資料】東大、ピロリ菌がんタンパク質の1アミノ酸多型が日本人胃がん多発の背景に(2017/9/20、日経プレスリリース)|スクリーンショット

東大、ピロリ菌がんタンパク質の1アミノ酸多型が日本人胃がん多発の背景に

(2017/9/20、日経プレスリリース)

 ・ピロリ菌がんタンパク質CagAとその発がん標的分子であるSHP2間の複合体形成を担う結晶構造を解明し、複合体の安定性と発がん活性の連関を明らかにしました。

 ・日本を含む東アジアに蔓延するピロリ菌CagAのみが保有するユニークかつ強力なSHP2結合様式を発見し、その結合様式が胃がん発症を著しく促すことを解明しました。

東京大学大学院医学系研究科の畠山昌則教授、高エネルギー加速器研究機構の千田俊哉教授らの研究グループによれば、東アジア型CagAと欧米型CagAには1つのアミノ酸残基の違いが存在し、そのことによる立体構造の違いがはピロリ菌が産生する病原因子「CagA」がSHP2と結合する能力に大きな影響を与えることを明らかにし、また、東アジア型CagAが示す欧米型CagAに比べて強固なSHP2結合が、SHP2の酵素活性を著しく増強し、胃の細胞のがん化を促す異常なシグナルを強力に誘導することがわかったそうです。

東アジア型CagAと欧米型CagA
東アジア型CagAと欧米型CagA

参考画像:図2.東アジア型 CagA ならびに欧米型 CagA と SHP2 との複合体の結晶構造|【関連資料】東大、ピロリ菌がんタンパク質の1アミノ酸多型が日本人胃がん多発の背景に(2017/9/20、日経プレスリリース)|スクリーンショット

わかりやすくいえば、東アジア型CagAのほうが、欧米型CagAのほうがより強い建築物となって安定し、なおかつその構造の強さがSHP2の活性化を維持し、がん化を促すシグナルを強力にしてしまうため、東アジアでの胃がん発生率を高くしてしまっている原因の一つと考えられます。

【参考リンク】




■東アジアは胃がんが多い!?

【関連資料】東大、ピロリ菌がんタンパク質の1アミノ酸多型が日本人胃がん多発の背景に

(2017/9/20、日経プレスリリース)

日本を含む東アジアは世界的に胃がんが最も多発する地域として知られています。胃がんは部位別がん死亡の世界第三位を占め、毎年約 72 万人の命を奪っています。その過半数を占める約 39 万人は東アジア諸国に由来し、日本における胃がん死亡者数は年間 5 万人にも上ります。

ピロリ菌感染者6000万人!あなたの胃は大丈夫?|#あさイチ(NHK)によれば、日本人の2人に1人はピロリ菌に感染しているそうです。

なぜ胃がん患者は日本海側で多い傾向にあるのか?|国立がん研究センターのデータによれば、国立がん研究センターによるがんと診断された患者数の都道府県別の推計値が初めて公表されましたが、「胃がん」は、特に地域の特徴が顕著に現れており、日本海側の県で平均よりも多い傾向にありましたが、ピロリ菌の種類が関係していることもあったりするのでしょうか?

【関連記事】

【参考リンク】

  • 胃がん 基礎知識|国立がん研究センター がん情報サービス

    罹患率の国際比較では、東アジア(中国、日本、韓国など)や南米で高く、欧米など白人では低くなっています。

■まとめ

胃がんの8割がピロリ菌が原因 胃がん対策はピロリ菌除菌を中心に|国際がん研究機関によれば、ピロリ菌が胃がんの原因の一つであり、ピロリ菌を除菌することが胃がん予防につながるといわれています。

ピロリ菌感染者が必ず胃がんになるわけではありませんが、ピロリ菌を除菌することによって、胃がんになるリスクを少しでも減らすことにはつながると考えられます。

ピロリ菌による胃がんを予防するには、

・ピロリ菌検査を行い、ピロリ菌が見つかった人は、除菌をおこなう。

・血糖値をコントロールする。

・禁煙する。

・塩分の量を減らす。

といった対策を行う必要がありそうです。

ピロリ菌の検査は、内視鏡検査や呼気検査、血液検査、尿検査などがあるようです。

→ 胃がん|胃がんの症状・原因・手術・食事 について詳しくはこちら







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がんの種類によって病院ごとに治療の役割分担を進めるべきか?|肺がんや肝臓がんの場合、患者の数が多い病院ほど治療成績がいい

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■がんの種類によって病院ごとに治療の役割分担を進めるべきか?|肺がんや肝臓がんの場合、患者の数が多い病院ほど治療成績がいい

Royal Navy Medics

by Defence Images(画像:Creative Commons)

がんの種類で治療成績に差

(2008/10/30、NHK)

一般的に治療が難しいとされる肺がんや肝臓がんの場合、患者の数が多い病院ほど治療成績がいいのに対して、胃がんや大腸がんの場合は、患者の多い病院と少ない病院で成績の差はあまりないという調査結果を、大阪府立成人病センターのグループがまとめました。研究グループは、がんの種類によって病院ごとに治療の役割分担を進めるべきだとしています。

大阪府立成人病センターのグループによれば、5年生存率分析した結果、一般的に治療が難しいとされる肺がん肝臓がんでは、年間数人しか治療していない病院の患者が死亡するリスクは、患者の多い病院で治療を受けた場合に比べ、2倍近くになっていたのに対して、胃がん大腸がん乳がんでは、年間20人以上治療している場合、病院による治療成績の差はほとんどなかったそうです。

つまり、より治療の成果を上げるためには、患者数が多く、治療技術が広まっている胃がんなどのがんについては、一般の病院で、治療が難しい肝臓ガンなどはがんセンターなどで治療するように役割分担が必要ではないかということのようです。

【追記(2017/8/9)】

<がんセンター>がん生存率188病院公表 肝、肺で高低差

(2017/8/9、毎日新聞)

肺がんは、最も高い5年生存率だった病院が68.9%だったのに対し、最も低い病院は2.3%だった。他の部位と比べステージにより生存率の違いが大きいためで、ステージの進んだ患者は、地域の中核病院に集まる傾向があることなどが考えられる。肝臓がんも71.6%から15.8%と開きが大きかった。

 一方、乳がんは最も高い病院で100%。最も低い病院でも81.7%と公表した全病院で80%を超えた。

国立がん研究センターは、患者団体からの要望などに基づいて、がんと診断された人を、治療によってどの程度救えるかを示す「5年相対生存率」について、がん治療拠点の約半数にあたる病院別データを公表しました。

【参考リンク】

生存率は、治療開始時のがんの進行度や年齢などが考慮されておらず、治療の優劣を示すものではない。

ただ、記事にもある通り、生存率は治療の優劣を示すものではないため、病院によっては高齢者が多い病院であったり、他の病気を持つ患者が多い病院であったりなど病院ごとに性格が異なるため、一概に治療の優劣を判断することはできず、患者さんの病院選択の材料になりうるかどうかは難しいところです。

今後はがんの種類によって治療する病院の役割が分担されるようになるかもしれません。







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