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脳震盪の原因・メカニズムとは?|脳震盪における脳の動きを説明している動画には正しい点と間違っている点がある!?




【目次】

■脳震盪における脳の動きを説明している動画には正しい点と間違っている点がある!?

Concussion study-Gaetz-GW Graham 24

by University of the Fraser Valley(画像:Creative Commons)

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が提供している脳震盪における脳の動きを説明している動画をみると、脳が遅れて動くことで頭蓋骨に衝突し、衝突した場所である脳の表層がダメージを受けているように感じます。

What Is A Concussion?|Centers for Disease Control and Prevention (CDC)

しかし、元アメフト選手であり生物工学者のデイビッド・カマリロさんによれば、この動画には正しい点と間違っている点があるそうです。

デイビッド・カマリロ: なぜヘルメットでは脳震盪を防げないのか―何で防げばよいのか|TED

脳は頭がい骨の動きから遅れをとり 頭がい骨の動きに追いついた後 前後に動き そして振動もする この動きは本当だと思います しかし この動画で見られる 脳の動きの程度は おそらく 全く正しくありません 頭蓋内には ほとんど余分な空間はありません たった数ミリの空間に 満たされている脳髄液が 外傷から守る役割を果たしています そして 脳は恐らく 頭蓋骨の中で ほんの少ししか動いていません

脳がこのような動きをするのは正しくても、その脳の動きの程度には間違いがあり、頭蓋内には脳髄液が満たされていてほとんど余分な空間がないため、脳はほんの少ししか動いていないと考えられるそうです。




■脳震盪のメカニズムとは?

では、脳震盪はどのようなメカニズムで起きていると考えられるのでしょうか?

お伝えしたいのは 私達や他の研究者が見つけたのは 頭がこの方向で回転する時に 脳震盪が起きる可能性が高いということです この動きはアメフトのようなスポーツで よく起こり― この動きはそれより危険に見えますが いったい何が起きているのでしょうか 一つ気づくことは 人間の脳は― 他の動物と異なり このように大きな半球が二つあります 右脳と左脳です この図で見て頂きたいポイントは 右脳と左脳の間に 脳の深部にまで達する 大きな溝があります この溝の中に この図では見えないのですが 信じて想像してください 線維性のシート状組織があります 鎌(かま)と呼ばれるものです これが前頭から後頭まで 続いています 大変強固なものです こんな構造であるので 衝突で 頭が左右に動いた時 その力が すぐに 脳の中心まで届きます

さて 溝の底はどうなっているのでしょうか これは脳の接続部であり― 実は 溝の底にあるこの赤い神経線維束は 最大の神経線維束で― 右脳と左脳のつながりなのです これを脳梁(のうりょう)といいます 私達は これが 脳震盪のメカニズムで 起こりうる可能性が最も高く 力は下の方に伝わって 脳梁に達し 右脳と左脳間での解離が起こると 考えられます これで いくつかの脳震盪の症状が説明できます

脳震盪は衝突によって頭が左右に動いたときに起こる可能性が高く、脳震盪が起きた時に右脳と左脳をつなぐ脳梁に力が伝わって、右脳と左脳間での解離が起こることにより、脳震盪の症状が現れると考えられるそうです。

And what we think is that if we can slow the head down just enough so that the brain does not lag behind the skull but instead it moves in synchrony with the skull, then we might be able to prevent this mechanism of concussion.

つまり、一つの仮説としては、衝突による頭の動きのスピードを落とすことができれば、脳震盪を防ぐことができるかもしれません。







【関連記事】
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中高生の1年生の5月、6月に自転車事故が増える!?|自転車保険の義務化の動き広がる




【目次】

■中高生の1年生の5月、6月に自転車事故が増える!?

<中高生の自転車事故実態調査>高 1 の 5・6 月は要注意。高 3 の約 2 倍事故が起きている!|自転車の安全利用促進委員会
<中高生の自転車事故実態調査>高 1 の 5・6 月は要注意。高 3 の約 2 倍事故が起きている!|自転車の安全利用促進委員会

参考画像:<中高生の自転車事故実態調査>高 1 の 5・6 月は要注意。高 3 の約 2 倍事故が起きている!(2017/5/18、自転車の安全利用促進委員会)|スクリーンショット

<中高生の自転車事故実態調査>高 1 の 5・6 月は要注意。高 3 の約 2 倍事故が起きている!

(2017/5/18、自転車の安全利用促進委員会)

通学時の事故については、新生活が始まり、慣れない道を運転する利用者が多い 4 月に事故の発生が多いと思われましたが、実際は 5・6 月に突出して多いことが分かりました。

自転車の安全利用促進委員会によれば、中高生の自転車事故発生件数は5月、6月に集中するそうです。

6 月は通学・通勤時の自転車事故の多発時期》|K D D I 株式会社・au 損害保険株式会社
6 月は通学・通勤時の自転車事故の多発時期》|K D D I 株式会社・au 損害保険株式会社

参考画像: 《6 月は通学・通勤時の自転車事故の多発時期》(2017/6/8、K D D I 株式会社・au 損害保険株式会社)|スクリーンショット

《6 月は通学・通勤時の自転車事故の多発時期》自転車保険「知っている」は約 8 割でも、「加入している」は 2 割以下 子供が加害者の高額賠償請求例を「知っている」は約半数~「自転車保険に関する意識調査結果」を発表~

(2017/6/8、K D D I 株式会社・au 損害保険株式会社)

新生活にも慣れ、緊張が緩み始める 5 月、6 月に、中高生の自転車事故発生件数が集中(注 3)することがわかっています。

また、au損保によれば、18歳以下の自転車事故月別受付件数は、6月が1年の中で最も多く、4月の2倍以上になるそうです。

■自転車保険の義務化の動き広がる

■まとめ

2014.05.07BiketoSchool_-73_Lo

by NCDOTcommunications(画像:Creative Commons)

外傷性脳損傷とその保険への影響

(Summer 2013、RGA)

軽度外傷性脳損傷(MTBI)は、一般に脳震盪と呼ばれるもので、外傷性脳損傷全体の約75%を占めています。

19歳未満の子供では、外傷性脳損傷による救急受診に関連する活動の中で最も多かったのは、自転車事故でした。

脳震盪が外傷性脳損傷全体の約75%を占めており、アメリカの19歳未満の子供において、外傷性脳損傷による救急受診に関連する活動の中で最も多かったのは自転車事故だったそうです。

自転車事故での転倒による脳震盪を防ぐためのアイデアが生まれることで、後遺症で悩む人が少しでも減っていくといいですね。

自転車の安全利用促進委員会によれば、中学生・高校生の1年生の5月、6月に自転車事故が増えるということがわかってきており、また自治体による自転車保険への加入を義務付ける条例制定の動きが広がっていることから、自転車保険をしっかり活用していきましょう!







【関連記事】
続きを読む 中高生の1年生の5月、6月に自転車事故が増える!?|自転車保険の義務化の動き広がる

将来的には病気の問診や保険商品の質問項目に「これまで脳震盪を経験したことがありますか」が追加される!?




■脳震盪を起こすリスクは誰もが抱えている!?

Concussion study-Gaetz-GW Graham 07

by University of the Fraser Valley(画像:Creative Commons)

脳震盪(のうしんとう)に対してあまり身近な印象を持っていない人もいるかもしれません。 

しかし、武道やスポーツを行なっている子供は誰しも脳震盪を起こすリスクを抱えています。

脳震盪の知識とその対処法~ 女子のスポーツで起こる脳震盪について正しい知識を ~

(2016/4/19、東邦大学プレスリリース)

脳震盪はラグビーや柔道など体を激しくぶつけ合う競技で起こりやすいことから、一般的に男子に目が向きがちです。しかし近年、武道や格闘技、またサッカーやラグビーなどでも女子の競技人口が増加しており、それらを中心に女子の脳震盪が増加しています。

・武道、格闘技
 柔道、空手、相撲、テコンドー、レスリング、ボクシング
・体と体の接触の多いスポーツ
 サッカー、ラグビー、バスケットボール、ホッケー、アイスホッケー、ラクロス
・飛び込みや落下により殴打する恐れのあるスポーツ
 バレーボール、チアリーディング、乗馬

脳震盪を起こすイメージがある競技としては、柔道などの格闘技や体と体の接触の多いサッカーやラグビーなどのスポーツがありますが、そのほかのスポーツにも飛び込みや落下によって脳震盪を起こすリスクがあります。

【関連記事】

外傷性脳損傷とその保険への影響

(Summer 2013、RGA)

軽度外傷性脳損傷(MTBI)は、一般に脳震盪と呼ばれるもので、外傷性脳損傷全体の約75%を占めています。

19歳未満の子供では、外傷性脳損傷による救急受診に関連する活動の中で最も多かったのは、自転車事故でした。

19歳未満の子供において、外傷性脳損傷による救急受診に関連する活動の中で最も多かったのは自転車事故だったそうです。

<中高生の自転車事故実態調査>高 1 の 5・6 月は要注意。高 3 の約 2 倍事故が起きている!|自転車の安全利用促進委員会
<中高生の自転車事故実態調査>高 1 の 5・6 月は要注意。高 3 の約 2 倍事故が起きている!|自転車の安全利用促進委員会

参考画像:<中高生の自転車事故実態調査>高 1 の 5・6 月は要注意。高 3 の約 2 倍事故が起きている!(2017/5/18、自転車の安全利用促進委員会)|スクリーンショット

<中高生の自転車事故実態調査>高 1 の 5・6 月は要注意。高 3 の約 2 倍事故が起きている!

(2017/5/18、自転車の安全利用促進委員会)

通学時の事故については、新生活が始まり、慣れない道を運転する利用者が多い 4 月に事故の発生が多いと思われましたが、実際は 5・6 月に突出して多いことが分かりました。

自転車の安全利用促進委員会によれば、中高生の自転車事故発生件数は5月、6月に集中するそうです。

6 月は通学・通勤時の自転車事故の多発時期》|K D D I 株式会社・au 損害保険株式会社
6 月は通学・通勤時の自転車事故の多発時期》|K D D I 株式会社・au 損害保険株式会社

参考画像: 《6 月は通学・通勤時の自転車事故の多発時期》(2017/6/8、K D D I 株式会社・au 損害保険株式会社)|スクリーンショット

《6 月は通学・通勤時の自転車事故の多発時期》自転車保険「知っている」は約 8 割でも、「加入している」は 2 割以下 子供が加害者の高額賠償請求例を「知っている」は約半数~「自転車保険に関する意識調査結果」を発表~

(2017/6/8、K D D I 株式会社・au 損害保険株式会社)

新生活にも慣れ、緊張が緩み始める 5 月、6 月に、中高生の自転車事故発生件数が集中(注 3)することがわかっています。

au損保によれば、18歳以下の自転車事故月別受付件数は、6月が1年の中で最も多く、4月の2倍以上になるそうです。




■脳震盪の怖いところとは?

脳震盪の怖いところというのは後遺症がある点です。

外傷性脳損傷とその保険への影響

(Summer 2013、RGA)

外傷性脳損傷を生じる人々の大半が、長期的な影響を受けることなく完治します。しかし、そのうちの約15%が、結果として長期的な障害や損傷を負うことになります。

Concussion: Not So Minor an Injury. Jon E. Bentz, PhD, Edward J. Purzycki, PhD 2008, The Journal of Lancaster General Hospital.

脳震盪を経験する人のほとんどは完治する一方、約15%は長期に及ぶ後遺症に悩まされてしまいます。

日本人の大半が何らかの武道やスポーツを経験するわけですから、脳震とうのリスクは決して遠い存在ではなく、身近な存在といえるでしょう。

■将来的には病気の問診や保険商品の質問項目に「これまで脳震盪を経験したことがありますか」が追加される!?

脳震盪によって死亡するリスクがあり、また、脳震盪を経験したことのある人の一部には死亡率の上昇などのリスクを伴いますので、脳震盪を経験したことがある人が多いということは、医療業界にも保険業界にも影響を与えることが考えられます。

若年層におけるTBIの相対発生率(0歳~19歳)
若年層におけるTBIの相対発生率(0歳~19歳)

出典:Surveillance for Traumatic Brain Injury – Related Deaths – United States, 1997-2007. Centers for Disease Control and Prevention. 2001, Morbity and Mortality Weekly Report.

出典:Centers for Disease Control and Prevention. Nonfatal Traumatic Brain Injuries Related to Sports and Recreation Activities Among Persons Aged ≤19 Years — United States, 2001–2009. s.l. : Morbitiy and Mortality Weekly Report, 2011.

参考画像:外傷性脳損傷とその保険への影響(Summer 2013、RGA)|スクリーンショット

外傷性脳損傷とその保険への影響

(Summer 2013、RGA)

生命保険や災害死亡保険金などの商品は、外傷性脳損傷によって年間5万2千人の米国人が命を落とすことによって生じるリスクにさらされています。

また、外傷性脳損傷を克服した受傷者の一部においても寿命の短縮、すなわち死亡率の上昇などのリスクを伴います。

同様に、外傷性脳損傷を生じた人々は、他の疾患の罹患率が上昇する可能性があるため、介護保険、障害保険金、特定疾病保険などの保険商品に影響を及ぼします。

将来的には、病気の問診や保険商品の質問項目に、「これまで脳震盪を経験したことがありますか」という項目が追加されるようになるかもしれません。







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NFL(アメフト)では「Concussion(脳震とう)」問題が起きている!?|脳震盪によって起こる脳損傷・脳しんとう対策とは




【目次】

■NFL(アメフト)では「Concussion(脳震とう)」問題が起きている!?

Texans practice '10

by Christopher Brown(画像:Creative Commons)

スポーツにおける「脳震盪(のうしんとう)」問題について興味を持ったのはこちらの記事が最初です。 

NFL有望株が現役1年で引退。深刻な脳しんとう問題

(2016/6/5、NewsPicks)

その将来を嘱望された彼が、引退を表明した理由は、【concussion (コンカッション) = 脳しんとう】である。

24歳のアメフト選手、脳疾患を恐れて現役引退を決意(2015/3/17、AFPBB)によれば、米NFLのSan Francisco 49ersのクリス・ボーランド(Chris Borland)が24歳の若さで現役引退を決意したその理由は度重なる衝撃で頭部に悪影響が及ぶこと、「concussion(脳震とう)」でした。

選手としてプレーし始めたときからカウントして、3回、もしくは4回目のコンカッションがあった時点で、医師から引退の勧告、もしくは引退の勧めを受ける

現在アメリカのフットボール界においては「Concussion(コンカッション)」を3、4回あった時点で医師から引退勧告を受けるのだという事実を知って驚きました。

日本では脳震とうのニュースをたまに目にする機会はありますが、脳震盪に対してそれほど厳しく考えられているというのはこの記事を目にするまで知りませんでした。

日本選手でいえば、米MLBの青木宣親選手が試合中に死球を受け、長期間にわたって脳震盪の影響に苦しんでいたことを知っている方も多いのではないでしょうか。

アメリカにおける「Concussion(脳震とう)」への関心の高さは映画がつくられていることからもわかります。

【参考リンク】

■脳震盪のメカニズムとは?

What Is A Concussion?|Centers for Disease Control and Prevention (CDC)

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)が提供している脳震盪における脳の動きを説明している動画をみると、脳が遅れて動くことで頭蓋骨に衝突し、衝突した場所である脳の表層がダメージを受けているように感じます。

しかし、元アメフト選手であり生物工学者のデイビッド・カマリロさんによれば、この動画には正しい点と間違っている点があるそうです。

デイビッド・カマリロ: なぜヘルメットでは脳震盪を防げないのか―何で防げばよいのか|TED

脳は頭がい骨の動きから遅れをとり 頭がい骨の動きに追いついた後 前後に動き そして振動もする この動きは本当だと思います しかし この動画で見られる 脳の動きの程度は おそらく 全く正しくありません 頭蓋内には ほとんど余分な空間はありません たった数ミリの空間に 満たされている脳髄液が 外傷から守る役割を果たしています そして 脳は恐らく 頭蓋骨の中で ほんの少ししか動いていません

脳がこのような動きをするのは正しくても、その脳の動きの程度には間違いがあり、頭蓋内には脳髄液が満たされていてほとんど余分な空間がないため、脳はほんの少ししか動いていないと考えられるそうです。

では、脳震盪はどのようなメカニズムで起きていると考えられるのでしょうか?

お伝えしたいのは 私達や他の研究者が見つけたのは 頭がこの方向で回転する時に 脳震盪が起きる可能性が高いということです この動きはアメフトのようなスポーツで よく起こり― この動きはそれより危険に見えますが いったい何が起きているのでしょうか 一つ気づくことは 人間の脳は― 他の動物と異なり このように大きな半球が二つあります 右脳と左脳です この図で見て頂きたいポイントは 右脳と左脳の間に 脳の深部にまで達する 大きな溝があります この溝の中に この図では見えないのですが 信じて想像してください 線維性のシート状組織があります 鎌(かま)と呼ばれるものです これが前頭から後頭まで 続いています 大変強固なものです こんな構造であるので 衝突で 頭が左右に動いた時 その力が すぐに 脳の中心まで届きます

さて 溝の底はどうなっているのでしょうか これは脳の接続部であり― 実は 溝の底にあるこの赤い神経線維束は 最大の神経線維束で― 右脳と左脳のつながりなのです これを脳梁(のうりょう)といいます 私達は これが 脳震盪のメカニズムで 起こりうる可能性が最も高く 力は下の方に伝わって 脳梁に達し 右脳と左脳間での解離が起こると 考えられます これで いくつかの脳震盪の症状が説明できます

脳震盪は衝突によって頭が左右に動いたときに起こる可能性が高く、脳震盪が起きた時に右脳と左脳をつなぐ脳梁に力が伝わって、右脳と左脳間でのかい離が起こることにより、脳震盪の症状が現れると考えられるそうです。




■米アメフト選手の4割以上が脳に障害を抱えている!?

米アメフット選手の4割以上が脳に障害 最大人気スポーツを揺るがす「危険な証拠」

(2016/5/17、J-castニュース)

その結果、17人(43%)が「外傷性脳損傷」と診断された。これは、交通事故や転落事故などで脳に強い衝撃を受ける場合と同じだ。脳が傷ついて出血し、半身まひ、感覚・記憶・注意力障害などが起こる。さらに、12人(30%)にはもっと深刻な軸索損傷がみられた。これは、脳深部にある軸索がねじれて断裂する症状で、半身まひや記憶障害の後遺症から回復することが非常に難しくなる。

また、記憶力や思考力のテストでは、遂行機能障害が50%、学習・記憶障害が45%、注意力低下が42%に認められた。

米フロリダ州立大のチームがNFL選手の脳について調べたところ、40人の元選手のうち43%にあたる17人が「外傷性脳損傷」と診断されたそうです。

「外傷性脳損傷(がいしょうせいのうそんしょう)」とは、交通事故や転落事故などで脳に強い衝撃を受ける場合と同じで、脳が傷ついて出血し、半身まひ、感覚・記憶・注意力障害などの症状が起こるそうです。

さらに、30%にあたる12人にはさらに深刻な軸索損傷がみられたそうです。

「軸索損傷(じくさくそんしょう)」とは、脳深部にある軸索がねじれて断裂する症状で、半身まひや記憶障害の後遺症から回復することが非常に難しくなるそうです。

今回調査を受けた元選手のデータがこちら。

NFLでの在籍期間は2~17年(平均7年)で、現役中の脳しんとうの発症回数は平均で8.1回だった。

今回調査を受けた元選手たちは脳震盪を平均して約8回ほど受けており、43%が脳に損傷を受けています。

現在では、その状態を改善するためにも、3,4回の脳震とうで医師から引退をすすめるようにしたのだと考えられます。

亡くなった米NFL元選手、99%に脳疾患CTEの徴候 研究

(2017/7/26、時事通信)

CTEは、記憶障害、めまい、うつ病、認知症などの症状を引き起こす。こうした症状は、選手が引退してから何年も経った後に現れる可能性がある。

米ボストン大学(Boston University)の研究チームが米国医師会雑誌(JAMA)に発表した論文によれば、研究のために元NFL選手111人から死後提供された脳のうち、110人の脳、パーセンテージで表すと99%に慢性外傷性脳症(CTE)の徴候が認められたそうです。

【参考リンク】

■脳震とう対策にどのような対策が行なわれているのか?

■ヘルメットへの追加機能

ヘルメット追加機能、脳震盪予防効果少【米国神経学会】

(2015/3/12、m3.com)

米国神経学会(AAN)は2月25日、外側のソフトシェル層やスプレー処理、ヘルメットパッド、ファイバーシートなどのフットボール用ヘルメットの追加機能は、選手の脳震盪リスクをそれほど軽減しないという研究結果を紹介した。

米国神経学会(AAN)によれば、アメフト用ヘルメットに追加された機能は選手の脳震とうリスクを軽減しないという研究結果が出たそうです。

今回の改善(追加機能)では脳震とうリスクの軽減はできなかったそうですが、今後新しいテクノロジーによって、脳震とうリスクを軽減できるヘルメットができるかもしれません。

 

■ヘルメットやマウスピースにセンサーを取り付ける

アメフト界の難題「脳震盪」予防へ、データ解析の挑戦

(2016/5/20、スポーツイノベイターズオンライン)

NFLは2013年3月、米GeneralElectric(GE)と共同で脳震盪問題の解決を目指すオープンイノベーション型のプロジェクト「Head Health Challenge」を立ち上げた。

<中略>

例えば、ヘルメットやマウスピースに重力加速度を測定するセンサーを取り付けるなどして頭部への衝撃を計測し、脳震盪に対するリスクが高まったと判断した時には選手を強制的にフィールド外に出すような運用がなされ始めている。

ヘルメットやマウスピースにセンサーを装着し、頭部への衝撃を計測したうえで、脳震とうリスクが高まったと判断された場合には、選手をフィールド外に出すようにするそうです。

 

■リモコンで動くロボットタックルダミーを用いてトレーニング

アメフト界の難題「脳震盪」予防へ、データ解析の挑戦

(2016/5/20、スポーツイノベイターズオンライン)

米国東海岸の名門8校からなるアイビーリーグでは、ダートマス大学フットボール部が2010年ごろに「練習における対人フルコンタクトを全面禁止」とし、その代わりに「リモコンで動くロボットタックルダミーを用いてトレーニングする」という衝撃的な方針転換を図った。

トレーニング方法の変更が行われると、テクニックの低下が心配されるところですが、「練習における対人フルコンタクトを全面禁止」とし、「リモコンで動くロボットタックルダミーを用いてトレーニングする」という方針に変更したダートマス大学は2015年シーズンにアイビーリーグで優勝したそうで、技術力の低下に関しては問題ないといえるのではないでしょうか。

 

■キツツキにヒントを得たカラー(えり)

キツツキにヒントを得たカラー(えり)|Preventing Brain Injuries | Cincinnati Children’s
キツツキにヒントを得たカラー(えり)|Preventing Brain Injuries | Cincinnati Children’s

参考画像:Preventing Brain Injuries | Cincinnati Children’s|YouTubeスクリーンショット

キツツキがヒントの「えり」、アメフト選手を脳損傷から守れるかも

(2016/7/3、Gizmode)

Q Collarは頸静脈を柔らかく包み、いわば「ホースをつまむ」ことで、脳の中の血液量を増加させます。それによって脳がグラつくゆとりがなくなり、脳損傷のリスクが減るというわけです。

Q30 InnovationsのDavid Smithさんらが開発したカラー「Q Collar」は、頸静脈を柔らかく包むことで、脳の中の血液量を増加させるによって脳を守る緩衝材のような役割を果たすそうですが、そのアイデアのきっかけがユニークです。

●ヘルメットは頭蓋骨の損傷から守る働きはあっても、脳損傷を予防する効果はわずかしかない

ヘルメットによって頭蓋骨の損傷は防げるものの、脳しんとうやそれに関連する脳損傷を予防する効果はわずかです。というのは、上記2つの論文を書いたシンシナティ小児病院のGreg Myerさんによると、かさばるヘルメットによって慣性が増すからです。つまり脳が頭蓋骨の中でより大きく揺れて、脳組織や神経を損傷する可能性がかえって高まるんです。

ヘルメットによって、脳が頭蓋骨の中でより大きく揺れることにより、脳損傷する可能性がかえって高まるそうです。

●キツツキの頭には衝撃を吸収する仕組みが内蔵されている

キツツキは繁殖期になると1日1万2000回、1秒あたり18〜22回も木をつつきます。頭を激しく前後させることで、1200Gもの力が頭にかかっています。

それでもキツツキが脳しんとうで倒れないのは、頭に衝撃を吸収する仕組みが内蔵されているからです。CTスキャンを使った過去の研究では、キツツキの筋肉は厚く、骨はスポンジ状で、第3の内まぶたがあり、それらが脳脊髄液とともに、木をつつく衝撃を吸収していることがわかっています。

またキツツキの舌はとても長く、それによって自分の頭を巻き、頸静脈をつまむこともできます。これによって頭蓋骨内の血液量を増やしてクッションにし、頭蓋骨の中を保護しているんです。

キツツキの頭には衝撃を吸収する仕組みが内蔵されているそうです。

1.キツツキの筋肉は厚く、骨はスポンジ状で、第3の内まぶたがあり、それらが脳脊髄液とともに、木をつつく衝撃を吸収している

2.キツツキは舌で自分の頭を巻き、頸静脈をつまむことによって頭蓋骨内の血液量を増やしてクッションにし、頭蓋骨の中を保護している

キツツキの「つつき行動」、脳に損傷与えている可能性=研究

(2018/2/6、ロイター)

キツツキは、昆虫や樹液の餌を得たり、つがい相手を呼び寄せたりするためにつつき行動をしており、その際、最大1400Gという大きな重力加速度を受けている。人間は、60─100Gで脳震盪を起こす可能性があるが、キツツキには、くちばしや頭蓋骨、舌、脳と頭蓋骨の間にある隙間など、つつき行動による影響を緩和する機能が備わっている。

論文誌「PLoS ONE」に掲載されたボストン大学医学部の研究によれば、キツツキの木の幹をつつく「つつき行動」によって脳が損傷を受けている可能性があるそうです。

これまでキツツキの頭には進化の過程で衝撃を吸収する仕組みが内蔵されているという仮定を基に、安全なアメフト用ヘルメットの開発にキツツキがモデルとして選ばれていましたが、この仮定が崩れる可能性があるかもしれません。

【参考リンク】

●高地では脳震とうが少ない

高地の試合では、高校生で30%、プロで32%、脳しんとうが少なかったんです。

【参考リンク】

この研究はスポーツだけでなく、自動車の安全面も解決するアイデアとなるかもしれません。

Preventing Brain Injuries | Cincinnati Children’s|YouTube

■脳震とう問題はサッカー界にも

アメフト界の難題「脳震盪」予防へ、データ解析の挑戦

(2016/5/20、スポーツイノベイターズオンライン)

例えば、サッカーでは2015年、米サッカー協会が医事委員会の勧告に基づき、10歳以下の子供はヘディングを禁止、11歳~13歳の子供にはヘディング回数を制限する規定を発表している。

アメリカサッカー協会では、10歳以下の子供はヘディングを禁止、11歳~13歳の子供にはヘディング回数を制限する規定を設けたそうです。

日本でも最近話題になった「コリジョンルール」ですが、あらゆる「コリジョン(衝突型)スポーツ」で脳震とう問題は取り上げられていくのではないでしょうか。

【関連記事】

■まとめ

「Concussion(脳震とう)」問題は日本でも話題になっていくことと思います。

ぜひこの問題を医学やテクノロジー、デザインといった力で解決できるといいですね。







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ヘルメットでは自転車事故での転倒による脳震盪は守れない!?エアバッグで防ぐアイデアとは?




■ヘルメットでは自転車事故での転倒による脳震盪は守れない!?

Hövding(ホーブディング)
ヘルメットの代わりにセンサーが付いたネックカラー(首輪のようなもの)をつけて、転倒しそうになるとそれをセンサーが察知してエアバッグが開き、頭部を守って脳震盪を防ぐ

参考画像:Curbs with Hövding – Will it pop?|YouTubeスクリーンショット

サッカーやアメリカンフットボールなどのスポーツでの接触による「脳震盪(のうしんとう)問題」が注目されています。

【関連記事】

【参考リンク】

接触する可能性が高いスポーツはほとんど当てはまるため、対策は様々な競技が横断的に行ってほしいのですが、私たちの身近なところでも「脳震盪」になるリスクを抱えているものがあります。

それが、自転車での転倒です。

【参考リンク】

外傷性脳損傷とその保険への影響

(Summer 2013、RGA)

軽度外傷性脳損傷(MTBI)は、一般に脳震盪と呼ばれるもので、外傷性脳損傷全体の約75%を占めています。

19歳未満の子供では、外傷性脳損傷による救急受診に関連する活動の中で最も多かったのは、自転車事故でした。子供達は、バイク、自転車、スケートボード、スノーモービル、スクーター、スケート、その他すべての全地形対応車に乗る場合、それぞれの用途に適したヘルメットを常に着用するべきです。

19歳未満の子供において、外傷性脳損傷による救急受診に関連する活動の中で最も多かったのは自転車事故だったそうで、このレポートではヘルメットの着用をするようにアドバイスしていましたが、脳震とうのメカニズムから考えると、サイクリングでの転倒事故でいま私たちが使っているようなヘルメットでは頭蓋骨の損傷からは守られても、脳震とうからは後遺症からは守られないことがわかってきています。

→ 脳震盪のメカニズムとは? について詳しくはこちら




■自転車事故での転倒による脳震盪を防ぐアイデア

Curbs with Hövding – Will it pop?

スウェーデンのHövding(ホーブディング)社が開発したのは、ヘルメットの代わりにセンサーが付いたネックカラー(首輪のようなもの)をつけて、転倒しそうになるとそれをセンサーが察知してエアバッグが開き、頭部を守って脳震盪を防ぐというものです。

頭の動きを減速するというアイデアで自転車事故での転倒による脳震盪が少しでも少なくなるといいですね。







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