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厚労省が初の「飲酒ガイドライン」/ビール一杯で大腸がんリスクが高くなる/生活習慣病のリスクを高める飲酒量はどれくらい?/純アルコール量を計算する方法




Beer sampler

by Quinn Dombrowski(画像:Creative Commons)

厚生労働省が初めてとりまとめた「飲酒に関するガイドライン」が話題になっていますので、チェックしてみました。

■生活習慣病のリスクを高める飲酒量はどれくらい?

「生活習慣病のリスクを高める飲酒量」=「1日当たりの純アルコール摂取量が男性 40g以上、女性 20g以上」

純アルコール摂取量を目安に自分に合った飲酒量を決めることが大切になるのですが、この純アルコール量はどのように見ればよいのでしょうか?

■飲酒量(純アルコール量)を知る方法

お酒に含まれる純アルコール量は「グラム(g)=お酒の量(ml)×アルコール度数(%)÷100×0.8(アルコールの比重)」で表すことができます。

例)ビール 500ml(5%)の場合の純アルコール量は、500ml×0.05×0.8=20gとなります。

■飲酒の年齢・性別・体質の違いによる影響

1)年齢の違いによる影響
高齢者は若い時と比べて、体内の水分量の減少などによって同じ量のアルコールでも酔いやすくなり、飲酒量が一定量を超えると認知症の発症の可能性が高まります。

2)性別の違いによる影響
女性は、男性と比較して体内の水分量が少なく、また分解できるアルコール量も男性に比べて少ないこと、エストロゲン(女性ホルモンの一種)の働きにより、アルコールの影響を受けやすいこと、女性は、男性に比べて少ない量かつ短い期間での飲酒でアルコール性肝硬変になる場合があるなどの違いがあります。

3)体質の違いによる影響
アルコールを分解する体内の分解酵素の働きの強さがあるため、個人差があります。

■毎日ビール1杯以上飲み続けると、大腸がんの発症リスクが高まる!

大腸がんの場合は、1 日当たり約 20g程度(週 150gグラム)以上の量の飲酒を続けると発症の可能性が上がる等の結果を示した研究があります。

大腸がん予防方法・大腸がんの危険度チェックによれば、大腸がんのリスク要因として最もリスクが高いのは飲酒。

飲酒による大腸がんのリスクは一日に日本酒を1合⇒1.4倍、2合⇒2.0倍、3合⇒2.2倍、4合⇒約3倍となっているそうです。

飲酒と大腸がんリスク|科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究|国立がん研究センター

男性では、23-45.9g/日、46-68.9g/日、69-91.9g/日、92g以上/日のグループでまったく飲まないグループよりもそれぞれ1.4倍、2.0倍、2.2倍、3.0倍と、量が増えるほどリスクが高くなりました。1日のアルコール摂取量が15g増えるごとに、大腸がんリスクが約10%増えると推定されます。部位別には、結腸がんでも直腸がんでも同様の傾向が見られました。

女性では、23g以上/日のグループでまったく飲まないグループよりも大腸がんリスクは1.6倍、結腸がんリスクは1.7倍、直腸がんリスクは2.4倍高いという結果でした。男性と同様に、1日のアルコール摂取量が15g増えるごとに、大腸がんリスクが約10%増えると推定されます。

国立がん研究センターによれば、アルコールの摂取量が増えれば増えるほど大腸がんのリスクが増えるという結果が出ています。

また、高血圧や男性の食道がん、女性の出血性脳卒中などの場合は、たとえ少量であっても飲酒自体が発症リスクを上げてしまいます。

飲酒はがんの原因なのか?|肝臓がん・大腸がん・食道がん・乳癌(閉経後)・口腔がんのリスクが高くなるによれば、最近の国際的な評価では、アルコールが直接触れる消化管(口腔・咽頭・喉頭・食道)、アルコールを代謝する肝臓、そして女性ホルモンの影響が大きい乳房のがん、大腸がんのリスクが確実に高くなるとされています。

また、日本におけるアルコールによるがんのリスクは、2008年7月現在、肝臓、食道、大腸については「確実」と判定されています。

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