by Lotzman Katzman(画像:Creative Commons)
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寝る子は「海馬」も育つ=脳で記憶や学習担う部分―子ども290人測定・東北大
(2012/9/17)
宮城県内の健康な5~18歳の子ども290人について、脳で記憶や学習を担う「海馬」と呼ばれる部分の体積を測定したところ、平日の睡眠時間が5、6時間の子より、8、9時間の子の方が大きい傾向があることが分かった。
よく寝る子どもほど「海馬」も育つということがわかったそうです。
ただ、今回の記事のポイントはこちらのようです。
海馬は大人になっても脳神経細胞が新たに生み出されるが、うつ病や心的外傷後ストレス障害(PTSD)の患者、高齢のアルツハイマー病患者では縮小している場合がある。瀧教授は「若いうちに睡眠をしっかり取る生活習慣をつけ、海馬を大きくしておけば、発症リスクを下げられる可能性がある」と話している。
うつ病やPTSD、高齢のアルツハイマー病患者では、海馬が縮小している場合があるので、若いうちに睡眠をしっかりとっておき海馬を大きくしておけばその発症リスクを下げられる可能性があるそうです。
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刺激の多い環境ほど脳の働きが活発になる仕組み※が解明されたそうです。
※海馬の神経細胞の成長を促す
海馬というのは、記憶や情報を前頭葉に送る前に、一時的に保管しておく倉庫のような場所だと言われています。
睡眠が、海馬の短期記憶をクリアにして、脳に新しい情報が入るようにするということは、そこにあった記憶や情報を前頭葉に送っているということです。
例えば、メールでいっぱいになった受信箱が海馬だとしたら、メールをフォルダに仕分けして整理することが、睡眠の役割ということです。
要するに、睡眠を取ることで海馬にあった一時記憶が前頭葉で脳に定着され、新しい情報も海馬に入れられるようになり、結果的に記憶力がアップしたということでしょう。
糖尿病の通院患者の半数以上に、「海馬傍回(かいばぼうかい)」と呼ばれる脳の部位が萎縮(いしゅく)するアルツハイマー病の初期症状がみられる
【参考リンク】
- “記憶にかかわる脳の海馬は、睡眠時間が長い子供のほうが、より大きい“ 瀧靖之教授の研究が第35回日本神経科学大会・記者会見で取り上げられました。(2012/9/17、東北メディカル・メガバンク機構)
- Sleep duration during weekdays affects hippocampal gray matter volume in healthy children|NeuroImage | Volume 60, Issue 1, March 2012, Pages 471–475
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