【モーニングショー】脂質起動とは?/脂質を先に摂ることで血糖値の上昇を抑える/脂質をとる食事ほど、逆に血中中性脂肪が下がりやすくなる!?




2024年7月18日放送のテレビ朝日「モーニングショー」では「夏バテも防ぐ!糖尿病予防おすすめ食事法」で「脂質起動」(著:山田悟)について取り上げています。

そこで、今回はこの本に関連する論文について調べてみたいと思います。

■関連性の高い論文の候補

1)脂質をとる食事ほど、逆に血中中性脂肪が下がりやすくなる

山田医師が言及する「2009年に米医学雑誌に掲載された論文」は、具体的には特定できませんが、脂質摂取が血中中性脂肪(トリグリセリド)を下げる効果に関する研究である可能性が高いです。

Volek JS, Phinney SD, Forsythe CE, Quann EE, Wood RJ, Puglisi MJ, Kraemer WJ, Bibus DM, Fernandez ML, Feinman RD. Carbohydrate restriction has a more favorable impact on the metabolic syndrome than a low fat diet. Lipids. 2009 Apr;44(4):297-309. doi: 10.1007/s11745-008-3274-2. Epub 2008 Dec 12. PMID: 19082851.

この論文は、糖質制限食が低脂肪食と比較して、血中中性脂肪の低下やメタボリックシンドロームの改善に優れていることを示しています。

糖質制限により脂質をエネルギー源とする代謝(ケトーシス)が促進され、血中脂質プロファイルが改善されるという、山田医師の「脂質起動」の概念と一致します。

2)脂質と脳の健康に関する研究

Cunnane S, Nugent S, Roy M, Courchesne-Loyer A, Croteau E, Tremblay S, Castellano A, Pifferi F, Bocti C, Paquet N, Begdouri H, Bentourkia M, Turcotte E, Allard M, Barberger-Gateau P, Fulop T, Rapoport SI. Brain fuel metabolism, aging, and Alzheimer’s disease. Nutrition. 2011 Jan;27(1):3-20. doi: 10.1016/j.nut.2010.07.021. Epub 2010 Oct 29. PMID: 21035308; PMCID: PMC3478067.

「脂質は脳健康をかなえる」「超脂質食こそ脳にやさしい」という主張に関連する論文として、ケトジェニックダイエット(高脂質・低糖質食)が神経保護や認知機能に与える影響を調査した研究が考えられます。

この論文は、ケトン体(脂質代謝の副産物)が脳のエネルギー源として機能し、アルツハイマー病や認知症の予防に役立つ可能性を示唆しています。

特に、糖質過多がアミロイドβの蓄積を促進するのに対し、脂質を活用した代謝が脳の健康を支えるという点で、山田医師の主張と一致します。

3)脂質とがん予防に関する研究

Kaaks R, Lukanova A. Energy balance and cancer: the role of insulin and insulin-like growth factor-I. Proc Nutr Soc. 2001 Feb;60(1):91-106. doi: 10.1079/pns200070. PMID: 11310428.

「脂質はがん予防につながる」「果糖が発がんやがんの成長に関与する」という主張に関連する論文として、糖代謝とがんの関係を扱った研究が候補です。

この論文は、糖質過多によるインスリンやIGF-1(インスリン様成長因子)の増加ががんのリスクを高める可能性を示唆しています。

一方、脂質を主体とした食事(ケトジェニックダイエット)がインスリン感受性を改善し、がんの成長を抑制する可能性が議論されています。

関連性: 「果糖が発がんに関与する」という主張を間接的に支持し、脂質中心の食事ががん予防に寄与する可能性を示します。

4)脂質と生活習慣病・動脈硬化のリスク低下

Mensink RP, Zock PL, Kester AD, Katan MB. Effects of dietary fatty acids and carbohydrates on the ratio of serum total to HDL cholesterol and on serum lipids and apolipoproteins: a meta-analysis of 60 controlled trials. Am J Clin Nutr. 2003 May;77(5):1146-55. doi: 10.1093/ajcn/77.5.1146. PMID: 12716665.

このメタアナリシスは、飽和脂肪酸を含む脂質の摂取が、HDLコレステロールを増加させ、総コレステロール/HDL比を改善することで動脈硬化リスクを軽減する可能性を示しています。これは「コレステロールの古い常識を疑ってみる」という山田医師の主張と一致します。

関連性: 「脂質を摂ると脂質異常症や動脈硬化のリスクが下がる」という記述を裏付ける科学的根拠となり得ます。

5)脂質は肥満の直接原因ではない

Shai I, Schwarzfuchs D, Henkin Y, Shahar DR, Witkow S, Greenberg I, Golan R, Fraser D, Bolotin A, Vardi H, Tangi-Rozental O, Zuk-Ramot R, Sarusi B, Brickner D, Schwartz Z, Sheiner E, Marko R, Katorza E, Thiery J, Fiedler GM, Blüher M, Stumvoll M, Stampfer MJ; Dietary Intervention Randomized Controlled Trial (DIRECT) Group. Weight loss with a low-carbohydrate, Mediterranean, or low-fat diet. N Engl J Med. 2008 Jul 17;359(3):229-41. doi: 10.1056/NEJMoa0708681. Erratum in: N Engl J Med. 2009 Dec 31;361(27):2681. PMID: 18635428.

この研究で分かったポイントは3つ。

・低炭水化物食と地中海式食は、低脂肪食に比べて減量効果が高く、脂質プロファイルや血糖コントロールにも良い影響を与えた。
・特に低炭水化物食は、脂肪摂取量が多いにもかかわらず、脂質異常症のリスクを軽減し、減量に有効であることが示された。
・これにより、「脂質は肥満の直接原因ではない」ことが支持され、個人の代謝特性や嗜好に応じた食事選択の重要性が示唆された。

この研究は、従来の「脂質=肥満の原因」という考えを否定し、高脂肪の低炭水化物食が減量や代謝改善に有効であることを示しています。

脂質を積極的に摂取することで、脂質プロファイルが改善し、肥満リスクが低下する可能性があるため、脂質を敵視するのではなく、適切な食事戦略の中で活用することが推奨されます。

6)脂質を先に摂ることで血糖値の上昇を抑える

血糖値上昇を抑えるのは「野菜」ではなかった…「痩せ効果ホルモン」を分泌するために「一口目」に食べるべきもの(プレジデントオンライン)によれば、脂質を先にしっかり摂っておくことでGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)というインクレチンが分泌されインスリンが適切なタイミングで速やかに分泌され、その後から糖質を摂っても血糖値上昇を最小限に留めることができるそうです。

この記事でのポイントは、ベジファーストによる糖尿病の予防効果は実は「オイル」によるものなのではないかという点です。

ベジファーストの研究ではオリーブオイル入りのドレッシングをかけて野菜を先に食べてもらったそうで、他のグループで野菜だけで食後の血糖上昇を抑制できたという報告がないことから野菜と一緒に摂る脂の力によって食後の血糖値の上昇が抑えられたのではないかと考えられるそうです。

Imai S, Fukui M, Ozasa N, Ozeki T, Kurokawa M, Komatsu T, Kajiyama S. Eating vegetables before carbohydrates improves postprandial glucose excursions. Diabet Med. 2013 Mar;30(3):370-2. doi: 10.1111/dme.12073. PMID: 23167256; PMCID: PMC3674531.

調べた論文の中にはどのようにして野菜を食べたのかまでは調べることができませんでしたが、もし野菜にオリーブオイル入りのドレッシングをかけたのであれば、ベジファーストによる血糖値抑制効果は、野菜の食物繊維だけでなく、オリーブオイルなどの脂質の作用による可能性が高く、脂質は胃腸での食物の消化・吸収を遅らせ、血糖値の急上昇を抑える効果があり、この結果、インスリン濃度が低下し、減量や糖尿病予防につながる可能性があると考えられます。

今後は野菜単独とオイル入りのドレッシングをかけた野菜とで比較されると「オイルファースト」仮説が推奨されるようになるかもしれません。

■まとめ

「脂質」は悪者というイメージがあり、避けている人も多いのではないでしょうか?

例えば、肉料理が苦手だったり、以前は、家族のために栄養を考えて、肉や卵などを使って料理をしていた人が、一人暮らしになってから、自分が好きなものだけを食べることで食が偏るようになって、肉や卵を使った料理を食べなくなってしまったり、食事の量自体が減ってしまったり、中高年の頃からのメタボ対策のための粗食を継続してしまったりすることで、たんぱく質が不足してしまうということがあるようです。

また脂質=油といっても、良い油・悪い油という視点を加えるとさらに見え方が変わってきます。

ナッツは脂肪分が多くて避ける方もいますが、実はナッツの健康・美容効果|カシューナッツ・ピーナッツ・アーモンド・ピスタチオ・クルミ・マカダミアナッツ|#世界一受けたい授業によれば、ナッツ類を摂取すると、がんリスクの低下、骨の強化、血糖値の安定化による糖尿病リスクの低下、心血管リスクの低下といった効果があるそうです。

■がんリスクの低下

Bolling, B.W.; Aune, D.; Noh, H.; Petersen, K.S.; Freisling, H. Dried Fruits, Nuts, and Cancer Risk and Survival: A Review of the Evidence and Future Research Directions. Nutrients 2023, 15, 1443. https://doi.org/10.3390/nu15061443

■糖尿病リスクの低下

【参考リンク】
De Souza, R.G.M.; Schincaglia, R.M.; Pimentel, G.D.; Mota, J.F. Nuts and Human Health Outcomes: A Systematic Review. Nutrients 2017, 9, 1311. https://doi.org/10.3390/nu9121311

■心血管疾患のリスクの低下

Plant Foods, Antioxidant Biomarkers, and the Risk of Cardiovascular Disease, Cancer, and Mortality: A Review of the Evidence

■体重増加を抑える

Prospective study of nut consumption, long-term weight change, and obesity risk in women

ナッツはカロリーが高いイメージがありますが、ナッツの食事に取り入れても体重増加は促進されず、むしろ体重増加と肥満リスクが低下していることがわかりました。

ナッツに含まれる栄養成分が満腹感を与え、空腹を紛らしてくれて、また腸を健康にするからと考えられます。

Walnuts Consumed by Healthy Adults Provide Less Available Energy than Predicted by the Atwater Factors123

アーモンドやクルミは吸収されるカロリーが少ないことを示す研究もあります。

■血圧を下げる

Nut consumption and risk of hypertension in US male physicians

■認知機能の向上

Chauhan, A.; Chauhan, V. Beneficial Effects of Walnuts on Cognition and Brain Health. Nutrients 2020, 12, 550. https://doi.org/10.3390/nu12020550

■コレステロール値を下げる

Guasch-Ferré, M.; Tessier, A.-J.; Petersen, K.S.; Sapp, P.A.; Tapsell, L.C.; Salas-Salvadó, J.; Ros, E.; Kris-Etherton, P.M. Effects of Nut Consumption on Blood Lipids and Lipoproteins: A Comprehensive Literature Update. Nutrients 2023, 15, 596. https://doi.org/10.3390/nu15030596

■長寿

Association of Nut Consumption with Total and Cause-Specific Mortality

つまり大事なポイントは2つ。

(1)脂質は悪者じゃない!

(2)良い油を摂ろう!

【関連記事】

■背景

「脂質起動」(著:山田悟)も目次を参考にします。

アブラは体に悪い、はウソだった。

最新栄養学で糖尿病患者を救う北里大学糖尿病センター長・山田悟医師が「糖質疲労しない食べ方」を教えます。

『糖質疲労』でお伝えした、「糖質を減らす」ことで得られる疲れにくさとパフォーマンス向上。

でも、減らした糖質の分、もしかして「野菜やきのこ」ばかり食べていませんか?

じつは、それはとてももったいない食べ方です。

糖質を減らした分、増やさなくてはならないもの、それは「脂質」です。

脂質は、血糖値上昇にブレーキをかける働きがあり、さらに、脂質をきちんと摂ることで、からだについた脂肪を燃焼させやすくし、基礎代謝を上げる効果があります。

本書では、脂質をしっかり摂ることで得られる健康についてお伝えします。

◎脂質は、「脳健康」をかなえる
◎脂質は、「がん予防」につながる
◎脂質は、パフォーマンスを向上させる

山田医師によれば、脂質は「悪者」どころか、「もっとも安全な」栄養素。

日本人がまだ知らない、世界の最新医学を根拠に、「いいアブラ・よくないアブラ」の最新情報や、日常に無理なく採り入れていただける「脂質食」についてご紹介します。

脂質は、活力。脂質で「枯れない」毎日を!

【目次より】

●「からだが何をエネルギー源にするか」は「何を食べるか」で変わる
●糖質過多で「脂質起動」が妨げられていた
●「脂質を食べる」と「落とせなかったお腹の脂肪が減る」その仕組み
●ジムに行けない日こそ「脂質たっぷり」が正解のワケ
●「甘いものは別腹」は本当、「脂肪肝」を招く怖い「果糖」
●「脳に糖分を!」と甘いものを常に食べていませんか?
●糖質過多だと“脳のゴミ・アミロイドβ”が掃除されない?
●「脳の唯一の栄養は糖」はウソ、「超脂質食」こそ脳にやさしい
●「発がん」にも「がんの成長」にも関与する「果糖」!?
●脂質を摂ると「脂質異常症」「動脈硬化」のリスクが下がる
●「お肉」も安全な優秀脂質、がっつり食べよう
●食べる前の「手のひらナッツ」が肥満も疲れも防いでくれる 
●糖質は控えめ、脂質とたんぱく質は「満腹になるまで」食べなさい 

山田悟医師は、北里大学北里研究所病院の糖尿病センター長であり、糖質制限(ロカボ)と脂質の積極的な摂取を推奨する食事療法の第一人者です。

特に、「脂質起動」では、脂質をエネルギー源として活用することで、血糖値の安定、脂肪燃焼、基礎代謝の向上、脳の健康、がん予防、運動パフォーマンスの向上などを主張しています。

書籍の説明では、2009年に米医学雑誌に掲載された「脂質をとる食事ほど、逆に血中中性脂肪が下がりやすくなる」という論文が研究のきっかけとして挙げられています。

■脂質起動とは?

脂質は肥満の直接原因ではない…糖質を減らし、脂質を摂ると「健康」になるワケ(2025年6月26日、現代ビジネス)によれば、糖質が多くて脂質を控える食事をしていると、疲れやすく、太りやすく、病気になりやすくなりますが、糖質を控えて脂質摂取を増やし「脂質起動」ができれば、疲れにくく、太りにくく、病気になりにくくなるそうです。

アスリートの世界ではファット・アダプテーションが注目されているそうです。

簡単に言えば、運動のエネルギー源として脂肪を使う方が効率的で、ファットアダプトで脂質を効率的に使えるようになっていれば、バテることなく、長く運動を続けることができます。

■補足

●ファット・アダプテーション(脂質適応状態)

Carey AL, Staudacher HM, Cummings NK, Stepto NK, Nikolopoulos V, Burke LM, Hawley JA. Effects of fat adaptation and carbohydrate restoration on prolonged endurance exercise. J Appl Physiol (1985). 2001 Jul;91(1):115-22. doi: 10.1152/jappl.2001.91.1.115. PMID: 11408421.

【要約】

この研究は、7人の競技アスリートを対象に、ファットアダプテーション(高脂肪食による脂肪代謝の適応)が長時間持久力運動の代謝とパフォーマンスに与える影響を調査しました。

【方法】

アスリートは、最初に1日間の標準的な炭水化物食を摂取後、6日間、以下のいずれかの食事を摂取:

高炭水化物食(HCHO): 炭水化物11g/kg/日、脂肪1g/kg/日
高脂肪食(脂肪適応): 炭水化物2.6g/kg/日、脂肪4.6g/kg/日

8日目に高炭水化物食を摂取し休息。9日目に運動前食を摂取後、最大酸素摂取量(VO2ピーク)の65%で4時間サイクリングし、続けて1時間のタイムトライアル(TT)を実施。

【結果】

代謝変化:6日間の高脂肪食後、運動中の呼吸交換比(RER)が低下(0.78 vs. 0.85、P<0.05)、脂肪酸化が増加(171g vs. 119g、P<0.05)、炭水化物酸化が減少(597g vs. 719g、P<0.05)。 1日間の高炭水化物食と運動前食でRERは回復(0.88)し、炭水化物の利用が増加。 パフォーマンス:タイムトライアルのパワー出力は、脂肪適応後の方が高炭水化物食後より11%高い傾向(312W vs. 279W、P=0.11)がみられたが、統計的に有意な差はなし。 【結論】 ●ファットアダプテーションは運動中の脂肪酸化を増加させ、炭水化物酸化を減少させる。 ●1日間の高炭水化物食で炭水化物利用が回復しても、脂肪酸化はベースライン以上を維持。 ●ただし、4時間サイクリング後の1時間タイムトライアルのパフォーマンスに対する有意な向上は確認されなかった。 【ポイント】 ファットアダプテーションは、体内で脂肪をエネルギー源として効率的に利用する代謝状態を促進しますが、短期間(6日間)の介入では持久力パフォーマンスの有意な向上にはつながらない可能性があります。この研究は、糖質制限と脂質摂取を組み合わせた食事戦略が代謝に与える影響を明らかにしていますが、パフォーマンス向上にはさらなる研究が必要とされています。

●補足2

スポーツ栄養では魚の油に含まれるDHA・EPAを摂取することが世界的トレンドに!炎症を抑える・疲労回復・持久力に効果によれば、欧米の選手は「たんぱく質は肉で摂取する」というイメージもありましたが、実際には運動負荷で筋肉に生じる痛みや損傷を抑制したり、コンスタントに良いコンディションを維持するため、積極的に魚を食べるようになっているそうです。

●筋肉痛

●疲労回復

●持久力向上







トランプ政権、コカ・コーラの甘味料を「本物のサトウキビ糖に」!MAHA(アメリカを再び健康に)」のスローガンを掲げ超加工食品に最優先に取り組み子供たちの食べ物を改善




コカ・コーラの甘味料「本物のサトウキビ糖」に トランプ氏(2025年7月17日、AFP)によれば、トランプ政権では「MAHA=Make America Healthy Again(アメリカを再び健康に)」をスローガンの一つに掲げて、合成着色料や人工甘味料を問題視しており、トランプ大統領はコカ・コーラに高果糖コーンシロップ(HFCS)ではなく本物のサトウキビ糖を使用することに合意したと発表しました。

背景には、加工食品やワクチン過剰接種が子どもの健康損ねる恐れ=米MAHA報告書(2025年5月23日、ロイター)によれば、MAHA報告書で、アメリカの子供たちの太りすぎや糖尿病、がん、精神疾患、アレルギー、自閉症などが増えているのは国家的危機と主張し、「超加工食品危機」に最優先で取り組み、子供たちの食べ物を改善していくことにあります。

世界的な食生活は、比較的安価で、非常に美味しく、すぐに食べられる超加工食品((ultra-processed foods;UPFs))がますます主流になりつつあり、アメリカ人は摂取するカロリーの約6割、砂糖の9割を「超加工食品」から摂取している!?で紹介した英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(BMJ)の調査結果によれば、米国人は摂取するカロリーの58%、砂糖の90%を清涼飲料水やシリアル、袋詰めされたパンや焼き菓子、袋入りのスナック類、その他の菓子類、デザート類、再構成肉(チキンナゲットなどの材料)、即席めん類、スープなどの「超加工食品」から摂取していることがわかったそうです。

【関連記事】

こうしたことが社会問題となり、解決するための方法の一つとして、社会で健康的なライフスタイルにシフトチェンジしようという動きが出ています。

「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが「#健康格差」の要因|#NHKスペシャルで紹介しましたが、イギリスでは脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功したそうで、その理由としては、イギリス食品基準庁が塩分を減らすように食品の塩分量の目標値を設定したことにあるそうです。

また、健康寿命は23区の平均よりも2歳短く、糖尿病の治療件数が最も多い足立区では、区民が「自然と」健康になるようにする対策として、飲食店にはお客のお通しに野菜を提供すること、肉のメニューと野菜のメニューを同時に頼まれても、必ず野菜から出してもらうようにお願いをし、また、区立のすべての保育園で野菜を食べる日を設け、調理は子ども自身が担当することで、楽しみながら野菜を摂取してもらうようにしたことにより、足立区の1人当たりの野菜消費量は年間で5kg増えたそうです。

健康の問題はその人個人の自己責任というのは簡単ですが、自分を律するというのは大変難しいもの。

「スイッチ 変われないを変える方法」(著:チップ・ハース ダン・ハース)によれば、セルフ・コントロールは消耗資源であり、例が挙げられています。

スイッチ! ──「変われない」を変える方法 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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例:ウェディングレジストリ(アメリカで結婚時に新郎新婦が作る結婚祝儀のほしいものリスト)の作成やコンピュータの購入など複雑な選択や検討をさせられた人々はさせられていない人々よりも集中力や問題解決能力が落ちる事が分かっている。

例:ある研究によると、感情を抑えるように支持された被験者は、自由に涙を流した被験者と比べて、その後の身体持久力が低下することがわかった。

健康は大事とはわかっていても、セルフ・コントロールは消耗資源であり、毎日疲れている人が自分の健康のために食材一つ一つを吟味するというのは難しく、結果的にいつもと同じものを選んでしまうわけです。

トランプ政権がより健康的なものを選択するように企業に働きかけるというのは、健康の問題を自己責任とするのではなく、個人が意識的に健康的な生活習慣を選ぶという時代から、自然と選んでいるものが健康的なものという時代に変えていく方向に進んでいるということではないでしょうか?(もちろんコストは高くなるものの、それによって健康的な人が増えれば結果的に医療費が下がることも期待しているのではないでしょうか?)







【関連記事】

ニンジンは大腸がん予防や糖尿病予防に役立つ食べ物!?




■ニンジンは大腸がん予防によい!

ニンジンには大腸がん予防にもよいそうです。

ニンジンが大腸がんに及ぼす影響に関する同様の研究の予備的調査結果によると、生のニンジンまたは軽く調理したニンジンを毎日30~40グラム摂取するだけで有益な効果がある可能性があると示唆されている。

がんリスクを下げる抗ガン食材とはどんな食べ物なの?によれば、βカロテンを多く含むにんじんも抗ガン食材として紹介しました。

長期追跡調査を行ったデンマークの人口 57,053 人を対象に、ニンジン摂取量から予測される 結腸直腸がん(CRC)診断リスクを調べたところ、毎週 2~4 本以上 (>32 g/日) の生ニンジンを自己申告で摂取していた人は、徹底的なモデル調整を行った後でも、生ニンジンを摂取しなかった人と比較して、平均 18 年を超える追跡調査で結腸直腸がん(CRC)リスクが 17% 低下したことがわかったそうです。

ニンジンが癌予防の役割を果たすのは、生理活性ポリアセチレンオキシリピンであるファルカリノール (FaOH) とファルカリンジオール (FaDOH) の主な食物源であるためです。

→ 大腸がんの症状(初期症状)チェック・原因・予防 について詳しくはこちら

■ニンジンは糖尿病予防に役立つ!

南デンマーク大学が行った2型糖尿病のマウスの実験によれば、ニンジンを摂取すると血糖値を調節する体の能力を高め、腸内細菌のバランスがより健康的な方向に変化することが分かったそうです。

今回の研究によれば、ニンジンが糖尿病に役立つ理由として「ニンジンには、細胞の糖吸収能力を高め、血糖値の調節を助ける生理活性化合物が含まれている」とあります。

【参考リンク】

メタボリックドミノを予防するカギは「腸と腎臓」!腸の炎症と慢性腎臓病を避けるにはどんな食事をするといいの?によれば、腸の炎症を起こすことが糖尿病につながると紹介しました。

肥満になっても腸管で炎症が起こらないと糖尿病になりにくい!?|慶大で紹介した慶應義塾大学医学部内科学教室の川野義長助教、中江淳特任准教授、伊藤裕教授らが行なったマウスの実験によれば、高脂肪食の過剰摂取による大腸の慢性炎症がインスリン抵抗性を引き起こし、糖尿病の発症につながるという新たな糖尿病発症メカニズムを解明しました。

この研究のポイントは、「肥満になっても、腸管で炎症が起こらないと糖尿病になりにくい」ことを示すものです。

【関連記事】

肥満になったからと言って必ず糖尿病になるわけでではなく、腸管で炎症が起こらないと糖尿病にはなりにくい、つまり腸管での炎症がポイントになるんですね。

また、腸の炎症を抑制するとメタボの症状が引き起こされないこともわかったことにより、メタボリックドミノは腸の炎症から始まるということもわかりました。

そして、腸の炎症が起こりやすくなる食べ方も分かったそうです。

 脂肪と糖分を同時に摂取すると、腸の炎症が起こりやすくなることがわかりました。糖分の過剰摂取は腸内細菌の働きを抑制し、腸内の免疫細胞が持つ防御力を弱めます。その後、腸管の表面を覆う細胞によって作られる防御壁が壊れ、そこから脂肪が体内に入りやすくなるのです。体内に脂肪が入り込むと、炎症を引き起こす化学物質「炎症性サイトカイン」が大量に分泌され、腸炎を起点としたメタボリックドミノの最初の駒が倒れはじめます。脂肪と糖分は過剰に摂取すると体に悪いのはもちろん、一気にメタボリックドミノを進めてしまうのです。

糖分の過剰摂取
→腸内細菌の働きの抑制・腸内の免疫細胞の防御力が弱まる
→腸管の表面を覆う細胞によってつくられる防御壁が壊れる
→脂肪が体内に入りやすくなる
→炎症性サイトカインが大量に分泌
→腸の炎症
→メタボリックドミノの進行

つまり、一つの仮説として、ニンジンを食べることで、、腸内細菌のバランスがよくなり(腸内細菌叢がよくなり)、腸の炎症を起こさなくなって、糖尿病を予防することがd系るのではないでしょうか?

【関連記事】

ニンジンが糖尿病予防や大腸がん予防のためにも役立つようですので、食事の中に入っているか今一度見直してみてくださいね。

→ 糖尿病の症状(初期症状)チェック について詳しくはこちら







五木ひろしさんの病気は慢性閉塞性肺疾患(COPD)と気管支炎。五木さんのタバコの喫煙歴はどれくらいあるの?




五木ひろし、慢性閉塞性肺疾患と気管支炎で明治座公演19日まで休演 代役立てて上演へによれば、五木ひろしさんの病気は慢性閉塞性肺疾患(COPD)だったそうです。

【追記(2025年7月15日)】

《「たばこは精神安定剤」と語ったことも》五木ひろし 肺疾患で公演中止…50代で明かしていた「反禁煙論」で紹介されているかこのインタビューによれば、「この20年間、ずっと吸っているけれど、たばこは僕にとって一種の精神安定剤だ。」と語っています。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは?

COPDとは、気管支や肺に炎症が発生し、息を吸うことができても吐き出せなくなる病気のこと。

COPDは、炎症が長期にわたる慢性気管支炎や、酸素を取り込む肺胞が壊れる肺気腫などの総称です。

長期にわたって喫煙していて、3週間以上咳が続いている場合には、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の可能性があります。

●COPDの症状

これはタバコの煙によって肺が傷みやすい体質のかたに生じる病気で、進行すると日頃からたんとせき、動作時の息切れがみられます。

・咳(せき)
・痰(たん)
・息切れ

重症化すると、呼吸困難で全身状態が悪化することがあります。

マッチ吹きテスト

COPDになる前に、ぜひチェックしてみましょう。

【準備するもの】

マッチ
ボールペン

【マッチ吹きテストのチェック方法】

1)マッチに火をつける。
火が消えないように、マッチの軸にまで火を燃え移すようにしてください。
2)マッチを口から15cm離れた位置に持っていく。
ボールペンの長さが約15センチなので、ボールペンを目安にするとわかりやすいそうです。
3)口を大きく開けた状態で息を吹きかけ、マッチの火を消してみましょう。
息を吐くときに、口をすぼめないように注意してください。
マッチの火を吹き消せない場合は、COPDの可能性があるそうです。

COPDの可能性がある方は、ぜひ病院で診てもらいましょう。

詳しい検査は、専門医に診ていただくことをおすすめします。

■まとめ

加齢によって、年々肺の機能は低下していき、喫煙されている方はより肺機能が低下していくそうです。

あまり聞きなれないCOPDという病気ですが、 WHOによれば、COPD(慢性閉塞性肺疾患)は、世界の死亡原因の第3位となっています。







グルテンフリーを公言しているディーン・フジオカさん、実はセリアック病の持病を抱えていた!




2025年7月12日放送のMBS「痛快!明石家電視台」に出演したディーン・フジオカさんはこれまでグルテンフリーを公言していましたが、実は「セリアック病」であることを明かしました。

■セリアック病とは?

セリアック病とは、小麦や大麦などに含まれるたんぱく質グルテンを摂取することにより免疫系が小腸を攻撃し、栄養の吸収を阻害する病気です。

セリアック病はグルテン(小麦、大麦、ライ麦などに含まれるタンパク質)に対する自己免疫反応によって小腸が損傷を受ける慢性の消化器疾患であり、グルテンに対する過敏性がある人がグルテンを摂取することによって症状があられる病気であるとかんがえられます。

■グルテンフリーとは?

「グルテンフリー」とは、グルテンアレルギーやセリアック病の予防・改善のため、小麦・大麦・ライ麦などに含まれる「グルテン」というたんぱく質を避ける食事法です。

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