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人間は「栄養」を食べているわけではない?完全栄養食とNASA宇宙食から考える「食べる」ということ

ハクライドウではこれまで「完全栄養食」について何度も取り上げてきました。

忙しくて食生活が乱れやすい人の栄養補給、高齢者の低栄養、将来の食糧問題などを考えると、必要な栄養素を効率よく摂取できる完全栄養食には大きな可能性があります。

日清食品の完全栄養食について調べた際には、単なる一つの商品ではなく、社員食堂やレストラン、シニアの健康寿命支援、さらには個人に合わせた栄養のパーソナライズへ発展していくロードマップも紹介しました。

ですから、この記事は「完全栄養食はよくない」という話ではありません。

むしろ今回考えてみたいのは、以前から完全栄養食を調べる中で何度も浮かんできた一つの疑問です。

そもそも、人間にとって「食べる」とは何なのでしょうか?

■「栄養さえ摂れれば食事はいらない?」という疑問

2014年から紹介してきた完全栄養食「Soylent(ソイレント)」は、この問題を考えるうえで象徴的な存在でした。

ハクライドウでは、ソイレントだけで30日間生活するという実験を紹介しながら、

「本当に栄養だけがとれればいいのでしょうか?」

と問いかけています。

そこで注目したのは、食事には栄養補給だけではなく、人に喜びを与えたり、人とのコミュニケーションにつながったりする側面もあるということでした。

その後、日清食品のAll-in PASTAを取り上げた記事でも同じ問題について考えています。

必要な栄養を摂るだけなら非常に合理的です。

しかし、人間は食事を香りで楽しみ、見て楽しみ、食べて楽しんでいます。

そこでハクライドウでは、アレンジによって食に変化を持たせられる完全栄養食には、「食の楽しみ」まで考えた可能性があるのではないかと考えていました。

さらに、完全栄養食だけの生活を6年間続けている男性について取り上げた際には、今度は「咀嚼」に注目しました。

液体や粉末から栄養を摂取できたとしても、「噛む」という行為までなくしてしまってよいのだろうか、という問題です。

こうして振り返ってみると、ハクライドウでは完全栄養食を追いかけながら、ずっと同じ問いを別の角度から考えてきたように思います。

■「栄養的に完全であること」と「食事として完全であること」は同じなのだろうか?

きっかけはSNSで見かけた「食事の自動化」

今回この問題を改めて考えるきっかけになったのが、SNSの投稿で話題になった食生活のアイデアでした。

冷凍庫に平日数週間分の食事をストックして、夕食をある程度固定してしまう。

毎日、

「今日の夕飯、何を食べよう?」

と考える必要がありません。

買い物、献立、調理などの負担も小さくできます。

これは非常に合理的です。

特に、健康的な食生活をしたいと思っていても、毎日の忙しさの中でそれを実践することが難しい人にとって、食事をある程度「仕組み化」することには大きなメリットがあります。

ところが、その投稿への反応の中には、

「同じような食事を続けているうちに食べたくなくなった」

「パッケージを見るのも嫌になった」

「同じような柔らかな食感が苦手になった」

といった体験談もありました。

【参考リンク】
Xの投稿1
Xの投稿2

もちろん、SNS上の個人的な体験談から一般化することはできません。

しかし、

なぜメニューが違っていても「同じものを食べ続けている」という感覚になることがあるのだろう?

と考えてみると、とても面白い研究分野につながっていきます。

■同じものを食べていると魅力が下がる「感覚特異的満腹」

食行動研究には「感覚特異的満腹(sensory-specific satiety)」と呼ばれる現象があります。

簡単にいえば、ある食品を食べていくうちに、食べていた食品に対する快さが選択的に低下していく現象です。

重要なのは、

単純に「お腹いっぱいだから何も食べたくない」という現象とは少し違う

ということです。

食べていたものへの魅力は低下していても、違った特徴を持つ食品なら食べたいと感じることがあります。

つまり私たちが食べているのは、単に、

「タンパク質何g」

「炭水化物何g」

「ビタミン何mg」

という栄養素ではありません。

食品から入ってくるさまざまな感覚情報を受け取りながら食事をしています。

■「メニューが違う」だけでは十分ではないのかもしれない

ここで最初のSNSの話が面白くなります。

仮に毎日料理の名前が違っていたとしても、

容器が似ている。

見た目が似ている。

香りが似ている。

温度が似ている。

そして、

食感が似ている。

そうすると、料理の名前としては20種類あったとしても、私たちの感覚にとって本当に20種類の異なる食体験になっているのかは別の問題です。

ここはまだ仮説ですが、「食事の多様性」を考えるときには、メニューの数だけではなく、

味 × 香り × 見た目 × 温度 × 食感

といった「感覚の多様性」を考える必要があるのかもしれません。

サクサク。

パリパリ。

シャキシャキ。

もちもち。

トロトロ。

温かいもの。

冷たいもの。

香ばしいもの。

料理として考えれば当たり前の違いですが、栄養素だけを基準に食事を見ると、こうした違いはほとんど見えなくなってしまいます。

■実はNASAも「食べ続けられる食事」を研究している

この問題をもっと極端な環境で考えると、「宇宙食」に行き着きます。

宇宙では食品の保存性や重量、スペースなど地上とは異なる制約があります。

NASAでは、長期宇宙飛行において限られた食事を繰り返すことが食品の受容性にどのような影響を与えるのか、「menu fatigue(メニュー疲労)」という観点から研究されています。

つまり、

栄養学的に必要なものを用意するだけではなく、人間がそれを食べ続けられるのか

という問題です。

ここが完全栄養食を考えてきたハクライドウにとって非常に興味深いところです。

宇宙食という究極に合理性が求められる食事であっても、結局は「人間が食べる」という問題から逃れられないのです。

■なぜ人間は「いろんなもの」を食べたくなるのだろう?

こう考えてみると、普段は当たり前だと思っている食生活が少し違って見えてきます。

例えば朝食に、

味噌汁。

ご飯。

焼き魚。

漬物。

卵焼き。

が並んでいるとします。

栄養素だけで見れば、それぞれを分解して、

タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル……

と表現できます。

しかし人間が実際に経験している食事は、それだけではありません。

味噌汁を飲む。

魚を噛む。

漬物をポリポリ食べる。

温かいご飯と一緒に味わう。

そこには味も、香りも、温度も、硬さも、音もあります。

そして昨日魚を食べたなら、

「今日は肉にしようかな」

と思う。

単なる「気まぐれ」のように見えます。

でも今回考えてきた感覚特異的満腹や食事の単調性という視点から見ると、

こうした変化を求めること自体が、人間の食行動の興味深い特徴なのではないか

と思えてきます。

■完全栄養食の考え方に問題があるわけではない

ここは強調しておきたいところです。

完全栄養食という考え方そのものが間違っているわけではありません。

ハクライドウでは以前から、完全栄養食には、忙しい人の栄養補給、高齢者の低栄養対策、食糧問題などに活用できる可能性があると考えてきました。

また日清食品のロードマップを見ると、完全栄養食を一種類だけ食べ続けるという発想ではなく、社員食堂、レストラン、小売、シニア支援、個人に合わせた食の提案などへ広げようとしていることがわかります。

むしろ面白いのはその先です。

完全栄養食が発達すればするほど、

「では人間にとって本当に完全な食事とは何だろう?」

という問いが生まれてきます。

■完全なのは「栄養」なのか、それとも「食事」なのか

必要な栄養素をすべて含んでいる。

カロリーもちょうどいい。

タンパク質も十分。

ビタミンやミネラルも計算されている。

これは「栄養」という面では、とても合理的な食事です。

でも人間は、

見る。

嗅ぐ。

味わう。

噛む。

食感を感じる。

温度を感じる。

選ぶ。

誰かと食べる。

そして「おいしい」と感じる。

過去の記事では、これを「食べる楽しみ」「コミュニケーション」「咀嚼」という方向から考えてきました。

今回そこに、

「感覚の多様性」

という視点が加わったのではないでしょうか。

■食生活で本当に大切なのは「続けられること」なのかもしれない

健康情報では、

「○○を食べましょう」

「○○を減らしましょう」

「栄養バランスを整えましょう」

といった話になりがちです。

しかし健康は一回の食事だけで決まるわけではありません。

大切なのは食習慣です。

そう考えると、

栄養的に優れていることと、その食生活を人間が無理なく続けられることの両方

を考える必要があります。

毎日食事について考えなくてよい仕組みは、ある人にとって食生活を続ける助けになります。

一方で、別の人にとっては、

「今日は何を食べよう?」

と選ぶこと自体が食生活を続けるために必要なのかもしれません。

つまり重要なのは、

「食事を効率化すること」が良いか悪いかではなく、どこを効率化し、どこに人間らしい変化を残すのか

なのではないでしょうか。

■まとめ 人間は「栄養」を食べているわけではない

完全栄養食について長く調べてきましたが、今回改めて感じたのは、

人間は「栄養」を食べているのではなく、「食事」を食べている

ということです。

必要な栄養素を摂ることはもちろん大切です。

しかし人間にとっての食事は、

栄養 + 味 + 香り + 見た目 + 食感 + 温度 + 咀嚼 + 選択 + 人とのつながり

のような、非常に複雑な体験なのかもしれません。

完全栄養食は、その中の「栄養」という非常に重要な問題を解決しようとするものです。

だからこそ、その考え方をさらに先へ進めるなら、

どうすれば必要な栄養を摂ることができ、なおかつ人間が「食べたい」と思い続けられるのか?

まで考える必要があるのではないでしょうか。

宇宙食という極端な環境について考えても、完全栄養食について考えても、最後には同じところに戻ってくるように思います。

「人間が食べる」とは、一体どういうことなのか。

もしかすると、本当の意味での「完全な食事」を考えるためには、栄養成分表だけではなく、私たちが食事をどこで、どのように感じているのかまで考える必要があるのかもしれません。

【関連記事】

「完全栄養食(パーフェクトフード・完全食)」に成長性はある?ない?キーワードは高齢者の低栄養・健康寿命・食糧問題!
完全栄養食だけ生活を6年続けた男性の健康状態とは?
食事が不要になる完全栄養食「ソイレント」とは?
日清の完全栄養食のロードマップとは?
日清のAll-in PASTAは完全栄養食のパスタ!

【参考文献】

Rolls BJ, Rolls ET, Rowe EA, Sweeney K. Sensory specific satiety in man. Physiology & Behavior. 1981;27(1):137-142.
DOI: 10.1016/0031-9384(81)90310-3
→ ある食品を食べた後、その食品の「おいしさ」の評価が、食べていない食品より大きく低下することなどを示した、感覚特異的満腹(sensory-specific satiety)の代表的研究です。
Penn Stateの論文情報

Stribiţcaia E, Evans CEL, Gibbons C, Blundell J, Sarkar A. Food texture influences on satiety: systematic review and meta-analysis. Scientific Reports. 2020;10:12929.
DOI: 10.1038/s41598-020-69504-y
→ 食品の形態・粘度・構造などの「食感」と、空腹感・満腹感・摂食量との関係を検討したシステマティックレビュー/メタ解析です。ただし研究間のばらつきが大きく、著者らも慎重な解釈が必要としています。
PubMed

NASA. How Does Spaceflight Change Food Appeal? 2021.
→ NASAが長期宇宙飛行における「menu fatigue」を研究していることを紹介しています。食べ物の受容性には、見た目、風味、食感、香りなど複数の要素が関係し、NASAは長期ミッション中の食事の受容性を調査しています。
NASAの記事

Douglas GL, Oswald T, Bell ST, Young M. Food Acceptability, Menu Fatigue, and Aversion During the SIRIUS-21 Analog Mission. NASA Technical Reports Server.
→ SIRIUS-21という8か月間のアナログミッションで、繰り返し食品を食べることによる受容性やmenu fatigueなどを調べた研究です。
NASA Technical Reports Server

Douglas GL, Bell ST, Roma PG, Oswald T, Young M. Food acceptability and selection by astronauts on International Space Station missions informs strategies and risks for deep space exploration. Frontiers in Psychology. 2025;16.
DOI: 10.3389/fpsyg.2025.1562044
→ ISSの宇宙飛行士15人を対象に、約6か月および1年間のミッションで食品の受容性を調査した研究です。興味深いことに、食品の受容性スコア自体はミッション中に低下せず、宇宙飛行士は早い段階から自分の好みの食品を選んでいました。個人の好みや食事の多様性を考えるうえで重要な研究です。
Frontiers掲載論文







「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」

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薬丸裕英さん、1年2か月禁酒しても脂肪肝・LDLコレステロール・総コレステロールが正常値にならず|肝臓を悪くするのはお酒だけじゃない?

薬丸裕英さんは、血液検査の数値をすべて正常にすることを目標に、1年2か月にわたって禁酒を続けているそうです。

しかし、2026年10月6日に報じられた内容によれば、還暦の誕生日までにすべての数値を正常にするという目標は達成できず、「LDLと総コレステロールと脂肪肝」の3つが正常値ではなかったと明かしています。

1年以上も禁酒を続けているのに、なぜ脂肪肝のままなのでしょうか?

ポイントになるのは、脂肪肝の原因はお酒だけとは限らないという点です。

■薬丸裕英さん、2021年には中性脂肪が415mg/dL

実は薬丸裕英さんは、以前にも血液検査の数値について明かしています。

2021年には、人間ドックで中性脂肪値が高かったことをきっかけに食事制限を始めたそうです。

当時のブログによれば、妻が脂質を抑えたメニューを考えるなど食事を工夫し、中性脂肪値が415mg/dLから196mg/dLまで減少したと紹介されています。

つまり薬丸裕英さんの場合、

2021年 「中性脂肪値が高い」 → 食生活を工夫 → 415mg/dLから196mg/dLへ

そして、

2026年 血液検査の数値正常化を目指して1年2か月禁酒 → それでも「LDL・総コレステロール・脂肪肝」が正常値ではなかった

という経緯になります。

ここで注意したいのは、「中性脂肪」と「LDLコレステロール」はどちらも脂質に関係する検査項目ですが、同じものではないということです。

以前、中性脂肪の数値が下がったからといって、その後LDLコレステロールなども同じような変化をするとは限りません。

■脂肪肝というと「お酒」が原因だと思っていませんか?

「脂肪肝」と聞くと、

「お酒をたくさん飲む人がなる病気」

というイメージを持っている方もいるかもしれません。

しかし、脂肪肝はお酒だけが原因ではありません。

ハクライドウでも以前、「肝臓を悪くするのはお酒だけじゃない!甘い飲み物も摂りすぎると脂肪肝の原因になる!」という記事で取り上げています。

今回の薬丸裕英さんについても、脂肪肝の原因が何なのかはニュース内容だけでは分かりませんが、「禁酒をしたのだから脂肪肝も必ず正常になる」と単純には考えられないことは覚えておきたいですね。

■お酒を飲まない人でも脂肪肝になることがある

ハクライドウでは、過去に「お酒を飲まない20代男性のALTが高値で脂肪肝の理由は毎日水代わりにコーラやカフェオレを飲んでいたことにあった!」というケースを紹介しています。

このケースの興味深いところは、「お酒を飲まない」という点です。

脂肪肝を考える場合には、飲酒の有無だけを見るのではなく、普段何を食べたり飲んだりしているのかという視点も重要になります。

脂肪肝の人は水を飲まない人が多い傾向にあるそうなので、何を飲んでいるかを見直しましょう。

■甘いものの食べ過ぎと脂肪肝

例えば名取裕子さんも、過去に肝臓の数値について取り上げられています。

「名取裕子さん、肝臓の数値が悪くて4キロダイエットしたら正常値に!原因は甘いものの食べ過ぎ!」では、甘いものの食べ過ぎと肝臓の数値について紹介しました。

また、NHK「あさイチ」で紹介された内容をまとめた「女性が注意したい脂肪肝の原因(甘いものの食べ過ぎ)」でも、甘いものと脂肪肝について取り上げています。

さらに、ハクライドウでは「甘いものを食べるなら日中を選ぶと脂肪肝や高脂血症などのメタボになりにくい!|名古屋大学」という研究についても紹介しています。

こうした例を見ていくと、脂肪肝を予防・改善することを考える際には、「お酒を飲むか飲まないか」という一つの生活習慣だけではなく、食生活全体を見ることが大切だと考えられます。

■脂肪肝では「体重」にも注目

もう一つ注目したいのが体重です。

ハクライドウでは以前、「ななまがりの初瀬悠太さん、健康診断で『肝臓に脂肪肝』が発覚!間食をやめて7kgダイエット」という記事を紹介しました。

先ほど紹介した名取裕子さんのケースでも、4キロ減量した後に肝臓の数値が正常値になったことが紹介されています。

もちろん、「体重を減らせば誰でも脂肪肝が改善する」という意味ではありません。

ただ、脂肪肝について考える際には、飲酒だけを見るのではなく、

・食事
・甘いものや甘い飲み物
・間食
・体重
・運動
・飲酒

など、自分の生活習慣を総合的に振り返ることが大切なのではないでしょうか。

■「一つの健康法ですべての数値が正常になる」とは限らない

今回の薬丸裕英さんのエピソードで興味深いのは、健康診断の数値を改善するために、実際に生活習慣を変えていることです。

2021年には中性脂肪値が高かったことから食生活を見直し、今回は血液検査の数値正常化を目標に1年2か月禁酒しています。

それでも今回、「LDL・総コレステロール・脂肪肝」が正常値ではなかったことを明かしています。

ここから私たちが参考にしたいのは、

「一つの健康法だけですべての検査値を改善しようと考えない」

ということではないでしょうか。

中性脂肪、LDLコレステロール、肝臓の状態など、それぞれを確認しながら、食事・運動・体重・飲酒など生活習慣全体を見直していくことが大切です。

健康診断で数値に変化があったときには、「お酒をやめたから大丈夫」「食事を変えたから大丈夫」と一つだけで判断せず、検査結果をもとに必要に応じて医師と相談しながら、自分に合った改善方法を考えていきたいですね。

→ 脂肪肝を治す方法 について詳しくはこちら

【参考リンク】

薬丸裕英 60歳、数値正常化を目指して1年2か月 禁酒を続けるも友人から“まさか”の指摘(2026年10月6日、日テレニュース)

薬丸裕英、妻のおかげで減少した数値「色々なメニューを考えてくれました」(2021年11月19日、ABEMA)







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「川島明さん『肝硬変の一歩手前』と警告された過去|肝臓は悪くなっても気づきにくい?」

2020年10月1日放送のテレビ東京系「主治医が見つかる診療所」に出演した麒麟・川島明さんは、当時、肝臓についてかなり厳しい指摘を受けたことを、後に2026年10月5日放送のテレビ朝日系「耳の穴かっぽじって聞け!」で振り返っています。

川島さん本人の振り返りによると、当時は「肝臓悪いランキング」でベテラン芸能人が多数いる中でダントツ1位。「100点満点で8点みたいな」「肝臓爆発寸前」といった表現で紹介され、スタジオの照明まで真っ赤になるほどだったそうです。

具体的な血液検査の数値(AST/GOT、ALT/GPT、γ-GTPなど)の公表値については確認できませんが、番組終了後には医師たちから飲酒をやめるよう強く勧められ、「肝硬変の一歩手前」と指摘されたことを川島さん自身が振り返っています。

当時はコロナ禍で、自宅で一人で多量のお酒を飲む生活が続いていた時期だったそうで、番組出演が生活を見直す一つのきっかけになったようです。

では、ここでちょっと気になることがあります。

肝臓がそこまで悪くなるまで、自分では気づかないものなのでしょうか?

■肝臓は悪くなっても気づきにくい?

肝臓について「沈黙の臓器」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

肝臓には大きな予備能力があるため、異常があっても自覚症状だけでは気づきにくい場合があります。

つまり、

「特に体調は悪くないから、肝臓も問題ないだろう」

とは必ずしも言えないわけです。

そこで重要になってくるのが、健康診断などで行われる血液検査です。

■健康診断のAST・ALT・γ-GTPって何?

健康診断の結果を見ると、

AST(GOT)
ALT(GPT)
γ-GTP

などの項目があります。

名前は見たことがあっても、

「結局、何を表しているの?」

と思っている人も少なくないのではないでしょうか。

ASTやALTは、肝臓をはじめとする細胞が障害を受けたときに血液中で増えることがある酵素です。

特にALTは主に肝臓に存在するため、肝臓の状態を知るための重要な手がかりの一つになります。

一方、γ-GTPは飲酒との関係で知られることの多い検査項目で、肝臓や胆道の状態をみる際の手がかりになります。

ただし、これらの数値一つだけで「肝臓病である」「肝硬変である」と判断できるものではありません。

検査値に異常がある場合には、ほかの検査結果や飲酒習慣、肥満、服用している薬なども含めて医療機関で判断することが大切です。

■「お酒を飲まないから大丈夫」とは限らない

川島さんのエピソードを読むと、

「たくさんお酒を飲んでいたから肝臓が悪くなったんでしょう?」

と思うかもしれません。

しかし、ここでこの記事を終わらせてしまうのはもったいありません。

肝臓の問題は飲酒だけに関係するものではないからです。

近年よく知られるようになっているのが、脂肪肝です。

脂肪肝には飲酒が関係するものだけでなく、肥満や食生活、運動不足、糖尿病などの代謝異常と関連するものもあります。

そのため、

「私はお酒を飲まないから肝臓は大丈夫」

と安心するのではなく、健康診断で肝機能の数値に異常を指摘されていないか確認することが大切です。

■脂肪肝を放置していいわけではない

脂肪肝というと、

「肝臓にちょっと脂肪がついているだけ」

というイメージを持っている人もいるかもしれません。

しかし、一部では肝臓の炎症や線維化が進み、さらに肝硬変などへ進行する場合があります。

もちろん、脂肪肝の人すべてが肝硬変になるわけではありません。

だからこそ大切なのは、自分で「大丈夫」「危険」と判断するのではなく、健康診断などで異常を指摘されたら、その原因や現在の状態を確認することです。

→ 肝硬変 について詳しくはこちら

■川島明さんのエピソードから私たちが学べること

川島明さんの話で本当に注目したいのは、

「芸能人が肝臓の数値を指摘された」

という話そのものではないのかもしれません。

それよりも、

自分では大丈夫だと思っていても、健康診断や血液検査をきっかけに生活習慣を見直すことがある

という点です。

健康診断の結果を受け取ったものの、

「そういえば去年ASTやALTが高かった気がする」

「γ-GTPに印が付いていたけど、そのままにしていた」

という人はいないでしょうか。

症状がないからといって、健康診断の結果まで放置していいとは限りません。

川島さんにとってテレビ番組での検査が生活を振り返るきっかけになったように、私たちにとっては年に一度の健康診断が、自分の生活習慣や肝臓の状態について考えるきっかけになるのではないでしょうか。







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広瀬アリスさんが摂食障害(過食嘔吐)の経験を告白!「痩せるために食べない」ダイエットについて考える

2026年10月4日放送の日本テレビ系「おしゃれクリップ」で、広瀬アリスさんが10代後半から20代前半に摂食障害を経験していたことを明かしました。

広瀬さんは、もともとスポーツをしていてしっかり食べる生活をしていたものの、芸能界に入り体重管理を意識するようになったと振り返っています。

撮影に向けて体重を落としても、その反動で食べ過ぎて体重が戻る。それを繰り返すうちに摂食障害となり、自身は「過食嘔吐だった」と語っています。

また、現在についても、完全に治ったとは感じておらず、食べたいという感情と今も向き合う瞬間があることを明かしました。

■「痩せるために食べない」という考え方の難しさ

今回の話で考えさせられるのは、単に「食べ過ぎてしまった」という話ではないことです。

広瀬さんが振り返っているのは、

体重を落とす → 反動で食べ過ぎる → また体重を落とそうとする

という繰り返しです。

「痩せたいのだから、食べる量を減らせばいい」

一見すると、とても単純なことのように思えます。

しかし、体重を減らすことへの意識が強くなり、食事を制限することと、その反動で食べてしまうことを繰り返すようになると、「食べる」という本来私たちの体を支える行為そのものが、大きな苦しみにつながってしまうことがあります。

広瀬さん自身も、撮影に向けて体重を落とした後に反動で食べ過ぎ、体重が戻るということを繰り返した末に摂食障害になったと振り返っています。

■過去の「さつまいもダイエット」の発言を、今どう読むか

以前、広瀬アリスさんはXで「体重を絞りたい」という人への返信の中で、朝ごはんと間食をさつまいもにすることや、水を1日1.5リットル飲むことを紹介していました。

その一方で、「激痩せするよとは言ってない」「人によっては痩せるというより体が軽くなったり睡眠の質が良くなったり、そういう変化が先に来たりもする」「ダイエットは積み重ね、継続で結果は出るもの」という趣旨の発言もしていました。

【関連記事】

今回明かされた経験と過去のXでの発言を直接結びつけることはできません。

ただ、今回の告白を知った上で改めて過去の発言を読み返してみると、「激痩せ」を強調するのではなく、継続することや体に現れる変化にも目を向けていた言葉が印象に残ります。

■摂食障害は「意志が弱い」「食べ方がおかしい」という単純な問題ではない

広瀬アリスさんだけでなく、これまでにも摂食障害を経験したことを公表している著名人がいます。

【関連記事】

また、体づくりや体重管理がパフォーマンスにも関係するスポーツの世界でも、食事や体重との関係に悩んだ経験を公表しているアスリートがいます。

【関連記事】

こうした話を「芸能人やアスリートの特殊な問題」として捉えるだけではなく、私たち自身の「痩せること」や「食べること」に対する考え方を振り返るきっかけにしてもよいのではないでしょうか。

私たちは日常的に、SNSや広告、テレビなどを通して、さまざまな体型やダイエットに関する情報に触れています。

ハクライドウでも、これまで「やせることへのプレッシャー」や体重を気にする背景について取り上げてきました。

【関連記事】

■まとめ:「何kg痩せるか」だけを健康のものさしにしない

体重計の数字だけが、健康の目標になっていませんか?

「もう少し痩せたい」と思うこと自体は、決して珍しいことではありません。

ただ、体重の数字ばかりを気にするようになると、いつの間にか「食べないこと」を良いことだと考えたり、「食べてしまった自分」を責めたりしてしまうこともあります。

食事は、体重をコントロールするためだけのものではありません。

私たちが毎日活動するためのエネルギーや栄養をとり、体をつくり、日々の生活を支える大切なものです。

だからこそ、

「何kg痩せるか」だけを健康のものさしにしない。

ちゃんと食べられているか。

ちゃんと眠れているか。

元気に日常生活を送れているか。

食べることが自分にとって大きな苦しみになっていないか。

そんな視点から自分の体と食生活を振り返ることも、大切なのではないでしょうか。

そして、食べることや体重への不安が強くなり、自分だけではどうにもできないと感じている場合には、「意志が弱いから」と自分を責めるのではなく、医療機関などの専門家に相談することも大切です。







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心血管疾患リスクがある人は「まるごとの果物」を食べる頻度が低い?米国37万人を調査

アメリカの約37万1000人の成人を対象にした2019年の大規模電話調査(BRFSS)のデータを使って、「まるごとの果物(生・冷凍・乾燥・缶詰など)」をどれくらいの頻度で食べているかと「100%フルーツジュース」をどれくらいの頻度で飲んでいるか を調べ、高血圧・高コレステロール・心臓発作・冠動脈疾患・脳卒中などの「心血管疾患(心臓や血管の病気)やそのリスクがある人」と「ない人」で違いがあるかを比較しました。

アメリカの食事ガイドラインでは「1日2カップ相当の果物」を推奨していますが、約80%の人が目標を達成できていません。

まるごとの果物とジュースはどちらも「果物」としてカウントされますが、食物繊維の量などが違うため、健康への影響が異なる可能性があります。

■主な結果

●全体の平均摂取頻度

・まるごとの果物:1日約1.06~1.07回
・100%果汁ジュース:1日約0.3回
(「何回食べた・飲んだか」の頻度で、量そのものではありません)

●まるごとの果物

・高血圧・高コレステロール・心臓発作・冠動脈疾患・脳卒中のある人は、ない人に比べて摂取頻度が低かった。
・年齢・教育・収入・喫煙などの影響を調整しても、多くの項目でこの傾向が残りました。

●100%果汁ジュース

・結果はまちまちでした。
・調整前は一部の疾患がある人で多め、調整後は「高コレステロールの人は少なめ」「心臓発作の経験がある人は多め」など、一貫した傾向は弱くなりました。

違いは統計的に有意でしたが、差自体は小さいものでした。

■注意点(この研究の限界)

・一度きりの「断面調査」なので、「果物をあまり食べないから病気になった」のか、「病気になってから果物を控えるようになった」のかはわかりません(因果関係は証明できません)。
・摂取「頻度」だけで「量」は測っていません。
・自己申告のデータなので、誤った報告の可能性もあります。
・運動や体重など、他の生活習慣は十分に調整されていません。

■まとめ

高血圧や高コレステロール、心臓発作、冠動脈疾患、脳卒中を自己申告した人では、そうでない人に比べて、まるごとの果物を食べる頻度が低い傾向がみられました。

一方、100%果汁ジュースについては、心血管疾患やそのリスクとの間に一貫した傾向はみられませんでした。

ただし、この研究は一時点の食習慣と健康状態を調べた断面研究です。

そのため、「果物を食べる頻度が少ないことが心血管疾患の原因になった」とは結論づけられません。

まるごとの果物は食物繊維、カリウム、ビタミンCなどを摂ることができます。

毎日の食生活では、ジュースだけに偏らず、りんごやバナナ、ベリー類など、まるごとの果物を取り入れることを意識してみるのもよさそうです。

【参考文献】

Kesler BJ, Hess JM, Bodensteiner A, Palmer DG, Tande D. Examining the Differences in Frequency of Whole Fruit or 100% Fruit Juice Intake among United States Adults With and Without Cardiovascular Disease Risk Factors: Analysis of 2019 Behavioral Risk Factor Surveillance System Data. Current Developments in Nutrition. 2026;10(9):109517.

【補足】

AHEI(代替健康食指数)とは?積極的に食べるべき食品と控えるべき食品

●果物(Fruits)
推奨:1日4回以上(1回=中サイズの果物1個や1/2カップ)。
例:リンゴ、バナナ、ベリー類、オレンジ、キウイなど。
コツ: 朝食や間食に、まるごとの果物を取り入れるのも一つの方法です。ジュースや缶詰を選ぶときは、100%果汁か、加糖されているかなど食品表示も確認しましょう。







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