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ヒトiPS細胞から3次元的な心臓組織を作製し、致死性不整脈であるTdPの複雑な特徴を培養下に再現することに成功|京都大学iPS細胞研究所




■ヒトiPS細胞から3次元的な心臓組織を作製し、致死性不整脈であるTdPの複雑な特徴を培養下に再現することに成功|京都大学iPS細胞研究所

ヒトiPS細胞由来の心筋細胞と間葉系細胞を混ぜて作製した3次元心臓組織モデル
ヒトiPS細胞由来の心筋細胞と間葉系細胞を混ぜて作製した3次元心臓組織モデル

参考画像:ヒトiPS細胞から3次元的な心臓組織を作製し、 致死性不整脈の複雑な特徴を培養下に再現することに成功(2017/10/23、京都大学iPS細胞研究所)|スクリーンショット

ヒトiPS細胞から3次元的な心臓組織を作製し、 致死性不整脈の複雑な特徴を培養下に再現することに成功

(2017/10/23、京都大学iPS細胞研究所)

ヒトiPS細胞から分化誘導した心筋細胞および間葉系細胞注1を用いて3次元的な心臓組織を作製した。
同3次元心臓組織を使って、致死性不整脈であるトルサード・ド・ポアント(Torsade de Pointes: TdP)注2の複雑な特徴を培養下に再現することに初めて成功した。
これまで不可能であった不整脈の発生を培養下に再現・解析したことにより、新しい安全性薬理試験や創薬研究のほか、難治性不整脈の治療法開発への応用が期待される。

川東正英大学院生(京都大学CiRA増殖分化機構研究部門・京都大学大学院医学研究科心臓血管外科学)、山下潤教授らの研究グループは、ヒトiPS細胞由来の3次元的心臓組織を作製し、不整脈の一種であるトルサード・ド・ポアント(TdP)を培養下に再現することに成功しました。

このことにより、難治性不整脈の治療法開発への応用が期待されます。




■背景

 TdPは心臓突然死の原因となる不整脈の一種で、薬の副作用としてしばしば現れることがあります。TdPが副作用として現れたために、薬の開発が中断されたり、既に上市された薬が市場から回収されたりすることもあります。そのため、開発の早い段階で薬の毒性を評価できるヒトの心臓のモデルが求められていました。

トルサード・ド・ポアント(Torsade de Pointes: TdP)が副作用として現れたために、薬の開発が中断されることが起こることがあり、薬の毒性を評価できるヒトの心臓のモデルが求められていたそうです。

■致死性不整脈

致死性不整脈とは何なのでしょうか?

不整脈 | 疾患別解説 | 心臓病の知識 | 公益財団法人 日本心臓財団

 1)致死性不整脈
 基礎疾患の有無に関わらず、放置すると短時間で死亡してしまう危険性の高い不整脈を「致死性不整脈」といいます。つまり、不整脈そのものの重症度が極めて高く、怖い不整脈の代表です。これらの不整脈が発生したら一分一秒を争って治療しなければ、悲惨な結果を招く可能性が高くなります。
 頻脈性不整脈:心室細動、持続性心室頻拍、トルサード・ド・ポワンツ
 徐脈性不整脈:房室ブロック、洞不全症候群

不整脈には、放置していると短時間で死亡してしまうリスクの高い不整脈(致死性不整脈)、長時間放置すると死亡することもある不整脈(準致死性不整脈)などがあるそうです。

その中でも、致死性不整脈は、重症度が極めて高い不整脈です。

■怖い不整脈とは?

不整脈とは|不整脈の症状・原因・判断する基準の脈拍によれば、不整脈とは、心臓のリズムが乱れ、脈の打ち方がおかしくなってしまうことをいいます。

心臓は、「洞結節(心臓の上の方に位置する)」で電気が作られ、「伝導路(電気の通り道)」を通り、心臓全体に流れ、筋肉が収縮して動いています。

不整脈は、この心臓の動く仕組みに何らかの問題(例えば、洞結節で電気が作られない、伝導路をうまく伝わらない)が起こることによって、心臓が規則正しく動かなくなってしまいます。

では、どのようなことが原因となって不整脈が起きるのでしょうか。

心臓の病気というと、心筋梗塞を思い出す人もいると思いますが、心筋梗塞は心臓の血管が詰まって起きる病気であるのに対して、不整脈は、わかりやすく言えば、電気系統の問題であって、同じ心臓病とはいっても、全く違う病気です。

国立循環器病研究センターによれば、怖い不整脈の症状として3つの例が挙げられています。

怖い不整脈と怖くない不整脈|国立循環器病研究センター

「何もしていないのにふうっとする」「急に意識がなくなる。つまり失神する」

失神症状が出ている場合には、心臓が止まっていたり、頻脈(脈が速くなる)が起きている可能性があるそうです。

「脈拍数が1分間40以下で、体を動かす時に、強い息切れを感じる」

心臓で電気が作られなかったり、途中で止まったりすることで徐脈(脈が遅くなる)が起こります。

「脈拍数が1分間に120以上で、突然始まり、突然止まる」、または「まったく不規則に打つ」

突然動悸が始まる場合には、病的な頻脈を起こしていることが考えられます。

■まとめ

最近は、患者などに頼ることなく薬の効能・効果や毒性を評価でき、また前臨床試験で行われている動物実験の問題点を克服できることを目的とした、「Human/Organ on a Chip」や生体臓器に極めて近似した立体臓器に対する副作用を評価できるモノが研究されています。

医薬品開発においては、薬効や副作用を確かめる必要があり、そのために、マウスやラット、サルなどの実験動物を用いて、薬効や毒性を調べる全臨床試験を行なわれています。

しかし、これらの動物はヒトと異なる生体構造・生理反応機構を持っているので、医薬品がヒトとは異なる反応を示すことがあり、また、動物実験が動物虐待に当たるのではないかという批判から化粧品メーカーによる動物実験が世界的に廃止の流れを受けて、今後医療分野においても廃止の流れになる可能性があります。

そこで、ヒトの生理学反応を生体外で再現する試験法の開発が求められている中で注目されているのが、「Organ on a Chip」です。

どんなに医療が進んでも難しいのはヒトに対して使用できるまでの時間が必要なこと。

安全性を確保するうえで大変重要なことですが、目の前に救いたい患者がいて、治るかもしれない治療法が生まれていたとしても、その安全性を高めていくためには時間がかかってしまいます。

また、どんなにAIの性能が向上し、何度もシミュレーションをして安全性を高められたとしても、やはり人間(人間に近い臓器)でどのような反応を示すかがやはり重要です。

今回の研究のように、ヒトiPS細胞由来の3次元的心臓組織を作製し、不整脈の一種であるトルサード・ド・ポアント(TdP)を培養下に再現して、薬の毒性を評価することができるものができれば、より早く患者のもとへ薬を届けることにつながっていくことが期待されます。







【参考リンク】
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エポキシ化オメガ3脂肪酸によるマスト細胞の活性化促進作用でアレルギー反応を促進する働きがあることを発見|東京大学




■エポキシ化オメガ3脂肪酸によるマスト細胞の活性化促進作用でアレルギー反応を促進する働きがあることを発見|東京大学

PAF-AH2ーエポキシ化オメガ3脂肪酸軸によるマスト細胞活性化制御機構
PAF-AH2ーエポキシ化オメガ3脂肪酸軸によるマスト細胞活性化制御機構

参考画像:体に優しいオメガ3脂肪酸の意外な側面:オメガ3脂肪酸を動かしてアレルギーを促す酵素の発見(201710/10、国立研究開発法人日本医療研究開発機構)|スクリーンショット

体に優しいオメガ3脂肪酸の意外な側面:オメガ3脂肪酸を動かしてアレルギーを促す酵素の発見

(2017/10/10、国立研究開発法人日本医療研究開発機構)

1.マスト細胞では、PAF-AH2という脂質を分解する酵素により、酸化されたオメガ3脂肪酸(エポキシ化オメガ3脂肪酸)が作られていることを明らかにしました。

2.エポキシ化オメガ3脂肪酸は、マスト細胞の応答性を促進してアレルギー反応を促す働きがあることを明らかにしました。

東京大学大学院薬学系研究科の新井洋由教授・河野望講師のグループと、同大学院医学系研究科の村上誠教授のグループは、マスト細胞(気管支、鼻粘膜、皮膚など外界と接触する組織の粘膜や結合組織に存在し、IgEを介した即時型アレルギー反応において中心的な役割を担う免疫細胞)がEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)などのオメガ3脂肪酸が酸化されて生じた「エポキシ化オメガ3脂肪酸(17,18-EpETEと19,20-EpDPE)」を豊富に生み出していること、マスト細胞に発現しているPAF-AH2(リン脂質分解酵素ホスホリパーゼA2の一種)がエポキシ化オメガ3脂肪酸を産生しており、マスト細胞の活性化に重要であること、PAF-AH2の働きを止める薬剤により、アナフィラキシー反応が抑制されたことから、PAF-AH2の阻害剤が抗アレルギー薬となる可能性が示唆されました。

オメガ3脂肪酸は「体に優しい脂肪酸」として一般に知られていますが、今回の発見はオメガ3脂肪酸がアレルギーを悪くするという意外な顔を初めて提示したものです。マスト細胞の活性化は本来、寄生虫や毒素を排除するための生体防御応答です。この視点からすると、エポキシ化オメガ3脂肪酸は生体防御応答を高めている(良いことをしている)と解釈できます。ところが先進国では、寄生虫や毒素に対する脅威が減る一方で、アレルゲンに対する過剰応答(アレルギー反応)を示す患者の増加が社会問題化しています。こうなると、エポキシ化オメガ3脂肪酸によるマスト細胞の活性化促進作用はまさに諸刃の剣であり、むしろ悪い側面が顕在化したものと言えます。

本来、マスト細胞の活性化は寄生虫や毒素を排出するための生体防御反応であり、エポキシ化オメガ3脂肪酸はその生体防御反応を高めているといえるのですが、寄生虫や毒素に対する脅威が減り、アレルギー反応を示す患者が増えている現代においては、エポキシ化オメガ3脂肪酸によるマスト細胞の活性化促進作用は、悪い面が出ているといえそうです。




■まとめ

子どもを花粉症にしないための9か条|理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センターで紹介した理化学研究所免疫・アレルギー科学総合研究センターの谷口克センター長が「花粉症にならないための9か条」によれば、ある程度不衛生な環境で育つと花粉症を発症しにくくなるということをいっていましたが、このことに関係しているのではないでしょうか。

体を清潔にすることは重要でも、皮膚のバリアーを高めてアトピー予防|アレルギーマーチを防ぐには?によれば、洗いすぎも角質層のバリアーを失わせるため、体をごしごし洗いすぎることはないように、何ごとも適度に、バランスよくやることが重要です。

不衛生な環境の時代には役立っていた機能が、清潔な時代には悪い作用をもたらすことになっていて、いかにそのバランスをとれるか、その方法を見つけることが今後重要になってくるのではないでしょうか。







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消防士の熱中症予防に!消防服内温度の測定から深部体温を予測|大阪市立大学

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■消防士の熱中症予防に!消防服内温度の測定から深部体温を予測|大阪市立大学

熱中症の予知・警告を可能に! 大阪市消防局協力のもと ウェアラブルコンピュータによる 衣服内温度の測定から深部体温の予測を実証
熱中症の予知・警告を可能に! 大阪市消防局協力のもと ウェアラブルコンピュータによる 衣服内温度の測定から深部体温の予測を実証

参考画像:熱中症の予知・警告を可能に! 大阪市消防局協力のもと ウェアラブルコンピュータによる 衣服内温度の測定から深部体温の予測を実証(2017/8/28、大阪市立大学プレスリリース)|スクリーンショット

熱中症の予知・警告を可能に! 大阪市消防局協力のもと ウェアラブルコンピュータによる 衣服内温度の測定から深部体温の予測を実証

(2017/8/28、大阪市立大学プレスリリース)

その際、20代~50代までの隊員の消防服内温度を測定し、訓練中における熱ストレスが高い域に達する状態が発生することを確認しました。

続いて、今年の8月に大阪市立大学 都市健康・スポーツ研究センターの人工気候室内で20代~50代までの隊員に消防服着用の上、トレッドミル(*)上での歩行をしてもらい、深部体温(食道温)、皮膚温、衣服内温度、身体活動量などを測定しました。(写真2)その結果、深部体温の実測値と、衣服内温度より深部体温を予測するアルゴリズムを用いて求めた値が、極めて近いことが確認できました。

大阪市立大学大学院工学研究科髙橋秀也教授、都市健康・スポーツ研究センター岡崎和伸准教授の研究チームは、大阪市消防局の協力のもと、消防服内にウェアラブルコンピュータを装着し消防隊員の衣服内温度を測定することで、深部体温を予測する実証実験を行なったところ、衣服内温度により深部体温を予測できたことから、衣服内温度をモニタリングすることにより、熱中症の予知や警告が可能になるそうです。

消防服は耐熱性に優れる反面、発汗や皮膚温度の上昇による熱放散を抑制し熱中症を誘発しがちなため、消防服着用時の熱中症対策が必要です。熱中症は、深部体温が約39.5℃以上になると脳機能障害を引き起こす可能性が出てくるなど重症化するため、熱中症リスク判断には深部体温の上昇を察知することが有効ですが、消防活動中の隊員の深部体温を測定することは困難です。

消防士が着用する消防服は熱放散を抑え熱中症になりやすい性質があり、深部体温が約39.5℃以上になると脳機能障害を起こす恐れがあるため、消防士の深部体温の測定をすることが重要なのですが、今回の研究によって衣服内温度をモニタリングすることで深部体温の予測ができるようになったことから、熱中症予防できることが期待されます。

→ 熱中症の症状・対策・予防 について詳しくはこちら







【関連記事】
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乳がんの発症を抑える遺伝子「Nrk」を発見|ヒトの診断・治療への応用に期待|東京工業大学

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■乳がんの発症を抑える遺伝子「Nrk」を発見|ヒトの診断・治療への応用に期待|東京工業大学

乳がんの発症を抑える遺伝子「Nrk」を発見
乳がんの発症を抑える遺伝子「Nrk」を発見

参考画像:乳がんを抑制する新たな遺伝子を発見―ヒト乳がんの診断・治療への応用に期待―|東京工業大学スクリーンショット

乳がんを抑制する新たな遺伝子を発見―ヒト乳がんの診断・治療への応用に期待―

(2016/9/14、東京工業大学ニュースリリース)

妊娠期には、エストロゲン[用語1]などの女性ホルモンのはたらきにより乳腺上皮細胞[用語2]が増殖し、乳腺が発達して授乳に備える。その後、乳腺上皮細胞は増殖を停止するが、この増殖停止機構が破綻すると、細胞の増殖が止まらず、乳がん発症につながると考えられる。その制御機構はこれまでよくわかっていなかったが、駒田教授らは、性染色体であるX染色体[用語3]にコードされるタンパク質リン酸化酵素[用語4]であるNrkを欠損したマウスを作製し、このマウスが妊娠・出産を経験後に高頻度(90%の確率)で乳がんを発症することを突き止めた。本研究により、Nrkが妊娠後期の乳腺で発現し、乳腺上皮細胞の増殖を止めることで乳がんの発症を防ぐ役割を果たしていることが明らかになった。

東京工業大学 科学技術創成研究院 細胞制御工学研究ユニットの駒田雅之教授らによれば、マウスの実験で乳がんの発症を抑える遺伝子「Nrk」を発見したそうです。

今回の実験はマウスによる実験ですが、マウスのNrk遺伝子と同じ機能を持つ遺伝子は人にも存在することから、今後乳がんが発症するメカニズムの解明や治療につながる可能性があるそうです。

→ 乳がんの症状・原因・検査・予防法 について詳しくはこちら







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ウェアラブルIoTブランドhamon®を展開するミツフジが朝日ラバー・埼玉大学と着るだけで呼吸波形が計測でき睡眠時無呼吸症候群(SAS)のスクリーニングができる着衣型ウェアラブルデバイス開発をスタート

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■睡眠時無呼吸症候群(SAS)の早期発見に期待!着衣型ウェアラブルデバイスの開発がスタート

Sleeping Beauty

by Diego F. Garcia P.(画像:Creative Commons)

ミツフジ、朝日ラバー、埼玉大学で呼吸波形を計測できるウェアラブルシャツを共同開発~簡易睡眠ポリグラフ検査システムへの応用および慢性閉そく肺疾患の常時モニタリングを目指す~

(2017/6/19、ミツフジ株式会社プレスリリース PR TIMES)

着るだけで呼吸波形を計測できる着衣型ウェアラブルデバイスを共同開発いたします。正確に、そして簡易に呼吸波形を計測するため、導電繊維を用いた着心地の良いウェアに、胸やお腹のふくらみに密着させて身体の動きによる伸縮などの変位に対応できるゆがみセンサーを取り付けます。簡易的にPSG検査が可能なウェアを目指し、SASをスクリーニングできる製品への応用を目指します。

ミツフジ株式会社は、株式会社朝日ラバーと国立大学法人埼玉大学と共同で、SAS(睡眠時無呼吸症候群)をスクリーニングできる製品への応用を目指して、呼吸波形を計測できる着衣型ウェアラブルデバイスの開発を始めるそうです。

【追記(2017/8/1)】

心拍や呼吸数を計るタンクトップ「hamon」を制作、ミツフジが総額30億円を調達

(2017/7/31、TechCrunch)

本日ミツフジは第三者割当増資と融資により、総額30億円の資金調達を実施した。引受先はカジナイロン、電通、前田建設工業、南都銀行、京銀輝く未来応援ファンド投資事業有限責任組合、三菱UFJキャピタルと他数社が含まれている。

ミツフジが開発する「hamon」は、着用者の心電、心拍、筋電 、呼吸数、加速度、ジャイロ、温度、湿度などの情報を収集できるIoTウェアだ。収集した情報はトランスミッターからBluetoothを経由してスマートフォンで確認することができる。

着衣型ウェアラブルデバイスの開発を始めたというニュースを取り上げたミツフジは30億円を調達し、導電性繊維とウェアの量産体制の整備を行なっていくそうです。

【参考リンク】

■睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群は、簡単に言うと、眠っている間に呼吸が何度も止まってしまう病気のことを言います。

睡眠時無呼吸症候群の診断基準は、「10秒以上の無呼吸が1時間に5回以上ある」場合です。

睡眠時無呼吸症候群は、「SAS(Sleep Apnea Syndrome)」とも呼ばれます。

睡眠時無呼吸症候群の自覚症状としては、日中の眠気ですが、周囲からはいびきがうるさいといわれることがあります。

  • 大きないびき(いびきがうるさいと言われる)
  • 眠っている間に呼吸が止まる
  • 日中の眠気
  • 熟睡感がない(よく眠れた感じがしない)
  • 起床時に頭痛やだるさを感じる
  • 睡眠中に何度も目が覚める

睡眠時無呼吸症候群になると、心筋梗塞糖尿病メタボリックシンドロームになるリスクが高くなるといわれています。

→ 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状・原因・検査・治療法 について詳しくはこちら




■背景

寝ている間の無呼吸になかなか気付くことができないために、検査・治療を受けていない多くの潜在患者がいると推計されていることから、睡眠ポリグラフ(PSG)検査の早期受診が奨励されていますが、医療機関での検査は泊りがけであることや高額な検査費用がかかるなどの課題があります。この解決方法として現在の技術においては、簡易的に検査できるパルスオキシメトリ法(※1)やフローセンサ法(※2)によるスクリーニング検査がありますが、データ収集の精度などに課題があります。

睡眠時無呼吸症候群として行うPSG検査は、医療機関で泊りがけで検査をすることや高額な検査費用がかかるなどの課題があります。

睡眠時無呼吸症候群の検査として紹介されているのは、簡易検査とPSG検査です。

●簡易検査

簡易検査とは、自宅でできる方法で、体内の酸素飽和度を測定する機器を指先に装着し、腕に小型の機器をはめて一晩休み、検査メーカーに郵送して、検査をしてもらう方法です。

●ポリソムノグラフィー(PSG)

簡易検査で陽性となった場合は、さらに詳しく診断を行なうために、「ポリソムノグラフィー(PSG)」という本検査を行ないます。

ポリソムノグラフィー(PSG)とは、指先につける機器だけではなく、心電図や脳波、鼻や口の気流測定、いびき音の測定、腹部の動きなどを見るセンサーなどを装着して、一晩休むという検査方法です。

そこで、今回開発するのが、銀メッキ導電性繊維の技術「AGposs®」を活用し、呼吸運動を計測するためのゆがみセンサーを組み込んだ着衣型ウェアラブルシャツです。

着るだけで呼吸波形を計測できる着衣型ウェアラブルデバイスを共同開発いたします。正確に、そして簡易に呼吸波形を計測するため、導電繊維を用いた着心地の良いウェアに、胸やお腹のふくらみに密着させて身体の動きによる伸縮などの変位に対応できるゆがみセンサーを取り付けます。簡易的にPSG検査が可能なウェアを目指し、SASをスクリーニングできる製品への応用を目指します。

■伝導性繊維に注目!

●ソックスの生地に温度センサーを織り込む

siren care
siren care

参考画像:[500 STARTUPS DEMO DAY 2016] BATCH 18, Siren Care|スクリーンショット

SIREN CARE|糖尿病患者の足の炎症や傷害を温度センサーでリアルタイムに見つけるスマートソックスでは、温度センサーをソックスに織り込み、糖尿病患者が炎症や傷害をリアルタイムで検出するスマートソックス(靴下)を紹介しました。

●Project Jacquard|伝導性繊維をあらゆるファッションアイテムに織り込むプロジェクト

Project Jacquard: Making the Jacket

グーグル・Project Jacquardの「衣服ハック」

(2016/1/13、wired)

プーピレフのアイデアの正式名称は「Project Jacquard」(プロジェクト・ジャカード。その名称は伝統的な機械織りの技法にちなんでいる)。その目標は、伝導性繊維を地球上のすべての衣類と布に織り込んで、タッチセンサーや触覚フィードバックなどの機能を、ジーンズからクルマのシート、カーテンに至るまで、あらゆるものに搭載することだ。

「センサーを素材として生地に織り込むことができれば」とプーピレフは言う。「それはエレクトロニクスからの解放を意味する。身の回りにあるベーシックな素材をインタラクティヴにできるのだ」

グーグルの先進技術プロジェクト部門、ATAP(Advanced Technology and Projects)が取り組んでいるのが「Project Jacquard」という伝導性繊維をあらゆるファッションアイテムに搭載できるような技術の開発です。

伝導性繊維をあらゆるファッションアイテムに搭載できるようになるとどうなるでしょうか?

プーピレフはそれが意味することを想像し始める。着替えていることを電話が認識し、蝶ネクタイを結ぶと同時にUberでクルマを呼んでくれたらどうだろう? ランニングシューズを履くと同時に、自動的に運動記録が開始するとしたら? あるいは服の袖を一度軽くスワイプしただけで通話ができ、相手の声も聞こえるとしたら?

いま私たちが使っているスマホやウェアラブルデバイスの操作を服に触れるだけでできるようになるのです。

しかし、伝導性繊維を開発しても問題になるのは、現実の製造工程に組み込めるのかどうかです。

製造の現場に飛び込んだイヴァン・プーピレフはその製造工程の過酷さ(伝導性繊維にとっての)を目の当たりにします。

「飛び出た余分な糸の繊維を除去するために、直火にかけるなどというプロセスすらあった」と彼は言い、その荒々しさに首を振る。「そんなことが行われているとは知らなかったが、それはほんの一例に過ぎない。伸ばして水に漬け、ホットプレスにかけ圧縮する。布の種類によっては金属の爪で引き裂くことすらある。電子部品(を組み込む)とすれば、致命的だ」

製造工程では火にかけたり、水につけたり、圧縮したりするなど電子部品を組み込んだ電導性素材にとっては様々な課題が見つかりましたが、編み込みの技術や製造工程に取り入れる方法について解決していったそうです。

プーピレフは、服の袖を全面液晶ディスプレー化するという自分の夢を笑いつつ、それを本当に実現するのに関心をもつ誰かと協力することの重要性を熱っぽく語った。

脈拍数や血液中の酸素濃度などを表示し、肌に貼れる有機ELディスプレイを開発|東大で紹介した東京大学の染谷隆夫教授らの研究グループは、センサーで検知した脈拍数や血液中の酸素濃度を表示できる、肌にフィットして貼っていることに気付かないほど違和感なく装着できる有機ELディスプレイを開発したそうですので、服の袖を全面液晶ディスプレイ化するのもそう遠くない未来かもしれません。

ファッション×テクノロジーは面白い研究が多く、着用するだけで心拍・心電位などの生体情報を取得できる機能素材があったり、バイオロジーを活用したトレーニングスーツ・ランニングシューズなどの研究が進んでいます。

●着用するだけで心拍・心電位などの生体情報を取得できる機能素材がある

着るだけで心拍数を測れる新素材 NTT・東レが開発によれば、NTTと東レは、心電計や脈拍計の電極の代わりに使える衣料用の新素材を共同開発していますし、心拍・心電位などの生体情報を取得できる機能素材「HITOE」を使ったウェア「C3FIT IN-PULSE」を活用して不整脈の臨床研究|東大病院・ドコモによれば、潜在的な不整脈検知が有効であるかを検証することを目的として、着用するだけで心拍・心電位などの生体情報を取得できる機能素材「hitoe」を活用したウェア「C3fit IN-pulse(シースリーフィットインパルス)」を活用し、長時間にわたる心拍と心電位計測を行う研究も行なうそうです。

■まとめ

「#睡眠負債(SLEEP DEBT)」|わずかな睡眠不足の影響が脳のパフォーマンスの低下・病気のリスクを高める|#NHKスペシャルによれば、わずかな睡眠不足の影響が、まるで借金のように積み重なることで、知らず知らずのうちに脳のパフォーマンスを低下させたり、病気のリスクを高める恐れがあるそうです。

FITBITの睡眠データ分析により7時間以上の睡眠は健康に良い影響を与えることが判明によれば、睡眠データの分析によって、睡眠が7時間以下になると深い睡眠とレム睡眠を十分に得られない可能性があり、睡眠時間7~8時間の際に深い睡眠とレム睡眠の割合が最も高くなることがわかったことから、7時間睡眠が健康に良いという一つの裏付けができたといえそうです。

このように睡眠の重要性に注目が集まる中、睡眠時無呼吸症候群になると、日中の眠気があったり、よく眠れた感じがしないだけでなく、心筋梗塞糖尿病メタボリックシンドロームになるリスクが高くなるといわれています。

ただ、寝ている間の無呼吸になかなか気付くことができないことから、検査・治療を受けていない多くの潜在患者がいるのではないかと考えられています。

そこで、今回、睡眠時無呼吸症候群がより簡単に検査ができるようにと、着衣型ウェアラブルシャツの開発がすすめられています。

こうした製品によって睡眠時無呼吸症候群の早期発見ができ、病気の人が少なくなるといいですね。

→ 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の症状・原因・検査・治療法 について詳しくはこちら







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