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日本では食道・胃・肺・肝臓のがんの5年生存率が世界と比べると高い|皮膚の黒色腫・成人骨髄性疾患は低い




■日本では食道・胃・肺・肝臓のがんの5年生存率が世界と比べると高い|皮膚の黒色腫・成人骨髄性疾患は低い

ExeterUniMedSch April2013-28

by University of Exeter(画像:Creative Commons)

がん生存率の推移に関する大規模国際共同研究 2000-2014年に診断された3,750万症例の5年生存率を公表

(208/2/20、国立がん研究センター)

日本のがん患者生存率は、従来通り世界的にトップレベルにありますが、皮膚の黒色腫、成人のリンパ性・骨髄性悪性疾患では欧米諸国と比較して低い結果となりました。

国立がん研究センターやロンドン大学衛生熱帯医学大学院など40の国際研究機関と共同で、71の国と地域322の人口ベースのがん登録を用い、2000-2014年の15年間に診断されたがん3750万症例の生存率に関する国際調査(CONCORD-3)でがんの種類ごとにA~Eの5段階で評価した結果によれば、日本で最高の「A」だったのは、食道・肝臓・女性乳房・子宮頸部・成人脳腫瘍・小児リンパ腫という結果が出ました。

一方で、皮膚の黒色腫・成人骨髄性疾患は「D」という結果が出ています。

CONCORD-3の結果に見る日本の生存率
CONCORD-3の結果に見る日本の生存率

参考画像:がん生存率の推移に関する大規模国際共同研究 2000-2014年に診断された3,750万症例の5年生存率を公表(208/2/20、国立がん研究センター)|スクリーンショット

日本は、消化器のがんの生存率が世界で最も高い国の一つであり、肺がん、肝がんでも良好な予後を示しています。これは、医療水準のみならず、検診の実施状況や、罹患が多いことによる一般的な関心の高さが早期発見につながり、良好な生存率に貢献していると考えられます。一方、皮膚の黒色腫、成人のリンパ性・骨髄性悪性疾患の生存率は、他の地域より低い結果となりました。理由は、皮膚の黒色腫および成人のリンパ性・骨髄性悪性疾患で、日本人に発生しやすいがんの構成が違うためと考えられ、日本人の状況を踏まえたがん対策が望まれます。

日本での消化器系がんの生存率が高い理由としては、医療水準の高さ、検診の実施状況、一般的な関心の高さが早期発見につながっていることが生存率の高さにつながっていると考えられ、一方で皮膚の黒色腫や成人性骨髄性疾患の生存率の低さは日本人に発生しやすいがんの構成が違うためであると考えられるそうです。







【参考リンク】
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がん3年相対生存率は71.3% 膵臓がん15.1%|国立がん研究センター

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Health and Medical Research Showcase 2014

by University of Exeter(画像:Creative Commons)

3年生存率・施設別の病期別5年生存率は初公表 がん診療連携拠点病院等院内がん登録 2011年3年生存率、2008から09年5年生存率公表

(2018/9/12、国立がん研究センター)

国立がん研究センターは、全国のがん診療連携拠点病院等から収集した院内がん情報を用いて、2011年の1年間に診断された患者さんの3年を経過した生存率(2011年3年生存率集計)の相対生存率は71.3%と発表しました。

がん患者全体の10年相対生存率58.5%、5年相対生存率69.4%|国立がん研究センターによれば、膵臓がんは5年相対生存率、10年相対生存率も低いのですが、今回の発表では、膵臓がんの3年相対生存率は15.1%と他の部位よりも低いことがわかりました。

がんの種類ごとの生存率で最も低いすい臓がんですが、早期発見をするための方法により5年生存率が大きく改善されたケースがあります。

すい臓がんを早期発見する「尾道方式」とは?|5年生存率、全国推計の3倍によれば、「尾道方式」とは、JA尾道総合病院の花田敬士診療部長(消化器内科)が尾道市医師会と連携して始めたもので、「糖尿病」「肥満」「喫煙」「家族に膵臓がん患者がいる」など膵臓がんのリスクの高い患者がいた場合に、膵臓の検診を受けてもらい、がんの疑いがある場合はすぐにJA尾道総合病院を紹介して、体内に内視鏡を入れるなどをしてがんの有無を調べるという仕組みです。

JA尾道総合病院の膵臓がんの5年生存率は全国推計の約3倍で、「尾道方式」として大阪市北区や熊本市、鹿児島市などで広がっているそうです。

こうした情報が共有化されていくことにより、がんの5年相対生存率・10年相対生存率は改善していくのではないでしょうか。







【関連記事】
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がん患者全体の10年相対生存率58.5%、5年相対生存率69.4%|国立がん研究センター【2017/2/16】

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■がん患者全体の10年相対生存率58.5%、5年相対生存率69.4%|国立がん研究センター

Health and Medical Research Showcase 2014

by University of Exeter(画像:Creative Commons)

全がん協加盟がん専門診療施設の診断治療症例について5年生存率、10年生存率データ更新 グラフを描画する生存率解析システムKapWebなどにて公開

(2017/2/16、国立がん研究センター)

国立がん研究センターによれば、がん患者全体の5年相対生存率は69.4%、10年相対生存率は58.5%だったとする調査結果を公表しました。

■5年相対生存率

(1) 90%以上 前立腺(100%)、(93.6%)、甲状腺(92.8%)
(2) 70%以上90%未満 子宮体(86.4%)、大腸(76.3%)、子宮頸(74.6%)、(74.5%)など
(3) 50%以上70%未満 卵巣(61.1%)
(4) 30%以上50%未満 (44.7.%)、食道(43.4%)、(36.2%)
(5) 30%未満 胆のう胆道(28.3%)、(9.2%)

■10年相対生存率

(1) 90%以上 前立腺(94.5%)
(2) 70%以上90%未満 甲状腺(89.3%)、子宮体(81.9%)、(81.7%)、子宮頸(71.4%)など
(3) 50%以上70%未満 大腸(69.2%)、(67.3%)、腎(66.0%)など
(4) 30%以上50%未満 卵巣(45.7%)、(32.6%)など
(5) 30%未満 食道(29.4%)、胆のう胆道(17.3%)、(16.4%)、(5.1%)など

肝臓がん・肺がんは厳しい結果|がん患者の5年後生存率(2015/10/5)によれば、全てのがんの5年生存率は64.3%であり、がんの10年生存率は58・2%|国立がん研究センター(2016/1/20)によれば、全てのがんの10年生存率は58.2%であるため、少しずつですが改善傾向にあるといえるようです。

がんの種類ごとの生存率で最も低いすい臓がんですが、早期発見をするための方法により5年生存率が大きく改善されたケースがあります。

すい臓がんを早期発見する「尾道方式」とは?|5年生存率、全国推計の3倍によれば、「尾道方式」とは、JA尾道総合病院の花田敬士診療部長(消化器内科)が尾道市医師会と連携して始めたもので、「糖尿病」「肥満」「喫煙」「家族に膵臓がん患者がいる」など膵臓がんのリスクの高い患者がいた場合に、膵臓の検診を受けてもらい、がんの疑いがある場合はすぐにJA尾道総合病院を紹介して、体内に内視鏡を入れるなどをしてがんの有無を調べるという仕組みです。

JA尾道総合病院の膵臓がんの5年生存率は全国推計の約3倍で、「尾道方式」として大阪市北区や熊本市、鹿児島市などで広がっているそうです。

こうした情報が共有化されていくことにより、がんの5年相対生存率・10年相対生存率は改善していくのではないでしょうか。







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翁長沖縄県知事の病気は膵臓がん(ステージ2)

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■翁長雄志沖縄県知事の病気は膵臓がん(ステージ2)

Okinawa Japan

by Ricardo Mangual(画像:Creative Commons)

翁長知事が膵臓がんステージ2を公表 治療続けながら公務復帰目指す 2期目出馬は明言せず

(2018/5/15、琉球新報)

病理検査の結果、膵臓(すいぞう)に見つかった腫瘍は悪性で、進行度が「ステージ2」の膵臓がんだったことを公表した。

 その上で、膵臓以外の臓器には腫瘍はなく、主要部を切除したと説明した。

翁長雄志沖縄県知事の病気は膵臓がん(「ステージ2」)だったことを公表しました。

すい臓がんの患者の4割が治療前の時点で「ステージ4」に達している|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターが公表した国が指定する「がん診療連携拠点病院」の2014年の診療実績によれば、すい臓がんの患者の4割が治療前の時点で「ステージ4」に達しているということでしたので、翁長知事は早期の段階で発見できたということではないでしょうか。

ステージ2の膵臓がんだったので、よい治療ができると思っていたところ、2018年8月8日に肝臓に転移したというニュースが出ました。

翁長知事の辞職を否定 謝花副知事が会見で 肝臓にがんが転移

(2018/8/8、沖縄タイムス)

がんが肝臓に転移したため肝機能が低下し、7日から徐々に意思決定に支障を来し意識混濁の状況となったという。

→ 膵臓がんの症状(初期症状)・原因・チェック について詳しくはこちら

■すい臓がんの症状

すい臓がんが早期に発見されにくい理由は、自覚症状がなかなか現れず、また、すい臓がん特有の特徴的な症状がないためです。

すい臓がんの症状として共通しているのが、胃のあたりや背中が重苦しい、お腹の調子がよくない、食欲不振やだるさ、体重の減少などがありますが、いずれもすい臓がん特有の症状ではなく、胃腸の調子が悪い程度のもので見過ごしてしまいがちです。

すい臓がんがある程度進行すると、はっきり黄疸が出たり、腹痛も強くなり、背中や腰に痛みが走り、体重の減少といった症状もみられるようになります。

すい臓がんが糖尿病を併発するということはあるため、糖尿病との関係についても注意が必要。

そのため、最近、糖尿病の症状が出てきたという人、あるいは、かねてからの糖尿病が急に悪くなってきたという人などは、早めにすい臓がんの検査を受けてみることをおすすめします。

→ 膵臓がんの症状(初期症状)・原因・チェック について詳しくはこちら







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膵臓がんの早期発見を目指し「アポリポプロテインA2(apoA2)アイソフォーム」をバイオマーカーに用いた膵臓がん検診の臨床研究を実施|国立がん研究センター

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■膵臓がんの早期発見を目指し「アポリポプロテインA2(apoA2)アイソフォーム」をバイオマーカーに用いた膵臓がん検診の臨床研究を実施|国立がん研究センター

Glass

by Steven Lilley(画像:Creative Commons)

膵臓がんリスク疾患・早期膵臓がんの新検診法開発目指し新たなバイオマーカーでの実験的検診を鹿児島県で実施

(2017/6/26、国立がん研究センター)

このバイオマーカーは、血液中の「アポリポプロテインA2(apoA2)アイソフォーム*1」というタンパク質で、当研究所や米国国立がん研究所(National Cancer Institute:NCI)との共同研究において、膵がんを引き起こす可能性の高い疾患や早期の膵がんを検出することの有効性が評価され、検査キットも開発されています(http://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/press_release_20151109.html )。この研究成果を踏まえ、2015年から神戸大学などと共同で膵がん検診研究を試行し、バイオマーカーの異常があった方から、膵がんのリスク疾患や膵がんを発見できることを確認しています。

膵臓がんを早期発見できる検査キットを開発|国立がん研究センター(2015/11/9)によれば、国立がん研究センター研究所の本田一文ユニット長らは、膵臓がんを早期に検出できる血液中のたんぱく質「アポリポプロテインA2(apoA2)アイソフォーム」を見つけ、検査キットを開発したと発表していましたが、「アポリポプロテインA2(apoA2)アイソフォーム」をバイオマーカーに用いたすい臓がん検診の検証を行う臨床研究を2017年7月より鹿児島県で行われる地域健康診断で実施することを発表しました。

■まとめ

以前の発表によれば、早期のすい臓がんだけでなく、膵臓がんに至るリスクが高い慢性膵炎などを高い精度で検出したということですので、検査キットが普及すれば、すい炎やすい臓がんの予防につながることが期待されます。

→ 膵臓がんの症状(初期症状)・原因・予防 について詳しくはこちら

→ 急性すい炎の症状・原因・食事  について詳しくはこちら







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