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前兆を見逃すな!糖尿病・脳卒中治療最前線まとめ

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by Sanna R(画像:Creative Commons)

健康・美容チェック > 糖尿病 > 前兆を見逃すな!糖尿病・脳卒中治療最前線




2008年10月5日放送された「前兆を見逃すな!糖尿病・脳卒中治療最前線」(テレビ朝日系)では、糖尿病研究の世界的権威である東京大学の門脇孝教授を迎え、生活習慣病のメカニズムと最先端の治療法を特集がありましたので、内容をまとめてみました。

●日本人を含めアジア人は、すい臓から分泌されるインスリンの量は欧米人の2分の1である。

糖尿病がひどくなると、合併症を引き起こす。

糖尿病の合併症の中でも、3大合併症といわれるのが、糖尿病腎症、糖尿病網膜症、糖尿病神経障害です。

メタボリック・糖尿病の最新治療法として注目されているのが、善玉ホルモンのアディポネクチンである。アディポネクチンはインスリンの働きを助け、正常時は4.1~18.9である。

→ アディポネクチンを増やす方法 について詳しくはこちら

肥満と糖尿病の関係としては、脂肪細胞が膨らむと、アディポネクチンの量が少なくなり、肥満になると考えられており、そこで、アディポネクチンの量を増やすことができれば、肥満を予防できると考えられる。

●さらに、糖尿病の最新治療として注目されているのが、「オスモチン」。

オスモチンもアディポネクチンと同じ働きを持ち、きゅうり、トマト、ピーマンなどに含まれている。

●人工すい島作製計画。

すい島とは、ランゲルハンス氏島とも呼ばれ、すい臓でインスリンを分泌する組織である。

このすい島を人工的に作ろうとするのが、現在の最新治療として注目を集めている方法。

●メタボリック→動脈硬化症→脳梗塞

●頸動脈狭窄ステント法-脳梗塞を予防する最新治療・手術法(大木隆生医師)

足の動脈からカテーテルを挿入し、頸動脈まで伸ばし、プラークを傷つけないように、カテーテルをプラークの先のほうまで伸ばす。

そこで、フィルターを開き、万が一プラークが剥がれたときのためのリスクヘッジを行う。

その後、ステントを挿入し、プラークの部分で、ステントを開き、血管を押し広げる。

難しいところは、プラークを傷つけないようにカテーテルを伸ばすこと。

手術は、局所麻酔。

病変が高いと、内膜剥離術は、難しい。

手術後の患者さんの感想を聞くと、目が見えやすくなり、呂律が回るようになる。

それは、狭窄がなくなったためによるものの効果のようだ。

●脂肪分を蓄える遺伝子を門脇教授は倹約遺伝子と名付けた。

この倹約遺伝子を、モンゴロイド系がコーカソイド系よりも多く持つそうだ。

●門脇教授によると、今後、糖尿病の治療は、その人の体質に合わせた予防法・治療法の時代に移っていくだろうとのことでした。

→ 糖尿病の症状(初期症状)チェック について詳しくはこちら







糖尿病関連ワード

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がんの光線力学療法に「カーボンナノホーン」応用|産業技術総合研究所と藤田保健衛生大など

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参考画像:カーボンナノホーンへ光治療用物質の内包に成功|産総研スクリーンショット




<カーボンナノホーン>がんの光線力学療法に応用、腫瘍消滅

(2008/9/23、毎日新聞)

毛髪の太さの1万分の1という極小の炭素集合体「カーボンナノホーン」にがんの光線力学療法の治療薬を詰め、患部に注射して治療を施すことでマウスの腫瘍(しゅよう)をほぼ消滅させることに、産業技術総合研究所と藤田保健衛生大などが成功した。「容器」のナノホーン自体がレーザーを吸収して高温になり、がん細胞を殺し光線力学療法との相乗効果を高めたという。

産業技術総合研究所と藤田保健衛生大などによれば、「カーボンナノホーン」にがんの光線力学療法の治療薬を詰め、患部に注射して治療を施すことでマウスの腫瘍をほぼ消滅させることに成功したそうです。

■開発の社会的背景

カーボンナノホーンへ光治療用物質の内包に成功

(2008/9/23、産総研)

薬剤を患部に届けるドラッグデリバリーシステム(DDS)開発では、ポリマーミセルやリポソーム運搬体などがよく研究されており、実用に供されているものも少なくない。しかし、一般的に、患部に到達する効率が低いという問題をかかえており、ナノマテリアルが、新規運搬体として関心がもたれているのも、患部への到達効率を改善できるかもしれないという期待によるところが大きい。

DDS開発ではポリマーミセルやリポソーム運搬体などで研究されているが一般的に患部に到達する効率が低いという問題があるそうです。

ナノ素材には患部への到達効率を改善できる期待があることから関心がもたれているそうです。

■用語解説

■カーボンナノホーン(CNH:Carbon Nanohorn)とは?

カーボンナノホーンへ光治療用物質の内包に成功

(2008/9/23、産総研)

飯島澄男博士らのグループが1998年に発見したカーボンナノチューブの一種。直径は2~5nm、長さ40~50nmで不規則な形状を持つ。数千本が寄り集まって直径100nm程度の球形集合体を形成している。

■光線力学治療(PDT:Photo-Dynamic Therapy)とは?

カーボンナノホーンへ光治療用物質の内包に成功

(2008/9/23、産総研)

光感受性物質を腫瘍などの患部に集積させて、レーザー光を照射することによって腫瘍細胞などを死滅させる治療法で、臨床応用も一部で行われている。

■ドラッグデリバリーシステム(DDS:Drug Delivery System)とは?

カーボンナノホーンへ光治療用物質の内包に成功

(2008/9/23、産総研)

薬剤を患部に選択的に送り届けるためのシステム。薬剤の投与効率を上げるとともに、副作用軽減を目的としている。例えば薬剤を静脈に注入した場合、薬剤が患部にだけ届けられれば副作用を減らし、薬剤の効果を高めることができる。

ナノカプセルで疾患部位にピンポイントで治療薬を届ける技術|ドラッグデリバリーシステム(DDS)によれば、直径数十ナノメートル(ナノは10億分の1)ほどの小さなカプセル=ナノカプセルを使い、狙った患部だけに薬剤を届ける仕組みを「ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)」と呼びます。

ピンポイントで治療薬を届けるアイデアの例

現在さまざまなアプローチからピンポイントで治療薬を届けるアイデアが開発されています。

ナノカプセルで疾患部位にピンポイントで治療薬を届ける技術|ドラッグデリバリーシステム(DDS)によれば、片岡一則氏らのグループが研究しているのは、「ドラッグデリバリーシステム(DDS)」というナノカプセル(ミセル化ナノ粒子)の中に薬を入れて、体の中の疾患部位にその薬を届けるという技術です。

ナノ粒子を用いたアテローム性動脈硬化症の新治療法とは−米研究によれば、ナノ粒子に抗炎症薬を組み込んで運ばせ、プラークが蓄積されている部位で治療薬を放出させるという研究が行われているそうです。

血液の中を泳いで薬を届ける「3Dプリント魚」が開発される|カリフォルニア大学サンディエゴ校によれば、3Dプリントでできた魚型ロボットが、人間の血液の中を泳いでいって、毒素を探知したり、目的部位に薬を運んだりすることができるようになるかもしれないそうです。

ROBOT ORIGAMI |折り紙からインスピレーションを受けて作られた小さな医療用ロボットが開発によれば、小さな医療用ロボットが人体内部の奥深くに薬品を届けたり、医療行為を行ったりするのに利用できる可能性が期待されています。







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コレステロール基準値巡り論争 専門医・研究者の間でも意見が分かれる

Arguments

by Jeff Eaton(画像:Creative Commons)

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コレステロール基準値巡り論争

(2008/9/12、読売新聞)

LDLコレステロール値140以上の場合を脂質異常症とした診断基準について、大櫛(おおぐし)陽一・東海大教授(医学情報学)は、全国70万人の健診データなどをもとに「心臓病が増えるのは、数値が190以上の場合であり、基準には根拠がない」と批判した。

これに対し、寺本教授は「LDLがそれほど高くなくても、糖尿病などを併せ持つ場合は心臓病の危険が高まる。そうした人を見つけ出すための基準値」と説明した。大櫛教授は「糖尿病を併発する場合でも、LDL値140以上で心臓病の危険が高まるというデータはない」と反論した。

日本脂質栄養学会でシンポジウムが行われた中で、高コレステロールの診断基準値の妥当性について、診断基準の作成にあたった専門医と、その基準に疑問を持つ研究者の間で、コレステロールの基準値を巡り、論争が繰り広げられたそうです。

専門医や研究者などの専門家の間でも、コレステロールの基準値に関しては、問題があるようです。

コレステロールに関しては、生活習慣病を予防するためにコレステロール(特に悪玉コレステロール)を下げるにはどのようにしたらよいかを伝えるテレビ番組がある一方で、コレステロールの摂取制限は必要ないという提言が行われていたりと、様々な議論が起きています。

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錠剤のように飲み込める小腸用のカプセル内視鏡、日本で販売認可|オリンパス




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参考画像:内視鏡総合メーカーのオリンパスメディカルシステムズ 日本メーカー初、通常内視鏡に匹敵する高画質を実現した 小腸用の「オリンパスカプセル内視鏡システム」“エンドカプセル” 10月15日に日本で発売|スクリーンショット

いよいよ飲み込めるカプセル型内視鏡が、日本でも製造・販売が認可されたそうです。

オリンパスの飲み込めるカプセル内視鏡、日本で発売認可

(2008/9/11、ITmediaニュース)

オリンパスメディカルシステムズは9月11日までに、錠剤のように飲み込める小腸用のカプセル型内視鏡について、厚生労働省から日本での製造販売認可を取得した。今後、発売に向けて準備を進める。

このカプセル型内視鏡であれば、チューブを挿入する従来型に比べて、患者の負担が軽減されます。

■小腸用カプセル内視鏡の検査とは

内視鏡総合メーカーのオリンパスメディカルシステムズ 日本メーカー初、通常内視鏡に匹敵する高画質を実現した 小腸用の「オリンパスカプセル内視鏡システム」“エンドカプセル” 10月15日に日本で発売

(2008/10/14、オリンパス)

小型カメラや照明を内蔵した錠剤大のカプセルを飲み込むことで、小腸全体の撮影を行う患者さんにとって負担の少ない検査です。カプセルは、消化管の蠕動運動によって移動しながら1秒間に2枚、約8時間かけて合計約6万枚撮影します。撮影画像は、カプセル本体から無線で患者さんが身に着けたアンテナに送信され、順次受信装置に蓄えられます。患者さんは、カプセルを飲み込んでから1~2時間後には病院を出て通常の生活に戻れます。撮影終了後、医師が受信装置から画像データをワークステーションにダウンロードして診断します。

慶應義塾大学病院内視鏡センター緒方晴彦先生のコメントによれば、「小腸は暗黒大陸といわれるほど、その臓器特性ゆえに従来より小腸粘膜を直接観察することが難しい臓器」なのだそうで、小腸用カプセル型内視鏡は、患者にとっては負担が少なく、なおかつ小腸粘膜を直接観察可能になる画期的なアイテムなのだそうです。

当社は1950年に世界で初めて胃カメラを実用化して以来、食道・胃・小腸・大腸など各消化管用の内視鏡や処置具など幅広いラインアップの商品を開発・製造し、全世界の顧客ニーズにお応えしています。長年、「暗黒大陸」といわれてきた小腸疾患の診断・治療領域においても、1973年に小腸ファイバースコープ、1997年から小腸ビデオスコープ、2007年からシングルバルーン小腸内視鏡システム、そして各種処置具を継続的に商品化してきました。また、1990年代初頭から、マイクロマシン・ナノテクノロジーなどの先進技術を活かし、将来技術の1つとしてカプセル内視鏡の開発に取り組んでまいりました。

このたび、日本で発売する「エンドカプセル」は、当社が長年培ってきた内視鏡の高画質化のための光学技術や画像処理技術、また小型化のためのマイクロマシン・ナノテクノロジーなど、当社が保有する技術の総結集により実現しています。

技術開発が進むにつれて、今まで見ることができなかったところが見えるようになり、検査を受ける患者にとっても肉体的に楽になっていっているようです。







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国内初メスいらずの手術(低侵襲手術法「NOTE」)成功|阪大

Surgery in progress

by Rotary Club of Nagpur(画像:Creative Commons)




メスいらずの究極手術 阪大が低侵襲手術法を臨床導入

(2008/8/14、産経新聞)

メスいらずの究極手術-。大阪大学医学部付属病院は14日、口や肛門、膣など体の開口部から内視鏡を入れて体の表面の傷を少なくする新しい手術法を実施し、患者の腫瘍(しゅよう)の摘出に成功したと発表した。阪大によると、患者の負担が少なく術後の回復が早いのがメリットで、治療での実施は国内初という。

大阪大学医学部付属病院は、口や肛門、膣など体の開口部から内視鏡を入れて体の表面の傷を少なくする新しい低侵襲手術法「NOTE」を実施し、患者の腫瘍の摘出に成功したそうです。

NOTE(自然開口部経管腔的内視鏡手術)とは・メリット・デメリットとは、口や肛門、膣など人体の「穴」を経由して特殊な内視鏡を差し入れて手術をする方法で、体の表面を傷つけることない手術方法であるため、術後の合併症を最小限に抑えることができるそうです。

この手術を利用していけば、患者の体への負担が小さくなり、社会復帰が早くなるため、患者側にとってメリットが大きくなりそうです。

ただ、デメリットもあるそうです。

  • 不潔な消化管経由で内視鏡を入れるため感染症のリスクが高くなる
  • 他臓器にアプローチする際には、胃や食道の壁の切開と縫合が必要になる
  • 手術時間も通常の腹腔鏡手術より長い

患者のQOLに合わせて手術を選択するようにすれば良いのではないでしょうか。