■むし歯(う歯)は中学生・高校生で過去最低|2017年度学校保健統計調査
参考画像:平成29年度学校保健統計速報(学校保健統計調査の結果速報)の公表について(2017/12/22、文部科学省)|スクリーンショット
平成29年度学校保健統計速報(学校保健統計調査の結果速報)の公表について
(2017/12/22、文部科学省)
むし歯(う歯)は中学校及び高等学校で過去最低,裸眼視力1.0未満の者の割合は小学校及び中学校で過去最高となったほか,耳疾患が小学校,中学校及び高等学校で過去最高となっている。
平成29年度学校保健統計速報(学校保健統計調査の結果速報)で気になるデータは3つ。
1.むし歯(う歯)は中学生・高校生で過去最低になったこと、2.裸眼視力1.0未満の小学生・中学生の割合が過去最高になったこと、3.耳疾患が小中高で過去最高になっていることです。
今回は「むし歯(う歯)は中学生・高校生で過去最低になったこと」について取り上げてみたいと思います。
子どもの虫歯が激減|就寝前の歯磨き習慣やフッ素を使ったうがいの予防策の浸透が背景によれば、歯磨き習慣が身についていることやフッ素を使ったうがいなどによる予防策が浸透していることが良い結果を生んでいるようです。
ただ気になるニュースもあります。
【子供の虫歯二極化】歯科の受診が確認できない子供が65%、「口腔崩壊」の子どもがいる学校の割合も35%で紹介した兵庫県保険医協会の調査によれば、歯科の受診が確認できない子供が65%、「口腔崩壊」の子どもがいる学校の割合も35%にのぼったそうです。
虫歯の割合は幼稚園・小中高校とも1980年ごろから低下傾向が続いているのですが、一方で未治療の虫歯が10本以上あるなど「口腔(こうくう)崩壊」の子供がいる学校の割合も35%あることがわかったことから、二極化が進んでいる可能性があります。
同協会によれば、この背景には「貧困(仕事が忙しく、子供の歯に気をつかう時間的・経済的余裕がない)」があると考えられるそうです。
むし歯は生活習慣や教育と大きく関係すると考えられます。
なぜ虫歯は、長時間メディア(特にゲーム)利用、睡眠不足、朝食欠食の子供に多いの?|富山大学で紹介した、富山大学地域連携推進機構地域医療保健支援部門によれば、虫歯は、長時間メディア(特にゲーム)を利用する子供、睡眠時間が短い子供、朝食を欠食する子供に多いことがわかったそうです。
富山大学地域連携推進機構地域医療保健支援部門が考える仮説としては、長時間メディア(特にゲーム)利用、睡眠不足、朝食欠食といった生活習慣が自律神経の活動に影響を与え、唾液分泌の量や質に変化が起きていることにより、むし歯になりやすいと考えられるそうです。
親の教育歴が低い家庭の子どもほど未就学児の虫歯治療経験が高くなっている|東北大学【#健康格差】によれば、東北大学大学院歯学研究科国際歯科保健学分野の相田潤准教授のグループが、厚生労働省が実施している「21 世紀出生児縦断調査」の追跡データを分析したところ、親の教育歴が低い家庭の子どもほど未就学児の虫歯治療経験が高くなっていることがわかったそうです。
今後はこうした家庭の子供をフォローすることができれば、さらにむし歯で悩む子供を減らすことができるのではないでしょうか。
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