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■マイクロRNAを使った肝線維化の治療・予防を行う方法を開発|マイクロRNA-29aは肝星細胞の活性化の抑制、治癒促進を助ける|大阪市立大
by Ted Eytan(画像:Creative Commons)
(2016/8/2、朝日新聞)
肝臓はウイルスやアルコールなどの影響で慢性の肝炎になると、コラーゲンの線維が作られ始める。いずれは肝硬変や肝がんになるが、直接の治療法は今のところほとんどないという。
村上善基准教授(肝胆膵(かんたんすい)内科)らは、慢性肝炎の患者の肝臓組織を調べ、線維化が進むにつれて量が減る分子を見つけた。分子は「マイクロRNA」の一種で、コラーゲンの生成を抑える役割などがあるという。肝炎の状態にしたマウスに、マイクロRNAを注射すると、自然回復よりも早く線維化が改善した。
肝臓がウイルスやアルコールなどの影響を受けて、慢性の肝炎になると、コラーゲンの線維が作られ始め、いずれは肝硬変や肝臓ガンになっていきますが、現在のところは、肝線維化の原因となるウイルス性肝炎やアルコール性肝炎を治療することで間接的に肝線維化の改善を期待するという方法しかなく、肝線維化を直接的に治療・予防する方法はなかったそうです。
大阪市立大などの研究グループの研究によれば、肝線維化の進行に伴って減少するマイクロRNA-29aを補充することによって、TGF-βによる肝星細胞の活性化が抑制されることがわかったそうです。
今回の研究から期待されることは、2つ。
1.マイクロRNA-29aを投与することで、慢性肝炎患者が肝硬変になることを予防し、肝臓がんになるリスクを下げる。
2.重い肝硬変患者に投与することで、肝線維化を改善させ、肝機能を改善させる。
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