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マイクロRNAを使った肝線維化の治療・予防を行う方法を開発|マイクロRNA-29aは肝星細胞の活性化の抑制、治癒促進を助ける|大阪市立大

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■マイクロRNAを使った肝線維化の治療・予防を行う方法を開発|マイクロRNA-29aは肝星細胞の活性化の抑制、治癒促進を助ける|大阪市立大

Being a patient is involuntary - Christine update 9529

by Ted Eytan(画像:Creative Commons)

肝臓病の悪化を抑える分子を発見 大阪市大

(2016/8/2、朝日新聞)

肝臓はウイルスやアルコールなどの影響で慢性の肝炎になると、コラーゲンの線維が作られ始める。いずれは肝硬変や肝がんになるが、直接の治療法は今のところほとんどないという。

村上善基准教授(肝胆膵(かんたんすい)内科)らは、慢性肝炎の患者の肝臓組織を調べ、線維化が進むにつれて量が減る分子を見つけた。分子は「マイクロRNA」の一種で、コラーゲンの生成を抑える役割などがあるという。肝炎の状態にしたマウスに、マイクロRNAを注射すると、自然回復よりも早く線維化が改善した。

肝臓がウイルスやアルコールなどの影響を受けて、慢性の肝炎になると、コラーゲンの線維が作られ始め、いずれは肝硬変肝臓ガンになっていきますが、現在のところは、肝線維化の原因となるウイルス性肝炎やアルコール性肝炎を治療することで間接的に肝線維化の改善を期待するという方法しかなく、肝線維化を直接的に治療・予防する方法はなかったそうです。

大阪市立大などの研究グループの研究によれば、肝線維化の進行に伴って減少するマイクロRNA-29aを補充することによって、TGF-βによる肝星細胞の活性化が抑制されることがわかったそうです。

今回の研究から期待されることは、2つ。

1.マイクロRNA-29aを投与することで、慢性肝炎患者が肝硬変になることを予防し、肝臓がんになるリスクを下げる。

2.重い肝硬変患者に投与することで、肝線維化を改善させ、肝機能を改善させる。

→ 肝硬変とは|肝硬変の症状・原因・食事 について詳しくはこちら

→ 肝臓がん|肝臓がんの症状(初期・末期) について詳しくはこちら







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「TTC39B」の機能を阻害でコレステロールの吸収・蓄積を抑制 動脈硬化とNASHの両方に有効な革新的治療開発に期待|大阪大

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■「TTC39B」の機能を阻害でコレステロールの吸収・蓄積を抑制 動脈硬化とNASHの両方に有効な革新的治療開発に期待|大阪大

Oooh Baby !

by Emilio Labrador(画像:Creative Commons)

特定たんぱく質の阻害でコレステロールを抑制

(2016/7/14、ニュースイッチ)

TTC39Bを無効化したマウスを用いて実験した。NASHを誘発するように餌を与えても、コレステロールの蓄積などが抑制された。動脈硬化モデルのマウスでも、病変の進展や脂肪肝が抑制された。

大阪大学大学院医学系研究科の小関正博助教らによれば、特定のたんぱく質「TTC39B」の機能を阻害すると、コレステロールの吸収や蓄積が抑えられることを発見したそうです。

TTC39Bは、脂質代謝(血清中LDLコレステロール値と総コレステロール値)との関連が指摘されていたものの、その機能についてはわかっていなかったそうです。

肝臓に異所性脂肪が蓄積した状態である非アルコール性脂肪肝炎(NASH)肝硬変肝がんの原因の一つとして注目されていますが、今後、TTC39B阻害によるNASH(非アルコール性脂肪肝炎)や動脈硬化症の両方に有効な治療薬の開発に応用されることが期待されるそうです。

→ NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)の症状・食事・改善方法 について詳しくはこちら

→ 動脈硬化とは|動脈硬化の症状・原因・改善方法・予防 について詳しくはこちら







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アルコール性肝硬変で肝臓移植を受けた患者のうち、2割以上が再び飲酒を始め、うち7割近くが肝臓に障害が表れるほどの飲酒量

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■アルコール性肝硬変で肝臓移植を受けた患者のうち、2割以上が再び飲酒を始め、うち7割近くが肝臓に障害が表れるほどの飲酒量

Beer tasting at Ebisu Palace Gardens

by Travis Juntara(画像:Creative Commons)

肝硬変で移植、2割が再び飲酒…誓約書書いても

(2013/7/4、読売新聞)

アルコール性肝硬変が原因で肝臓移植を受けた患者のうち、2割以上が手術後に再び飲酒を始め、うち7割近くが再び血液検査などで肝臓に障害が表れるほどの飲酒量だったことが、日本肝移植研究会の調査で分かった。

日本肝移植研究会の調査によれば、アルコール性肝硬変が原因で肝臓移植を受けた患者の2割以上が手術後に再び飲酒を始めてしまい、そのうちの7割が肝臓に障害が現れるほどの飲酒量なのだそうです。

手術前は今後はお酒を口にしないと思っていても、手術後はやはり飲みたいという気持ちになって飲んでしまうのでしょうね。

【関連記事】

女性は飲酒量が男性と同じでも、肝臓は先に悪化する

女性のほうがアルコールによる影響を受けやすいのは、

●女性ホルモンにはアルコール分解を妨げる作用があるため、男性より依存症になる恐れがあること

●アルコールを分解する肝臓の大きさも男性より小さいため肝障害のリスクが高い。

ことが理由としてあげられるようです。

女性は男性より肝臓へのリスクなどアルコールの影響を受けやすい。

女性は男性よりも体も肝臓も小さいことから、血中アルコール濃度は男性よりも女性のほうが高くなり、また、女性ホルモンにはアルコールの分解を抑える作用があるともいわれているため、女性は男性よりもアルコールの適量は少なくしたほうが良いようです。

→ 肝硬変とは|肝硬変の症状・原因・食事 について詳しくはこちら




→ 脂肪肝とは|脂肪肝の症状・原因・治し方 について詳しくはこちら

→ 肝臓の病気|肝臓病の初期症状・種類・原因 について詳しくはこちら




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肝臓は、飲酒・過食・運動不足・ストレス・疲労によって悪化する

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■肝臓は、飲酒・過食・運動不足・ストレス・疲労によって悪化する

beer

by brando.n(画像:Creative Commons)

若い世代は飲酒より疲労とストレス 「人体の化学工場」肝臓

(2010/2/9、産経新聞)

◆飲酒は減少傾向

肝硬変脂肪肝の大きな要因とされてきた飲酒だが、肝疾患に詳しい須田都三男(とみお)医師(元慈恵医大准教授)は「(酒類の)飲み過ぎによる肝障害は50代以上に多い。

ライフスタイルの変化で、若い世代ではアフタファイブに同僚との一杯が減り、酒量も減った印象がある。

飲酒は以前ほど深刻な問題ではなくなりつつある」と指摘する。

飲酒(アルコール)による肝臓の悪化は、若い世代では少なくなってきているようです。

ただし、以前取り上げた記事(女性は男性より肝臓へのリスクなどアルコールの影響を受けやすい。)によれば、20代前半では、飲酒する女性の割合が男性を上回っているそうですので、注意が必要ですね。

しかし、飲酒以外にも肝臓を悪化させる要因があります。

そのことが、脂肪肝などの肝臓の病気メタボリックシンドロームの原因ともなっているようです。

こうした中、職場の定期健診などで大きな問題になっているのが、過食や飽食、運動不足が原因とみられる脂肪肝。

太っていなくても過食などが原因で起こり、放置すると動脈硬化などの要因とされるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の原因にもなる。

食べ過ぎや運動不足による脂肪肝が多くなっているようです。

アルコールが原因ではなく、非アルコール性の脂肪肝のことをNASHといいます。

NASHの原因は、カロリーオーバーな食事。

通常、体内に取り入れられた脂肪は、肝臓の中で身体が利用できるエネルギー源として変化し、全身に送り出されます。

しかし、カロリーオーバーの食生活で内臓脂肪が溜まると、大量の脂肪が肝臓へと供給されることになってしまい、余った脂肪が肝細胞の中に溜まってしまい、脂肪肝になります。

つまり、お酒を飲まないからといって、脂肪肝にならないわけではないんです。

「脂肪肝は働き盛り世代の肝障害のほとんどを占める。

肝臓は“沈黙の臓器”といわれるように自覚症状に乏しく、ゆっくりと悪化するため注意が必要」(須田医師)

脂肪肝のうち1割程度は重症化するが、多くの場合は食事中心の節制した生活で治りやすい病気だという。

脂肪肝の多くは食生活の改善で治る病気ですが、肝臓はほとんど自覚症状がないため、気づかない人も多いです。

定期的に食生活を見直したり、健康診断で見てもらうことが大事かもしれません。

肝臓を悪化させる要因には、ストレスなどの疲労にも注意が必要なようです。

精神的ストレスなどによる疲労にも要注意だ。

「体がストレスに適応しようとしてタンパク質の分解が進むため、タンパク質を十分含む食事を取ることが大切」という。

タンパク質は体内で分解され、有害なアンモニアとなる。

アンモニアが増えると体内のエネルギー生産が妨げられる。

そこで、肝臓内の「オルニチン」がアンモニアの解毒を促す。

こうした働きで肝臓が活性化し、エネルギー生産など肝臓のほかのさまざまな機能も活発になっていくという。

ストレスなどによる疲労にはタンパク質を十分に含む食事を摂ることが大事なのだそうです。

オルニチンは食品ではシジミなどに含まれるが、須田医師は「食品で取っても、よほど大量でない限り効果的ではない」と説明。

「社会生活ではストレスや不摂生は避けにくいこともあるが、肝臓の健康のためには栄養のバランスの取れた食事、十分な休息、適度な運動などのストレス解消を確保してほしい。

自身の生命維持に不可欠な肝臓に思いを至らせて」とアピールする。

最近になって特に注目されている印象をうける「肝臓」。

肝臓の健康を守るためにも、食生活の改善、休息、運動、ストレスの解消などに気を付けたいですね。

最後に、よく目にする「オルニチン(オルニチンサイクル)」についての説明がありましたので、紹介します。

【用語解説】肝臓とオルニチンサイクル

肝臓の大切な機能の一つが、アルコールやアンモニア、毒物などの解毒。

このうち、アンモニアは食べ物に含まれるタンパク質が体内で分解されてできる有害物質。

アミノ酸の一種「オルニチン」には肝臓でアンモニアを分解して毒性の少ない尿素に変える働きがあり、オルニチンサイクル(尿素サイクル)という。

尿素は尿に含まれて排出される。

アンモニアは細胞内でのエネルギー生産を妨げるため、疲労にも関係するとされる。

オルニチン について詳しくはこちら







【関連記事】
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日本初、肝硬変を対象とした他家脂肪組織由来幹細胞製剤ADR-001治験開始|新潟大学・ロート製薬

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【目次】




■日本初、肝硬変を対象とした他家脂肪組織由来幹細胞製剤ADR-001治験開始|新潟大学・ロート製薬

Cirrhosis of the liver (trichrome stain)

by Ed Uthman(画像:Creative Commons)

日本初、肝硬変を対象とした他家脂肪組織由来幹細胞製剤ADR-001治験開始 新潟大学とロート製薬の再生医療研究開発

(2017/7/27、新潟大学)

間葉系幹細胞を用いた治療効果は、細胞が産生するサイトカインや成長因子等の液性因子を介して治療効果を発揮すると考えられており、ロート製薬で製造した ADR-001 の構成細胞を用いた、マウス肝硬変モデル、マウス NASH モデルでの検討で、肝線維化の改善が認められました。

新潟大学の寺井崇二教授とロート製薬は日本初の肝硬変を対象とした他家脂肪組織由来幹細胞製剤ADR-001の治験を開始するそうです。

【参考リンク】

今回の治験で使用されるロート製薬が開発を進めている「ADR-001」とはどういうものなのでしょうか?

ロート製薬が開発を進めている、「ADR-001」は他家脂肪組織由来幹細胞を構成細胞とする細胞製剤です。脂肪組織に含まれる幹細胞を、動物由来のウイルス感染のリスクを考えた動物由来原料不含有で、脂肪由来幹細胞の能力を最大限に引き出す独自の無血清培地で培養しております。脂肪組織は組織中に多くの間葉系幹細胞を含み、採取時の侵襲性が比較的低く、手術時など余剰組織となるケースもあることから、比較的入手が容易であり、他家脂肪細胞による同種移植のため、必要な患者さんに迅速に提供できるメリットがあります。投与は静脈内点滴投与のため患者さんの負担も少ないのが特徴です。

これまでの研究で、ADR-001によって、マウス肝硬変モデル、マウスNASHモデルでの肝線維化の改善が認められているそうです。

そこで、今回は、2020年の承認を目指して、ヒトにその効果が認められるのかどうか(有効性)、副作用はないのか(安全性)をチェックする治験の段階に進んだということですね。




■肝硬変

肝硬変は、肝臓の組織が炎症を繰り返すこと(慢性肝炎)によって線維化し硬くなる肝臓の病気です。

慢性的な炎症により、肝細胞の変性・壊死と肝再生が繰り返され、その過程で肝臓内に線維化が生じ、肝硬変により肝臓癌が発生する危険性が高
まることが知られています。

肝硬変が進行すると、肝臓がんに移行するリスクが高くなります。

肝硬変の原因としては、慢性肝炎の状態が続くことであり、その肝炎の原因としては、肝炎ウイルス(B型・C型)によるものやアルコールなどが挙げられます。

肝硬変の病因としては、肝炎ウイルスによるものが多く、特にC型肝炎ウイルス(以下、「HCV」)による割合が最も多く、HCVのキャリアは国内で150万~200万人存在すると推定されています。HCV感染者の約70%で感染が持続し、慢性肝炎へと移行した場合、肝硬変や肝臓癌へと進展します。慢性C型肝炎が原因で肝硬変になった患者では1年に約5~8%が発癌し、肝臓癌患者の約2/3が肝硬変を合併しているという報告があります。

つまり、重要なことは、脂肪肝や肝臓がんになる前に、肝炎ウイルス検査を受けて、治療を行なうことです。

肝硬変は大きく分けると2つの段階に分けられます。

●代償性肝硬変(初期の段階)

自覚症状がほとんどない。

●非代償性肝硬変(病状が進行し、肝機能が低下)

腹水・黄疸などの症状が現れる。

現時点では、肝硬変の治療法にはどのようなものがあるのでしょうか?

進行した肝硬変の治療法としては肝移植がありますが、肝硬変そのものを治療する方法はほとんどなく、非代償性肝硬変患者に対しては、対症療法のみで有効な治療方法がないのが現状で、新たな肝硬変治療方法の開発が望まれております。

肝硬変では、肝線維化が特徴ですが、肝線維化の改善にはコラーゲンをはじめとした細胞外基質の溶解、肝星細胞の活性化抑制、炎症反応の抑制及び、肝障害の抑制に有効と考えられています。

肝硬変自体を治療する治療法はほとんどなく、だからこそ今回新潟大学とロート製薬が研究しているような新しい肝硬変の治療法の開発が期待されているわけです。

■まとめ

まず私たちにできることは肝硬変や肝臓がんになる前の段階で食い止めること。

それには、肝炎ウイルス検査を受けて、ウイルス性肝炎(B型肝炎・C型肝炎)を早期に発見するための検査を行い、治療を行うことが第一です。

そして、肝臓に負担をかけないように肝臓にやさしい生活をしていきましょう。

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→ 肝臓の数値|γ-GTP・GOT(AST)・GPT(ALT)|肝臓の検査 について詳しくはこちら







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