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健康・医療・介護のPHRを基盤に、仮想通貨「Health Coin」を作り、健康増進行動を促すための報酬としてトークンを付与し、ヘルスケア関連費用として支払う仕組みを作ろう!




■健康・医療・介護のPHRを基盤に、仮想通貨「Health Coin」を作り、健康増進行動を促すための報酬としてトークンを付与し、ヘルスケア関連費用として支払う仕組みを作ろう!

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by Adam McGuffie(画像:Creative Commons)

健康保険組合の4分の1超が2025年度に解散危機を迎える試算ー健保連|改善するために必要な2つのプランによれば、健康保険組合連合会(健保連)は、2025年度に団塊の世代が全て75歳以上となり、健保組合が高齢者医療に拠出するお金が急増するため、健康保険組合の4分の1超が解散危機を迎えるという試算を発表しました。

国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|「#健康格差」を広げないために私たちができることで紹介した日本経済新聞社などが実施したアンケート調査によれば、医師の半数が国民皆保険による医療が「持続不能」と答えているそうです。

年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度)
国民医療費の約2割が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めている。(年齢階級別一人当たり医療費(平成25年度))

参考画像:不安な個人、立ちすくむ国家~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~|経済産業省PDF

厚生労働省「人口動態調査」, 「医療給付実態調査報告」, OECD Health Data 2014 OECD Stat Extractsによれば、国全体医療費の23%(9.2兆円)が80歳以上の医療費であり、その多くを入院費用が占めているそうです。

つまり、高齢化は今後も進んでいき、医療費の増大が見込まれることから、健康保険組合の財政が悪化していく傾向は変わりないでしょう。

健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省
健康・医療・介護データを経年的に把握できるリアルデータプラットフォームの構築|新産業構造ビジョン|経済産業省

参考画像:「新産業構造ビジョン」(2017/5/29、経済産業省)|スクリーンショット

そこで考えたのが、健康・医療・介護のリアルデータプラットフォーム(PHR:Personal Health Record)を基盤として、銀行や保険会社、企業が行なっている健康改善するともらえるポイントや割引を共通化して、新たな仮想通貨・電子マネー「Health Coin」を作り、健康増進行動を促すためのインセンティブ(トークンを報酬として付与する)が与えられ、トークン(電子証票)を受け取った患者は医療などのヘルスケア関連の費用として支払うことができるというアイデアです。

最近では、健康改善するとポイントがもらえる制度であったり、健康な人の保険料が割引される保険などができています。

ただその制度は企業独自の仕組みであり、他では使えないのがデメリットです。

それをすべて共通化し、クレジットカードについてくるポイントのように使うことができるようになれば、便利になると思いませんか?

健康ポイントが仮想通貨・電子マネーとして使えるようになれば、健康的なライフスタイルを積極的に行うことで医療費の削減にもつながるでしょうし、ポイントが付与されることで老後資産が形成できないという老後に対する不安も少なくなっていくのではないでしょうか。

そして、健康であるということは医療費も安くなります。(メタボ追跡指導を受けた人は医療費が2割安い!

個人としては、健康であることが資産となることによって、モチベーションが高まり、健康的な良い生活習慣を維持することにつながると考えられますし、企業としては、健康経営を実現しつつ、様々な企業がヘルスケア業界に参加することで経済が活性化することが期待されますし、国としても医療費が低くなることが期待され、Win-Win-Winの関係、三方良しの政策となります。







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銀行が健康的な人には金利を上乗せする時代が来る!?健康が金利に反映されるアイデア|#ダボス会議2017 人生100年時代




■銀行が健康的な人には金利を上乗せする時代が来る!?健康が金利に反映されるアイデア|#ダボス会議2017 人生100年時代

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by David Goehring(画像:Creative Commons)

2017年2月21日放送の「ダボス会議2017人生100年時代」(NHK BS1)の中でパネリストの佐藤康博みずほフィナンシャルグループCEOが提案していたのは、健康的な人には金利を上乗せするという健康を金利に反映するアイデアでした。

メタボ検診・健康診断受けたら金利上乗せ?

(2015/12/23、ZUU ONLINE)

全国の金融機関で国民健康保険加入者の「特定健康診査(メタボ健診)」や、健康診断などを受けた預金者を対象に、定期預金等の金利上乗せをするサービスが増えている。

健康な人ほどリスクが少ないと考えれば、利用者にとっても、金融機関にとっても、メリットがあるアイデアだと思います。

今回のパネリストには、平均年齢100年時代をどう生きるかということを問われている本「ライフシフト」の著者リンダ・グラットンさんも出演されていましたが、長寿社会において健康であることは価値が高くなっており、行政機関や銀行、保険会社などの取り組みによって、健康であることが数字として表れることで本当の意味での資産になる日も近いかもしれません。

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ただ、「健康格差」という問題もあります。

健康格差とは、所得や学歴など社会経済的な地位が低いと不健康が多くなるといわれている格差のことです。

#健康格差 とは|所得や学歴など社会経済的な地位が低いと不健康が多くなる!?によれば、健康格差の研究は1980年代から始まり、WHO(世界保健機関)によって健康格差の要因についてまとめたレポートもあるほど、すでに欧米では深刻な格差の一つとして受け止められているそうです。

健康格差の問題は個人個人で受け止めるだけでなく、社会全体で受け止めるべき問題だと思います。

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健康の問題を個人の問題としてとらえるのではなく、社会の問題としてとらえた場合にはイギリスや東京都足立区の事例が参考になるかと思います。




■イギリス食品基準庁、食品に塩分量の目標値を設定

NHKスペシャルの低所得者の疾病リスクに迫った「健康格差特集」に反響の声

(2016/9/21、マイナビニュース)

イギリスでは、脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功した。これらの疾病は、低所得がかかりやすいとされているが、イギリスは高血圧などの心疾患を招く塩分を減らすことに着手したとのこと。

イギリスでは脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功したそうですが、その理由としては、イギリス食品基準庁が塩分を減らすように食品の塩分量の目標値を設定したことにあるそうです。

2006年に85品目の食品に塩分量の目標値を設定し、メーカーに自主的達成を求めた。その理由は、主食であるパンが国民の最大の塩分摂取源となっていたためだが、メーカー側は売れ行き減を懸念。見かねた医学や栄養学などを専門とする科学者団体「CASH(塩と健康国民運動)」がメーカー側に徐々に塩分を下げるように提言した。

この提言に大手パンメーカーによる業界団体も納得し、7年でパンを20%も減塩。こういった取り組みの結果、国民1人当たりの塩分摂取量を15%減らすことにつながり、年間で2,000億円の医療費削減につながったと考えられている。

現在、日本人の一日の塩分摂取量として推奨されているのは、10g未満です。

ただし、高血圧患者ではさらに基準が厳しく、1日6g未満となっています。(日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインより)

減塩のための食事を自分で作るのは大変ですが、食品メーカーが減塩に取り組むことによって、全体的に塩分摂取量が減らすことができるというのは大変いい取り組みだと思います。

→ 高血圧の症状・食事・数値・予防・原因 について詳しくはこちら

→ 血圧を下げる方法(食べ物・サプリメント・運動) について詳しくはこちら

■糖尿病患者を減らした東京都足立区の事例

NHKスペシャルの低所得者の疾病リスクに迫った「健康格差特集」に反響の声

(2016/9/21、マイナビニュース)

まず実行したのは飲食店巡り。お客のお通しに野菜を提供するようにお願いし、肉のメニューと野菜のメニューを同時に頼まれても、必ず野菜から出してもらうように店側にお願いした。

その理由は血糖値の変化にある。野菜を炭水化物よりも先に摂取することにより、食物繊維が糖の吸収を遅らせて血糖値の変化量を約30%抑えられる。

東京都足立区の平均年収は23区で最も低い300万円台前半(港区の3分の1程度)で、健康寿命は23区の平均よりも2歳短く、糖尿病の治療件数が最も多いそうです。

そこで足立区は区民が「自然と」健康になるようにする対策として行なったのが、飲食店にはお客のお通しに野菜を提供すること、肉のメニューと野菜のメニューを同時に頼まれても、必ず野菜から出してもらうようにお願いをし、また、区立のすべての保育園で野菜を食べる日を設け、調理は子ども自身が担当することで、楽しみながら野菜を摂取してもらうようにしたそうです。

この取り組みによって、足立区の1人当たりの野菜消費量は年間で5kg増えたそうです。

■まとめ

保険とIOTを融合した健康増進サービスの開発に注目!|ウェアラブルデバイスをつけて毎日運動する人は生命保険・医療保険の保険料が安くなる!?によれば、損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険株式会社はFitbitを導入し、健康と運動データとの関係を分析する取り組みを行い、今後の新しい保険商品の開発を検討しているそうです。

例えば、ウェアラブルデバイスから得られるデータにより、運動をする機会が多い人が病気になるリスクが低いということがわかったとするならば、それに対応した新しい保険商品(例:ウェアラブルデバイスをつけて、毎日運動をしている人は保険料が安くなる)の開発が検討されるかもしれません。

これには、ユーザーにもメリットがあり、運動をすることによって保険料が安くなるのであれば、もっと運動する機会を増やすことにもつながるでしょう。

積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下して可能性があるようです。

また、可能性としては、PHYSIO HEALTH|従業員向けの健康コーチをするモバイルヘルスプラットフォームのような、雇用主の健康保険料に対するコストを減らし、健康奨励プログラムに励む従業員に報酬を与えるシステムを企業と保険会社が組み合わせるということもあるのではないでしょうか。

そのほかにも、様々な予防医療に取り組んだ人には保険料が安くなるといった保険商品も考えられそうです。

このように、健康とはこれまで縁がなかった銀行などの金融機関や保険会社が健康への関心を高めていくことによって、社会全体で健康な生活を後押しできるようになるのではないでしょうか?

そして、人の信頼度を評価するシステムによって信頼自体がお金(通貨)のような価値をもつ時代になる!?では、信頼が通貨のような価値を持つ時代について紹介しましたが、健康も同様に通貨のような価値を持つ時代が来るかもしれませんね。







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健康寿命を延ばして「健康長寿日本一」を目指し県庁で朝食の指導|長崎県

【目次】




■健康寿命を延ばして「健康長寿日本一」を目指し県庁で朝食の指導|長崎県

Toast 'n' Jelly

by Steve Snodgrass(画像:Creative Commons)

健康長寿めざし県庁で朝食の指導

(2018/6/12、NHK)

健康な体で日常生活を送れる「健康長寿日本一」を目指す長崎県は、正しい食生活の習慣を身につけてもらおうと、県の職員を対象に朝食を食べながら健康について学ぶ催しを開きました。

介護の必要なく健康的に生活できる期間を示す「健康寿命」について長崎県は男性30位女性28位と全国的に低いグループに入っています。

一生涯のうち、認知症や寝たきりにならないで、健康で自立して生活できる期間を示す「健康寿命」で男性30位、女性28位の長崎県では健康長寿日本一を目指して正しい食生活の習慣を身につけてもらうため、県職員を対象に持ってきた朝食を食べながら食事に必要な栄養素について学ぶイベントを開きました。

ニュースの映像を見ていたところ、県の職員の方たちはバナナや野菜ジュースといった食べ物を持ってきていて(催しを意識して持ってきているとコメントされている方がいました)、野菜や果物が健康をよくするイメージが高いことをうかがわせます。

ただ、バナナや野菜ジュースといった食事では糖質が多く、タンパク質が含まれていないことは気になりました。

県庁の食堂には20代から50代の職員およそ30人が集まり、まず、管理栄養士がごはんやパンといった主食や肉や魚の主菜について1日に必要な量を紹介して、「朝食で取れないものは昼食や夕食で食べるなど全体のバランスを考えるようにしてください」と説明しました。

一日や一週間というスパンでみて、トータルでバランスよく食べることが重要ですね。

ところで、朝食と健康にはどれほど影響があるのでしょうか?




■朝食の欠食状況

朝食欠食状況の変遷|平成28年食育白書
朝食欠食状況の変遷|平成28年食育白書

参考画像:第1部食育推進施策をめぐる状況|平成28年食育白書スクリーンショット

第1部食育推進施策をめぐる状況|平成28年食育白書

普段、朝食をほとんど毎日食べていると回答した成人は83.7%、小学6年生は87.3%、中学3年生は83.3%という結果でした。

一方、朝食の欠食状況について、朝食を「週に2~3日食べる」、「ほとんど食べない」と回答した成人は11.4%だったのに対し、朝食を「あまり食べていない」、「全く食べていない」と回答した小学6年生は4.5%、中学3年生は6.6%という結果でした(図表1-1-5)。

平成28年食育白書によれば、朝食の欠食状況について、朝食を「週に2~3日食べる」、「ほとんど食べない」と回答した成人は11.4%だったそうです。

朝食抜き、30代男性の30%超=10年で10ポイント上昇で紹介した厚生労働省の「2007年国民健康・栄養調査」によれば、若い男女を中心に朝食を取らない人の割合が増加傾向にあり、30代男性では10年前に比べ約10ポイント上昇し、30%を超えているそうです。

健康長寿めざし県庁で朝食の指導

(2018/6/12、NHK)

さらに、職員厚生課の担当者が朝食を食べない人の割合は20代の男性職員で4割にものぼるとした上で、「朝食を取らないと、集中力が低下したり昼食や夕食を食べ過ぎたりするので飲み物でもいいので食べる習慣をつけてください」と話していました。

今回のニュースでも20代の男性職員の4割が朝食を食べない習慣を持っているそうです。

■朝食の欠食と脳卒中の関連

朝食を食べる回数が週2回以下の人は、毎日食べる人に比べて脳出血リスクが36%高まるによれば、磯博康大阪大教授と国立がん研究センターなどのチームによれば、朝食を食べる回数が週2回以下の人は、毎日食べる人に比べて脳出血リスクが36%高まるそうです。

朝食の欠食と脳卒中との関連について|国立がん研究センター

脳出血の最も重要なリスク因子は高血圧で、特に、早朝の血圧上昇が重要なリスク因子であると考えられています。また、朝食を欠食すると空腹によるストレスなどから血圧が上昇することが報告されています。逆に朝食を摂取すると血圧上昇を抑えられることも報告されています。これらの報告から、朝食を欠食することで朝の血圧が上昇し、毎日朝食を摂取する人に比べて脳出血のリスクが高くなっていた可能性が考えられます。

脳出血の危険因子は高血圧で、特に早朝の血圧上昇が重要な危険因子なのだそうです。

朝食を食べないとストレスなどから血圧が上昇すると報告されており、そのことから、朝食を食べないことによって、脳出血リスクを高めると考えられるようです。

朝食をたくさん食べると、糖尿病や高血圧の予防になる!?|テル・アビブ大学によれば、たっぷり朝食を食べる派の人は、やせやすく、また糖尿病高血圧高コレステロール血症を予防できるという結果が出たそうです。

それは、食後の血糖値の上昇が緩やかであることにより、太りにくく、糖尿病高血圧高コレステロール血症といった病気にもなりにくくなっているようです。

→ 高血圧の症状・食事・数値・予防・原因・対策 について詳しくはこちら

■朝食欠食する子供は虫歯が多い

 虫歯は、朝食を欠食する子供に多い |富山大学
虫歯は、朝食を欠食する子供に多い |富山大学

参考画像: 虫歯は、朝食を欠食する子供に多い |長時間メディア利用、睡眠不足、朝食欠食の子供は虫歯になりやすい?(2017/5/29、富山大学)|スクリーンショット

なぜ虫歯は、長時間メディア(特にゲーム)利用、睡眠不足、朝食欠食の子供に多いの?|富山大学で取り上げた富山大学地域連携推進機構地域医療保健支援部門によれば、虫歯は朝食を欠食する子供に多いことがわかったそうです。

朝食欠食→空腹ストレスによって、交感神経活動が高くなり、唾液分泌量が低下する可能性があり、その唾液分泌の減少によって虫歯になりやすいと考えられるそうです。

■朝食を抜く食生活をしている人は、動脈硬化を発症するリスクが高くなる!?

朝食を抜く食生活をしている人は、動脈硬化を発症するリスクが高くなる!?で紹介した「Journal of the American College of Cardiology」に掲載された研究論文によれば、朝食を抜く食生活をしている人は、動脈硬化を発症するリスクが高くなるそうです。

なぜ朝食を抜く食生活をする人は動脈硬化の発症リスクが高くなるのでしょうか?

朝食欠食する習慣をする人は、全体的に不足した食事であったり、頻繁にアルコールを摂取していたり、喫煙といった不健康な生活習慣を持っていて、また、高血圧や過体重、肥満である人が多かったそうです。

■朝食をとることが体内時計のリセットする方法

研究論文によれば、朝食をスキップする人は体重を減らそうと思って朝食を抜いていますが、その後の時間帯に不健康な食事をたくさんとっていることが多く、その結果、ホルモンバランスが崩れたり、サーカディアンリズム(概日リズム)が乱れてしまう可能性があるそうです。

2017年ノーベル生理学・医学賞:体内時計を生み出す遺伝子機構の発見で米の3氏に

(2017/10/3、日経サイエンス)

2017年のノーベル生理学・医学賞は,サーカディアン・リズム(体内時計)を生み出す遺伝子とそのメカニズムを発見した米ブランダイス大学のホール(Jeffrey C. Hall)博士とロスバシュ(Michael Rosbash)博士,ロックフェラー大学のヤング(Michael W. Young)博士の3氏に授与されることになりました。

2017年のノーベル生理学・医学賞はサーカディアンリズム(概日リズム)を生み出す遺伝子とそのメカニズムを発見した3氏に授与されましたが、サーカディアンリズムと朝食には深い関係があります。

遅い夕食で体内時計が混乱し太ってしまう-早大によれば、体内時計をリセットする方法は「朝食を摂る」ことなのだそうです。

なぜ朝食を摂ることが体内時計をリセットする方法なのでしょうか。

まずは体内時計の仕組みから説明します。

体内時計の正体は、遺伝子に組み込まれている時計遺伝子です。

時計遺伝子とは、体内の様々な臓器の細胞に存在している遺伝子のことで、時間を刻んでいる遺伝子です。

時計遺伝子には、1日24時間を計る仕組みがあります。

まず時計遺伝子は細胞内にたんぱく質を分泌させる指令を出します。

このたんぱく質が砂時計でいう砂であり、細胞にたんぱく質がいっぱいになるまでに約12時間かかります。

次に、時計遺伝子は、細胞内にたんぱく質を減らす指令を出します。

再び、たんぱく質が細胞からなくなるまでにおよそ12時間かかります。

このように1周が約24時間となり、その人の生活習慣に合わせて、様々なリズムをコントロールしています。

そして、この時計遺伝子によって、理想的な食事時間も決まっています。

朝食の時間と夕食の時間は起床時間で決まります。

理想的な1日のリズムは、7時起床の場合は、起床から2時間以内に朝食、起床から10時から12時間の間に夕食を摂るのが理想です。

起床時間がずれれば、食事時間もずれてしまいます。

時計遺伝子は一日ごとにリセットされ、また新たに時計の針を動かしています。

体の場所によってリセット方法が違います。

脳:朝日がリセット方法

朝日を浴びることで脳のリズムがスタート

内臓:朝食がリセット方法

※内臓の時計遺伝子をリセットするには、たんぱく質が必要。

朝食にタンパク質を取ることで、その刺激が小腸に到達し、小腸の時計遺伝子を動かします。

すると、その信号が胃や肝臓にも伝わり、エネルギー代謝がはじまります。

そのため、タンパク質の少ない朝食の場合は、時計遺伝子はリセットされず、内臓の機能も低下したままになります。

食事バランスガイドを守ると死亡リスクが減少する!|バランスの良い食事をしようというメッセージは伝わっているの?で取り上げた国立がん研究センターの多目的コホート研究によれば、食事バランスガイドの遵守得点が高いほど総死亡のリスクが低下し、遵守得点が10点増加するごとに総死亡リスクが7%減少するという結果が出ているそうです。

ただ「バランスの良い食事にしましょう」というのは最も正しいメッセージですが、最も伝わりづらいメッセージでもあります。

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、「もっと健康的な食生活を送る」といった総括的な目標は、不明瞭であり、その曖昧さが感情に言い逃れの余地を与え、失敗を正当化しやすくしてしまうそうです。

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つまり、「健康のためにはバランスの良い食事をしましょう」というメッセージは、受け取る側としてはわかりづらいもので、結果どうしたらよいかわからず、今まで通りの生活をしてしまうことになってしまいます。

そこで、「朝食を食べる」というシンプルなアドバイスをすることが、「健康のためにはバランスの良い食事をしましょう」よりもわかりやすいメッセージになるのではないでしょうか。

■まとめ

新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)によれば、2030年代の⽬指すべき将来像における「健康を維持する」という課題に対して、健康寿命の延伸(健康寿命を5歳延伸、平均寿命と健康寿命の差を短縮)に取り組むことが掲げられています。

長崎県・長崎市の平均寿命・健康寿命・健康でない期間
長崎県・長崎市の平均寿命・健康寿命・健康でない期間

参考画像:長く元気で!プロジェクト~健康寿命を延ばそう!~(2017/5/17、長崎市)|スクリーンショット

長く元気で!プロジェクト~健康寿命を延ばそう!~

(2017/5/17、長崎市)

※健康寿命…一生涯のうち、認知症や寝たきりにならないで、健康で自立して生活できる期間。

「健康寿命」
=「日常生活動作が自立している期間の平均」
=「平均寿命」-「要介護等の健康でない期間」

長崎県が掲げた健康寿命を延ばして「健康長寿日本一」という目標は実にわかりやすい目標ですし、具体的な対策として「朝食を食べる」というものもメッセージもわかりやすくていいですよね。







P.S.
続きを読む 健康寿命を延ばして「健康長寿日本一」を目指し県庁で朝食の指導|長崎県

「血中コレステロールが気になる方に」「血圧が高めの方に」という2つの機能性を表示した機能性表示食品「カゴメトマトジュース」新発売

健康・美容チェック > 高血圧 > 血圧が高い > 「血中コレステロールが気になる方に」「血圧が高めの方に」という2つの機能性を表示した機能性表示食品「カゴメトマトジュース」新発売




■「血中コレステロールが気になる方に」「血圧が高めの方に」という2つの機能性を表示した機能性表示食品「カゴメトマトジュース」新発売

Tomato Juice

by Ricardo Liberato(画像:Creative Commons)

2016年2月に「血中コレステロールが気になる方に」と表示した機能性表示食品として発売された「カゴメトマトジュース」に新たに「血圧が高めの方に」という表記を追加して発売するそうです。

「カゴメトマトジュース」にはリコピンとGABAが含まれており、リコピンには血中HDL(善玉)コレステロールを増やす機能が、GABAには血圧が高めの方の血圧を下げる機能があることが報告されていることから、血中コレステロールが気になる方や血圧が高めの方におすすめできるということですね。




■トマトジュースと血圧の関係

カゴメ株式会社総合研究所は、近畿大学農学部村上哲男教授との共同研究で、動物試験においてトマト漿液に、血糖値や血圧の上昇を抑制する効果があることを明らかにしています。

発売45年目の新事実。血圧にも、GABAでした!~機能性表示食品「カゴメ野菜ジュース」発売~(2017/10/12、カゴメ)によれば、GABAを摂取しない場合(血圧が高めの方)、交感神経の末端から分泌されたノルアドレナリンによって血管(細動脈血管)を収縮し血圧が上昇するのですが、GABAを摂取した場合、GABAがノルアドレナリンの過剰な分泌を抑制することで血圧上昇を抑制してくれるそうです。

→ 高血圧とは|高血圧の症状・食事・予防・原因・対策 について詳しくはこちら

→ 血圧を下げる方法(食べ物・サプリメント・運動) について詳しくはこちら

■トマトジュースとコレステロールの関係

トマトに含まれる「リコピン」で善玉コレステロールが増える!?によれば、トマトに含まれる「リコピン」という成分に善玉コレステロールを増やす作用が期待できるそうです。

トマトジュースでコレステロール値や中性脂肪値など脂質異常症に関連する検査値が改善で紹介した脂質異常症の状態にしたハムスターを、トマトジュースを飲ませる群と飲ませない群に分けておこなった実験によれば、トマトジュースを与えたハムスターで、コレステロール値や中性脂肪値など脂質異常症に関連する検査値が改善したそうです。

トマトから脂肪肝、中性脂肪改善に有効な成分を発見―京大で紹介した京都大大学院の河田照雄教授らの研究グループの研究によれば、トマトには、血液中の中性脂肪量を抑制する成分が含まれており、脂肪肝メタボリックシンドロームの予防に効果が期待されるそうです。

また、この物質(トマトジュース中には脂肪燃焼作用を有する13-oxo-ODAという成分が含まれる)は、血液と肝臓の中性脂肪の減少だけでなく、脂肪燃焼に関わるたんぱく質の増加、エネルギー代謝の向上、血糖値の低下などに役立ちそうです。

→ 善玉コレステロール(HDLコレステロール)を増やす方法 について詳しくはこちら

【関連記事】

■まとめ

トマトジュース好きにとっては朗報ですね!

これを機会にトマトジュースを飲んでみてはいかがでしょうか?







【参考リンク】
続きを読む 「血中コレステロールが気になる方に」「血圧が高めの方に」という2つの機能性を表示した機能性表示食品「カゴメトマトジュース」新発売

低収入ほど野菜の摂取量が不足している!|2011年の国民健康・栄養調査




pomodori, peperoni, cetrioli, erbette e zucchine

by Cristina(画像:Creative Commons)

低収入ほど野菜不足…厚労省栄養調査

(2012/12/7、読売新聞)

高収入層の「600万円以上」、中収入層の「200万円~600万円」、低収入層の「200万円未満」に3分し、生鮮食品の野菜や肉などの1日当たりの摂取量を集計した。

その結果、野菜は、高収入層が男女とも283グラムだったのに対し、中収入層は男性266グラム、女性271グラム、低収入層は男性259グラム、女性267グラムにとどまった。

厚生労働省が発表した2011年の国民健康・栄養調査によれば、低収入ほど野菜の摂取量が不足しているという結果が出たそうです。

低所得者ほど生活習慣に問題=野菜食べず、運動しないという記事によれば、低所得者ほど野菜を食べる量が少なかったり、運動の習慣がなかったりと、生活習慣に問題がある傾向があることがわかったそうです。

健康格差とは健康格差は、収入・学歴などが要因?でも取り上げましたが、社会的・経済的な格差が健康の格差を生んでいるということがWHOでも一つの問題として注目されているようです。

野菜不足と健康の関係を考えると、低収入の人が野菜を食べるようにできるといいですね!







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