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タモリさん、認知症の前兆「全部ある」と告白!NHK『知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!?』




2025年9月6日放送のNHK『知的探求フロンティア タモリ・山中伸弥の!?』でタモリさんが『人の名前は出てこない、やったことは忘れている。冷蔵庫を開けたら、何しに開けたんだろう』というような認知症の兆候と言われる症状は『全部ある』と発言したことが話題になっています。

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日本人の死因第1位は「認知症」/平均寿命は延びたが都道府県格差が広がるによれば、慶應義塾大学や米ワシントン大学の研究グループが日本人の過去30年の健康状態を解析した結果、’15~’21年で最も多い死因が「アルツハイマー病およびその他の認知症」だとする研究成果を国際医学誌『THE LANCET Public Health』に発表しました。

2021年の日本人の死亡原因上位5つは、1)アルツハイマー病およびその他の認知症、2)脳卒中、3)虚血性心疾患、4)肺がん、5)下気道感染で、アルツハイマー病およびその他の認知症は、1990年から2021年の間に6位から1位に上昇しています。

つまり、アルツハイマー型認知症は日本人にとって珍しいものではなくなってきています。

認知症の新たな2つのリスク要因(視力低下とLDLコレステロール値の高さ)が追加!認知症の45%は遅らせたり軽減できる可能性/ランセットによれば、45%の症例は遅らせたり、軽減したりできる可能性があると提言していますので、認知症対策に取り組んでいきましょう!

【子供・青年期】

1)子供たちに初等・中等教育を提供する 5%

【中年期】

2)難聴への対策(補聴器など) 7%
3)外傷性脳損傷を防ぐ(頭部のけがを防ぐ) 3%
4)高血圧対策 2%
5)過度のアルコール摂取を避ける 1%
6)肥満対策 1%

【晩年期】

7)禁煙 2%
8)うつ病予防 3%
9)社会的交流・社会的接触を増やして社会的孤立を防ぐ 5%
10)大気汚染を減らす 3%
11)運動不足を解消する 2%
12)糖尿病予防 2%

【新たに追加された2つの要因】

13)視力低下 2%
14)LDLコレステロール値の高さ 7%

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■ちなみに

●認知的予備力

若い時によく勉強した人はアルツハイマー型認知症になりにくい?認知機能の予備力を鍛えて認知症が予防できる?で紹介したジョンズ・ホプキンス医科大学の研究によれば、高齢になっても認知機能にまったく問題がない修道女は、脳にアルツハイマー型認知症と同じ変化が確認されているにも関わらず、病気の症状が表れにくいことが分かったそうです。

そのポイントは、10代の頃に高い言語技能を習得していること。

フレイルは「予備力の低下」が主要因として起こりやすい!?によれば、緊急事態や危機的状況で、普段は意識的にコントロールしている力を超えて、潜在的なパワーを発揮する「火事場の馬鹿力」や脳には筋肉や骨に過度な負担がかかるのを防ぐため、普段は100%の力を発揮しないようにする安全装置(リミッター)が備わっているといわれますが、これが予備力なのだと思います。

つまり、フレイルとは加齢に伴い身体や認知機能の予備力が低下して食欲の低下や活動量の低下、筋力低下、認知機能低下、多くの病気を抱えるといった状態と言い換えることができます。

若い時によく勉強した人はアルツハイマー型認知症になりにくいというのは、若い頃に勉強していたことによって、認知機能の予備力が鍛えられていたからだとは考えられなしでしょうか?

認知症の予防につながる9つのリスク要因|中年期の聴力低下・中等教育の未修了・喫煙・うつ・運動不足・社会的孤立・高血圧・肥満・2型糖尿病認知症の発症リスクが高いのは、脳卒中の経験がある人、糖尿病や心臓病の持病がある人、握力が弱い人、うつ傾向がある人で紹介した国立長寿医療研究センターなどのチームによれば、学校教育の年数が9年以下の人のリスクは、9年を超える人の2倍だったそうです。

中等教育を修了しないのは大きなリスクで、論文の著者たちは、大人になっても学び続ければ脳の「予備力」を増やせる可能性が高いと述べている。

中等教育の未修了だからといって即、認知症になりやすいというのではなく、大人になって学習意欲がある人は「認知的予備力」(人生の過程で頭を使うことによって蓄えられる)を増やせる可能性が高いそうです。

→ デジタル認知症はウソ?テクノロジーで認知症リスク42%減!認知的予備力理論にテクノロジーが役立つ について詳しくはこちら

鼻をほじるとアルツハイマー型認知症になるリスクが高まるって本当?で紹介した近年の研究でアルツハイマー病における神経炎症プロセスが外部から侵入する病原体が関与している可能性があり、鼻をほじると病原菌を押し込むリスクが高まる、鼻毛を抜くとバリア機能が低下するというように感染リスクが増加することから鼻をほじる行為による細菌感染と認知症仮説は研究するに値するものと言えそうです。







2型糖尿病をもつ方の「尿中タイチン」が将来のサルコペニアの発症を予測する新たなバイオマーカーに!糖尿病の人はサルコペニアが進行しやすい!




糖尿病をもつ方の “将来の筋力低下リスク” を予測――新たな指標「尿中タイチン」発見(2025年9月8日、神戸大学)によれば、2型糖尿病をもつ方の「尿中タイチン」が、将来のサルコペニアの発症を予測する新たなバイオマーカーであることがわかりました。

→ 糖尿病の症状 について詳しくはこちら

■尿中タイチンとは?

今回の研究で注目された「尿中タイチン」は、筋線維の構造を支えるタンパク質で、筋損傷が生じると血液中に放出され、尿中に排出されます。

■サルコペニアとは

サルコペニアは、加齢や生活習慣病、がんなどの慢性疾患に伴って筋肉量・筋力・身体機能が低下する状態で、フレイル(虚弱)、転倒、要介護など、健康長寿をおびやかすことから注目されています。

2016年、疾病として認定されてから(国際疾病分類ICD-10に登録)、世界中でサルコペニアの予防、治療の方法が模索されています。

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■研究の背景

1)糖尿病をもつ方は、特にサルコペニアが進行しやすいことが知られていますが、その発症を早期に予測できる信頼性の高いバイオマーカーはこれまで存在しませんでした。

2)これまで、筋ジストロフィーや拡張型心筋症など比較的まれな疾患のバイオマーカーとして知られており、研究チームは、糖尿病の方でも、筋肉の慢性的な損傷がおこり「尿中タイチン」が上昇していると仮説を立てて研究を開始しました。

【補足1】

〇握力と糖尿病

握力や閉眼片足立ちの成績が悪いと2型糖尿病リスクは高くなる|簡単な体力テストで糖尿病のチェックができる!|東北大学【論文・エビデンス】によれば、握力テストおよび閉眼片足立ちテストの成績が2型糖尿病の発症リスクと関連することを明らかにしました。

心肺持久力と握力の両方が低い中学生は代謝異常リスクが高い!|心肺持久力が低いと血圧やNON-HDLコレステロールは高い!|新潟大学で取り上げた新潟大学と新潟県阿賀野市による共同研究によれば、体力テストで心肺持久力を測るシャトルランと上肢筋力を測る握力の両方が低い中学生は代謝異常(メタボまたは生活習慣病)リスクが高いことがわかっています。

痩せた女性で筋肉量が少ない人ほど高血糖のリスクが高い|糖尿病予防には食事と運動で筋肉の量と質を高めよう!|順天堂大学によれば、痩せた閉経後女性で、どのような人がより高血糖になりやすいかを詳しく解析したところ、インスリン分泌が低いことに加え、除脂肪体重(全身の筋肉の量を反映)が少ない人、筋細胞内に脂肪が蓄積(脂肪筋)している人ほど、血糖値が高いことが明らかになっています。

【たけしの家庭の医学】握力を鍛えて血管年齢若返り|NO分泌入浴法のやり方によれば、握力を維持できていない人は心血管疾患による死亡リスクが高いと考えられ、反対に握力が維持できている人は心血管疾患による死亡リスクが低いそうです。

握力が強いほど長生き?|循環器病の発症リスクも低い|厚生労働省研究班(2012/2/20)で紹介した厚生労働省研究班の約20年間にわたる追跡調査によれば、握力が強いほど長生きする傾向があり、死亡リスクだけでなく、心臓病や脳卒中といった循環器病の発症リスクも下がっていたことがわかったことで、健康状態を表す指標として、握力が使える可能性があるそうです。

握力は健康のバロメーター!?|握力低下は心臓発作・脳卒中リスク増加に関連(2015/5/15)で紹介したカナダ・マクマスター大学(McMaster University)が主導した国際研究チームは、握力が健康のバロメーターになる可能性についての研究を行ない、その結果、握力が低下すると、心臓発作や脳卒中の発症リスクの増加に関係していることがわかったそうです。

具体的には、握力が5キロ低下するごとに、何らかの原因による死亡リスクが16%増加する関連性が認められ、この握力低下は、心臓発作リスクの7%増、脳卒中リスクの9%増にそれぞれ関連していたそうです。

”#血圧サージ”が危ない~命を縮める血圧の高波~|タオルグリップ法(ハンドグリップ法)|#NHKスペシャル #ガッテンで取り上げたカナダ・マクマスター大学の研究者によれば、8週間のアイソメトリックハンドグリップ(IHG)トレーニングをしてもらったところ、血圧が低下し、動脈の拡張能力が増加することがわかったそうです。

高血圧の代替療法として効果的なのはウォーキングなどの「有酸素運動」と「ハンドグリップ法」であるとして、その理由として、有酸素運動やハンドグリップ法をすると、血管の内皮細胞から血管の壁を柔らかくして血管を広げる作用がある一酸化窒素が出てくるためと紹介されています。

〇片足立ち

ロコモティブシンドロームになると要介護のリスクが高くなる?ロコモの原因・予防のためのトレーニング方法によれば、片脚立ちは両脚立ちに比べ2.75倍の負荷がかかり、一日3回、左右1分間の片脚立ちは、約53分間の歩行に相当するそうです。

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■結果

「尿中タイチン」濃度が高い方ほどサルコペニアを発症しやすく、特に「握力低下」と関連することが明らかになりました。「尿中タイチン」の予測精度は、年齢・性別や体格、血糖コントロール状態、腎機能の違いにかかわらず、一貫していることも示されました。

■まとめ

大事なポイントは、非侵襲的(体への負担が少ない)で簡便な尿検査によって糖尿病の筋力低下のサインを捉えることができるということですね。

尿中タイチンを測定することで事前に予測を立てて個別化した予防や治療をすることにより、要介護にならないように予防したり、健康寿命を延ばすことが期待されます。

【補足2】

高齢者の筋内脂肪の蓄積はサルコペニアと運動機能低下に関係する|名古屋大学【論文・エビデンス】によれば、高齢者の筋肉内に霜降り上に蓄積する脂肪(筋肉脂肪)が、加齢に伴う筋力の減少(サルコペニア)や運動機能低下と関係していることがわかりました。

加齢に伴ってサルコペニア(筋量の減少)が生じることはよく知られていますが、それと同時に筋肉の中に脂肪が蓄積し、量的な変化だけでなく、筋肉の”質的な変化”も生じていることが明らかとなりました。

高齢者は、定期的に運動をすることによって、加齢による筋肉量の減少と運動機能低下を軽減し、筋内脂肪の蓄積の抑制をすることが期待されます。

【補足3】

隠れ糖尿病の原因となる脂肪肝と脂肪筋の簡単改善法のやり方!|#ためしてガッテン(#NHK)によれば、体の中には、肝臓と同じように糖を取り込んでくれるものがあります。

それは「筋肉」です。

筋肉は、体を動かすために必要なエネルギーとして糖や脂肪を取り込んでいるのですが、脂肪が多くなりすぎると、脂肪筋となってしまいます。

脂肪筋も脂肪肝と同じで、糖を取り込むスペースがなくなってしまい、高血糖の原因、つまり糖尿病の原因となります。

今回の研究では、「尿中タイチン」濃度が高い方ほどサルコペニアを発症しやすいことがわかりましたが、例えば、それが筋内の質の変化のサインだとしたら興味深いですよね。

もしかすると、若いうちから尿を調べて、そのサインが現れた場合、しっかりと予防を行うようにするというようになるかもしれません。

【参考リンク】







吉行和子さん(90歳)、肺炎のため死去

女優の吉行和子さん死去 90歳 肺炎のため 「3年B組金八先生」、映画「愛の亡霊」などに出演によれば、吉行和子さんが肺炎のため亡くなりました。90歳でした。

■肺炎は高齢者にとって怖い病気!

高齢者は注意したい!誤嚥性肺炎の気づきにくい症状のサイン!唾液がよく出る健口体操のやり方|高齢者(老人)の肺炎の7割以上が誤嚥性肺炎(厚生労働省統計)で紹介した厚生労働省の人口動態統計の死因別統計によれば、「肺炎」で亡くなる人が年間12万人を超え、肺炎は「がん」「心臓病」に次ぐ第3位となっています。

高齢者にとって肺炎は怖い病気であり、肺炎を引き起こす原因としては、「嚥下障害(えんげしょうがい)」によって起こる「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」が挙げられます。

肺炎について
肺炎患者の約7割が75歳以上の高齢者。また、高齢者の肺炎のうち、7割以上が誤嚥性肺炎。誤嚥性肺炎を引き起こす嚥下障害の原因疾患は脳卒中が約6割を占め、脳卒中の後遺症が誤嚥性肺炎の発生に大きく関係していることが示唆される。

参考画像:高齢化に伴い増加する疾患への対応について(2016/9/2、厚生労働省)|スクリーンショット

高齢化に伴い増加する疾患への対応について

(2016/9/2、厚生労働省)

肺炎患者の約7割が75歳以上の高齢者。また、高齢者の肺炎のうち、7割以上が誤嚥性肺炎。

誤嚥性肺炎を引き起こす嚥下障害の原因疾患は脳卒中が約6割を占め、脳卒中の後遺症が誤嚥性肺炎の発生に大きく関係していることが示唆される。

厚生労働省の資料によれば、高齢者の肺炎の7割以上が誤嚥性肺炎です。

【用語解説】嚥下・嚥下障害・誤嚥の意味

■「嚥下(えんげ)」の意味

嚥下とは、食べ物や飲み物を飲み込む動作のことです。

■「嚥下障害(えんげしょうがい)」の意味

嚥下障害とは、嚥下が上手くできず食道ではなく気管から肺に行ってしまうことです。

→ 要介護者の約6割に咀嚼や嚥下に問題がある|嚥下障害チェックテスト・嚥下障害対策(健口体操・嚥下体操) について詳しくはこちら

■「誤嚥(ごえん)」の意味

誤嚥性肺炎|一般社団法人日本呼吸器学会

食べ物や飲み物、胃液などが誤って気管や気管支内にはいることを「誤嚥」といいます。

誤嚥とは、食べ物や飲み物が間違って気管や気管支に入ることです。

■「誤嚥性肺炎」とはどんな病気?

肺炎予防と口腔ケア

(2015/10/15、日本訪問歯科協会)

高齢者の肺炎の7割以上は、細菌を含む唾液や食物が気管や肺に入ることで起こる誤嚥性肺炎だと言われています。

誤嚥性肺炎とは、食べ物や飲み物、唾液に含まれた細菌が気管から入り込むことが起こる病気です。

誤嚥性肺炎の症状

誤嚥性肺炎|一般社団法人日本呼吸器学会

発熱、せき、喀痰など通常の症状を訴えないことも多く、なんとなく元気がない、倦怠感を訴えることもあります。食事中のむせこみ、常に喉がゴロゴロ鳴っている、唾液が飲み込めない、食事に時間がかかる、たんが汚いなども疑わしい症状です。また、酸素低下をきたし、重症の呼吸不全になることもあります。

誤嚥性肺炎の症状をまとめてみます。

  • 発熱
  • 咳が出る
  • 喀痰(たんを吐く)
  • 元気がない
  • 倦怠感
  • 食事中にむせる
  • 喉が常にゴロゴロ鳴っている
  • 唾液が飲み込めない
  • 食事に時間がかかる
  • たんが汚い
  • 呼吸が苦しい

誤嚥性肺炎の場合は、眠っている間に細菌を含む唾液を少しずつ誤嚥することがあり、気づきにくいため、高齢者で上記に挙げた症状がみられる場合には、注意が必要です。

【参考リンク】

→ せきとたんが止まらない時の原因とは?病気を見分ける方法・ポイント について詳しくはこちら

→ たんが出る|痰の色(黄色・緑)や原因でどんな病気かがわかる!? について詳しくはこちら

誤嚥性肺炎の原因・リスク要因

肺炎予防と口腔ケア

(2015/10/15、日本訪問歯科協会)

高齢者の肺炎の7割以上は、細菌を含む唾液や食物が気管や肺に入ることで起こる誤嚥性肺炎だと言われています。特に寝たきりや脳血管障害、認知症の患者ほどリスクが高くなります。これは、嚥下反射(食べ物を飲み込むときに気道が閉じ、食道が開く)や、気道内に異物が入ったときに激しくせき込んで排除する、せき反射が低下して、細菌が気道を通じて肺に入り込みやしくなるためです。

誤嚥性肺炎の原因は、食べ物や飲み物、唾液に含まれた細菌が気管から入り込むことですが、眠っている間に細菌を含む唾液を少しずつ誤嚥することがあるため、気づきにくいです。

寝たきりや脳血管障害、認知症の患者の場合は、嚥下反射やせき反射が低下し、細菌が気道を通じて肺に入り込みやすくなるため、誤嚥性肺炎のリスクが高くなるそうです。

誤嚥性肺炎の治療

嚥下障害と誤嚥性肺炎

治療には抗生物質を用いますが、ステロイド剤を用いることもあります。さらに呼吸がうまくできずに酸素欠乏状態になった場合は、酸素吸入や状態によっては人工呼吸器を装着することもあります。

誤嚥性肺炎の治療では、肺炎の原因となる細菌を殺す抗生物質を用い、場合によってはステロイド剤を用いることもあるそうです。

また、呼吸がうまくできずに酸素欠乏状態になった場合には、酸素吸入や人工呼吸器をつけることもあるそうです。

誤嚥性肺炎になって何度も治療を行なうと、菌が薬に対して抵抗力を持ってしまい、薬が効きにくくなるため、まずはかからないように予防することが重要になります。

誤嚥性肺炎の予防

誤嚥性肺炎の予防は、細菌を含む食べ物や唾液の誤嚥を防ぐことが重要となります。

そのため、口の中を清潔に保つ口腔ケアと誤嚥を防ぐ対策が必要になります。

1.口腔ケア

口の中の細菌を繁殖させないようにするために、歯磨き(入れ歯の人は入れ歯の洗浄)で口の中を清潔に保ちましょう。

また、唾液の分泌が減ると、口が乾きやすくなり、雑菌だらけの唾液が肺に入ることで、誤嚥性肺炎を引き起こすおそれがあるので、唾液の分泌をうながすようにしましょう。

唾液がよく出る健口体操

童謡の「むすんでひらいて」に合わせて口を動かす

「むすんで ひらいて ベロを出して むすんで

またひらいて ベロ出して そのベロを鼻に

ベロを右に ベロを左 ベロをぐるぐる回します」

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また、ドライマウスにも気を付けましょう。

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2.誤嚥を防ぐ対策(嚥下反射を改善する嚥下障害対策)

●胃液の逆流を防ぐ

嚥下障害と誤嚥性肺炎

ゲップや胸焼けなどがある場合は、胃液の逆流が起こりえます。その場合、食後2時間ほど座って身体を起こしていることで、逆流を防止できます。

誤嚥予防のために、食後すぐに横にならずに、2時間程度座った姿勢を保つことで、胃液の逆流を防ぎましょう。

→ 逆流性食道炎の症状・原因・治し方・食事 について詳しくはこちら

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嚥下体操

嚥下反射を改善させるために、嚥下体操を行ないましょう。

(1)腹式呼吸

鼻から息を吸って、口からゆっくり吐きます。

吸うのを4回、吐くのを8回。

(2)首の体操

  1. 前に後ろに動かします。
  2. 右に左に動かします。
  3. 首筋を伸ばします。

(3)肩の体操・腕の体操

肩をゆっくり上げてそのままにして、ストンと落とす。

片方の腕を上げて、もう片方の手で引っ張ります。

(4)発音練習

唇を使って、「ぱっ・ぱっ・ぱっ」「まっ・まっ・まっ」と発音し、舌を使って「たっ・たっ・たっ」「らっ・らっ・らっ」と発音します。

【参考リンク】

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【仮説】ノンレム睡眠とレム睡眠の役割/7時間睡眠の重要性




”睡眠は、「最初の4時間が緊急メンテで、次の3時間で心身の回復をする」”というXの投稿が気になったので調べてみました。

【参考リンク】

■最初の4時間が「緊急メンテナンス」に相当する可能性

論文では、ノンレム睡眠(NREM睡眠)が睡眠の初期段階で特に重要な「回復プロセス」を担うとされています(Abstractおよび「Sleep, Recovery, and Selection」節)。

具体的には、NREM睡眠中の「緩やかな振動(slow oscillations)」が、シナプス可塑性、細胞の維持・修復、エネルギー補充などの回復プロセスを可能にすると提唱されています(p. 3-4)。

「最初の4時間が緊急メンテナンス」という考えは、論文がNREM睡眠の初期に集中する回復機能(特に深い睡眠であるステージ3や4)に焦点を当てている点と一致します。

論文の図1や図3では、睡眠開始時に皮質の徐波活動(SWA)が強く、回復が必要なネットワークが優先的に動員されると説明されており、これが「緊急メンテナンス」に近い役割を果たすと解釈できます。

■次の3時間が心身の回復に寄与

論文では、NREM睡眠の後でREM睡眠が「選択プロセス」を担うと仮説されています(p. 7-9)。

REM睡眠は、NREM睡眠で回復した脳ネットワークを評価し、覚醒に最適な状態を準備する役割を持つとされています。

このプロセスは、睡眠の後半(例えば残りの3時間)に顕著になる可能性があり、Xの投稿で述べられている「次の3時間で心身の回復をする」という記述と関連します。

特に、論文ではREM睡眠が「オフラインでパフォーマンステスト」を実行し、回復が完了したネットワークを特定するとされています(図6)。

このメカニズムは、心身のストレスを軽減し、全体的な回復を促進するプロセスとして解釈でき、7時間睡眠の重要性を裏付けています。

■7時間睡眠の重要性

論文は、NREMとREM睡眠が交互に繰り返され、すべてのネットワークが回復するまで睡眠が続くことを示唆しています(p. 10-11)。

一般的に、1回の睡眠サイクルは約90~120分で、4~5サイクル(合計7~8時間)が健康な睡眠に必要とされています(図1C)。

Xの投稿が「7時間寝た方がよい」と結論づけるのは、NREM睡眠で回復を始め、REM睡眠でそれを補完するサイクルが十分に確保される時間と一致します。

論文の仮説では、睡眠不足が続くとREM睡眠が増加する傾向があると指摘されており(p. 13)、4時間睡眠ではこのプロセスが不十分で心身の回復が追いつかないという投稿の内容とも合致します。

■まとめ

「最初の4時間が緊急メンテ、次に3時間で回復」という分割を直接的に証明するものではありませんが、NREM睡眠の初期が回復の主要な段階であり、REM睡眠がそれを補完するプロセスとして機能するという仮説を支持しています。

したがって、7時間睡眠が推奨される理由も、NREMとREMの両方のサイクルが十分に機能する時間が必要であるという論文の主張と一致します。







LUNA SEA 真矢さん、脳腫瘍を公表/2020年には大腸がんステージ4と診断




LUNA SEAの真矢さん(55歳)が2020年に大腸がん(ステージ4)で手術と抗がん剤治療、放射線治療を行っていたこと、2025年に脳腫瘍を診断されたことを自身のSNSとバンドの公式サイトで発表しました。

→ 大腸がんとは|大腸がんの症状・初期症状・原因・予防 について詳しくはこちら

大腸がんのステージ分類(0・1・2・3・4)の基準とは

ステージ0 がんが粘膜の中にとどまっている。

ステージ1 がんが筋肉の層にとどまっている。5年生存率90%

ステージ2 がんが筋肉の層を越えている。5年生存率80%

ステージ3 リンパ節転移している。5年生存率60-70%

ステージ4 肝臓・腹膜・肺などの違う臓器に転移。5年生存率10%

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■有名人と大腸がん

多くの有名人の方が大腸がんになったことがニュースになっています。

■大腸がんの症状

■大腸がんのリスク要因

■大腸がんの治療・予防

■大腸がんになりにくい体質にするための方法

大腸がんでは、直系の親族に大腸がんの人がいることは、大腸がんのリスク要因とされていますが、生活習慣を改善することによって大腸がんになりにくい体質にすることも可能なのだそうです。

●禁煙

●アルコールを控える

肥満や飲酒なども大腸がんリスクとされています。

大腸がん予防方法・大腸がんの危険度チェックによれば、最もリスクが高いのは飲酒。

飲酒による大腸がんのリスクは一日に日本酒を1合⇒1.4倍、2合⇒2.0倍、3合⇒2.2倍、4合⇒約3倍となっているそうです。

葉酸代謝と大腸腺腫との関連|国立がん研究センターのがん検診受診者を対象とした研究 |国立がん研究センター

アルコール摂取と大腸腺腫との間には、統計学的有意な正の関連が見られました(傾向性P = 0.04)。非飲酒グループに比べ、週300g以上飲酒している大量飲酒グループでは、大腸腺腫のリスクが約1.5倍上昇していました。

飲酒と大腸がんリスク|科学的根拠に基づく発がん性・がん予防効果の評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究|国立がん研究センター

男性では、23-45.9g/日、46-68.9g/日、69-91.9g/日、92g以上/日のグループでまったく飲まないグループよりもそれぞれ1.4倍、2.0倍、2.2倍、3.0倍と、量が増えるほどリスクが高くなりました。1日のアルコール摂取量が15g増えるごとに、大腸がんリスクが約10%増えると推定されます。部位別には、結腸がんでも直腸がんでも同様の傾向が見られました。

女性では、23g以上/日のグループでまったく飲まないグループよりも大腸がんリスクは1.6倍、結腸がんリスクは1.7倍、直腸がんリスクは2.4倍高いという結果でした。男性と同様に、1日のアルコール摂取量が15g増えるごとに、大腸がんリスクが約10%増えると推定されます。

アルコールの摂取量が増えれば増えるほど大腸がんのリスクが増えるという結果が出ています。

葉酸代謝と大腸腺腫との関連|国立がん研究センターのがん検診受診者を対象とした研究 |国立がん研究センター

アルコールには、葉酸の腸吸収を阻害したり、腎排泄を促進したりする作用があるため、その摂取により体内の葉酸レベルが低下することが知られています。

●運動

運動は、大腸がん予防に非常に効果が高いことがわかっているそうです。

全身運動(水泳・ジョギング・ダンスなど)がおすすめなのだそうです。

大腸がん危険度チェックによれば、毎日合計60分歩く程度の運動をしていない方が運動不足に該当します。

→ 大腸がんとは|大腸がんの症状・初期症状・原因・予防 について詳しくはこちら

■大腸ポリープ・大腸がんを予防する方法

●葉酸

【みんなの家庭の医学】大腸がん予防に葉酸の多い海苔|10月20日によれば、大腸がんのリスクを高める大腸ポリープのできやすさと葉酸の濃度には関係があるといわれ、血液中の葉酸濃度の値が8ng/ml(ナノグラム)以上あれば、女性なら大腸ポリープの頻度が約2割減、男性なら約5割減するそうです。

→ 葉酸の多い食品 について詳しくはこちら

→ 葉酸の効果|妊娠初期・うつ・動脈硬化・大腸がん について詳しくはこちら

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■葉酸代謝が大腸がんの発がんの初期段階で重要な働きを示している

葉酸代謝と大腸腺腫との関連|多目的コホート研究|国立がん研究センター

大腸発がんには、DNAのメチル化が関わっていると考えられています。適切なDNAメチル化の維持には、葉酸が重要な役割を果たしていることが知ら れています。葉酸は、メチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)、メチオニン合成酵素(MTR)、メチオニン合成酵素還元酵素(MTRR)などの酵素群とビタミンB2、B6、B12などの補酵素群の働きにより代謝され、DNAのメチル化に必要なメチル基を供給しています(図1)。

葉酸、ビタミンB2、B6、B12摂取については、大腸腺腫との間に統計学的有意な関連は見られませんでした。

大腸がんの発がんにはDNAのメチル化がかかわっていると考えられており、葉酸が重要な働きを果たしていると考えられますが、葉酸、ビタミンB2、B6、B12摂取と大腸線種との間に統計学的な関連は見られなかったようです。

メチオニン合成酵素 の遺伝子多型とアルコール摂取および葉酸摂取との間に交互作用を認めたことは、「葉酸代謝が大腸発がんの初期段階において重要な役割を果たしている」とするこれまでの研究結果を支持するものであると考えられます。

ただ、葉酸代謝が大腸がんの発がんの初期段階で重要な働きを示していることは間違いないようです。

■葉酸濃度が高くても大腸がんリスクが下がるという関連は見られない

血中の葉酸と大腸がん罹患との関係について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

これまでの研究では、葉酸が不足している場合に、わずかに大腸がんリスクが高くなることが示されていますが、日本人の多くでは必要な量が摂取されているため、その中での差が見られなかったという可能性があります。また、葉酸は、大腸がんの多段階発がんの初期の段階では予防的に働くにも関わらず、進行した段階ではかえって促進するという可能性を示す研究結果もあります。また、ある特定の遺伝子多型のタイプの人やアルコールを多量に飲む人で、葉酸不足によって大腸がんリスクが高くなるという研究結果もあります。

葉酸と大腸がんの関係については様々な研究が行なわれています。

  • 葉酸が不足している場合に、わずかに大腸がんリスクが高くなる
    しかし、日本人の多くでは必要な量が摂取されているため、その中での差が見られなかったという可能性
  • 葉酸は、大腸がんの多段階発がんの初期の段階では予防的に働くにも関わらず、進行した段階ではかえって促進するという可能性
  • ある特定の遺伝子多型のタイプの人やアルコールを多量に飲む人で、葉酸不足によって大腸がんリスクが高くなる

多目的コホート研究では、男女とも、葉酸濃度が高くなっても、大腸がんリスクが下がるという関連はみられませんでした(図1)。また、飲酒量でグループ分けしても、結腸がんと直腸がんに分けて調べても、どのグループでも男女とも関連は見られませんでした。

国立がん研究センターが発表している多目的コホート研究によれば、葉酸濃度が高くても大腸がんリスクが下がるという関連は見られなかったそうです。

葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、メチオニン摂取と大腸がん罹患との関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12、メチオニンは、生体内でのメチル代謝において、それぞれ異なる役割を担っています。アルコールやアセトアルデヒドはそれらの代謝経路を阻害したり、栄養素を破壊したりすることによって、大腸がん発がんの初期段階である遺伝子の低メチル化を引き起こすと考えられます。

今回、特にビタミンB6と大腸がんの関連が強かった理由として、日本人の一般的な食事からは葉酸やビタミンB12は十分取れるのに対し、ビタミンB6摂取量は不足していることが挙げられます。その最大の摂取源は白米ですが、茶碗1杯(約150g)に約0.03mgのビタミンB6しか含まれていません。ビタミンB6を多く含む食品(魚・ナッツ・穀類等)を積極的に摂取することが、大腸がんの予防につながる可能性があります。

日本人の一般的な食事からは葉酸は十分に摂取できるため、差が見られなかった可能性が考えられます。

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