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時間の使い方について考えてみよう|『モモ』(ミヒャエル・エンデ)

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by Fernando Mafra(画像:Creative Commons)




「モモ 時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語」(著:ミヒャエル・エンデ)という本を読んだことがありますか?

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私はこの本を読んで感じたのは「時間の使い方」です。

あなたは時間を大事に使っていますか?

このブログから「時間」という切り口で現代人の時間の使い方を抜き出してみたいと思います。

■現代人の時間の使い方

日本の働く女性は世界で一番寝ていないといわれています。

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女子高生はスマホを毎日5.5時間使っているそうです。

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メディアの人は、バズらせることを目指して日々消耗しているようです。

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人は、同僚と会話をする時間よりもスマホに向き合うほうが重要なようです。

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現代人はコミュニケーションを重視しているようで、最も一番向き合っているのは、人ではなく、スマホやPCの画面なのです。

人の話を聞くことで、希望が湧いてきたり、勇気が出たり、悩みが解決したり、自分はこの世で1人しかいない大切な人間だと実感させることができる。

人の話を聞くとはいっても、スマホをチラ見しながらではなく、しっかりと耳を傾けて聴くこと(傾聴)は、その人が大切な人間であるということを実感させてくれます。

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貴重な時間だからこそ、目の前の人とのコミュニケーションを最も大事にしてほしいのです。

■時間の感じ方

だれでも知っている通り、その時間にどんなことがあったかによって、わずか一時間でも永遠の長さに感じられることもあれば、ぎゃくにほんの一瞬と思えることもあるからです。
なぜなら、時間とはすなわち生活だからです。そして人間の生きる生活は、その人の心の中にあるからです。

楽しい時間はあっという間に過ぎてしまい、時間が止まればいいのにと思ったことは誰しもが経験したことがあると思います。

それと同様に、「まだ5分しか過ぎてないの?」というようなことも経験したことがあるでしょう。

子どもの時には、時間が長く感じていたのに、大人になったら、時の流れが速いと感じることもあるでしょう。

時間の感じ方は、その時々の状況によって変わってきます。

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■時間を人間らしく生きることのために使う

人によっては、時間の効率化を重視するようになり、こんな風な時間の使い方をする人もいるのです。

  • おしゃべりをしない。
  • 家族と時間を過ごさない。
  • 子どもと遊ばない。
  • 友達付き合いをしない。
  • 音楽を聞かない。
  • 読書しない。
  • 動物を飼わない。
  • 恋愛をしない。

人間の心のうちの時間、人間が人間らしく生きることを可能にする時間、そういう時間がわたしたちからだんだんと失われてきた

人は、本来ならば、時間を本当に人間らしく生きるために使うべきなのですが、そうではないことに時間を使ってしまっているのです。

人々は時間を奪われることによって、ほんとうの意味での「生きること」を奪われ、心のなかは貧しくなり、荒廃してゆく。

人間らしく生きることを可能にする時間を失うことによって、私たちの心は次第に貧しくなっていくのです。

ロボット化や自働化によって、仕事が奪われることを心配する人もいるかもしれませんが、本来の目的は、そうすることによって、人間らしく生きることを可能にする時間を増やすことにあると思うのです。

この変化は将来的には起こると思いますが、今でも時間の使い方を変えることはできます。

それは、「人生の時間軸を横に倒す」という考え方です。

※以前ブログで見たのですが、元となる記事が消えてしまっているので、紹介できず、勝手に引用させていただきました。

定年まで仕事をがむしゃらにやって、定年後趣味に生きるという考え方ではなく、その時間軸を横に倒すことで、定年後楽しみたいことを今楽しもうという考え方です。

これはワークライフバランスという考え方というよりも、全てがごちゃ混ぜになっているような感じです。

大きく言えば、東洋的な考え方といえばよいでしょうか。

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あなたの人生を余すことなく楽しんでしまってくださいね。







「言語化できないけど心を動かすものが差異を生み出す」|#猪子寿之 さんと #落合陽一 さんの言葉より

Words Cloud 02/01-08/02 2009

by Greek Tweeters(画像:Creative Commons)




■「言語化できないけど心を動かすものが差異を生み出す」|猪子寿之さんと落合陽一さんの言葉より

「2020年、何やってたら楽しそう!?」落合陽一氏と語る未来のクリエイティブ【連載:Tehuのトップクリエイター七番勝負】

(2014/9/30、エンジニアtype)

「ヤバい」っていうのは言語化できないけど、その裏に心を動かす何かがあるっていうことなんですよ。

<中略>

面白い、とか面白くないとかじゃなくて、「やってみたらヤバいものができちゃったんだよね、言語化できないんだけど心が動く」っていうことの方がすごい。

「知の謎はインターネットで解き明かせるか」(Harvard Business Review 2015年7月号)で猪子寿之さんが同じようなことを語っています。

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すごくいいものだということが論理的に説明できないものは再現性が共有されないので、競争の差異を生みやすくなる。

<中略>

感動の再現性が言語化されにくい分野こそ差異を生みやすいのです。

それを伝えるものを人々は「アート」と呼んでいて、アート的な感動を言語で説明しようとするとうまくできないことが、逆にビジネスとしての差異を生む時代が来るんじゃないか。

言葉に出来ないけど、理論立てて言えないけど、何か心が動いてしまうものというのが大事なのだと思います。

最近思っていたのは、ユーザーにとって目の行き届いたサービスやプロダクトが多い一方で、驚くようなものやなんだかわからないけど感動してしまうようなものが生み出されていないんじゃないかということです。

落合陽一さんと猪子寿之さんの言葉を借りるならば、ユーザーの声というのは言語化できるものであり、それでは心が動くようなものは作れないのではないでしょうか。

言語化できないけど心を動かすもの。

そうしたものを生み出す努力をすることがこれからの時代は必要なのだと思います。

「心が揺れたところで決着はもうついていたんだ」(甲本ヒロト)

【追記(2015/9/11)】

総務省も認めた27歳の異能クリエイター・落合陽一「CGに見飽きた現代人を驚かせたい」

(2015/9/10、CINRA.net)

文脈は分からないけれど感動する。原理は分からないけれどすごい。そんなアート作品が増えれば、日常を彩るような新鮮な喜びが、もっと増えると思うんです

つまり、人の心に響くテクノロジーを使った製品やサービスが成功しているんです。感動を与えない製品の価値はなくなり、人の心を動かすことがますます重要になるでしょう。

仕組みはわからないけどすごいということはわかる。

感動するけど言葉では説明できない。

そんなものを追求していくことが大事なのでしょうね。

横尾忠則さんのツイートによれば、絵に集中すると言葉が頭から失われ、絵に言葉がちょっかいを出し始めると考えに支配される、とあります。

落合陽一と考える「AIの活かし方、人の役割」|FUJITSU JOURNAL

標準化の典型例が「言葉」。僕たちがふだん使っている言葉は、実は多様化していた古のものではなく、標準化された近代になって言わば強引に作られた(翻訳された)言葉だというのが僕の考え方です。近代的な言葉でいくら思考していても、近代的人間性を突破するくらいの斬新なアイデアは生まれません。

言葉で思考すると、言葉にできない大事な何かをぽろぽろとこぼしている可能性があり、イメージや映像で思考することによって、標準化された世界を飛び越えることができるかもしれない。

そう考えると、誰かにそのイメージを伝えるときには、アートや映画のようなもので例えることが大事なのではないでしょうか。







P.S.

落書きは、集中力の維持、ひらめき、情報の記憶に役立つ!?

カナダ・バンクーバーのブリティッシュ・コロンビア大学で医学部に通うマルヤマ・ミチコさんは、授業を受けている最中にキーワードを書きとめ、その後「その日の落書き」を描いて学習した内容をまとめる。胃液分泌やヘルニアなど授業で学習した内容の絵を描きながら、理解していないところの不足を補うのだという。

このことは、どうしても言語化できないものがあることを示す一例ではないでしょうか。

あることを言葉にしてしまうと、そこからこぼれてしまう何かができてしまうのです。

もしかすると、その人にとっては、そのこぼれてしまう何かにこそ価値があるのかもしれないのです。

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どうやってコンピュータの認識の外の世界へ越境するかということがアートになる|#落合陽一 さんインタビューより

Fairy _Lights_in_Femtoseconds

参考画像:Fairy Lights in Femtoseconds: Tangible Holographic Plasma (SIGGRAPH)|YouTubeスクリーンショット




「Fairy Lights in Femtoseconds」落合陽一さんインタビュー:「アートはもうテクノロジーでしかなくなる」

(2015/8/17、ギズモード)

アートって明日からの世界の見方を劇的に変えてしまうようなことがすごい重要で、それってもうテクノロジーか技法の発明からしかこないんじゃないかなと思います。

猪子寿之さんがいっていたのは、孫正義さんは歴史に名を残すことはなく、あまり知らないような画家が歴史に名を残す理由として言っていたのは、画家(アーティスト)は認識のパターン、世界の新しい見方を発見したことがすごいからだといっていました。(Harvard Business Review July 2015)

落合陽一「あらゆる体験は多次元になる」×猪子寿之「高次元で考える」|これからの未来とはVerily(元Google X)のProject Baseline studyの目的は、病気のサインを見つけ病気の予防をすること!?でも紹介しましたが、アートの進化は技術革新と共に起きています。

グラフィックアートの新たな可能性を探る 森俊夫教授 京都文教大学

実は、アートと技術革新は非常に密接な関係を持っています。例えば、屋外に出ての写生が可能となったのは、「絵の具を入れるためのチューブ」が開発されたから。絵の具が乾くことなく持ち運べるようになったことで、印象派と呼ばれる画家たちの作品も生まれたのです。

テクノロジーを発明し、アートを作っていくというのは昔から行われてきたそうです。

しかし、これからの時代はアーティストにとって厳しい時代になるのではないかというのが、落合陽一さんの予測です。

世界がコンピューター化したとき、人間はもっと自由になると思うんですよね。ただアーティストにとっては苦しい時代ですよ、なかなかコンピューター(の思想のフレームワーク)倒せないからね。

俺たちがはっとするような、心からびっくりするようなものっていうのは、テクノロジーのほうからどんどん生まれてくるようになってきている。

アートはもうテクノロジーでしかなくなる」というのが俺の持論なんです。技法やメディアの発明はアートの表現を加速してきたけど、今ってすごい速度で発明が起こるじゃない。

そしたらコンテンツよりもテクノロジーが重要になってしまう。

近い将来、コンピューターと実世界の区別がつかない時代が来たら、コンピューターの殻をどうやって破るか、どうやって認識の外の世界へ越境するかということがアートになるはずです。

コンピュータ・人工知能はあらゆるものをデータ化して、膨大な量の情報の中から様々なパターンを予測するはずです。

つまり、世界がコンピュータ化すると、新しい認識のパターンを生み出すのが難しい時代になってくるということです。

これからのアーティストは、新しい技術革新を行える人にしかなれないかもしれません。

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【コラム】自分が自分であることを証明するにはどうしたらいいのだろう?

Identity

by Jon Nicholls(画像:Creative Commons)




■【コラム】自分が自分であることを証明するにはどうしたらいいのだろう?

今回のタイトルを付けたのは、偶然流れてきたこちらのツイートがきっかけ。

このことは未来感のある話だと思ったけど、今起きていること。

今は、いろんなサービスがSNSと関連付けられている。

アプリにログインするにも、GmailやFacebook、Twitterなどを使ってログインすることが多い。

簡単にログインできるので便利なのだが、もしこうしたものすべてが乗っ取られてしまったら、今回紹介したTweetの方のようになりかねないのだ。

もし、自分が自分であることを証明するためのものをすべて乗っ取られた場合、どうやって証明すればいいのだろう?

これからの未来は手続きを簡単に省略していくためにSNSを活用して自分であることを証明することもあるだろう。

しかし、もしすべてのアカウントを乗っ取られてしまったら、自分であることを証明する手段がなくなってしまう。

現実的な解決手段としては、アカウントを乗っ取られないようにすること。

そのためには、同じパスワードを使いまわさないようにするのが現時点での最善の選択だ。(もっと別の手段があったら教えてください)

ただ、パスワードを全部変えるのは面倒くさい。

現在でも、指紋認証・虹彩認証などが出てきていて、もう少し先の未来ではパスワードという存在がなくなるだろう。

しかし、それで安心かといったらそうではない。

パスワードの代わりの存在自体が乗っ取られてしまったら・・・。

結局はまた同じところに戻ってしまう。

理想としては、同じ鍵でも使う人によって「開けられる/開けられない」という仕組みが面白いのではないか。

その人の持つ体温・触れ方・使い方・癖というものは真似したくてもまねできるものではない。

そうしたコピーしたくてもコピーできないもの(一つのもので完結するのではなく、モノと人の組み合わせで完成する)を鍵にすることがこれからでてくるのではないだろうか?

■ブロックチェーン技術がアイデンティティを守ってくれるようになる!?

【追記(2017/6/2)】

ドン・タプスコット:ブロックチェーンはいかにお金と経済を変えるか|TED

「ブロックチェーン・レボリューション」(著:ドン・タプスコット+アレックス・タプスコット)の中ではアイデンティティの話が出てきます。

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ブロックチェーン技術を使えば自身のアイデンティティを守ることもできるようになり、また、必要に応じて個人の情報を開示することもできるようになるそうです。

アイデンティティを守る方法について漠然とした考えを持っていましたが、ブロックチェーンという新しい技術によって可能になるかもしれません。







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「星の王子さま」は自分がオトナの視点で世界を見ていることを思い出させてくれる

132/365 The Little Prince

by Chris Waits(画像:Creative Commons)




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「星の王子さま」は長いあいだ読まれている本なのだそうだ。

児童書だと聞いていて、今の自分が読む必要があるのだろうかとも思ったが、これだけ多くの人が読みつないできた本には何か秘密があるのではないかと思い、今回初めて読むことにした。

「星の王子さま」というタイトルから、夢を与えるような華やかな話なのかなと読む前は想像していた。

しかし、どうも思っていたものとは違う。

まるで黒い霧が立ち込めているようで、心がすっきりしないのだ。

途中途中で読む手が止まり、少し物悲しく、落ち込んだ気持ちにさせるのだ。

なぜそんな気持ちになってしまうのか。

読み終えたあとに考えてみた。

それは僕が大人になってしまったからから、もとい正確には僕がオトナの視点から世界を見ているからなのだ。

「モモ」を読んだ時と同じような感覚だ。

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「モモ 時間どろぼうと、ぬすまれた時間を人間にとりかえしてくれた女の子のふしぎな物語」(著:ミヒャエル・エンデ)

「大人には早くなりたい、けど大人のようにはなりたくない」と小さいころは思っていたのだが、なぜか昔自分がなりたくないと思っていたそんな大人になっていたのだ。

大人の視点で世界を見ると、とても楽だ。

なんでもわかったようなふりで、物知り顔でいれば、誰にもバカにされない。

数字だけで人や物を判断する。

そんな大人は楽なのだ。

だけど、ラク=楽しい、というわけではない。

甲本ヒロトの言葉に次のような言葉がある。

「“楽しい”と“楽”は違うよ “楽しい”と“楽”は対極だよ」

「ただ 生活は楽な方が絶対いいと思うよ でも人生は楽しい方がいいじゃん」

大人になると見失ってしまうのだ。

生活=人生であると。

人生を楽しむためには、楽してはダメなのだ。

わからないことがあったら素直に人に尋ねる。

純粋にもっと自分がしたいのか、心に問いかける。

こういう行動をすると、大人の論理からすれば、最初は恥ずかしい思いをするかもしれないし、きっと苦しい。

でも、次第に楽しくなってくるはずだ。

なぜなら、それが本当の自分が楽しいと思うことなのだから。

「星の王子さま」は大人が読むとそんな複雑な感情を呼び起こしてくれる作品であり、子どもが読むとファンタジックで、別の世界に行った気分になるだろう。

そして、「星の王子さま」は愛し方・友達との関わり方で悩んでいる人の一つの道標になる。

自分と違った視点を理解するというのは自分の視野を拡げることであり、世界が広くなること。

読む前と読んだ後ではきっと違った自分になっているよ。

読み終わった自分に対して、今の気持ちを忘れないためにも、言葉を残しておくことにする。

「もっと自分の感覚を信じてみよう。」


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