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血液透析患者においてグラノーラの摂取による血圧の低下や腸内環境の改善を確認/カルビーと順天堂大学の研究




カルビーと順天堂大学の共同研究によれば、血液透析患者においてグラノーラの摂取による血圧の低下や腸内環境の改善を確認したそうです。

【参考リンク】

■背景

●至適血圧(脳卒中や心臓病、腎臓病などの臓器障害のリスクを最小限に抑える理想的な血圧の値)を超えて血圧が高くなるほど心血管疾患や慢性腎臓病の進展および死亡リスクが高くなることが知られています。

●近年腸内環境が高血圧の発症や進展に関与していることも報告されています。

●血液透析患者では、高血圧を合併していることが多く1日6g以下の塩分制限に加え、電解質異常の発症抑制のために果物や野菜の摂取も制限されるため、食物繊維が不足しやすく慢性的な便秘症状を抱えている患者が多くいます。

つまり、血液透析を受けている患者さんは、腎臓の機能が低下していて塩分や果物・野菜の摂取を厳しく制限する必要があるため、食物繊維が不足して腸内環境が悪化し、便秘症状を抱えていて、腸内環境の悪化は高血圧にも関与していることがわかっていることから、塩分が少なくなおかつ食物繊維が多い食品を摂るのが良いのではないかと考えられます。

シリアルは塩分含有量が少なく、βグルカンなどの水溶性食物繊維やポリフェノールが豊富に含まれており、減塩、そして腸内環境の改善や抗炎症作用に寄与することが期待されるそうです。

これまでに11名の血液透析患者を対象とした試験では、朝食をグラノーラに置き換えることで、血圧および腸内細菌由来尿毒素であるインドキシル硫酸(IS)の低下、便性状の改善を報告されています(H Nagasawa, et al; J Pharmacol Sci. 2021) 。

今回の研究では、血液透析患者がグラノーラを朝食に8週間食べたときの効果を調べること。特に、血圧、腸内環境、尿毒素(インドキシル硫酸:IS)、便の状態などをチェックしました。

■結果

●安全性

グラノーラを食べても、血液検査で異常は見られませんでした。透析患者でもグラノーラは安全に食べられることが確認されました。

●血圧と塩分摂取量の低下
グラノーラを食べたことで、推定される塩分摂取量が減り、収縮期血圧(上の血圧)と拡張期血圧(下の血圧)が下がりました。これは、これは塩分の摂取制限による降圧効果がもたらされた可能性が考えられます。

●腸内環境の改善
血中のインドキシル硫酸(IS)が減少し、ISを作る腸内細菌(インドール産生菌)も減りました。これは、グラノーラに含まれる食物繊維の補給が腸内環境の改善を介して腸内細菌由来の尿毒素ISの産生量低下に繋がった可能性が考えられます。

腸内細菌叢解析では、α多様性(Simpson指数、Observed species)が向上し、Blautia菌やNeglecta菌が増えました。Blautia菌は高血圧患者では低下していることが報告されており、減塩による降圧効果に加えて、Blautia菌などの腸内細菌による降圧効果がある可能性も示唆されました。

■まとめ

血液透析患者においてグラノーラの摂取は、塩分を抑えながら、食物繊維が補給できることで、腸内環境が改善し、また心血管疾患の危険因子の低減に寄与する可能性が期待されます。







バナナやブロッコリーを食べる方が減塩だけよりも高血圧予防に役立つ可能性




ウォータールー大学の研究によれば、ナトリウムの摂取量を減らすよりも、食事中のカリウムとナトリウムの摂取量の比率を増やすことの方が血圧を下げるのに効果的かもしれないそうです。

高血圧は世界中で成人の30%以上に影響を与え、冠動脈疾患、脳卒中慢性腎臓病、心不全、認知症などの重大な疾患の主要な原因です。

ナトリウム(Na⁺)の過剰摂取は血圧上昇の要因として知られていますが、カリウム(K⁺)は逆に血圧を下げる効果があります。

今回の研究で分かったことははこちら。

●Na⁺の過剰摂取は血圧を上昇させるが、K⁺の摂取は腎臓でのナトリウム利尿作用(Na⁺排泄促進)とカリウム利尿作用(K⁺排泄促進)を介して血圧を低下させる。

●モデルシミュレーションによると、K⁺摂取を増やす(例:バナナ、ブロッコリー、ほうれん草、アボカドなどのK⁺豊富な食品の摂取)は、単にNa⁺摂取を減らすよりも血圧低下に効果的。

●高Na⁺摂取と高K⁺摂取を組み合わせた場合でも、K⁺の効果により血圧は大幅に低下。

●女性(特に閉経前)は、腎臓のトランスポーター(腎臓の尿細管でNa⁺やK⁺の再吸収・排泄を調節するタンパク質)の存在パターンが異なるため、高Na⁺摂取による血圧上昇が男性よりも抑制的。

●男性は高血圧のリスクが高いが、K⁺とNa⁺の摂取比率を増やすことに対してより強い血圧低下反応を示す。これは、男性の腎交感神経活動やRAAS活性(血圧と体液量を調節するホルモンシステム。Na⁺保持を促進し、血圧を上昇させる。)が女性より高いためと考えられる。

つまり、今回の研究によれば、高血圧を予防するためには、ナトリウムを制限するだけよりも、バナナやブロッコリーなどのカリウムが豊富な食品を摂取することが血圧をコントロールするのに役立つということです。

また、今回の研究は性差があることを意識した高血圧の個別化医療の研究としても重要な結果と言えます。

【参考リンク】

■まとめ

塩分(ナトリウム)の多少に関わらず、カリウムの量が少ないと高血圧になりやすい!?で紹介した韓国の翰林大学校医科大学を含む研究グループによれば、ナトリウムの多い少ないに限らず、カリウムの量が少ないと高血圧のリスクが20%高かったことがわかったそうです。

高血圧を予防・改善する食事療法「DASH(ダッシュ)食」とは?増やす食品・減らす食べ物によれば、DASH食とは、米国立保健研究所などが提唱している高血圧患者のための食事療法のことで、簡単に言えば、1 野菜・果物・低脂肪の乳製品を充分摂る、2 肉類および砂糖を減らす、という食事をすることです。

カリウム・カルシウム・マグネシウム・食物繊維には、増えすぎた塩分を効率よく体外へ排出させる効果があります。

カリウムは、血液での濾過装置である腎臓に作用すると考えられており、余分な塩分をより多く体外へ排出すると考えられています。

つまり、高血圧の予防には減塩にばかりファーカスしがちですが、塩分を体外に排出する仕組みをうまく利用すれば、より効果的に高血圧が予防できるということなんですね。

→ 高血圧の症状・食事・数値・予防・原因・対策 について詳しくはこちら







メタボリックドミノを予防するカギは「腸と腎臓」!腸の炎症と慢性腎臓病を避けるにはどんな食事をするといいの?




【メタボリックドミノと健康寿命】肥満を出発点とするドミノ進行の主役は“腸と腎臓” 「幸福寿命」を延ばすための考え方とは【専門医が解説】

(2024年12月25日、マネーポストWEB)

以前メタボリックドミノとは、さまざまな病気が一度に起きるのではなく、まるでドミノ倒しのように発症していくことと紹介しました。

<メタボリック ドミノの例>

食べ過ぎや飲みすぎ、運動不足などによる生活習慣の乱れ
→体重増加・肥満
インスリン抵抗性(血糖を下げる役目をするインスリンの働きが低下した状態)
メタボリックシンドローム
生活習慣病(高血糖・高血圧高脂血症など)
動脈硬化糖尿病
脳卒中脳梗塞心筋梗塞などの重大な病気

今回の記事によれば、生活習慣の乱れから肥満になり、ドミノ倒しのように発症していくという考え方は一緒ですが、ポイントとなる考え方は「臓器同士の連関によって、次々と病気を発症していく」という考え方にアップデートされています。

そして、このメタボリックドミノを予防するカギとなるのが「腸と腎臓」なのだそうです。

■メタボリックドミノは「腸の炎症」が大きくかかわっている!

メタボリックドミノは「生活習慣の乱れ」による肥満を出発点としますが、肥満よりも“上流”にある「腸の炎症」が深く関わっていることを、動物実験によって2016年に我々は明らかにしました。

肥満になっても腸管で炎症が起こらないと糖尿病になりにくい!?|慶大で紹介した慶應義塾大学医学部内科学教室の川野義長助教、中江淳特任准教授、伊藤裕教授らが行なったマウスの実験によれば、高脂肪食の過剰摂取による大腸の慢性炎症がインスリン抵抗性を引き起こし、糖尿病の発症につながるという新たな糖尿病発症メカニズムを解明しました。

この研究のポイントは、「肥満になっても、腸管で炎症が起こらないと糖尿病になりにくい」ことを示すものです。

【関連記事】

肥満になったからと言って必ず糖尿病になるわけでではなく、腸管で炎症が起こらないと糖尿病にはなりにくい、つまり腸管での炎症がポイントになるんですね。

また、腸の炎症を抑制するとメタボの症状が引き起こされないこともわかったことにより、メタボリックドミノは腸の炎症から始まるということもわかりました。

そして、腸の炎症が起こりやすくなる食べ方も分かったそうです。

 脂肪と糖分を同時に摂取すると、腸の炎症が起こりやすくなることがわかりました。糖分の過剰摂取は腸内細菌の働きを抑制し、腸内の免疫細胞が持つ防御力を弱めます。その後、腸管の表面を覆う細胞によって作られる防御壁が壊れ、そこから脂肪が体内に入りやすくなるのです。体内に脂肪が入り込むと、炎症を引き起こす化学物質「炎症性サイトカイン」が大量に分泌され、腸炎を起点としたメタボリックドミノの最初の駒が倒れはじめます。脂肪と糖分は過剰に摂取すると体に悪いのはもちろん、一気にメタボリックドミノを進めてしまうのです。

糖分の過剰摂取
→腸内細菌の働きの抑制・腸内の免疫細胞の防御力が弱まる
→腸管の表面を覆う細胞によってつくられる防御壁が壊れる
→脂肪が体内に入りやすくなる
→炎症性サイトカインが大量に分泌
→腸の炎症
→メタボリックドミノの進行

つまり、腸の炎症を起こさないような食事としては脂肪と糖分を同時に摂取しないようにすることが大事ということなんですね。

■メタボリックドミノは慢性腎臓病が大きくかかわっている

メタボリックドミノを進行させるリスク要因として、慢性腎臓病(以下、CKD)が大きく関わっていることがわかってきました。CKDはメタボリックドミノの流れの中では中流にあり、糖尿病と同じ時期に発症します。CKDを発症すると、腎臓機能が低下するだけでなくメタボと合併症をそれぞれ進行させます。つまり、体全体に影響を与えるということです。

腎臓は『肝腎連関』『心腎連関』『脳腎連関』『肺腎連関』など臓器同士が連携するネットワークの要|#NHKスペシャルで紹介した京都大学大学院医学研究科の柳田素子教授によれば、腎臓は、腎臓が悪くなると、他の臓器も悪くなり、他の臓器が病気になると、腎臓も悪くなるというように『心腎連関』『脳腎連関』『肺腎連関』『肝腎連関』など臓器同士が連携するネットワークの要となっているそうです。

今回紹介した記事の大事なポイントとして挙げた「臓器同士の連関によって、次々と病気を発症していく」という考え方はここに関係していきます。

以前のメタボリックドミノのイメージは次々とドミノが倒れていくように、病気を発症していくのだと思っていたのですが、腎臓は、腎臓が悪くなると、他の臓器も悪くなり、他の臓器が病気になると、腎臓も悪くなるというように相互に影響しあってしまうのです。

慢性腎臓病になると、腎臓機能が低下し、その影響は体全体に影響を及ぼし、次々と病気を発症していくのです。

→ 慢性腎臓病(CKD)の症状・原因 について詳しくはこちら

つまり、メタボリックドミノのカギとなるのが「腎臓」となるのです。

「腸腎連関」:腸内細菌叢のバランス制御が慢性腎臓病悪化抑制のカギ
「腸腎連関」:腸内細菌叢のバランス制御が慢性腎臓病悪化抑制のカギ

参考画像:「腸腎連関」:腸内細菌叢のバランス制御が慢性腎臓病悪化抑制のカギ(2017/4/13、東北大学)|スクリーンショット

以前、「腸腎連関」|腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが慢性腎臓病の悪化を抑制するカギにで紹介した東北大学大学院医学系研究科の阿部高明教授と三島英換医学部助教、慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣特任准教授らのグループによる研究よれば、腸管は腎臓と相互に影響を及ぼしているという「腸腎連関」の存在が近年明らかになりつつあること、そして、腸内細菌叢が腎臓病に対して良い面と悪い面の二面性を有しており、腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが慢性腎臓病の進展予防に重要であると考えられると紹介しました。

メタボリックドミノを防ぐカギが「腸の炎症と腎臓」にあり、そして、腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが慢性腎臓病の進展予防に重要であることから、腸と腎臓をいかに健康に保つかが健康を守るカギになるといえるのではないでしょうか?

以前別の視点で健康的な食事=脂質・糖質・塩分で腎臓のフィルターを詰まらせない食事をするという方が食生活の改善ができるのでは?という記事を紹介しましたが、腎臓を守る食事こそが健康的な食事という意味では合っているということになりますよね。

腎臓を守る食事としては、脂質・高糖分・高塩分の食事を避けることと紹介しましたが、実は先ほどの腸の炎症を起こさない食事と共通する点が、脂肪と糖分でした。

つまり、メタボリックドミノを予防するカギとなる「腸と腎臓」を守るには糖分と脂肪の過剰摂取を避けるということになるわけですね。







【関連記事】

塩分の摂取を制限(減塩)|おすすめの健康的ライフスタイル10箇条

ハクライドウがこれまで培ってきた約20年の健康情報をまとめた10箇条を紹介します。

あなたの健康的なライフスタイルにこの10箇条を取り入れていきましょう。




【目次】

■塩分と健康の関係

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by Dubravko Sorić(画像:Creative Commons)

●高血圧

血液中の水分量をコントロールしているのが塩分です。

血液中の塩分が適量であれば、血液中の水分量も正常で、血流も正常になります。

しかし、塩分には水分を引き寄せる働きがあり、血液中の塩分が多くなると、それだけ引き寄せられる水分量も多くなるため、血液の水分量も増加してしまい、血管の壁にかかる圧力が高くなってしまう、つまり、高血圧になると考えられます。

塩分の摂り過ぎ

→血液中の塩分濃度が高まる

→体が血液中の塩分濃度を薄めようと働くため(浸透圧を一定に保つ)、血液中に水分が取り込まれる

→血管の中の血液の量が増えることによって、血管に圧力がかかり、また、心臓への負担も大きくなる

血圧が上がる

→高血圧

→ 高血圧とは|高血圧の症状・食事・予防・原因・対策 について詳しくはこちら

●腎臓

【#世界一受けたい授業】腎臓にいい食べ物・腎臓に悪い食生活とは・CKD(慢性腎臓病)(横尾隆)

塩分の多い食事を続けると腎臓に負担がかかります。

「慢性腎臓病」が悪化すると、老廃物が血管の内皮細胞を傷つけることによって、脳卒中、心筋梗塞など血管の病気になるリスクが高くなります。

腎臓は『肝腎連関』『心腎連関』『脳腎連関』『肺腎連関』など臓器同士が連携するネットワークの要|#NHKスペシャルで紹介した京都大学大学院医学研究科の柳田素子教授によれば、腎臓は『心腎連関』『脳腎連関』『肺腎連関』『肝腎連関』など臓器同士が連携するネットワークの要となっているそうです。

腎臓が悪くなると他の臓器も悪くなるので、いかに腎臓を健康に保つかはとても大切なのです。

腎臓に良い食事としては、塩分を減らす工夫、つまり減塩を行なうこと。

厚生労働省によれば、一日の塩分の目安は、男性8g、女性7gで、日本人の平均は12.3gなのだそうです。

カリウム・カルシウム・マグネシウム・食物繊維には、増えすぎた塩分を効率よく体外へ排出させる効果があります。

カリウムは、血液での濾過装置である腎臓に作用すると考えられており、余分な塩分をより多く体外へ排出すると考えられています。

■閉経後の女性は塩分をため込みやすくなる!?

閉経期高血圧とは?予防する方法|閉経している女性は塩分をため込みやすくなる原因とは!?

私たちが摂取した塩分は体内を巡り、その2割程度が汗などで外に出ます。

そして残りの8割は一定の時間が経つと、腎臓からほぼ全て排出されます。

しかし、女性の中には尿によって塩分をうまく出せず、体内に溜め込んでしまう人がいます。

それは、閉経している女性です。

「閉経期高血圧(へいけいきこうけつあつ)」とは、閉経によって血圧に異常が出ることで、近年の研究で明らかになってきたそうです。

閉経前の女性は、卵巣から女性ホルモン「エストロゲン」が分泌されています。

このエストロゲンは月経を促すだけでなくに、塩分を尿で排出させる腎臓の働きを活性化させる役割もあるそうです。

閉経前にエストロゲンが正常に分泌されている間は余分に塩分を摂ったとしても腎臓が尿として排出してくれるため、体に塩分が溜まりにくいのですが、閉経を迎えて、エストロゲンの分泌が著しく低下すると、腎臓の機能も急激に低下し、うまく塩分を排出できない状態になってしまうそうです。

そのため、閉経後は女性の方が血圧のコントロールが難しくなり、心筋梗塞や脳卒中になる人が増加すると考えられます。

■食塩摂取量の基準

食塩をとり過ぎると血圧を上げるといわれています。

日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要|厚生労働省によれば、2015年4月1日より日本人のナトリウム(食塩相当量)の食事摂取基準を男性は1日9グラム→8グラム未満に変更され、女性は1日7.5グラムから7グラム未満に変更しました。

高血圧治療ガイドライン2014|日本高血圧学会

日本人の食事摂取基準(2010年版)では,成人において今後 5年間に達成したい食塩摂取の目標量として男性 9.0 g/日未満,女性 7.5 g/日未満を設定しているが55),平成21年国民健康・栄養調査では,男女とも約70%がこの目標量を超える食塩を摂取していると評価された。また,2012年策定の健康日本 21(第2次)では,2022年までに国民の平均食塩摂取量を8.0 gにすることを目標にした56)。2012年に発表された世界保健機関(WHO)のNa摂取量に関するガイドラインでは,一般成人の食塩摂取量を5 g/日未満にすべきとしており57),本邦の現状はこれに遠く及ばない。

高血圧治療ガイドラインによれば、食塩摂取量は一日6グラム未満となっていますが、WHOの掲げるナトリウム摂取量はさらに低く5グラム未満となっているそうです。




■減塩対策

●調理方法や調味料を変えたり、醤油さしを変える

高血圧の予防には「減塩」|血管を若返らせるプロジェクト|たけしの本当は怖い家庭の医学

  • 「ビニール袋を使った減塩浅漬け」など調理方法を工夫する。
  • 醤油の代わりに「酢」を活用する。
  • 醤油さしを「ミスト式醤油さし」や「ラー油式醤油さし」に変更することで、醤油の使用量を減らす。

●トロトロ減塩法

高血圧によい醤油!?血圧を下げる「まめちから大豆ペプチドしょうゆ」|トロトロ減塩法|#サタプラ

トロトロ減塩法とは、簡単に言うと、調味料を減らしたあんかけにすることです。

料理に使う調味料の量を減らし、代わりに水溶き片栗粉で溶かした調味料であんかけを作る方法です。

あんかけにすることによって、とろみがつくと、舌の上に残る時間が長くなり、塩分を減らしても、満足できるそうです。

使い方のポイントとしては、例えば、野菜炒めの場合は、水溶き片栗粉で溶かした調味料を火を止めてから入れること。

そうすることで、ダマになりにくくなります。

その他にも、ぶり大根(調味料を半分にしてあんかけ)や唐揚げ(下味をつけず後であんかけ)、卵焼きにも活用できるそうです。

●減塩レシピ

●ソルトチップ

高血圧を予防をするために必要なことは「減塩」なのですが、減塩食を作るのは大変だと感じる人も多いのではないでしょうか?

今回見つけたのは、塩味が薄い食べ物でも塩味を感じることができて、自然に減塩ができるという減塩技術です。

独自の減塩技術「ソルトチップ」とは?|高血圧を予防するポイントは「減塩」!

ソルトチップ(微量の食塩を含むチップ)を歯の裏に貼り付けて、塩味が薄い食事であっても塩味が感じられることで、減塩を行ないます。

●カリウム

塩分(ナトリウム)の多少に関わらず、カリウムの量が少ないと高血圧になりやすい!?

韓国の翰林大学校医科大学を含む研究グループによれば、ナトリウムの多い少ないに限らず、カリウムの量が少ないと高血圧になりやすいことがわかったそうです。

高血圧を予防・改善する食事療法「DASH(ダッシュ)食」とは?増やす食品・減らす食べ物によれば、DASH食とは、米国立保健研究所などが提唱している高血圧患者のための食事療法のことで、簡単に言えば、1 野菜・果物・低脂肪の乳製品を充分摂る、2 肉類および砂糖を減らす、という食事をすることです。

カリウム・カルシウム・マグネシウム・食物繊維には、増えすぎた塩分を効率よく体外へ排出させる効果があります。

カリウムは、血液での濾過装置である腎臓に作用すると考えられており、余分な塩分をより多く体外へ排出すると考えられています。

■まとめ

貧乏な人ほど生活習慣は不健康!?|人は(時間・お金・食べ物など)不足を認識したとき行動が変わる!

貧困は「人格の欠如」ではなく「金銭の欠乏」である|TED

貧乏な人ほど 借金が多く 貯金は少なく 喫煙者が多く 運動する人は少なく 酒飲みは多く 食習慣も不健康です

貧乏な人ほど、不健康な習慣を持っている人が多いため、「貧乏な人には欠けている部分(自制心など)がある」、極端に言えば「自業自得である」という意見を持つ人もいます。

そこで多くの人は、貧困の人に対して、健康になるために、生活習慣を改めようというアドバイスをしてしまいがちです。

しかし、歴史家のルトガー・ブレグマンさんの動画を見ると、そのアドバイスはまちがいかもしれません。

歴史家のルトガー・ブレグマンさんが調べたアメリカの心理学者の論文によれば、

「貧困生活の影響は 知能指数が14下がるのと同じこと」

なのだそうです。

また、プリンストン大学のエルダー・シャフィア教授によれば、人は不足(時間・お金・食べ物を含む)を認識したとき行動が変わるそうです。

その人が愚かだから 愚かな選択をしているのではなく どんな人であっても 愚かな選択をしてしまうような 状況に置かれているからです

つまり、貧困とは知識の欠如ではないのです。

#健康格差 とは|所得や学歴など社会経済的な地位が低いと不健康が多くなる!?#健康格差 は収入・学歴などが要因?|WHO、社会的・経済的な格差が健康の格差を生んでいるでも取り上げましたが、社会的・経済的な格差が健康の格差を生んでいるということがWHOでも一つの問題として注目されているようです。

健康格差とは、所得や学歴など社会経済的な地位が低いと不健康が多くなるといわれている格差のことです。

「所得と生活習慣等に関する状況」のグラフから見えてくるもの|厚生労働省調査によれば、所得が高い人ほど健康的な生活習慣を持っている、または健康的な生活習慣の人ほど高所得であると考えられます。

例えば、低収入ほど野菜不足-厚労省栄養調査で紹介した厚生労働省が発表した2011年の国民健康・栄養調査によれば、低収入ほど野菜の摂取量が不足しているという結果が出たそうです。

また、低所得者ほど生活習慣に問題=野菜食べず、運動しないによれば、低所得者ほど野菜を食べる量が少なかったり、運動の習慣がなかったりと、生活習慣に問題がある傾向があることがわかったそうです。

自分自身で健康管理をしている人はすでに健康に関して意識が高い行動をしていると思われるので、社会的に健康な社会を目指すならば、イギリスの取り組みが参考になるのではないでしょうか。

「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが「#健康格差」の要因|NHKスペシャルによれば、イギリスでは脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功したそうですが、その理由としては、イギリス食品基準庁が塩分を減らすように食品の塩分量の目標値を設定したことにあるそうです。

NHKスペシャルの低所得者の疾病リスクに迫った「健康格差特集」に反響の声

(2016/9/21、マイナビニュース)

2006年に85品目の食品に塩分量の目標値を設定し、メーカーに自主的達成を求めた。その理由は、主食であるパンが国民の最大の塩分摂取源となっていたためだが、メーカー側は売れ行き減を懸念。見かねた医学や栄養学などを専門とする科学者団体「CASH(塩と健康国民運動)」がメーカー側に徐々に塩分を下げるように提言した。

この提言に大手パンメーカーによる業界団体も納得し、7年でパンを20%も減塩。こういった取り組みの結果、国民1人当たりの塩分摂取量を15%減らすことにつながり、年間で2,000億円の医療費削減につながったと考えられている。

減塩のための食事を自分で作るのは大変ですが、食品メーカーが減塩に取り組むことによって、全体的に塩分摂取量が減らすことができるというのは大変いい取り組みだと思います。

最後に、塩分の摂り過ぎが気になる方は、調理方法や調味料を変えたり、醤油さしを変えたり、減塩レシピを活用するようにしてくださいね。







*良い情報が入るたびに今後アップデートしていきます。

【おすすめの健康的ライフスタイル10箇条】

【関連記事】

脂肪肝(非アルコール性脂肪肝)によって慢性腎臓病のリスクが高くなる!?

> 健康・美容チェック > 肝臓 > 脂肪肝 > 脂肪肝(非アルコール性脂肪肝)によって慢性腎臓病のリスクが高くなる!?




【目次】

■脂肪肝(非アルコール性脂肪肝)によって慢性腎臓病のリスクが高くなる!?

mexico city burger

by Brandon(画像:Creative Commons)

脂肪肝で腎臓病のリスクが増加

(2015/8/18、MEDLEY)

今回の研究は、8,329名の腎機能が正常な男性のアルコール摂取量、肝臓や代謝の機能、腹部エコーなどを評価し、その後の追跡調査によって慢性腎臓病との関連性を検証しました。

<中略>

非アルコール性脂肪性肝疾患により慢性腎臓病となるリスクが1.55倍なるという結果でした。

今回紹介したのは、脂肪肝非アルコール性脂肪肝)によって慢性腎臓病となるリスクが高くなるという論文を紹介している記事です。

脂肪肝の原因の主なものとして、カロリーオーバーな食事が挙げられますが、同様に腎臓に負担がかかる原因に、糖分の多い食事や高脂肪の多い食事があります。

糖分の多い食事や高脂肪の多い食事が続くと、血液中に「糖」や「脂肪」が増加し、それによってろ過する穴を広げてしまうため、糸球体のろ過する機能がうまく働かなくなってしまうからです。

このように、様々な病気が密接に絡み合っています。




■メタボと慢性腎臓病の関係

メタボを放っておくと、慢性腎臓病になる恐れがあるそうです。

なぜメタボと腎臓が関係があるのでしょう。

メタボ→高血圧高血糖動脈硬化→糸球体のろ過機能低下→腎臓機能低下

*メタボリックシンドロームになると、高血圧、高血糖などが原因で全身の血管が動脈硬化を起こします。

*腎臓の血管でも動脈硬化が起こり、腎臓にある糸球体(血液をろ過する腎臓の血管)が動脈硬化を起こすことで、濾過する能力が低下。

*その結果、腎機能の低下が起こる。

■まとめ

糖尿病高血圧脂質異常症高脂血症)といった生活習慣病の恐れがあると言われた時や「コレステロール値が高い」「中性脂肪が高い」といわれた時には、これまでと同じようなライフスタイルではいけませんよというサインだと思って、一度生活習慣を見直してみてくださいね。

→ 脂肪肝とは|脂肪肝の症状・原因・治し方 について詳しくはこちら







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