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魚介類・オメガ3の摂取量が多いと認知症リスクが低下




魚介類・n-3系多価不飽和脂肪酸の摂取量は、認知症のリスク低下と関連|国立がん研究センターによれば、魚介類の摂取量が多いほど認知症のリスク低下がみられたそうです。

具体的には、最も摂取量が少ないグループ(中央値56g/日)を基準とした場合、最も多いグループ(中央値82g/日)では61%の認知症リスクの低下がみられ、また魚に多く含まれるオメガ3脂肪酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサペンタエン酸(DPA)についても、同様の関連がみられ、最も少ないグループを基準とした場合、最も多いグループでは、それぞれ72%、56%、58%の認知症リスクの低下がみられています。

この82gはどれくらいの量と言えば、魚一切れの重量が70g程度なので、一日魚を一切れ以上食べているグループが認知症リスクが低いということですね。

魚介類の摂取量が多いほど認知症のリスクが低かったのは、DHA、EPA、DPAの摂取量が多い場合にも、認知症のリスク低下と関連がみられたことから、オメガ3が認知症リスクの低下に役立っているのではないかと考えられます。

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ヘディングと認知症には関連がある!?なぜヘディングが認知症の原因になるの?




ヘディングと認知症には関連がある!?なぜヘディングが認知症の原因になるの?
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JeffreyFLin|unsplash

イングランド協会、12歳以下で試験的にヘディング排除 認知症で亡くなる確率が通常の3.5倍(2022/7/18、日刊スポーツ)によれば、ヘディングは認知症と関連しているそうです。

サッカーのヘディングに変性脳疾患発症のリスク 求められる世界的取り組み(2020/12/28、CNN)で紹介されている英グラスゴー大学の調査によれば、元サッカー選手は一般人に比べ、神経変性疾患による死亡率が約3.5倍高く、またサッカー選手は一般人に比べ、パーキンソン病の発症率が2倍、運動ニューロン疾患(MND)の発症率が約4倍、アルツハイマー病の発症率が5倍も高いそうです。

なぜヘディングが認知症の原因となるのでしょうか?

仮説1)脳が動いて打撲する

スコットランド、子供のヘディング練習禁止へ 認知症リスクの可能性(2020/1/20、BBC)で紹介されている研究者によれば、サッカーボールが頭に当たると頭蓋骨内で浮いている脳が後頭部の骨にぶつかり、打撲傷ができるそうです。

ただ、NFL(アメフト)では「CONCUSSION(脳震とう)」問題が起きている!?|脳震盪によって起こる脳損傷・脳しんとう対策とはによれば、頭蓋内には脳髄液が満たされていてほとんど余分な空間がないため、脳はほんの少ししか動いていないと考えられるそうです。

脳震盪は衝突によって頭が左右に動いたときに起こる可能性が高く、脳震盪が起きた時に右脳と左脳をつなぐ脳梁に力が伝わって、右脳と左脳間でのかい離が起こることにより、脳震盪の症状が現れると考えられるそうです。

仮説2)脳細胞にダメージを及ぼすたんぱく質の血中レベルが上昇する

また、スコットランド、子供のヘディング練習禁止へ 認知症リスクの可能性(2020/1/20、BBC)によれば、ヘディングをした後には脳細胞にダメージを及ぼすたんぱく質の血中レベルが上昇するとの結果が、ブリティッシュ・コロンビア大学の2018年の研究で出ているそうです。

「認知症の原因タンパク質が脳炎症を起こす仕組みを解明」(2021/11/15、東京医科歯科大学)

アルツハイマー病と前頭側頭葉変性症の一部では、タウ蛋白質が神経細胞の中で蓄積・凝集して神経細胞死を誘発すると同時に、タウ蛋白質は神経細胞から細胞外に放出されて、脳の炎症を誘発する、あるいは脳の離れた場所の神経細胞に取り込まれるなどして悪影響を与えると考えられています。

認知症の原因タンパク質がヘディングをすると神経細胞から細胞外に放出されて脳の炎症を誘発された結果、認知症が引き起こされるのかもしれません。

■まとめ

NFL(アメフト)では「CONCUSSION(脳震とう)」問題が起きている!?|脳震盪によって起こる脳損傷・脳しんとう対策とはで紹介した米ボストン大学(Boston University)の研究チームが米国医師会雑誌(JAMA)に発表した論文によれば、研究のために元NFL選手111人から死後提供された脳のうち、110人の脳、パーセンテージで表すと99%に慢性外傷性脳症(CTE)の徴候が認められたそうです。

ヘディングが認知症を引き起こすメカニズムはまだわかっていないようですが、ヘディングと認知症には関連があると考えられるので、今後はコンタクトスポーツに対する規制が増えていくかもしれませんね。







フレイルにより認知症を発症するリスクが高い!身体活動と認知機能は互いに影響を及ぼし合っている!




なぜばあちゃん(母)は座っているときに左に傾き、立っているときは背中が丸くなる(円背)のか?その原因を調べてみた!
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CDC|unsplash

恐ろしい…「身体が弱る」と「認知症リスクが上がる」根深いワケ【専門医が解説】(2022/7/17、幻冬舎)によれば、フレイルにより認知機能も低下しやすくなり、認知症を発症するリスクが高いことが報告されているそうです。

また、認知機能が低下すると筋力や身体活動量、ADL(日常生活動作)が低下し、フレイル状態を招きやすくなり、うつや不安など精神面にも悪影響を及ぼすために、人との交流が少なくなりひきこもってしまうなど社会的なつながりも薄くなってしまい、身体活動と認知機能は互いに影響を及ぼし合っているそうです。

12の危険因子を知って認知症を予防しよう!によれば、中年期の聴力低下・中等教育の未修了・喫煙・うつ・運動不足・社会的孤立・高血圧・肥満・2型糖尿病・過度のアルコール消費・外傷性脳損傷・大気汚染が認知症の12の危険因子なのですが、このうち喫煙・運動不足・高血圧・肥満・2型糖尿病の5つに共通するのは、心臓に良い生活習慣は脳にも良いということです。

国立長寿医療研究センターなどのチームによれば、脳卒中の経験がある人は、ない人に比べ、認知症のリスクが2・6倍高かったそうですが、脳卒中予防のためのガイドラインと認知症のリスク要因とマッチしている部分が多いです。

高血圧:定期的に血圧を測り、高血圧の人は治療をしましょう。
糖尿病:血糖値を測り、糖尿病または糖尿病予備軍の人は治療を受けましょう。
●不整脈:不整脈が見つかったら、病院に行きましょう。
●タバコ:禁煙しましょう。
●アルコール:飲酒は控えめにしましょう。
コレステロール脂質異常症高脂血症)と診断された人は治療を受けましょう。
●運動:運動することが脳卒中予防につながります。
●塩分・脂肪分:食事の塩分を控えめに、低脂肪の食事をしましょう。
肥満:太りすぎは糖尿病や脂肪肝などの生活習慣病のリスク要因です。
●脳卒中の症状があればすぐに受診。

また、意外に多い高齢者のうつ病|なぜ高齢者のうつ病が多いのか?によれば、高齢者のうつ病が多い理由として次のようなことが挙げられています。

  • 日本人の傾向として、物事を悲観的にとらえる傾向が強いこと
  • 加齢による心身の衰え
  • 重い病気
  • 脳血管障害の後遺症
  • 経済力低下
  • 社会的役割の喪失感
  • 一人暮らしの孤独感

脳卒中予防のためのガイドラインと認知症のリスク要因とマッチしている部分が多かったり、高齢者のうつ病と加齢による心身の衰え・重い病気が関連していたりと、身体の健康と認知症には大きな関係があるのでしょうね。

→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら

■フレイルとは?

多くの高齢者がフレイル(虚弱状態)を経て徐々に要介護状態に陥る|厚生労働省
多くの高齢者がフレイル(虚弱状態)を経て徐々に要介護状態に陥ります。加齢に伴う変化(食欲の低下・活動量の低下・社会交流の低下・筋力低下・認知機能低下・多くの病気をかかえている)→危険な加齢の兆候(低栄養・転倒・サルコペニア・尿失禁・軽度認知障害(MCI))

参考画像:高齢者の低栄養防止・重症化予防等の推進について|厚生労働省スクリーンショット

要介護者等の状況|平成28年国民生活基礎調査の概況|厚生労働省によれば、要介護度別にみた介護が必要となった主な原因として「高齢による衰弱」(16.2%)になっています。

「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!で紹介した厚生労働省によれば、多くの高齢者が中間的な段階(フレイル)を経て、徐々に要介護状態に陥るそうです。

高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

そこで、フレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことができれば、要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できるというのが今注目されている考え方です。

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12の危険因子を知って認知症を予防しよう!

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高齢者の4割が低体温!?|低体温になるとどうなるの?|熱不足の原因|高齢者向け低体温対策|#ためしてガッテン(#NHK)
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認知症の予防につながる9つのリスク要因|中年期の聴力低下・中等教育の未修了・喫煙・うつ・運動不足・社会的孤立・高血圧・肥満・2型糖尿病では英医学誌The Lancet(ランセット)に掲載された論文で、認知症のうち3件に1件は脳の健康によい生活習慣・行動をすることにより予防できる可能性があるとして、認知症の予防につながる9つのリスク要因を紹介しましたが、新たな論文で「過度のアルコール消費、外傷性脳損傷、大気汚染」が危険因子として追加されました。

【参考リンク】

【子供・青年期】

1)子供たちに初等・中等教育を提供する

【中年期】

2)難聴への対策(補聴器など)
3)外傷性脳損傷を防ぐ(頭部のけがを防ぐ)
4)高血圧対策
5)過度のアルコール摂取を避ける
6)肥満対策

【晩年期】

7)禁煙
8)うつ病予防
9)社会的交流・社会的接触を増やして社会的孤立を防ぐ
10)大気汚染を減らす
11)運動不足を解消する
12)糖尿病予防

→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら

予防可能な認知症危険因子の寄与
予防可能な認知症危険因子の寄与
老年期・中年期血圧レベル別にみた病型別認知症の発症リスク
老年期・中年期血圧レベル別にみた病型別認知症の発症リスク
耐糖能レベル別にみた病型別認知症の発症リスク
耐糖能レベル別にみた病型別認知症の発症リスク

参考画像:認知症のリスク因子について|首相官邸







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脳震盪を繰り返し起こした人は、アルツハイマー病やパーキンソン病、ALSなどの神経変異疾患のリスクが高くなる!?

米国や欧州で認知症の発症率が低下しているのはなぜ?2つの仮説

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米国や欧州で認知症の発症率が低下しているのはなぜ?2つの仮説
米国や欧州で認知症の発症率が低下しているのはなぜ?2つの仮説

CDC|unsplash

認知症の発症率、欧米で下がり始めた 科学者が考えた「なぜ」(2020/10/21、朝日新聞)によれば、米国や欧州では認知症の発症率が低下傾向にあるそうです。

アメリカやヨーロッパで認知症の発症率が低下している理由の仮説としては2つあるそうです。

1つは、心血管疾患のリスク要因がコントロールされていること、もう1つは、良い教育を受けていること。

米欧における発症率低下の主な仮説の一つは、特に血圧やコレステロールといった心血管の危険因子の制御が改善されたこと。認知症患者のほぼ全員が、高血圧の結果とみられる血管損傷などの脳の異常も抱えている。

ホフマンによると、高血圧は中年期に最もダメージを招きやすい。若年期に血圧が低く、その後に血圧が高くなった人は認知症を発症する可能性が低くなる傾向がある。

血圧の大幅な変動は、どの年齢でもリスクがある。そうホフマンは付け加えた。

認知症の発症率が低下したもう一つの理由は、より良い教育にあるかもしれない。良質な教育は、たとえば過去に忘れたことのある言葉の同義語を増やした記憶領域など、脳により多くの容量を付与することで保護効果が得られると考えられている。

血圧やコレステロールの制御と同様、教育レベルは過去数十年間で徐々に改善されてきた。「教育は認知症の発症年齢を遅らせるとの仮説があるが、まだそのエビデンス(科学的根拠)は多くない」とホフマンは言う。

■心血管疾患のリスク要因がコントロールされていること

認知症の予防につながる9つのリスク要因によれば、中年期の聴力低下・中等教育の未修了・喫煙・うつ・運動不足・社会的孤立・高血圧・肥満・2型糖尿病が認知症のリスク要因と考えられています。

そのうちの喫煙・運動不足・高血圧・肥満・2型糖尿病の5つに共通するのは、心臓に良い生活習慣は脳にも良いということです。

国立長寿医療研究センターなどのチームによれば、脳卒中の経験がある人は、ない人に比べ、認知症のリスクが2・6倍高かったそうですが、脳卒中予防のためのガイドラインと認知症のリスク要因とマッチしている部分が多いです。

高血圧:定期的に血圧を測り、高血圧の人は治療をしましょう。
糖尿病:血糖値を測り、糖尿病または糖尿病予備軍の人は治療を受けましょう。
●不整脈:不整脈が見つかったら、病院に行きましょう。
●タバコ:禁煙しましょう。
●アルコール:飲酒は控えめにしましょう。
コレステロール脂質異常症高脂血症)と診断された人は治療を受けましょう。
●運動:運動することが脳卒中予防につながります。
●塩分・脂肪分:食事の塩分を控えめに、低脂肪の食事をしましょう。
肥満:太りすぎは糖尿病や脂肪肝などの生活習慣病のリスク要因です。
●脳卒中の症状があればすぐに受診。

より具体的に見ていくと、糖尿病と認知症には何らかの関係があるという研究は何度も取り上げてきました。

アルツハイマー患者の脳内、糖尿病と同じ状態に 九大の解剖で判明

(2013/5/7、日本経済新聞)

九州大の生体防御医学研究所によれば、アルツハイマー病患者は、脳内の遺伝子が糖尿病と同じ状態に変化することがわかったそうです。

【参考リンク】

糖尿病患者の半数でアルツハイマーの初期症状を確認で紹介した加古川市内の病院に勤務する医師らの臨床研究によれば、糖尿病の通院患者の半数以上に、「海馬傍回(かいばぼうかい)」と呼ばれる脳の部位が萎縮(いしゅく)するアルツハイマー病の初期症状がみられることがわかったそうです。

インスリンには記憶、学習機能を高める作用もあり、糖尿病でインスリン反応性が低下することが、アルツハイマー病発症につながっている可能性があるようです。

インスリン抵抗性を伴った2 型糖尿病にアルツハイマーのリスク|九大研究によれば、インスリン抵抗性を伴った2型糖尿病の場合、アルツハイマーの発症に関係があるとされるプラークが形成されるリスクが高くなるという研究結果が発表されたそうです。

九州大学の研究によれば、血糖値の異常が認められた患者にはプラークが形成されるリスクが高いという結果がでたそうです。

九州大学(Kyushu University)の研究チームは福岡県久山(Hisayama)町の135人(平均年齢67歳)を対象に研究を行った。

対象者に血糖値の検査を行い、その後10~15年間にわたってアルツハイマーの兆候がないか観察した。

研究期間中に対象者の約16%がアルツハイマーを発症した。

対象者の死後に研究チームが脳を調べたところ、65%にプラークが見られたという。

研究チームは、血糖値の異常が認められた患者には、プラークが形成されるリスクが高いとの結果をまとめた。

論文を執筆した九州大学の佐々木健介さんによれば、インスリン抵抗性がプラーク形成の原因と結論するにはさらに研究を進める必要があるものの、糖尿病をコントロールすることによってアルツハイマーを予防できる可能性があるとしています。

糖尿病になると、認知症の発症リスクが2倍高くなる!?で紹介した東京大の植木浩二郎特任教授によれば、糖尿病になると認知症の発症リスクが2倍高くなるそうです。

駆け込みドクター 5月17日|認知症|認知症チェック・認知症予防にアマニ油・デジタル認知症によれば、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病のリスクの高さと認知症(アルツハイマー病)には関係があり、アルツハイマー病の発症リスクは、糖尿病だと2倍、高血圧だと2倍、脂質異常症だと3倍になると紹介していました。

糖尿病がアルツハイマーのリスク高める?

(2015/5/26、WSJ)

ワシントン大学の研究者らは、マウスの実験で血糖値を異常に高い値に引き上げたところ、脳内のアミロイドベータの生産も増加し、双方に何らかの相関性があることを突き止めた。

ピッツバーグ大学で実施された約180人の中年の成人を対象とした試験では インスリン依存型(1型)糖尿病の患者は、この疾患を持たない被験者と比べ、はるかに多くの脳内病変が認められ、認知機能は低下していた。

血糖値の高さが脳に影響を及ぼす可能性があることが、2つの研究で示されています。

なぜ血糖値が高いとアミロイドβが生産されアルツハイマーのリスクが高まるのでしょうか。

インスリンはアミロイドから脳を守り、ニューロン(神経単位)と記憶の形成のつながりを改善するとされる。

<中略>

セントルイスのワシントン大学のマウスの実験で医師のデビッド・ホルツマン氏は、糖が脳内のニューロンに刺激を与え、さらにアミロイドが作られると示唆している。

インスリンには血液中のブドウ糖(血糖)の濃度を調節する働きがありますが、今回の記事によれば、インスリンはアミロイドから脳を守る働きもあるそうです。

アルツハイマー病は、アミロイドβタンパクが脳にたまることで、神経細胞が死滅し、萎縮し、認知機能が低下することから起きると考えられています。

つまり、インスリンの分泌が低下したり、生成されなくなるということは、アミロイドから脳を守ることができなくなり、認知機能が低下してしまうと考えられます。

このように心血管疾患のリスク要因をコントロールすることは脳の健康を守ることにもつながり、生活習慣を改善していることが認知症の発症率低下にもつながっているのではないかと考えられます。

■よい教育

若い時によく勉強した人はアルツハイマー型認知症になりにくい?で紹介したジョンズ・ホプキンス医科大学の研究によれば、高齢になっても認知機能にまったく問題がない修道女は、脳にアルツハイマー型認知症と同じ変化が確認されているにも関わらず、病気の症状が表れにくいことが分かったそうです。

なぜ高い言語技能を習得していることが認知機能の低下を防いでくれるのかはわかっていないものの、結果として認知症を防ぐことにつながっているというのはすごいことです。

実際にはまだエビデンスの段階にまではいっていないものの、良い食事をすること、運動をすること、社会的交流を持つこと、血圧コントロールをすることが認知症予防につながるのではないかと考えられますので、ぜひやっていきましょう!