2026年10月1日放送の「あしたが変わるトリセツショー」は「MCIのトリセツ」がテーマです。
■MCI(軽度認知障害)とは?
MCIは「Mild Cognitive Impairment」の略で、日本語では軽度認知障害と呼ばれます。
MCIは高齢者の7人に1人ほどとされ、番組が1000人に行ったアンケートでは63%がMCIを知らなかったとされています。
認知機能に低下がみられるものの、日常生活の自立はおおむね保たれている、正常な状態と認知症の間に位置する状態です。
大切なのは、
MCIになったからといって、必ず認知症になるわけではない
ということです。
MCIの状態から認知機能が正常域へ戻る人もいるため、「もう認知症になるしかない」と考えるのではなく、早い段階で変化に気づき、対策につなげていくことが重要になります。
今回の番組では「認知症になってから」ではなく、MCIの段階で気づき、対策をすることで、認知機能低下を遅らせたり、維持したり、回復したりする可能性があると紹介しています。
■MCIに気づくカギは「もの忘れ」
年齢を重ねると、
「人の名前がなかなか出てこない」
「何を取りに来たのか忘れてしまった」
といったことは珍しくありません。
そのため、「もの忘れ=MCI・認知症」ではありません。
注目したいのは、「どのように忘れているか」です。
例えば、
・食事をしたことは覚えているけれど、何を食べたか思い出せない
・人の名前がすぐに出てこない
・ヒントをもらうと思い出せる
といったもの忘れと、
・出来事そのものを忘れている
・同じ質問や話を繰り返すようになった
・ヒントがあっても思い出しにくい
・以前と比べて生活の段取りが難しくなった
といった変化では意味が異なります。
つまり、
「忘れた回数」だけではなく、「以前の自分と比べてどう変わったか」を見る
ことがポイントになります。
■「年齢のせい」で終わらせない
MCIについて知る意味は、必要以上に認知症を怖がることではありません。
むしろ、
「ちょっと変だな」という変化を、これからの生活を見直すきっかけにすること
ではないでしょうか。
もの忘れだけでなく、睡眠、運動、食事、人との交流、持病の管理など、日々の生活全体を振り返る機会にもなります。
なお、もの忘れだけからMCIを自己診断することはできません。
以前との違いが続いたり、本人や家族が不安を感じたりする場合には、かかりつけ医やもの忘れ外来など専門家への相談につなげることが大切です。
■まとめ:認知症対策も「毎日の健康習慣」から
今回の「あしたが変わるトリセツショー」から考えたいのは、
認知症対策は、認知症になってから始めるものではない
ということではないでしょうか。
・MCIについて知っておく。
・自分や家族の「以前との変化」に気づく。
・そして必要であれば専門家に相談するとともに、毎日の生活を見直していく。
認知機能の維持を考えるうえでも、運動・食事・睡眠・人との交流など、自分にできることを毎日の「健康習慣」として見直してみてはいかがでしょうか。
■MCIから正常な認知機能に戻る人もいる
MCIは、必ず認知症へ進行するわけではありません。
九州大のチームによる久山町研究では、MCIと診断され、5年後まで追跡できた高齢者380人のうち、119人(31%)が正常な認知機能に戻っていました。一方、102人(27%)はMCIのまま、106人(28%)は認知症へ移行していました。
また、正常な認知機能に戻った人では、糖尿病がないこと、血圧が低いこと、年齢が若いこと、握力が強いことなどとの関連がみられました。ただし、これは観察研究による結果であり、「これをすればMCIが改善する」という因果関係を示したものではありません。
国立長寿医療研究センターの「MCIハンドブック」でも、MCIは認知症そのものではなく、正常レベルに回復する人もいることが説明されています。また、運動や食生活など、日々の暮らしに取り入れられる対策についても紹介されています。
ここで大切なのは、MCIを必要以上に怖がることではなく、早い段階で自分の変化に気づき、生活を見直すきっかけにすることではないでしょうか。
生活習慣病の管理、運動、食事、睡眠、人との交流など、普段の生活を振り返ることも、認知機能の維持を考えるうえで大切な「健康習慣」の一つです。
【関連記事・参考リンク】
- 認知症の前段階「MCI」と診断された高齢者の3割が5年後に「正常」に戻る!
- MCIハンドブック(国立長寿医療研究センター)
→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら
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