by Masaaki Komori(画像:Creative Commons)
(2011/12/20、AFPBB)
少なめの食事を続けると脳を若く保てる可能性があることがマウスの実験で明らかになったとする論文が、19日の米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences、PNAS)に発表された。
<中略>
カロリー制限をしたマウスはカロリー制限をしなかったマウスに比べ、認知能力と記憶能力が高く、攻撃性が少なく、アルツハイマー病を発症しないか発症が遅れる傾向があることは知られていたが、その詳しい理由は分かっていなかった。
少なめの食事を続けると、脳を若く保てる可能性があるそうです。
カロリー制限によって、寿命が延びるということが言われていましたが、カロリー制限は脳のアンチエイジングのためにもよいようですね。
【関連記事】
- カロリー30%オフで寿命が延びる?
- 低体温と抗加齢(アンチエイジング)医学
- カロリー抑え、寿命延ばそう 適切な食事量の把握が鍵
- 粗食・カロリー制限は長寿・がん・心疾患・糖尿病抑制…サルで実証
- 認知症予防にカロリー制限が役立つ可能性=ドイツ研究
- カロリー制限で血流増大に効果
- 低カロリー食はアンチエイジングに効果的、米大研究報告
- カロリー抑え、寿命延ばそう 適切な食事量の把握が鍵
- カロリーの摂り過ぎが脳を狂わせる可能性=研究
- ダイエット・減量はカロリー次第、炭水化物や脂肪はOK…米研究所
- カロリー制限によるダイエットでは寿命は延びない?
今回の実験内容は以下のとおり。
イタリア・ローマ(Rome)の聖心カトリック大(Catholic University of Sacred Heart)医学部のジョバンバッティスタ・パーニ(Giovambattista Pani)氏のチームは、長寿と脳の活発な働きに関連した遺伝子群を活性化させるタンパク分子「CREB1」に着目し、マウスで実験を行った。
CREB1は記憶、学習、不安抑制などの重要な脳機能を制御し、その活動は加齢とともに低下することが知られていた。
今回の研究で、CREB1を持ったマウスとCREB1を持たないよう遺伝子を改変したマウスに通常の約70%の量の食事を与え続けたところ、後者のマウスは記憶力で前者に劣った。CREB1を持たないマウスの脳機能は食べ過ぎのマウスの脳の場合と同じだった。
ここで大事なポイントだと思ったのが、長寿と脳の活発な働きに関連した遺伝子群を活性化させるタンパク分子「CREB1」です。
CREB1を持たないマウスの場合、CREB1を持ったマウスと同様に通常の約70%の量の食事を与え続けても、CREB1を持ったマウスに比べて記憶力で劣るという結果が出ました。
パーニ氏は、「この発見を基に、脳を若く保って脳の退化や老化を防ぐための治療法が確立されるかもしれない」と話した。
米ニューヨーク(New York)にあるザッカーヒルサイド病院(Zucker Hillside Hospital)の神経科長、マーク・ゴードン(Marc Gordon)氏は、中年時代に肥満だった人が後になって認知症を発症することがあるが、その原因を探る上で今回の結果は有意義だと指摘した。
つまり、若いころに食べ過ぎてしまうと、CREB1を持たない状態と同じようになり、認知症を発症することがあるかもしれないということですよね。
認知症を予防するためには、食べ過ぎには気をつけたほうがよさそうです。
【関連記事】