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マイナ保険証とは?メリット・デメリット




「マイナ保険証」は、健康保険証の情報をマイナンバーカードに紐付けして健康保険証としても利用できる制度です。

■マイナ保険証のメリット

1)公的な本人確認書類として利用できる

マイナンバーカードには氏名や住所、生年月日、個人番号などが記載されており、公的な本人確認書類として利用できる。

2)医療費控除の確定申告時に利用できる

医療費控除の確定申告時に、マイナ保険証を利用することで、医療費の支払い履歴が確認できる。

3)医療機関での自動受付

医療機関での受付でマイナ保険証を利用するだけで氏名や生年月日などの情報が自動的に受付システムに反映される。

4)限度額以上の支払不要

通常の健康保険証では、窓口で限度額を超える医療費を支払う必要があるが、マイナ保険証を利用すると、限度額を超えた分は自動的に公費で支払われる。

■マイナ保険証のデメリット

1)個人情報漏洩のリスク:

マイナ保険証は個人番号と紐付いているため、紛失や盗難による個人情報漏洩のリスクがあります。細心の注意が必要です。

業種別マイナンバーカード取得状況等調査(ネット調査)|デジタル庁

マイナンバーカードの未取得理由(マイナンバーカードの未取得者を対象)として、「情報流出が怖いから」が35.2%、「申請方法が面倒だから」が31.4%、「マイナンバーカードにメリットを感じないから」が31.3%であった。

実際に、個人情報漏えいや紛失 昨年度約1万2000件 調査開始以降最多に(2024/6/11、NHK)によれば、マイナンバー関連の個人情報の漏えいや紛失は334件あったそうです。

よくある質問:個人情報の保護について|デジタル庁

Q5-1 マイナンバーカード(個人番号カード)のICチップから医療(病歴、投薬等)情報まで筒抜けになってしまうことはないですか。
A5-1
マイナンバーカードのICチップには、税・年金の情報や病歴などプライバシー性の高い情報は記録されませんので、それらの情報はカードからは判明しません。

Q5-4 マイナンバーが漏えいすると、芋づる式に個人情報が漏れるおそれはありませんか。
A5-4
マイナンバー制度では、個人情報がひとつの共通データベースで管理されることは一切ありません。例えば、国税に関する情報は税務署に、児童手当や生活保護に関する情報は各市区町村に、年金に関する情報は年金事務所になど、これまでどおり情報は分散して管理します。

また、役所の間の情報のやりとりは、マイナンバーではなく、システム内でのみ突合可能な、役所ごとに異なるコード(暗号化された符号)で行うので、1か所で漏えいがあっても他の役所との間では遮断されます。 万が一1か所でマイナンバーを含む個人情報が漏えいしたとしても、個人情報を芋づる式に抜き出すことはできない仕組みとなっています。

■まとめ

デジタル庁によれば、マイナンバーカードは、確実・安全な本人確認・本人認証ができる「デジタル社会のパスポート」を目指しています。

マイナンバーカードの未取得理由に、メリットを感じない、情報流出が怖い、などがありましたが、カードの利便性の向上、カードの機能向上、安全・安心対策に取り組んでいます。

●利便性の向上

• 健康保険証・運転免許証・医療費助成制度受給者証/接種券/乳幼児健診等受診券/母子健康手帳などの各種カードとの一体化
• ペーパーレス化(介護保険証、ハローワークでの受付)
• 「ねんきん定期便」のマイナポータルでのプッシュ通知
• オンライン市役所サービスの充実
• スマホによる健康保険資格確認
• モバイル運転免許証

●機能向上

• 本人確認手法のカードへの一本化
• 本人確認書類のコピーはとらない

●安全・安心対策

個人情報の漏洩についてこれまでのケースを見るとシステムの問題ではなく、多くの場合が人為的ミスによるもので、人が介在する機会を減らすことが一番の防止策と言えそうですね。

・コンビニ交付サービスにおける誤交付
・保険証の紐づけ誤り
・公金受取口座の誤登録
・マイナポイントの誤紐づけ
・マイナカードのチェック不足







マイナカードで独身証明が可能に!独身証明書とは?なぜマッチングアプリの登録に独身証明書が必要なの?




マイナカードで”独身証明”可能に マッチングアプリでの詐欺防ぐ狙いも

(2024/6/18、テレ朝ニュース)

このニュースはマッチングアプリに登録する際に、マイナンバーカードで独身証明ができるようになるというニュースです。

このニュースの気になる点は1)独身証明書とはどんなもの?、2)なぜマッチングアプリの登録に独身証明書が必要なの?の2点です。

1)独身証明書とは?

独身証明書とは公的に「独身(民法732条の「重婚の禁止」の規定に抵触しない)」であることを証明するもので、これまでは市町村の役所の窓口での手続きが必要でしたが、8月以降はマイナポータルを通じて証明ができるようになります。

婚活に必須!役所で見るあの「独身証明書」 以前は国際結婚で急増(2018/10/20、Withニュース)によれば、独身証明書には、1)国際結婚の手続きをする際に「独身であることの証明」を求められていたこと、2)結婚相談所の入会には独身であることの証明に戸籍抄本の提出を求められていたが余分な情報が多いことからシンプルなものに変わった、という歴史があるそうです。

2)なぜマッチングアプリの登録に独身証明書が必要なの?

マッチングアプリの登録に独身証明書を必要にすることによって、1)既婚者の登録を防ぐ、2)ロマンス詐欺などの犯罪目的でのマッチングアプリへの登録を減らす狙いがあるようです。

既婚者の【本音】3割がマッチングアプリに興味!? 20、30代男女に調査(2021/9/17、マイナビニュース)によれば、「婚姻中(結婚している状態)にマッチングアプリを利用したことがありますか」という質問に「今はしていないが、利用したことはある」(15.5%)、「現在も利用を継続している」(6.75%)というアンケート結果が出ており、この時は2021年時点でしたので、もっと多くなっている可能性もあります。

今回のニュースで既婚者のマッチングアプリへの登録を減らす狙いがあるということは、つまりはそれだけ既婚者がマッチングアプリに登録しているということなんでしょうね。

また、独身証明を必要とするマッチングアプリは、独身同士のマッチングが可能であることがメリットになり、独身証明がないマッチングアプリとは棲み分けができるようになるのではないでしょうか?

ちなみに、マッチングアプリで検索すると、既婚者専用マッチングアプリがあり、倫理的な問題はあるにしても、こちらの方が既婚者であることを隠しているわけではないので、ある意味正直と言えるかもしれません。







本人確認に欠かせない国民IDシステムはマイナンバーカードになる?/インド13億人が利用する生体認証ID/普及しないとデジタル化の波に乗り遅れる!




本人確認に欠かせない国民IDシステムはマイナンバーカードになる?/インド13億人が利用する生体認証ID/普及しないとデジタル化の波に乗り遅れる!
本人確認に欠かせない国民IDシステムはマイナンバーカードになる?/インド13億人が利用する生体認証ID/普及しないとデジタル化の波に乗り遅れる!

Prashanth Pinha|unsplash

デジタル化の基盤となるのが本人確認に欠かせない「ID」です。

このIDをどう普及できるかが様々な社会システムのデジタル化を早く進めるための課題となっています。

例えば、マイナンバーカードが国民IDシステムの基盤となれば、様々な行政手続き、本人確認、電子署名、電子納付などがスムーズに行えるようになるでしょうし、また、健康・医療・介護のPHRの基盤ともなり、子ども時代に受けた健診、予防接種等の個人の健康情報歴を一元的に確認できる仕組みの構築や特定健診データや薬剤情報等の経年データの閲覧が可能になるでしょう。

ただ、こうしたシステムに対しては、国民監視やプライバシー侵害につながるのではないかと心配する声もあったり、現状のシステムでも動いていてマイナンバーカードを普及させるメリットを感じないという人もいることから、普及には至っていません。(マイナンバーカードの市区町村別交付枚数等について(令和元年11月1日現在)によれば、人口に対する交付枚数率14.3%となっています。)

世界に目を向けると日本の技術が活用された生体認証国民IDシステムが普及しています。

インドではNECの生体認証技術(指紋、顔、および虹彩認証を組み合わせたマルチモーダル生体認証)が基盤とした生体認証国民IDシステム「Aadhaar(アドハー)」を12.3億人以上のインド国民が自主的に登録したことによって、公共サービスや福祉支援、金融サービスを公平に享受できるようになっているそうです。

普及のポイントは以前から透明性の低さや不正行為があったかどうかではないでしょうか?

人間は変化を嫌う生き物であり、以前のシステムで回るのであれば、改めて新しいシステムに変えることに抵抗感が生まれてしまうのでしょう。

日本では現在のシステムでもなんとか回ってしまうがために国民IDシステムの普及が遅れている一方で、インドでは今までのシステムに対して不平不満がたまっていたために新しいシステムへの移行を歓迎されたのだと思います。

ただID基盤が整わないままだと、ICTやデジタル化といったことは進まないことになるでしょう。

「インクルージョン」という考え方を知れば、あなたの周りの世界はやさしくなる!?で紹介した「インクルージョン(Inclusion)」とは、包含・含有・包括性・包摂・受け入れるといった意味を持ち、誰も排除せず、様々な人を受け入れるという、「ブロックチェーン・レボリューション」(著:ドン・タプスコット+アレックス・タプスコット)で初めて知った考え方です。

インクルージョンには様々な側面がある。社会的、経済的、人種的な強者による支配を終わらせること。体の状態や性別、ジェンダーアイデンティティー、性的嗜好によって差別されないということ。生まれた場所や逮捕歴、支持政党などによって参加を阻まれないこと。p69

自分にはどうすることもできない状態で弱者となってしまったと想像してみてほしいのです。

健康で、若く、経済的にも苦境に立たされることなく、性別における差別もなく、生まれた場所も平和で、家族に逮捕歴などもないというような恵まれた状況にあると、見えてこない世界があるかもしれません。

「インクルージョン」という考え方を知れば、国民IDシステムの普及によって、いろんな人が公平に公共福祉サービスが受けられるようになる世界に一歩近づくのではないでしょうか?

【追記(2020/8/17)】

【追記(2020/9/24)】