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本人確認に欠かせない国民IDシステムはマイナンバーカードになる?/インド13億人が利用する生体認証ID/普及しないとデジタル化の波に乗り遅れる!




本人確認に欠かせない国民IDシステムはマイナンバーカードになる?/インド13億人が利用する生体認証ID/普及しないとデジタル化の波に乗り遅れる!
本人確認に欠かせない国民IDシステムはマイナンバーカードになる?/インド13億人が利用する生体認証ID/普及しないとデジタル化の波に乗り遅れる!

Prashanth Pinha|unsplash

デジタル化の基盤となるのが本人確認に欠かせない「ID」です。

このIDをどう普及できるかが様々な社会システムのデジタル化を早く進めるための課題となっています。

例えば、マイナンバーカードが国民IDシステムの基盤となれば、様々な行政手続き、本人確認、電子署名、電子納付などがスムーズに行えるようになるでしょうし、また、健康・医療・介護のPHRの基盤ともなり、子ども時代に受けた健診、予防接種等の個人の健康情報歴を一元的に確認できる仕組みの構築や特定健診データや薬剤情報等の経年データの閲覧が可能になるでしょう。

ただ、こうしたシステムに対しては、国民監視やプライバシー侵害につながるのではないかと心配する声もあったり、現状のシステムでも動いていてマイナンバーカードを普及させるメリットを感じないという人もいることから、普及には至っていません。(マイナンバーカードの市区町村別交付枚数等について(令和元年11月1日現在)によれば、人口に対する交付枚数率14.3%となっています。)

世界に目を向けると日本の技術が活用された生体認証国民IDシステムが普及しています。

インドではNECの生体認証技術(指紋、顔、および虹彩認証を組み合わせたマルチモーダル生体認証)が基盤とした生体認証国民IDシステム「Aadhaar(アドハー)」を12.3億人以上のインド国民が自主的に登録したことによって、公共サービスや福祉支援、金融サービスを公平に享受できるようになっているそうです。

普及のポイントは以前から透明性の低さや不正行為があったかどうかではないでしょうか?

人間は変化を嫌う生き物であり、以前のシステムで回るのであれば、改めて新しいシステムに変えることに抵抗感が生まれてしまうのでしょう。

日本では現在のシステムでもなんとか回ってしまうがために国民IDシステムの普及が遅れている一方で、インドでは今までのシステムに対して不平不満がたまっていたために新しいシステムへの移行を歓迎されたのだと思います。

ただID基盤が整わないままだと、ICTやデジタル化といったことは進まないことになるでしょう。

「インクルージョン」という考え方を知れば、あなたの周りの世界はやさしくなる!?で紹介した「インクルージョン(Inclusion)」とは、包含・含有・包括性・包摂・受け入れるといった意味を持ち、誰も排除せず、様々な人を受け入れるという、「ブロックチェーン・レボリューション」(著:ドン・タプスコット+アレックス・タプスコット)で初めて知った考え方です。

インクルージョンには様々な側面がある。社会的、経済的、人種的な強者による支配を終わらせること。体の状態や性別、ジェンダーアイデンティティー、性的嗜好によって差別されないということ。生まれた場所や逮捕歴、支持政党などによって参加を阻まれないこと。p69

自分にはどうすることもできない状態で弱者となってしまったと想像してみてほしいのです。

健康で、若く、経済的にも苦境に立たされることなく、性別における差別もなく、生まれた場所も平和で、家族に逮捕歴などもないというような恵まれた状況にあると、見えてこない世界があるかもしれません。

「インクルージョン」という考え方を知れば、国民IDシステムの普及によって、いろんな人が公平に公共福祉サービスが受けられるようになる世界に一歩近づくのではないでしょうか?

【追記(2020/8/17)】

【追記(2020/9/24)】