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金融リテラシー(マネーリテラシー)が低い人は老後の不安が多い!2つの理由|健康・お金のことを学ぶことが幸せな老後の秘訣|広島大学




【目次】

■金融リテラシーが高い人は老後の不安が少ない!?

College of DuPage Hosts Age Well DuPage 2014 12

by COD Newsroom(画像:Creative Commons)

「お金」の理解が老後の不安を和らげる

(2017/5/10、広島大学プレスリリース)

その結果、金融リテラシーの高さは、老後のための資産蓄積を通じて、被験者の老後の生活不安を軽減することがわかりました。金融リテラシーが高い人程、収入および資産が多いので、老後に対する不安が少なくなると考えられる他、金融リテラシーはリスクと不確実性に対する認識を的確にするので、将来起こり得る課題に対する対応力と対処への自信を深めさせる効果もあることが分かりました。

広島大学大学院社会科学研究科の角谷快彦准教授とムスタファ・サイドゥ・ラヒム・カン研究助手が、大阪大学が約4,500人を対象としてアンケート調査から、複利や金利、リスク回避、国債などの質問の正答率で算出される金融リテラシーが、被験者の老後の生活不安の度合いにどのような影響を及ぼしているかを分析したところ、金融に詳しい人は老後に対する心配が少ない傾向があることがわかったそうです。

逆に考えると、金融に詳しくない人は老後に対する不安が多いということが言えそうです。




【補足】メンタル・アカウンティング💰

メンタル・アカウンティング 浪費の原因は「心の会計」 どうすればお金が貯まるのか

(2016/12/18、ZUU Online)

人間の心理は必ずしも合理的に働くものではない。「頭では理解しているにも関わらず、行動がともなわない」という矛盾は、誰の心の中にも潜んでいる。

行動経済学に貢献し、2017年のノーベル経済学賞を受賞したリチャード・H・セイラー氏は、人はお金の使い方に関して意思決定をする際に、合理的に判断するのではなく、あらかじめ自分で設けたフレーム(枠)で使い方を決める心理傾向があるという「Mental Accounting(メンタルアカウンティング:心の会計、心の家計簿)」という考えを提唱しています。

【参考リンク】

合理的に考えれば、お金はこう使うほうがよいはずなのに、「心の会計」で非合理な決断をしてしまうということが起きてしまいます。

非合理な決断をしたからと言って全てが悪いわけではないと思いますが、「浪費癖がある」「お金が貯まらない」という人は自身の「心の会計」を見つめなおす必要があるのではないでしょうか。

■まとめ💰

money

by Benjamin Forrest(画像:Creative Commons)

金融リテラシーが高い人ほど老後に対する不安が少ない理由としては2つあると考えられます。

1.金融リテラシーが高い人ほど資産が多いから

2.金融リテラシーの高さが将来の課題に対する対処への自信を深めるから

ところで、高齢者の7割、将来に不安=健康・介護・収入で|内閣府調査(2010/4/9)で紹介した内閣府による60歳以上の高齢者に対する意識調査によれば、高齢者の7割が将来に不安を感じているそうです。

具体的な理由としては「自分や配偶者の健康や病気に不安を感じている」(77.8%)そうですが、「所得と生活習慣等に関する状況」のグラフから見えてくるもの|厚生労働省調査によれば、所得が多い人ほど生活習慣を気をつけている傾向がある、もしくは、生活習慣を気をつけている人ほど所得が多い傾向があるといえるようです。

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つまり、所得の高さと健康的なライフスタイルには何らかの関係があるんじゃないのかなーと考えられるのですが、その理由の一つとして、自分の生活に責任をもって準備していることがあるのではないでしょうか?

例を挙げると、積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下して可能性があるようです。

金融リテラシーにおいても同じように、十分に準備をできていないことが不安の原因にあると考えられます。

老後保障と介護保障の十分な準備ができておらず老後生活の不安を抱えている|平成28年度生活保障に関する調査によれば、老後生活(老後保障)と介護(介護保障)となると、十分な準備ができておらず、不安を抱えているようです。

その理由の一つとしては、金融や保険に関する知識不足があると考えられ、平成28年度生活保障に関する調査でも、金融・保険に関するいずれの知識についても「詳しくない」と答えた人が7割強となっています。

そこで、健康で明るい老後生活にするためにはどうしたらよいかという視点から考えてみると、こうなります。

若いうちから健康的なライフスタイルを送り、金融リテラシーを高くしていく

健康も金融リテラシーも同じで、悪い習慣をやめて、良い習慣に変えていくことが重要です。

「健康的なライフスタイルをしている人はどんな習慣を持っているのかな?」

「お金持ちで、幸せそうにしている人はどんなお金の習慣(金融リテラシー)を持っているのかな?」

と考えて、自分自身の習慣と比べてみて、少しずつ良い方向に変えることができれば、老後の不安は小さなものになるはずです。







【参考リンク】
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奨学金による貧困問題|大学生の仕送りは減少傾向、アルバイトの就労率・収入金額の増加、返済に対する不安も

making some of the best coffee ever

by Brooke Raymond(画像:Creative Commons)

■奨学金による貧困問題|大学生の仕送りは減少傾向・アルバイトの就労率・収入金額の増加

「社会問題化する奨学金」(視点・論点)

(2016/4/7、NHK)

機構の調査によれば、大学生の学生生活を支える家計からの給付は、2000年度に156万円であったものが、2012年度には121万円にまで落ち込んでいます。このような状況で大学に行こうとすれば、奨学金に頼らざるを得ず、今や大学生の約4割が機構の奨学金を借りています。

日本学生支援機構の調査によれば、仕送りは2000年度156万円から2012年度121万円に落ち込んでいるそうです。

第52回学生生活実態調査の概要報告(2017/2/23、全国大学生活協同組合連合会)によれば、仕送り10万円以上をもらっている学生は減少傾向にあり、アルバイトの就労率・収入金額ともに増加傾向にあり、アルバイトを増やすことで暮らし向きを良くしようとしているのがわかります。

また、将来奨学金を返済することに対して不安を感じている人が多く、アルバイトの就労時間が長いこともわかります。

ただ、ソニー生命が、2017年11月24日~11月27日の4日間、大学生以下の子どもがいる20~59歳の男女1000名に対して行なった「子どもの教育資金に関する調査」によれば、≪こづかいや仕送り≫の平均支出金額が大幅に増加していることから、調査結果によって違ってくるのかもしれません。

参考画像:子どもの教育資金に関する調査2018(2018/1/25、ソニー生命)|スクリーンショット

子どもの教育資金に関する調査2018

(2018/1/25、ソニー生命)

≪こづかいや仕送り≫の平均支出金額を2017年調査と比較すると、子どもが一人暮らしをしている親では2017年57,299円→2018年80,211円と、22,912円/月の大幅な増加となりました。 (図13)




【参考リンク】

■2017年は即時買い取り・即現金化サービスやツケ払い(後払い)サービスなどのサービスが登場

最近ブログの検索で増えているのが「給料前借りアプリ」であり、2017年は即時買い取り・即現金化サービスやツケ払い(後払い)サービスなどのサービスが登場しました。

→ CASH・ZOZOツケ払い・メルカリNOW・給料前借り(前払い)アプリ・サービス・・・今やりたい・買いたいことを我慢せずにお金を前借り、モノを現金化するサービスを利用してもいいの? について詳しくはこちら

【即時買取・現金化サービス】

  • DMMが70億円で買収した「CASH」
  • メルカリの「メルカリNOW」(手元にある商品のブランドと状態を選択し、スマホのカメラで撮影するだけですぐに査定金額が提示され、了承した場合にはその場でお金を手に入れることができる即時買取サービス)
  • ジラフの「スママダッシュ」(中古のスマホを即現金化できる買取サービスをリリース予定)

【ツケ払い・後払いサービス】

  • 「ZOZOツケ払い」(2カ月間内で都合の良い時に支払いができる決済手段)
  • 「メルカリ月イチ払い」(月次で購入した商品の代金をまとめて翌月に支払うことのできる)
  • ネットプロテクションズの「atone(アトネ)」(個人向け審査不要、クレジットカードなし、コンビニ後払いサービスでスマホで買い物をする際に、アトネによるコンビニ後払いを利用すると、ポイントがたまり、そのポイントがお買い物で活用できるメリットがある)

給料前借りアプリというサービスが出た時期から、即時買い取り・即現金化サービスやツケ払い(後払い)サービスが出てきたのは、実際に「今すぐお金が欲しい」「今欲しいものがあるけど、手元にお金がない」といったことで悩んでいるが表面化し、その悩みを解決するために給与前払いサービスを始める企業が増えている印象を受けます。

また、給与前払いサービスとは?従業員側・企業側のメリット|給料前借りアプリが注目のきっかけ!?人手不足で悩む2018年以降は給与前払いサービスが求人に応募するポイントになる?によれば、求職者にとっては、「前払い」「日払い」「週払い」が重要な求人の要素となっているそうです。

後払い・ツケ払いによって支払いを先延ばしを行う、即時買い取りによって即現金化をする、求人では「前払い」「日払い」「週払い」を検索ワードにする、といった姿から見えてくるのは「貧困」です。

参考画像:子どもの貧困|平成26年版子ども・若者白書|内閣府|スクリーンショット

子どもがいる現役世帯のうち大人が1人の世帯の相対的貧困率はOECD加盟国中最も高い!によれば、平成24年相対的貧困率は16.1%となっており、日本の特徴としては子どもがいる現役世帯のうち大人が1人の世帯の相対的貧困率はOECD加盟国中最も高いという点です。




■まとめ

「社会問題化する奨学金」(視点・論点)

(2016/4/7、NHK)

今、「借りている」と言いましたが、諸外国では、いわゆる奨学金は、通常「給付」を意味します。これに対し、我が国では、ほとんどの奨学金が貸与、つまりは「借金」であり、返さなければなりません。

そもそも、貸与型の奨学金が他の借金と違うのは、将来の仕事や収入が分からない状態で利用することにあり、滞納の危険は最初から制度に内在しているものです。

日本と海外の奨学金の違いは、日本の貸与型の奨学金は「貸与」≒「借金」であるのに対して、海外の奨学金は「給付」であるということです。

将来の仕事や得られる収入がわからない状態で借金をするというのが貸与型奨学金の問題点なのです。

ロボアドバイザー(投資・資産運用アドバイスサービス)とは?|IT・金融の活用度が低い日本はフィンテックの手前!?|#Fintechでは、日本のフィンテックは「貧テック」だと呼び、弱者から搾取する仕組みだと表現する人もいると紹介しました。

ただこれを逆に考えると、それだけ多くの人が金融の仕組みからはじき出されているということではないでしょうか?

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貧しい地域の人たちにとって、銀行口座を持つための最低残高や、決済の最低支払い額、システム手数料といった壁はあまりに高すぎる。金融機関のインフラにコストがかかりすぎるせいで、貧しい人たちのささやかな経済活動は犠牲になっているのだ。p66

今の仕組みではある程度のまとまった金額を貸さないと企業としては合わない計算であるため、貧しい人々向けに少額の貸し出しなどをするマイクロファイナンス(小規模金融)の分野は手つかずのままでいるのではないでしょうか。

奨学金による貧困問題を新たなテクノロジーや様々な組み合わせによって解決に向かっていくといいですね。







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