by John Gillespie(画像:Creative Commons)
(2009/4/12、JCASTニュース)
日本人女性の痩せすぎについて調査したのは、筑波大学大学院の曽根博仁教授が担当する研究チーム。BMI(ボディマス指数)と呼ばれる、世界共通の「肥満度」を示す指数に着目した。
BMIは体重を身長(メートル)の2乗で割った数で、日本肥満学会は標準値を22としている。
調査では、アメリカ、韓国の数値と比較した。
それによると、アメリカの男女性、日本男性、韓国男性は、10歳以降は成長と共にBMIも増えた。
BMIの数値は6歳以降、年齢とともに増加するのが一般的だ。
しかし、韓国女性は、18歳頃にBMIの増加が止まり、20代は横ばいだった。
そんな中、日本女に限っては15歳ごろにBMIの増加が止まり、20代は年齢とともに減少に転じたという。
つまり、日本の若い女性は世界的に見ても「痩せすぎ」ということだ。
痩せている方がよいという意識から、医学的に見て全然太っていない標準体型の女性がダイエットしてしまう……こうした女性が少なくないのでは、と見る曽根教授は「この結果は心配だ」と話す。
日本の女性の意識がやせている方が良いという意識が強いためか、太っていない標準体型の女性がダイエットしている傾向にあるようです。
また、世界的に見ても、日本の女性が特にやせ願望が強いようです。
しかし、こうした日本女性の「やせ願望」が、若い妊婦にも影響を与えており、記事によれば、未熟児の出産率が上昇しているそうです。
しかも、こうした「痩せ願望」の影響が、若い妊婦にも及んでいるという。
日本助産師会の市川香織さんは、「たしかにここ数年、痩せた妊婦さんは増えており、問題となっています」と明かす。
妊婦が痩せている場合、2500グラム未満の「低出生体重児」を出産するリスクが高くなるからだ。
実際、「低出生体重児」は増加傾向にある。
厚生労働省発表の人口動態統計によると、1990年の全出生数に対する低出生体重児は6.3%だったが、2004年には9.4%に上昇しているのだ。
市川さんによると、もともとBMIが低い女性が多いからだという。
そのため、妊婦となった後も体重が思うように増えず、早産して低体重の新生児を出産する可能性が高くなる。
低体重の新生児は将来太りやすく、生活習慣病にもかかりやすいとも指摘されている。
低出生体重児は将来太りやすく、生活習慣病になりやすいとも言われています。
こうした状況を改善するためにも、「できるだけやせているほうが美しい」というイメージを変えていく必要がありそうです。
そして、食習慣・生活習慣の改善も重要です。
「食事を3食きちんととること、早寝早起きを心がけることが大事でしょう。
朝食の欠食はいけません。
妊婦になったからといって、急に変えられるものではありません。
小さい頃からの習慣はそれほど大事です」
なお、こうした妊婦の「痩せ問題」に対して、厚生労働省では2006年2月1日、「妊産婦のための食生活指針」を発表。
母子の健康を確保するための、正しい食習慣を確立するよう呼びかけている。
将来の子供の健康のためにも、生活習慣の改善を行いましょう。
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