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人間は「栄養」を食べているわけではない?完全栄養食とNASA宇宙食から考える「食べる」ということ

ハクライドウではこれまで「完全栄養食」について何度も取り上げてきました。

忙しくて食生活が乱れやすい人の栄養補給、高齢者の低栄養、将来の食糧問題などを考えると、必要な栄養素を効率よく摂取できる完全栄養食には大きな可能性があります。

日清食品の完全栄養食について調べた際には、単なる一つの商品ではなく、社員食堂やレストラン、シニアの健康寿命支援、さらには個人に合わせた栄養のパーソナライズへ発展していくロードマップも紹介しました。

ですから、この記事は「完全栄養食はよくない」という話ではありません。

むしろ今回考えてみたいのは、以前から完全栄養食を調べる中で何度も浮かんできた一つの疑問です。

そもそも、人間にとって「食べる」とは何なのでしょうか?

■「栄養さえ摂れれば食事はいらない?」という疑問

2014年から紹介してきた完全栄養食「Soylent(ソイレント)」は、この問題を考えるうえで象徴的な存在でした。

ハクライドウでは、ソイレントだけで30日間生活するという実験を紹介しながら、

「本当に栄養だけがとれればいいのでしょうか?」

と問いかけています。

そこで注目したのは、食事には栄養補給だけではなく、人に喜びを与えたり、人とのコミュニケーションにつながったりする側面もあるということでした。

その後、日清食品のAll-in PASTAを取り上げた記事でも同じ問題について考えています。

必要な栄養を摂るだけなら非常に合理的です。

しかし、人間は食事を香りで楽しみ、見て楽しみ、食べて楽しんでいます。

そこでハクライドウでは、アレンジによって食に変化を持たせられる完全栄養食には、「食の楽しみ」まで考えた可能性があるのではないかと考えていました。

さらに、完全栄養食だけの生活を6年間続けている男性について取り上げた際には、今度は「咀嚼」に注目しました。

液体や粉末から栄養を摂取できたとしても、「噛む」という行為までなくしてしまってよいのだろうか、という問題です。

こうして振り返ってみると、ハクライドウでは完全栄養食を追いかけながら、ずっと同じ問いを別の角度から考えてきたように思います。

■「栄養的に完全であること」と「食事として完全であること」は同じなのだろうか?

きっかけはSNSで見かけた「食事の自動化」

今回この問題を改めて考えるきっかけになったのが、SNSの投稿で話題になった食生活のアイデアでした。

冷凍庫に平日数週間分の食事をストックして、夕食をある程度固定してしまう。

毎日、

「今日の夕飯、何を食べよう?」

と考える必要がありません。

買い物、献立、調理などの負担も小さくできます。

これは非常に合理的です。

特に、健康的な食生活をしたいと思っていても、毎日の忙しさの中でそれを実践することが難しい人にとって、食事をある程度「仕組み化」することには大きなメリットがあります。

ところが、その投稿への反応の中には、

「同じような食事を続けているうちに食べたくなくなった」

「パッケージを見るのも嫌になった」

「同じような柔らかな食感が苦手になった」

といった体験談もありました。

【参考リンク】
Xの投稿1
Xの投稿2

もちろん、SNS上の個人的な体験談から一般化することはできません。

しかし、

なぜメニューが違っていても「同じものを食べ続けている」という感覚になることがあるのだろう?

と考えてみると、とても面白い研究分野につながっていきます。

■同じものを食べていると魅力が下がる「感覚特異的満腹」

食行動研究には「感覚特異的満腹(sensory-specific satiety)」と呼ばれる現象があります。

簡単にいえば、ある食品を食べていくうちに、食べていた食品に対する快さが選択的に低下していく現象です。

重要なのは、

単純に「お腹いっぱいだから何も食べたくない」という現象とは少し違う

ということです。

食べていたものへの魅力は低下していても、違った特徴を持つ食品なら食べたいと感じることがあります。

つまり私たちが食べているのは、単に、

「タンパク質何g」

「炭水化物何g」

「ビタミン何mg」

という栄養素ではありません。

食品から入ってくるさまざまな感覚情報を受け取りながら食事をしています。

■「メニューが違う」だけでは十分ではないのかもしれない

ここで最初のSNSの話が面白くなります。

仮に毎日料理の名前が違っていたとしても、

容器が似ている。

見た目が似ている。

香りが似ている。

温度が似ている。

そして、

食感が似ている。

そうすると、料理の名前としては20種類あったとしても、私たちの感覚にとって本当に20種類の異なる食体験になっているのかは別の問題です。

ここはまだ仮説ですが、「食事の多様性」を考えるときには、メニューの数だけではなく、

味 × 香り × 見た目 × 温度 × 食感

といった「感覚の多様性」を考える必要があるのかもしれません。

サクサク。

パリパリ。

シャキシャキ。

もちもち。

トロトロ。

温かいもの。

冷たいもの。

香ばしいもの。

料理として考えれば当たり前の違いですが、栄養素だけを基準に食事を見ると、こうした違いはほとんど見えなくなってしまいます。

■実はNASAも「食べ続けられる食事」を研究している

この問題をもっと極端な環境で考えると、「宇宙食」に行き着きます。

宇宙では食品の保存性や重量、スペースなど地上とは異なる制約があります。

NASAでは、長期宇宙飛行において限られた食事を繰り返すことが食品の受容性にどのような影響を与えるのか、「menu fatigue(メニュー疲労)」という観点から研究されています。

つまり、

栄養学的に必要なものを用意するだけではなく、人間がそれを食べ続けられるのか

という問題です。

ここが完全栄養食を考えてきたハクライドウにとって非常に興味深いところです。

宇宙食という究極に合理性が求められる食事であっても、結局は「人間が食べる」という問題から逃れられないのです。

■なぜ人間は「いろんなもの」を食べたくなるのだろう?

こう考えてみると、普段は当たり前だと思っている食生活が少し違って見えてきます。

例えば朝食に、

味噌汁。

ご飯。

焼き魚。

漬物。

卵焼き。

が並んでいるとします。

栄養素だけで見れば、それぞれを分解して、

タンパク質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラル……

と表現できます。

しかし人間が実際に経験している食事は、それだけではありません。

味噌汁を飲む。

魚を噛む。

漬物をポリポリ食べる。

温かいご飯と一緒に味わう。

そこには味も、香りも、温度も、硬さも、音もあります。

そして昨日魚を食べたなら、

「今日は肉にしようかな」

と思う。

単なる「気まぐれ」のように見えます。

でも今回考えてきた感覚特異的満腹や食事の単調性という視点から見ると、

こうした変化を求めること自体が、人間の食行動の興味深い特徴なのではないか

と思えてきます。

■完全栄養食の考え方に問題があるわけではない

ここは強調しておきたいところです。

完全栄養食という考え方そのものが間違っているわけではありません。

ハクライドウでは以前から、完全栄養食には、忙しい人の栄養補給、高齢者の低栄養対策、食糧問題などに活用できる可能性があると考えてきました。

また日清食品のロードマップを見ると、完全栄養食を一種類だけ食べ続けるという発想ではなく、社員食堂、レストラン、小売、シニア支援、個人に合わせた食の提案などへ広げようとしていることがわかります。

むしろ面白いのはその先です。

完全栄養食が発達すればするほど、

「では人間にとって本当に完全な食事とは何だろう?」

という問いが生まれてきます。

■完全なのは「栄養」なのか、それとも「食事」なのか

必要な栄養素をすべて含んでいる。

カロリーもちょうどいい。

タンパク質も十分。

ビタミンやミネラルも計算されている。

これは「栄養」という面では、とても合理的な食事です。

でも人間は、

見る。

嗅ぐ。

味わう。

噛む。

食感を感じる。

温度を感じる。

選ぶ。

誰かと食べる。

そして「おいしい」と感じる。

過去の記事では、これを「食べる楽しみ」「コミュニケーション」「咀嚼」という方向から考えてきました。

今回そこに、

「感覚の多様性」

という視点が加わったのではないでしょうか。

■食生活で本当に大切なのは「続けられること」なのかもしれない

健康情報では、

「○○を食べましょう」

「○○を減らしましょう」

「栄養バランスを整えましょう」

といった話になりがちです。

しかし健康は一回の食事だけで決まるわけではありません。

大切なのは食習慣です。

そう考えると、

栄養的に優れていることと、その食生活を人間が無理なく続けられることの両方

を考える必要があります。

毎日食事について考えなくてよい仕組みは、ある人にとって食生活を続ける助けになります。

一方で、別の人にとっては、

「今日は何を食べよう?」

と選ぶこと自体が食生活を続けるために必要なのかもしれません。

つまり重要なのは、

「食事を効率化すること」が良いか悪いかではなく、どこを効率化し、どこに人間らしい変化を残すのか

なのではないでしょうか。

■まとめ 人間は「栄養」を食べているわけではない

完全栄養食について長く調べてきましたが、今回改めて感じたのは、

人間は「栄養」を食べているのではなく、「食事」を食べている

ということです。

必要な栄養素を摂ることはもちろん大切です。

しかし人間にとっての食事は、

栄養 + 味 + 香り + 見た目 + 食感 + 温度 + 咀嚼 + 選択 + 人とのつながり

のような、非常に複雑な体験なのかもしれません。

完全栄養食は、その中の「栄養」という非常に重要な問題を解決しようとするものです。

だからこそ、その考え方をさらに先へ進めるなら、

どうすれば必要な栄養を摂ることができ、なおかつ人間が「食べたい」と思い続けられるのか?

まで考える必要があるのではないでしょうか。

宇宙食という極端な環境について考えても、完全栄養食について考えても、最後には同じところに戻ってくるように思います。

「人間が食べる」とは、一体どういうことなのか。

もしかすると、本当の意味での「完全な食事」を考えるためには、栄養成分表だけではなく、私たちが食事をどこで、どのように感じているのかまで考える必要があるのかもしれません。

【関連記事】

「完全栄養食(パーフェクトフード・完全食)」に成長性はある?ない?キーワードは高齢者の低栄養・健康寿命・食糧問題!
完全栄養食だけ生活を6年続けた男性の健康状態とは?
食事が不要になる完全栄養食「ソイレント」とは?
日清の完全栄養食のロードマップとは?
日清のAll-in PASTAは完全栄養食のパスタ!

【参考文献】

Rolls BJ, Rolls ET, Rowe EA, Sweeney K. Sensory specific satiety in man. Physiology & Behavior. 1981;27(1):137-142.
DOI: 10.1016/0031-9384(81)90310-3
→ ある食品を食べた後、その食品の「おいしさ」の評価が、食べていない食品より大きく低下することなどを示した、感覚特異的満腹(sensory-specific satiety)の代表的研究です。
Penn Stateの論文情報

Stribiţcaia E, Evans CEL, Gibbons C, Blundell J, Sarkar A. Food texture influences on satiety: systematic review and meta-analysis. Scientific Reports. 2020;10:12929.
DOI: 10.1038/s41598-020-69504-y
→ 食品の形態・粘度・構造などの「食感」と、空腹感・満腹感・摂食量との関係を検討したシステマティックレビュー/メタ解析です。ただし研究間のばらつきが大きく、著者らも慎重な解釈が必要としています。
PubMed

NASA. How Does Spaceflight Change Food Appeal? 2021.
→ NASAが長期宇宙飛行における「menu fatigue」を研究していることを紹介しています。食べ物の受容性には、見た目、風味、食感、香りなど複数の要素が関係し、NASAは長期ミッション中の食事の受容性を調査しています。
NASAの記事

Douglas GL, Oswald T, Bell ST, Young M. Food Acceptability, Menu Fatigue, and Aversion During the SIRIUS-21 Analog Mission. NASA Technical Reports Server.
→ SIRIUS-21という8か月間のアナログミッションで、繰り返し食品を食べることによる受容性やmenu fatigueなどを調べた研究です。
NASA Technical Reports Server

Douglas GL, Bell ST, Roma PG, Oswald T, Young M. Food acceptability and selection by astronauts on International Space Station missions informs strategies and risks for deep space exploration. Frontiers in Psychology. 2025;16.
DOI: 10.3389/fpsyg.2025.1562044
→ ISSの宇宙飛行士15人を対象に、約6か月および1年間のミッションで食品の受容性を調査した研究です。興味深いことに、食品の受容性スコア自体はミッション中に低下せず、宇宙飛行士は早い段階から自分の好みの食品を選んでいました。個人の好みや食事の多様性を考えるうえで重要な研究です。
Frontiers掲載論文







「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」

この街を初めて訪れた方へ

この記事は、例えるなら「ばあちゃんの料理教室(ハクライドウ)」という街の中の「ひとつの家」です。

この街には、生活・料理・健康についての記事が、
同じ考え方のもとで並んでいます。

ここまで書いてきた内容は、
単発の健康情報やレシピの話ではありません。

この街では、
「何を食べるか」よりも
「どうやって暮らしの中で調整してきたか」を大切にしています。

もし、

なぜこういう考え方になるのか

他の記事はどんな視点で書かれているのか

この話が、全体の中でどこに位置づくのか

が少しでも気になったら、
この街の歩き方をまとめたページがあります。

▶ はじめての方は
👉 この街の歩き方ガイドから全体を見渡すのがおすすめです。

▶ この街の地図を見る(全体像を把握したい方へ)

※ 無理に読まなくて大丈夫です。
 気になったときに、いつでも戻ってきてください。

この考え方の全体像(意味のハブ)

この記事で触れた内容は、以下の概念記事の一部として位置づけられています。

▶ 料理から見る健康

この街の考え方について

この記事は、
「人の生活を、断定せず、文脈ごと残す」
という この街の憲法 に基づいて書かれています。

▶ この街の中心に置いている憲法を読む

「完全栄養食(パーフェクトフード・完全食)」に成長性はある?ない?キーワードは高齢者の低栄養・健康寿命・食糧問題!




2019年5月13日放送の「あさチャン」でパーフェクトフードの特集がありました。

■「完全栄養食(完全食)」に成長性はある?ない?キーワードは高齢者の低栄養・健康寿命・食糧問題!

以前のブログで日清食品のAll-in PASTA(完全栄養食のパスタ)について取り上げましたが、「完全栄養食(完全食)」の成長性はあるのかどうか考えてみたいと思います。

完全栄養食(完全食)として注目しているのは、日清食品(All-in PASTA)、BASE FOOD(BASE PASTA/BASE RAMEN/BASE BREAD)、COMP(パウダータイプ/グミ/ドリンクタイプ)です。

日清食品(All-in PASTA)のページを見ると、アレンジレシピの提案だけでなく、麺とソースがカップにセットされお湯をかけるだけで簡単に調理ができるカップパスタセットもあることから、忙しい現代人でランチ難民だけど、栄養はしっかりと摂りたい人をターゲットにしていると考えられます。

BASE FOOD(BASE PASTA/BASE RAMEN/BASE BREAD)は、パスタ・ラーメン・パンと完全栄養食の横展開していることから、一つの食品の用途ではなく、バリエーションを持つことで完全栄養食の幅を広げようとしていると考えられます。

COMP(パウダータイプ/グミ/ドリンクタイプ)は、ビジネスマンやエンジニア、クリエイター、ゲーマーなど仕事で忙しい、趣味に没頭したいけど、栄養バランスの悪さも気になる(食の楽しみを求めるタイプではない)方をターゲットにしていることが考えられます。

■完全栄養食、4つのターゲットへのアプローチ

完全栄養食については4つのターゲットへのアプローチが考えられます。

1)偏食や子供の肥満、ヤセの問題などを栄養バランスを整えることを完全栄養食によって解決する

【クローズアップ現代(NHK)】女性の痩せすぎ問題|痩せ過ぎと低体重児・モデルのヤセ過ぎ問題や20代女性の5人に一人が「やせ」|摂取カロリーは終戦直後よりも少なくなっている!?によれば、20代女性の5人に一人が「やせ(BMI18.5未満)」という状態であるそうです。

また、2013年の20代女性の平均エネルギー摂取量は、終戦直後よりも少ないそうです。

2)忙しい現代人のための栄養補給

アメリカ人の朝食をとる時間は平均で一日12分に減っている!?によれば、アメリカ人の朝食をとる時間は平均で一日12分までに減っているそうで、これは、昼食や夕食に費やす時間の約半分なのだそうです。

これは、母親が仕事を持つようになるといった変化によるもので、それだけではなく、子供を預けたり学校に送るといったことでさらに忙しくなっていることが関係しているようです。

アメリカ人の食生活が1日3食からスナック(軽食)を頻繁に食べる食習慣に移行している!?という記事を紹介しましたが、あまりにもみんなが忙しすぎて軽食を頻繁に食べる食習慣に移るというのもわかる気がします。

完全栄養食がその軽食(スナック)の中に入ることで栄養バランスを整えるということも考えられます。

3)どうしても食事の量が減ってしまって栄養のバランスがとりづらくなってしまった高齢者を助ける

要介護者の4割が低栄養傾向|家族の7割は「低栄養」の意味知らないで紹介した日清オイリオグループが60歳以上の要介護者(要介護度1~3)を在宅で介護しており、介護食を作っている100名を対象に実施した「低栄養に関する実態調査」によれば、要介護者の4割が低栄養傾向にあることがわかったそうです。

これまでにも要介護者の中にはたんぱく質が不足する低栄養の人が多いということを紹介してきました。

適切な食物摂取ができず、栄養状態が悪化していることを「低栄養」と呼びます。

低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。

今回紹介した厚生労働省のまとめによれば、高齢者はたんぱく質の摂取量が少ないと、フレイルティの出現リスクが増加するそうです。

なぜ高齢者になるとタンパク質が不足しがちなのでしょうか?

肉料理が苦手だったり、以前は、家族のために栄養を考えて、肉や卵などを使って料理をしていた人が、一人暮らしになってから、自分が好きなものだけを食べることで食が偏るようになって、肉や卵を使った料理を食べなくなってしまったり、食事の量自体が減ってしまったり、中高年の頃からのメタボ対策のための粗食を継続してしまったりすることで、たんぱく質が不足してしまうということがあるようです。

食品3Dプリンタで見た目も食感も楽しい介護食の開発|山形大学で紹介した山形大学工学部は食べ物を噛む力や飲み込む力が弱くなった人にも、食べ物の形や食感を楽しんでもらおうと3Dプリンタで作った介護食の開発に取り組んでいるそうです。

従来の高齢者向けの食べ物を小さく刻んだ「きざみ食」、ミキサーにかけてドロドロにした「ミキサー食」は見た目が悪く、またまとまりが悪いために帰って誤嚥を引き起こしやすいものであるという問題があります。

現在山形大学で開発されている3Dプリンタで作った介護食が完全栄養食であれば、栄養不足の高齢者を助けることができるでしょう。

4)食糧問題を解決する手段(爆発的に増加している人口を支えていけるだけの食料を作り出すことは不可能だと考えられている)

食料問題を解決する2つのアプローチ|「90億人の食」をどう生み出すか?|Farmbotが農業の問題を解決する!?によれば、日本だけを見れば高齢化社会であり人口が減少していっている国なのですが、世界的に見れば、世界人口は増え続けています。

記事によれば、2050年までに世界の人口は70億人から90億人に拡大すると予想されています。

そこで、将来必ず起こりうる問題が「食糧問題」です。

その問題をいろんな食品で解決しようとアプローチがなされているようです。

その解決策の一つして考えられているのが「完全栄養食」です。

■完全栄養食で考えておくこと

●暇になる時代に忙しい現代人の栄養補給を助ける完全栄養食の存在価値とは?

僕はインスタやFacebookがそろそろ終わると思っている|国光宏尚 gumi (Hiro Kunimitsu)|note(ノート)によれば、AI時代になると、モノを作る作業は人間がやる必要がなくなり、暇になるという仮説が立てられています。

つまり、完全栄養食のアプローチの中には、忙しい現代人の栄養補給を助ける一面がありますが、この仮説が正しければ、この分野での成長率はAI時代の浸透に伴って低くなることが考えられます。

時間が豊かになることで食事をより豊かな方向に求める人が増える可能性があるでしょう。(食糧問題を抜きにしておきます)

●食事には栄養を摂る以外の機能があること

もう一つ考えておくことは、食事には栄養を摂るという機能しかないのかという点です。

食事が不要になる完全栄養食「ソイレント(SOYLENT)」とは?|ソイレントだけを30日間飲み続けたらどうなるか?【動画】

Soylent: How I Stopped Eating for 30 Days

この動画では「ソイレント」だけで30日間生活するという実験を行なったところ、他のものが食べられないというストレスのほかは肉体的には健康に異常は見られなかったそうです。

しかし、本当に栄養だけがとれればいいのでしょうか?

「ソイレント」だけで30日間生活するという実験を行なった男性の健康診断を行った医師によれば、食事は単に栄養を補うだけでなく、人に喜びを与え、社交性を保つものであるとコメントしています。

介護に携わる方に話を聞いた際に驚いたのは、「食べる」という行為が人間にとっての喜びにつながっているという視点です。

高齢者の介護では3分炊き、5分炊きといったように介助レベルに応じて食事を作り、提供するのですが、本当に食事が難しくなると、おかゆの液体部分をすくったようなものを食事として提供するそうです。

そこまでいくと、腹部に穴を開けて胃に直接水分や栄養を送る「胃ろう」を選択してはどうかと考えることもあるそうです。

ただ、大事なのは、食事における噛んだり、飲み込んだりすることの大事さであり、そのことが食べることへの喜びにつながるため、その選択をするのは難しいとのことでした。

【参考リンク】

食事は香りで楽しみ、見て楽しみ、食べて楽しむことのできる一種のエンターテイメントであり、また、コミュニケーションを円滑にするためのツールでもあります。

●そもそも美味しいのか?

そもそも美味しくないと、食を入れ替えるという判断にはなりづらいですね。

BASE FOODがBASE PASTAをリニューアルした理由も一つはおいしくなかったからなのでしょうし、代替肉のBEYOND MEATが注目されているのも「美味しいから」という前提条件があるからです。

■まとめ

完全栄養食市場は、高齢者の低栄養の問題を解決する手段として、健康寿命を延ばす対策の解決手段として、そして、食糧問題を救う一つのアイデアとして魅力的な市場です!

食事の持つエンターテインメントの一面やコミュニケーションを円滑にするためのツールとしての一面を大事にしたところが完全栄養食のトップになるのではないでしょうか?

【追記(2019/7/10)】

「フードテック領域に料理人がほとんどいない」と書かれているnoteがありましたが、やはり前提条件として「そもそも美味しい」がなければ、新しい食・サービスに移行していかないはずです。

完全栄養食を含めたフードテック領域に料理人が活躍することが市場を広げるために欠かせないのではないでしょうか?







完全栄養食だけ生活を6年続けた男性の健康状態とは?




「食事は効率が悪い」 “完全食だけ生活”を6年続ける男性、健康診断は「1個だけC」 管理栄養士に聞くメリ・デメと+αすべき食品(2024/4/24、ABEMA TIMES)では、一日2回ドリンクタイプの完全食とプロテインを混ぜたものを摂取する生活を6年間続けている笠原元輝さん(35)さんの健康状態とその食生活のメリット・デメリットが紹介されています。

健康診断の結果、脂肪が少なすぎたことにより「中性脂肪がC」という結果が出ていますが、現時点では体に異常は見られないようです。

管理栄養士の方によれば、完全栄養食だけの食生活のデメリットとして「咀嚼をしていないこと」が挙げられています。

○人間は唾液を出して咀嚼をすることで胃腸が刺激されて消化吸収が進むのですが、咀嚼をしていないことによって、栄養が消化吸収されていない可能性がある(タンパク質→アミノ酸、炭水化物→糖質のように分解されないと吸収されない)のではないか?

噛む(咀嚼)ことによる3つの健康効果によれば、唾液には消化吸収を助ける成分が含まれていて、噛んだ回数に比例して唾液は分泌されるそうです。

つまり、咀嚼していないことによって消化吸収をされていない可能性があるというわけですね。

○咀嚼には顔の筋肉と骨にも効果がある。骨粗しょう症が顔面に起こると皮膚が寄り、しわやたるみの原因になってくる。

スクレロスチンの値を下げて骨量を増やし骨粗鬆症を予防する方法で紹介した骨が作り替えられるメカニズムについて簡単に説明すると、骨は、新しく強い骨を維持することで疲労骨折などを防ぐために、常に作り替えられていて、大人では3~5年で全身の骨が入れ替わっているそうです。

骨の中には、骨を作る「骨芽細胞(こつがさいぼう)」と骨を壊す「破骨細胞(はこつさいぼう)」があり、この2つの細胞が骨の作り替えを行なっているそうです。

作り替えのペースを指示するのが「骨細胞」であり、「骨細胞」が骨を作る・骨を壊すという「メッセージ物質」によって作り替えの指示を行なっているのですが、作り替えのバランスが崩れると骨粗鬆症を起こしてしまいます。

骨細胞には骨にかかる衝撃を感知するという働きを持っており、その衝撃があるかないかによって、骨を作るペースを決めているそうです。

骨に衝撃がかからない生活をすると、骨を作らないでよいと考えてしまい、骨細胞が「スクレロスチン」を大発生させることによって、骨芽細胞の数を減らし、骨を作ることを休んでしまい、骨量が減ってしまうのです。

骨に衝撃がかからない生活というのは、運動をしないで一日中座っているような生活です。

この話を顔に置き換えてみると、咀嚼をしないこと=骨に衝撃がかからない生活をしているということに入るのだとしたら、影響も少しあるのかもしれませんね。

ただ、【ガッテン】血糖値を下げる!オステオカルシン(骨ホルモン)を増やす「かかと落とし」のやり方|オステオカインが全身の臓器を制御しているによれば、骨には神経細胞のネットワークのように刺激が伝わる性質があるため、刺激が体の骨全体に伝わるため、日ごろから運土をしていればその点はカバーできるのではないでしょうか?

むしろ気になるのは、噛む(咀嚼)ことによる3つの健康効果でも紹介した咀嚼には脳への刺激を増やす働きがあり、よくかむことで、脳の血流がよくなって、記憶力や集中力も高まるそうですが、咀嚼をしないことにより、脳への血流への影響はどう表れるかの方が気になるところです。

【追記(2024年12月11日)】

2024年12月9日放送の『激レアさんを連れてきた。』(テレビ朝日)では、「無駄を排除しまくった結果、6年間ひたすら完全栄養フードの粉を食べて生きてる人」として出演されていました。

咀嚼を必要としない食事を続けた結果、顎の筋肉が衰え始めるなどのデメリットも現れたそうです。

■完全栄養食にプラスするとよい食品

管理栄養士の方によれば、完全食は加工品で菌が入りにくいため、善玉菌を摂らないと腸内環境が悪くなるので、発酵食品を摂るのがおススメなのだそうです。

■まとめ

今回の記事のポイントは「咀嚼」がどれくらい体にとって必要かを問うているところです。

完全栄養食で栄養を取り入れているようでいて、実は咀嚼をしないことにより体に消化吸収されていないのではないかというのは重要な視点でした。

咀嚼をしない生活によって体にどんな影響が現れるのか、それとも現れないのかは気になるところです。

食事が不要になる完全栄養食「ソイレント(soylent)」とは?|ソイレントだけを30日間飲み続けたらどうなるか?【動画】では、「ソイレント」という完全栄養食だけで30日間生活するという実験を行なったところ、他のものが食べられないというストレスのほかは肉体的には健康に異常は見られなかったそうです。

ただ食事には栄養を摂取するということ以外に別の側面があります。

「ソイレント」だけで30日間生活するという実験を行なった男性の健康診断を行った医師によれば、食事は単に栄養を補うだけでなく、人に喜びを与え、社交性を保つものであるとコメントしています。

介護に携わる方に話を聞いた際に驚いたのは、「食べる」という行為が人間にとっての喜びにつながっているという視点です。

高齢者の介護では3分炊き、5分炊きといったように介助レベルに応じて食事を作り、提供するのですが、本当に食事が難しくなると、おかゆの液体部分をすくったようなものを食事として提供するそうです。

そこまでいくと、腹部に穴を開けて胃に直接水分や栄養を送る「胃ろう」を選択してはどうかと考えることもあるそうです。

ただ、大事なのは、食事における噛んだり、飲み込んだりすることの大事さであり、そのことが食べることへの喜びにつながるため、その選択をするのは難しいとのことでした。

【参考リンク】

食事は香りで楽しみ、見て楽しみ、食べて楽しむことのできる一種のエンターテイメントであり、また、コミュニケーションを円滑にするためのツールでもあります。

今回紹介した方は元々食を通じた喜びに関心がないようでしたので当てはまりませんが、食を通じて人とつながっていくというのは面白いものだと個人的には思います。







食事が不要になる完全栄養食「ソイレント(soylent)」とは?|ソイレントだけを30日間飲み続けたらどうなるか?【動画】




■食事が不要になる完全栄養食「ソイレント」とは?

Soylent

by rklopfer(画像:Creative Commons)

食事が不要になる完全栄養食「ソイレント」がついに出荷を開始

(2014/4/27、Gigazine)

<飲むだけで1日に必要な栄養を全て摂取できるという「Soylent(ソイレント)」は、すでに30日間ソイレントだけで過ごした実験レポートも登場しており、本当に食事が不要だったことが証明されています。

飲むだけで一日に必要な栄養をすべて摂取できるというモノを未来を想像した時のイメージとして想像した事がある人も多いかと思いますが、実際にそんな食品「Soylent(ソイレント)」が開発されているそうです。

 

■ソイレントの原材料は?

 「ソイレント」だけを30日間飲んで過ごすとどうなるのか?

(2013/11/13、Gigazine)

ソイレント1週間分は65ドル(約6500円)

ソイレントに含まれているのはエンバク粉・マルトデキストリン・米タンパク質・菜種油・食物繊維・グルコン酸カリウム・ナトリウム・鉄分・亜鉛・塩化物。

おそらく、人間が健康でいられる栄養成分をバランスよく配合しているものだろうと思われます。




■ソイレントで食糧問題を解決する!?

 「ソイレント」だけを30日間飲んで過ごすとどうなるのか?

(2013/11/13、Gigazine)

24歳のラインハートさんは「増え続ける人口を自然から取れる食べ物だけで支えていくのは不可能だと思います。食糧問題を解決するには、何か他のモノが必要。安価で健康的なソイレントは、食料に代わるモノになる可能性を秘めているのです。また、環境問題の解決策になるかもしれません」とソイレントが秘めている可能性について話してくれました。

爆発的に増加している人口を支えていけるだけの食料を作り出すことは不可能だと考えられており、そんな食糧問題を解決する手段としての可能性を秘めているのが「ソイレント」なのだそうです。

【関連記事】

■ソイレントだけを30日間飲み続けたらどうなるか?【動画】

Soylent: How I Stopped Eating for 30 Days

この動画では「ソイレント」だけで30日間生活するという実験を行なったところ、他のものが食べられないというストレスのほかは肉体的には健康に異常は見られなかったそうです。

しかし、本当に栄養だけがとれればいいのでしょうか?

「ソイレント」だけで30日間生活するという実験を行なった男性の健康診断を行った医師によれば、食事は単に栄養を補うだけでなく、人に喜びを与え、社交性を保つものであるとコメントしています。

介護に携わる方に話を聞いた際に驚いたのは、「食べる」という行為が人間にとっての喜びにつながっているという視点です。

高齢者の介護では3分炊き、5分炊きといったように介助レベルに応じて食事を作り、提供するのですが、本当に食事が難しくなると、おかゆの液体部分をすくったようなものを食事として提供するそうです。

そこまでいくと、腹部に穴を開けて胃に直接水分や栄養を送る「胃ろう」を選択してはどうかと考えることもあるそうです。

ただ、大事なのは、食事における噛んだり、飲み込んだりすることの大事さであり、そのことが食べることへの喜びにつながるため、その選択をするのは難しいとのことでした。

【参考リンク】

食事は香りで楽しみ、見て楽しみ、食べて楽しむことのできる一種のエンターテイメントであり、また、コミュニケーションを円滑にするためのツールでもあります。

「ソイレント」だけを食べ続ける生活というものは味気ないものでしょうし、食事におけるコミュニケーションを含めた楽しみを満たすものには成り得ないと思います。

ただ、食糧問題に対してはひとつの解決方法として今後大事になってきそうですね。







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日清のAll-in PASTAは完全栄養食のパスタ!ポイントは「栄養ホールドプレス製法」!




■日清のAll-in PASTAは完全栄養食のパスタ!ポイントは「栄養ホールドプレス製法」!

日清のAll-in PASTAは完全栄養食のパスタ!ポイントは「栄養ホールドプレス製法」!
日清のAll-in PASTAは完全栄養食のパスタ!ポイントは「栄養ホールドプレス製法」!

参考画像:All-in PASTA「All in 篇」60秒|YouTubeスクリーンショット

日清食品のAll-in PASTAは完全栄養食のパスタ!

1.一食に必要な栄養がすべて入っている

2.栄養ホールドプレス製法

ゆでる時に抜け出やすいビタミンやミネラルなどの栄養素を麺の中心に詰めて、小麦ベースの外側の層でパスタを包む製法なのだそうで、動画では「パスタは、栄養を美味しく包む『入れ物』」と表現されています。

■完全栄養食で考えておくポイント

完全栄養食に注目が集まっているのは、偏食や子供の肥満、ヤセの問題などを栄養バランスを整えることにより解決することだけではありません。

爆発的に増加している人口を支えていけるだけの食料を作り出すことは不可能だと考えられており、そんな食糧問題を解決する手段としての可能性を秘めているのが完全栄養食というアイデアです。

ただ、完全栄養食については気になることもあります。

それは、食事とは栄養を摂ることだけが重要なのかという点です。

食事が不要になる完全栄養食「ソイレント(SOYLENT)」とは?|ソイレントだけを30日間飲み続けたらどうなるか?【動画】

Soylent: How I Stopped Eating for 30 Days

この動画では「ソイレント」だけで30日間生活するという実験を行なったところ、他のものが食べられないというストレスのほかは肉体的には健康に異常は見られなかったそうです。

しかし、本当に栄養だけがとれればいいのでしょうか?

「ソイレント」だけで30日間生活するという実験を行なった男性の健康診断を行った医師によれば、食事は単に栄養を補うだけでなく、人に喜びを与え、社交性を保つものであるとコメントしています。

介護に携わる方に話を聞いた際に驚いたのは、「食べる」という行為が人間にとっての喜びにつながっているという視点です。

高齢者の介護では3分炊き、5分炊きといったように介助レベルに応じて食事を作り、提供するのですが、本当に食事が難しくなると、おかゆの液体部分をすくったようなものを食事として提供するそうです。

そこまでいくと、腹部に穴を開けて胃に直接水分や栄養を送る「胃ろう」を選択してはどうかと考えることもあるそうです。

ただ、大事なのは、食事における噛んだり、飲み込んだりすることの大事さであり、そのことが食べることへの喜びにつながるため、その選択をするのは難しいとのことでした。

【参考リンク】

食事は香りで楽しみ、見て楽しみ、食べて楽しむことのできる一種のエンターテイメントであり、また、コミュニケーションを円滑にするためのツールでもあります。

食糧問題についても考えながら、なおかつ食事におけるコミュニケーションを含めた楽しみを満たすものがこれからの課題だと思います。

完全栄養食のパスタはアレンジレシピによって食に変化が生まれるので、食の楽しみの面までを含めたアイデアですね。

また、All-in PASTAには麺とソースがカップにセットされお湯をかけるだけで簡単に調理ができるカップパスタセットもありました。

忙しい現代人でランチ難民だけど、栄養はしっかりと摂りたい人にも助かるものを作り上げているのもすごいです!

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