最近考えているのが、伝統的な和食は健康食といえるのかどうかです。
私たちは和食をすごく健康的な食事と考えていますが、一つ一つを考えてみると、気になる弱点があることに気づくんです。
■日本の食事の3つの弱点
1)野菜の摂取量が意外と少ない
伝統的な和食の「一汁三菜」では、小鉢で野菜を摂るスタイルが多いですが、一口・二口程度の量になりがちで、1日の目標量(350g)に届かないケースが多々あります。
煮物やお浸しなど加熱調理が多く、ビタミンCや一部の酵素・B群などの熱に弱い栄養素や水溶性ビタミンが失われやすい側面があります。
また、漬物による野菜摂取は塩分過多の要因になります。
韓国の方に生野菜・茹で野菜(ナムルなど)をジャンで食べる習慣が一般的と聞いたことがあります。日本では野菜の煮物やお漬物が多いですよね。日本では衛生面や寄生虫(下肥の使用)の理由から野菜を生で食べる習慣はほとんどなく、加熱か漬物が基本だったみたいです。https://t.co/STfbdKpIV6
— ばあちゃんの料理教室【70代おばあちゃんの旬の料理】舶来堂🍳💓 (@hakuraidou) August 28, 2026
2)煮物や調味料による「隠れ砂糖」と「塩分過多」
実は和食の大きな特徴であり弱点でもあるのが「塩分」と「砂糖(みりん含む)」の多さです。
煮物、照り焼き、すき焼き、寿司飯、つゆ・タレ類には、旨味を引き立てるためにかなりの量の砂糖と塩を使います。
塩分過多は高血圧や胃がんのリスクを高め、甘辛い味付けによる糖質の過剰摂取は血糖値の急上昇(スパイク)を招きます。
韓国の方に生野菜・茹で野菜(ナムルなど)をジャンで食べる習慣が一般的と聞いたことがあるんですが、日本では火を通したもの(焼く、煮る)が多いですよね。味付けも実は日本は甘じょっぱいが独特。このあたりの食文化の違い・背景・成り立ちが気になります。https://t.co/STfbdKpIV6
— ばあちゃんの料理教室【70代おばあちゃんの旬の料理】舶来堂🍳💓 (@hakuraidou) August 27, 2026
3)タンパク質の不足(特に伝統的な献立)
昔ながらの一汁一菜に近い和食は、魚や豆腐・納豆などの大豆製品が中心で、質は良いものの絶対量が不足しがちです。
特に高齢者や運動習慣のある人にとっては、筋肉量を維持するためのタンパク質が足りず、フレイル(加齢による虚弱)の原因になることがあります。また、朝食でのタンパク質不足は体内のリズムや代謝の低下にも繋がります。
タンパク質の少ない朝食の場合は、時計遺伝子はリセットされず、内臓の機能も低下したまま。脳は体が飢餓状態にあると判断。昼食をとると、飢餓状態に対応するため、体内に脂肪をため込む機能がスタート。脂肪がエネルギーとして消費されず、コレステロール量が増加。https://t.co/1ZalXBVxSn
— ばあちゃんの料理教室【70代おばあちゃんの旬の料理】舶来堂🍳💓 (@hakuraidou) September 2, 2026
■ 和食が「健康食」と評価される要素
もちろん日本食、和食には健康食、長寿食と評価される要素があります。
●PFCバランスの優位性
精製油脂の使用量が少なく、脂質エネルギー比率が控えめで、肥満になりにくい(低脂質・高炭水化物)。
●発酵食品の豊富さ
味噌、醤油、納豆、漬物など、腸内環境を整える多種多様な発酵食品を日常的に摂取できる。
●魚介類(n-3系多価不飽和脂肪酸)
青魚に含まれるEPA・DHAの摂取頻度が高く、心血管疾患の予防に寄与する。
●水溶性食物繊維
昆布やわかめなどの海藻類、大豆、根菜類から質の良い食物繊維が摂れる。
伝統的な和食の長寿食として優れたポイントは大豆と魚の組み合わせ。
これは他の地域の食にない優れたポイントといえます。
→ オメガ3脂肪酸|オメガ3の効果・効能・食べ物(オイル)・ダイエット について詳しくはこちら
長寿の基盤として優れている伝統的な大豆・魚+適塩のパターンに生野菜(や多様な野菜)を意識的に加えることで、カリウム・食物繊維・熱に弱いビタミンなどの面でさらに補強できる可能性が高いです。「まごわやさしいよ」を意識しながら食事をしてみてはいかがでしょうか?https://t.co/Ukkgj0T2tK
— ばあちゃんの料理教室【70代おばあちゃんの旬の料理】舶来堂🍳💓 (@hakuraidou) August 28, 2026
【関連記事】
■地中海式食事との比較
科学的根拠(エビデンス)の蓄積という点では、現時点で地中海式食事法が世界で最も高く評価されている食事パターンの一つです。
●健康的な加齢に最も効果的だった食事は健康に良い食品を積極的に食べ、悪い食品を控える食事パターンだった!で紹介した「Nature Medicine」に掲載された研究によれば、健康的な加齢(老化)に最も効果的だった食事パターンとして紹介されたのが、健康に良い食品を積極的に食べ、悪い食品を控えることを目指した食事パターン「AHEI(Alternative Healthy Eating Index)」です。
【健康的な老化を助ける食品】
- 果物、野菜、全粒穀物(玄米や全粒パン)
- 不飽和脂肪酸(オリーブオイルや青魚の脂肪)
- ナッツ、豆類、低脂肪乳製品
●炎症を引き起こす食事をしている人は認知症のリスクが高い!によれば、地中海式ダイエット(野菜、果物、魚、オリーブオイルなどが中心)など健康的な食事をしている人は認知症のリスクが低く、反対に炎症を引き起こす食事をしている人は認知症のリスクが高いことがわかりました。
■地中海式食事法が推奨される理由
●心血管疾患(心筋梗塞・脳卒中)の発症・死亡リスク低下
●2型糖尿病の発症予防および改善
●認知機能低下の抑制・認知症予防
【伝統的な和食】
・脂質少なめ(魚の油、植物油微量)
・塩分高い(味噌汁、醤油、漬物)
・野菜は中程度、果物は控えめ
・精白米(白米)が中心
・魚介・大豆製品
【地中海式食事】
・エクストラバージンオリーブオイル(豊富)
・塩分低い(ハーブやスパイス、レモンで味付け)
・野菜・果物・ナッツ類が極めて豊富
・全粒穀物(パン、パスタ、雑穀)
・魚介・鶏肉・豆類(赤肉は控えめ)
地中海式食事が良い理由は、オリーブオイルやナッツ類による質の良い脂質(オレイン酸・抗酸化物質)と、豊富な生の野菜・果物・全粒穀物、そして塩分が低いことにあります。
調べてみると、食生活が乱れがちな人や運動不足の人ほど、ナッツを食べる恩恵を受けやすい傾向にあるそうです。ナッツには抗酸化物質やオメガ3脂肪酸などが豊富に含まれているので、毎日の食生活にナッツ(アーモンド、クルミ、カシューナッツなど)を取り入れたいですね。https://t.co/vNK8XovreV
— ばあちゃんの料理教室【70代おばあちゃんの旬の料理】舶来堂🍳💓 (@hakuraidou) September 2, 2026
調べてみると、臓器ごとに老化の転換点が違っているって驚きですね。炎症の高まりが共通の特徴なので、抗炎症食品を摂るような生活習慣で炎症を抑える対策が、将来の健康寿命延伸につながる可能性がありそうです。https://t.co/65GL459TUZ
— ばあちゃんの料理教室【70代おばあちゃんの旬の料理】舶来堂🍳💓 (@hakuraidou) September 2, 2026
『トークィーンズ』でLE SSERAFIMのSAKURAさんはインナーケアを意識しはじめてから化粧のノリや、朝の寝起きにもいい影響が出ているそうです。トマトジュースとオリーブオイル(抗酸化)とレモン汁を混ぜて飲む朝の習慣、水を飲む大切さに気づき意識的に飲む。https://t.co/KDhvqFCSQ5
— ばあちゃんの料理教室【70代おばあちゃんの旬の料理】舶来堂🍳💓 (@hakuraidou) August 30, 2026
食事が認知症のリスクにどう影響するかを調べた研究によれば、地中海式ダイエット(野菜、果物、魚、オリーブオイルなどが中心)など健康的な食事をしている人は認知症のリスクが低く、反対に炎症を引き起こす食事をしている人は認知症のリスクが高いことがわかりました。https://t.co/VkMPgkqjGw
— ばあちゃんの料理教室【70代おばあちゃんの旬の料理】舶来堂🍳💓 (@hakuraidou) August 28, 2026
【関連記事】
■まとめ
今回の話は「和食が悪いから、地中海式の食事に切り替えよう」という話ではありません。
和食にも地中海式の食事にもそれぞれ素晴らしい強みがあり、また地中海式の食事が日本人の体質にそのまま合うのか、食文化として無理なく続けられるかという視点も大切です。
大切なのは、日本の伝統的な和食の長所(魚介類、大豆製品、発酵食品)を生かしつつ、地中海式食事の良さ(良質な油、豊富な生野菜・果物・ナッツ、減塩の工夫)を取り入れた「進化系和食」を作っていくことではないでしょうか。
例えば、
・白米に玄米、雑穀、もち麦を混ぜて食物繊維とミネラルを補う。
・味付けは砂糖や塩分を控え、出汁(昆布・かつお・干し椎茸)を効かせたり、酢や薬味、ハーブ・スパイスを活用する。
・魚や豆腐に加えてお肉類や卵も適量取り入れ、生野菜や蒸し野菜で全体的な野菜量を増やす。
・炒め物や仕上げのひと回しに、エクストラバージンオリーブオイルやオメガ3系のオイルを取り入れる。
エストロゲンには抗炎症作用があり、閉経でそれが失われると慢性炎症が広がり、病気のリスクが高まる!でも紹介したように、加齢とともに体内の慢性炎症対策は非常に重要になってきます。
和食がもつ良質なタンパク質や発酵食品のベースに、地中海式が得意とする抗炎症食材(オリーブオイル、ナッツ、生野菜など)をプラスして、日々の食事から賢く健康寿命を延ばしていきたいですね。
【関連記事】
「本記事は医療行為の代替ではなく、テレビ・論文・公的資料を一般の生活者向けに噛み砕いたものです」
この街を初めて訪れた方へ
この記事は、例えるなら「ばあちゃんの料理教室(ハクライドウ)」という街の中の「ひとつの家」です。
この街には、生活・料理・健康についての記事が、
同じ考え方のもとで並んでいます。
ここまで書いてきた内容は、
単発の健康情報やレシピの話ではありません。
この街では、
「何を食べるか」よりも
「どうやって暮らしの中で調整してきたか」を大切にしています。
もし、
なぜこういう考え方になるのか
他の記事はどんな視点で書かれているのか
この話が、全体の中でどこに位置づくのか
が少しでも気になったら、
この街の歩き方をまとめたページがあります。
▶ はじめての方は
👉 この街の歩き方ガイドから全体を見渡すのがおすすめです。
▶ この街の地図を見る(全体像を把握したい方へ)
※ 無理に読まなくて大丈夫です。
気になったときに、いつでも戻ってきてください。
この考え方の全体像(意味のハブ)
この記事で触れた内容は、以下の概念記事の一部として位置づけられています。
▶ 料理から見る健康
この街の考え方について
この記事は、
「人の生活を、断定せず、文脈ごと残す」
という この街の憲法 に基づいて書かれています。
▶ この街の中心に置いている憲法を読む


