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タウリンが老化細胞の除去を促すことを発見!健康寿命の延伸につながる可能性




タウリンが老化細胞の除去を促すことを発見~健康寿命の延伸へつながる可能性~(2026年7月28日、大正製薬)によれば、タウリンが、老化細胞の除去を促すことがわかりました。

■わかったこと

タウリン(魚介類などに多く含まれるアミノ酸の一種)が、老化細胞を除去する働きがあることを実験で明らかにしました。

つまり、タウリンの「抗老化作用」の仕組みの一つを解明した研究です。

■背景

年齢を重ねると、体の中に老化細胞が少しずつ溜まっていきます。

老化細胞は、ストレスなどで傷ついた細胞が「老化」した状態で、正常な細胞とは違います。

この細胞は周囲に炎症を引き起こす物質を出して、体のあちこちで不調や病気を引き起こす原因になります(動脈硬化、糖尿病など)。

最近の老化研究では、「老化細胞を除去すれば健康寿命を延ばせる」というアプローチが世界的に注目されています。

特に老化した免疫細胞を除去できれば感染症予防や全身の老化防止につながると考えられています。

■実験内容

免疫細胞の一種であるマクロファージ(異物を食べる細胞)を薬で老化させて実験しました。

■結果

〇タウリンを加えると、老化したマクロファージだけの生存率が低下した(正常な細胞にはほとんど影響なし)。

〇老化の目印(p21というタンパク質)を持つ細胞の割合が、タウリンで明らかに減少。

■まとめ

つまり、タウリンは老化細胞を選択的に除去する方向に働くことが示されました。

→ タウリンの効果・効能|タウリンの多い食品・食べ物 について詳しくはこちら

■補足

老化の主要因(細胞老化、ミトコンドリア機能低下、DNA損傷など)に着目し、 タウリンについては、タウリン欠乏が細胞老化を促進し、ミトコンドリア機能低下や幹細胞枯渇を引き起こし、補給により細胞保護、抗酸化、老化プロセス抑制が期待され、動物実験では健康寿命・寿命延伸の可能性を示唆されています。

大正製薬の研究は「老化細胞の除去」という具体的な作用を免疫細胞で実証した点が新しいです。

つまり、タウリンが老化細胞の蓄積を防ぎつつ、既存の老化細胞も減らす多角的な効果を持つ可能性が出てきました。

【参考文献】

  • Thukral J, Moudgil P, Maheta D, Agrawal SP, Kaur H, Thukral N, Frishman WH, Aronow WS. Taurine and Berberine: Nutritional Interventions Targeting Cellular Mechanisms of Aging and Longevity. Cardiol Rev. 2025 Feb 19. doi: 10.1097/CRD.0000000000000885. Epub ahead of print. PMID: 39969164.
  • Singh P, Gollapalli K, Mangiola S, Schranner D, Yusuf MA, Chamoli M, Shi SL, Lopes Bastos B, Nair T, Riermeier A, Vayndorf EM, Wu JZ, Nilakhe A, Nguyen CQ, Muir M, Kiflezghi MG, Foulger A, Junker A, Devine J, Sharan K, Chinta SJ, Rajput S, Rane A, Baumert P, Schönfelder M, Iavarone F, di Lorenzo G, Kumari S, Gupta A, Sarkar R, Khyriem C, Chawla AS, Sharma A, Sarper N, Chattopadhyay N, Biswal BK, Settembre C, Nagarajan P, Targoff KL, Picard M, Gupta S, Velagapudi V, Papenfuss AT, Kaya A, Ferreira MG, Kennedy BK, Andersen JK, Lithgow GJ, Ali AM, Mukhopadhyay A, Palotie A, Kastenmüller G, Kaeberlein M, Wackerhage H, Pal B, Yadav VK. Taurine deficiency as a driver of aging. Science. 2023 Jun 9;380(6649):eabn9257. doi: 10.1126/science.abn9257. Epub 2023 Jun 9. PMID: 37289866; PMCID: PMC10630957.

    この論文で、タウリン補給が老化マーカー減少、DNA損傷抑制、ミトコンドリア改善などを示しています。

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血中の長鎖オメガ3脂肪酸(EPA、DPA、DHA)が高いと、がんや心臓病などの死亡リスクが下がり、健康寿命が延びる可能性!




Nature communications誌に掲載された研究によれば、血中の長鎖オメガ3脂肪酸(EPA、DPA、DHA)が高いと死亡リスクが下がることがわかりました。

【参考リンク】

■どんな研究?

この研究は、オメガ3脂肪酸(特に魚に多く含まれるEPA、DPA、DHAと、植物由来のALA)が人の血中濃度と、死亡リスク(全体の死亡や、心血管疾患、がん、その他の原因による死亡)の関係を調べたものです。

17の前向きコホート研究(長期間にわたって人を追跡調査する研究)のデータをまとめて分析し、42,466人の参加者を対象に、16年間(中央値)の追跡期間で15,720人の死亡を調べました。

■オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は、健康に良いとされる脂質の一種で、以下のような種類があります:長鎖オメガ3脂肪酸(EPA、DPA、DHA):主に魚や魚油に含まれる。心臓病のリスクを下げる可能性があると注目されています。

α-リノレン酸(ALA):植物油(例:亜麻仁油)やナッツに含まれるが、効果は長鎖オメガ3ほど強くないとされています。

■この研究の主なポイント

●血中の長鎖オメガ3脂肪酸が高いと死亡リスクが下がる

血中のEPA、DPA、DHAの濃度が最も高いグループ(上位20%)は、最も低いグループ(下位20%)に比べて、全体の死亡リスクが15~18%低いことがわかりました。

具体的には、心血管疾患(心臓病や脳卒中)、がん、その他の原因による死亡リスクも低下していました。

例えば、EPA+DHAの高い人は、全体の死亡リスクが約13%減少し、心血管疾患による死亡リスクも同様に低下。

●ALA(植物由来のオメガ3)は効果が弱い

植物由来のALAは、死亡リスクの低下とほとんど関係がありませんでした。これは、ALAが体内でEPAやDHAに変換される効率が低いためと考えられます。

■まとめ

○長鎖オメガ3脂肪酸(EPA、DPA、DHA)の血中濃度が高い人は、全死亡リスクや心血管疾患、がん、その他の死亡リスクが有意に低いことがわかりました。

これは、魚や魚油を多く摂ることで、これらの脂肪酸の血中濃度が上がり、健康寿命が延びる可能性を示唆しています。

○ALAは効果がほとんど見られなかったため、魚やサプリメントから直接EPAやDHAを摂取する方が効果的と考えられます。

つまり、今回の研究を参考にすれば、魚(特にサバ、サーモン、イワシなど)を食べたり、必要に応じて魚油サプリメントを摂ることで、心臓病やがんによる死亡リスクを下がる可能性があるので、積極的に摂っていきましょう。

→ オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸の血中濃度が高い人はがんの発症リスクが低い! について詳しくはこちら

→ オメガ3の効果・効能・食べ物 について詳しくはこちら

→ DHA・EPAを含む食品 について詳しくはこちら







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抗老化タンパク質「デルワン(DEL-1)」の増やし方(食材)とは?/カズレーザーと学ぶ。




2025年1月14日放送の「カズレーザーと学ぶ。」のテーマは「2025年イイ顔になる最新科学」でした。

今回気になったのは、新潟大学・前川知樹教授が解説した抗老化タンパク質「デルワン(DEL-1)」です。

【目次】
■スキンケアだけでは老化は防げない!
■デルワンとは?
■デルワンを増やす方法
■デルワンサプリ

■スキンケアだけでは老化は防げない!

老化細胞が肌の中で増えてしまうと、体の外から行う通常のスキンケアではその細胞を取り除くことが難しいため、シミシワの原因となってしまいます。

そこで必要になるのが体の中からのアプローチであり、そのカギとなるのが抗老化タンパク質「DEL-1」です。

DEL-1をコントロールすることができれば、肌の再生力もアップし、肉体も若返る可能性があるそうです。

■デルワン(DEL-1)とは?

デルワン(DEL-1; Developmental Endothelial Locus-1)とは、おもに血管の内皮細胞から産生される抗炎症作用をもつタンパク質です。

デルワンは主に血管内皮細胞から出てきて体の中をぐるぐると回っており、炎症を抑える役割があることが発見されています。

デルワンは腎臓や腸管、神経系でたくさん作られていて、再生もでき、肌にも効果的なのだそうです。

デルワンは老化細胞に「(免疫細胞に)食べてくれ!」という自らの除去をお願いするシグナルを出すことを判断/指令してくれることで、細胞の再生を促進することがわかりました。

デルワンの産生量は加齢とともに減少して、30-40代から激減します。

老化細胞が増えると、炎症性サイトカインが出てきて、DEL-1を抑制して、悪循環を起こします。

また、若返りの効果もあり、歯を支える骨を再生してくれます。

老化すると、破骨細胞(骨を溶かす細胞)が活性化すると同時に骨を作る機能が少しずつ遅れてきて、破骨細胞のほうが強くなってくると、骨粗しょう症のようになります。

デルワンは骨を壊す細胞に対して強力に作用して抑え、骨芽細胞に働きかけて骨の再生を手助けすることがわかってきました。

デルワンの数値が高いとスキンケアの反応が良いそうです。

肥満になるとデルワンは下がる。デルワンを欠損させたマウスは太っている。

【参考リンク】

■デルワン(DEL-1)増やす方法

デルワンを増やすにはバランスのいい食事と適度な運動が効果的。

●デルワン(DEL-1)を増やす食材

デルワンを増やす食材は、オメガ3脂肪酸を含む食品。

オメガ3脂肪酸がDEL-1を上げてくれることがわかってきた。

10歳の高齢サルにオメガ3脂肪酸を与える実験ではDEL-1発現量が4か月後には約1.5倍に増加しました。

オメガ3脂肪酸が多い食材として番組で紹介したのが、亜麻仁油やサバですが、他にもクルミやえごま油が有名ですね。

→ オメガ3脂肪酸を含む食品 について詳しくはこちら

■デルワンサプリ

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【補足】

筋肉量が多い人ほど顔のシミやシワ、毛穴の目立ちが少ない!マイオネクチンがメラニンの生成を抑えている!|ポーラ化成で紹介したポーラ化成工業が行ったゲノム研究(GWAS)によれば、シミができない体質の人は、生まれつき筋肉の性質が異なる可能性があること、また、体重当りの体幹と下半身の総筋肉量が多い人ほど、顔のシミが少ないことが分かったそうです。

また、筋肉で作られる「マイオネクチン」が血液成分として皮膚に運ばれ、シミのもとであるメラニンの生成を抑えていることが示唆され、さらには、体の筋肉量が多いほど、シワ、毛穴の目立ち、色ムラなどが少ないことも明らかになったことから、美肌体質の秘密は、筋肉がカギを握っている可能性があるようです。

今回の番組では運動とデルワンの関係については説明がなかったのですが、筋肉量が多い人ほどど顔のシミやシワ、毛穴の目立ちが少ないことから、もしかすると筋肉とデルワンにも関係もあるのかもしれませんね。

【参考リンク】

減少した DEL-1 発現は、抗炎症作用をもつオメガ3脂肪酸であるリゾルビンを作用させることで、定常状態まで回復させることができた

■まとめ

以前オメガ3の美肌効果については次のように紹介しました。

オメガ3の美肌効果|オメガ3を摂取するとなぜ美肌になるのか?|摂取量の目安によれば、オメガ3が十分にあると、オメガ3は血管にも作用し、血管を拡張する力を持っているため、血流を改善することにより、血液の循環はとてもスムーズです。

その結果、肌には栄養分が運ばれていくことにより、皮膚の細胞の新陳代謝を活発にして、肌を美しくしてくれると考えられます。

しかし、血液中にオメガ3が不足すると、栄養分の運搬が滞ってしまいがちになり、新陳代謝が活発ではないため、肌が荒れてしまうと考えられます。

麻布大学の守口徹教授によれば、オメガ3が細胞にあると本来の細胞の機能が維持でき、皮脂の供給などすべてがバランスよくいくそうです。

また、分泌を促してくれる下の方の細胞にオメガ3がないと指令が来なくなるそうです。

→ EPAを摂ると、赤血球がしなやかになり、顔色が良くなり、目の下のクマがなくなる!【美と若さの新常識】 についてくわしくはこちら

今回の記事を参考にして考えると、オメガ3を摂ることで抗老化タンパク質「デルワン(DEL-1)」が増えて、肌の衰えやシワ、シミの原因となる「老化細胞」を取り除き、肌の再生を助ける役割を果たしているため美肌になっていると考えられるんですね。

→ オメガ3脂肪酸を含む食品 について詳しくはこちら

【追記】

2025年5月29日放送の「ひるおび!」で新潟大学・前川知樹教授が解説し、抗老化タンパク質「デルワン(DEL-1)」が健康寿命を延ばすことに期待されるそうです。

→ 健康寿命を延ばすカギ!?デルワン減少チェックリスト【ひるおび】

→ 抗老化タンパク質「デルワン(DEL-1)」で若返り!デルワンを増やす方法とは?【ホンマでっかTV】 について詳しくはこちら







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この記事で触れた内容は、以下の概念記事の一部として位置づけられています。

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健康寿命を延ばすカギ!?デルワン減少チェックリスト【ひるおび】




2025年5月29日放送の「ひるおび」のテーマは「健康寿命を延ばす鍵!?デルワン(DEL-1)」でした。

解説:新潟大学・前川知樹教授

■デルワンとは?

デルワンとは、腎臓・腸管・血管・眼・脳神経で作られ、全身を巡り(脳のデルワンは脳にとどまる)炎症を抑えるたんぱく質です。

最近の研究で、デルワンは体内にある唯一の抗老化タンパク質であることがわかっています。

40代の年齢が同じ人の肌を比べてみても、「デルワン(DEL-1)」が多い人は肌ツヤがよくシミも少ないことが分かっています。

■デルワンの働き

●デルワンが老化細胞に自らを除去するように指令を出す。

●指令を出された老化細胞は、死ぬと同時に「食べてくれ」というシグナルを出す。

●免疫細胞と呼ばれるマクロファージが老化細胞を食べることで元気な細胞だけが残る。

デルワンは年齢とともに減少し、特に40代で激減していき、老化細胞がどんどん増え、炎症が起きると傷や病気が治りにくくなり、様々な病気の要因となってしまいます。

「なかなか傷が治りにくい」「風邪をひいたら治りにくい」というの「老化」のせいだと思われていたものが、実はデルワンが減少しているせいではないかということが最近の研究でわかってきました。

■デルワン(DEL-1)は健康寿命を延ばす鍵!?

歯周病・歯槽膿漏が起きると骨が溶けるのですが、歯周病のマウスに対してデルワンを投与すると骨の再生と、骨の吸収が抑制されます。

サルを使った実験でもデルワンを投与すると非常に炎症と腫れが改善するような効果が見られたそうです。

さらに、通常マウスは600〜800日で寿命を迎えますが、デルワンの値が常に高いマウスは800日〜1000日以上生きるなど、デルワンが全身の再生に関わっている可能性があり、健康寿命を延ばす鍵となると考えられています。

■デルワン減少チェックリスト

  1. □シミ・そばかす・シワ・たるみが増えた
  2. □傷やニキビ跡が治りにくい
  3. □目が見えづらくなった
  4. □疲れやすい、疲れが取れない
  5. □骨が痛む、骨折しやすくなった
  6. □歯や口の中に関する異常や違和感が増えた
    (痛み、乾き、口臭など)
  7. □急激な体重の増減があった
  8. □高血圧・血圧が高め

デルワンが一番よく作用するのは骨や歯の周りなので、デルワンが低くなると一番影響が出てくるのが、この中で注意すべきは(5)(6)。

■デルワンを増やす食材は「オメガ3」

DEL-1を増やす食材は、オメガ3脂肪酸を含む食品。

オメガ3脂肪酸がDEL-1を上げてくれることがわかってきました。

前川教授の実験では、毎日の食事に『オメガ3脂肪酸』サプリを与えたサルは、4か月後に「DEL-1」が約1.6倍になったという結果もあります。

オメガ3脂肪酸は体内で合成できない必須脂肪酸で欠乏すると皮膚炎などを発症します。

●αリノレン酸を含む食品
えごま油
・アマニ油
・クルミ

DHA・EPA
・サバ・イワシ・アジ・マグロ

→ オメガ3脂肪酸を含む食品 について詳しくはこちら

■デルワンサプリ

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長崎県産えごま油(50g)
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→ 抗老化タンパク質「DEL-1(デルワン)」の増やし方(食材)とは?【カズレーザーと学ぶ。】 について詳しくはこちら

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歩くのが遅い人は寿命が短い?速く歩く人は健康寿命が長い!




■「速く歩く人は健康寿命が長い!」という研究論文

ある研究では、アメリカの看護師さんたち(13,535人)で大きな病気はなく、70歳以上まで生きてた人たちを対象に、「中年(40~50代くらい)でどのくらい運動するか(特に歩くスピードに着目)が、70歳以上になっても元気でいられるかどうかに影響するのか?」かどうかについて調べました。

※ちなみに、「元気に生きる」とは、大きな病気がない・頭がしっかりしてる(認知症じゃない)・体が自由に動く(障害がない)・心も元気(うつとかがない)とします。=サクセスフルエイジング

普段の歩くスピードを聞いて、のんびり(時速3km以下)/普通(時速3~5km)/速い(時速5~6km)/めっちゃ速い(時速6km以上)で分類し、70歳以上になったときに「元気かどうか」をチェックして、歩くスピードと健康状態の関係を統計で分析しました。

その結果わかったのは、歩くスピードが速い人ほど、70歳以上になっても健康でいられる確率が高いということです。

たとえば、のんびり歩く人に比べて、速く歩く人は1.5倍くらい「健康に年を取れる」可能性が高い。

この研究論文からわかることは、中年で歩くスピードが速い人は、70歳以上になっても健康でいられる可能性が高いことであり、運動は歩くだけでも効果があるので、いつもよりちょっと速めに歩く習慣をつけることが将来の自分の健康への投資にあるのではないでしょうか?

■【補足】サクセスフルエイジングとは?

論文で使われてる「サクセスフルエイジング(成功した老化)」とは、簡単に言うと、「年を取っても元気で、健康で、楽しく生きること」を指していて、論文ではもっと具体的に定義されています。

サクセスフルエイジングの定義は「70歳以上になっても心も体も頭も健康な状態」で、具体的には、4つの条件を全部クリアしてる人を「サクセスフルエイジング(成功した老化)達成者」と呼んでいます。

1)大きな病気がない
10種類の慢性疾患(がん、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中、腎不全、パーキンソン病、慢性肺疾患など)や心臓の手術(冠動脈バイパス移植手術)の履歴がないこと。

2)認知機能が正常
頭がしっかりしてる、認知症とかがない状態。

3)体がちゃんと動く
身体的な障害がないこと。たとえば、日常生活で中程度の活動(歩いたり買い物したり)が問題なくできる、もっとハードな動き(走ったり重いもの持ったり)にも制限が少ない状態。

4)メンタルが安定してる
精神的に健康で、うつとかがない状態。

サクセスフルエイジングの考え方は、RoweとKahnって研究者が提唱した概念が元になっていて、単に「長生きする」だけじゃなくて、「健康で自立して、質の高い生活を送れる」ことを目指しています。

つまり、サクセスフルエイジングという考え方は、健康寿命を考えるうえで大事な視点になります。

サクセスフルエイジングの考え方を参考にして今回の研究を改めて考えてみると、70歳以上まで生きてても、「病気なし、頭も体も心も元気」という人はそんなに多くないですが、歩く速度が速い人はサクセスフルエイジングを達成しやすい、わかりやすく言えば、年取っても自分のやりたいことできる状態である可能性が高いので、若いうちから速く歩くようにすることが健康寿命を延ばす一つの方法と言えそうです。

【参考リンク】

■歩くスピードが速い高齢者は長生きする傾向がある

65歳以上の34,485人を対象に、歩行速度と生存率の関係を統計で分析した結果、歩くのが速い人は生存率が高いことがわかりました。

具体的には、歩行速度が0.1m/s(時速0.36km)速くなるごとに、死亡リスクが12%下がったそうです。

この研究結果を参考にすると、歩行速度が高齢者の生存率を予測するのに使える可能性があります。

【参考リンク】







P.S.

速く歩くことができる人というのを、少し別の視点から見てみると、速く歩いても転倒しない人と考えられるのではないかと思うです。

それは、筋力の衰えから歩行速度が遅くなるともいえるかもしれませんが、筋力が衰えると転倒しやすくなるため、転倒を避けるために速く歩くことを避ける人もいるのではないでしょうか?

またなぜ運動能力が高い人が転倒するの?注意をうまく分散できる人は転びにくい!【たけしの家庭の医学】によれば、運動能力の高い高齢者でも転倒してしまうことがあるそうで、注意をうまく分散できるヒトは転びにくく、転倒ローリスク者は、先読みして移動を行い、より遠くまでの移動経路がプログラムされた状態だとも考えられます。

先ほどのサクセスフルエイジングの考え方を少し参考にすれば、体がちゃんと動くことも大事ですが、認知機能も大事であり、物事を先読みしたり、注意をうまく分散するというのも、速く歩くうえで大事な能力であると考えれば、歩行速度の速さが認知機能と関連する材料とみてもよいのかもしれません。

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