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音楽を聴いて鳥肌が立つ人は特別な脳の構造の持ち主かもしれない!?|音楽を聴いて感動している時に脳ではどんな変化が起きている?




【目次】

■音楽を聴いて鳥肌が立つ人は特別な脳の持ち主かもしれない!?

Woman with Headphone

by Sascha Kohlmann(画像:Creative Commons)

If You Get the Chills From Music, You May Have a Unique Brain

(2017/2/27、Neuroscience News)

The study, done while he was an undergraduate at Harvard University, found that people who get the chills from music actually have structural differences in the brain. They have a higher volume of fibers that connect their auditory cortex to the areas associated with emotional processing, which means the two areas communicate better.

この研究を簡単にまとめると、音楽を聴いて鳥肌が立つ人は、脳内に構造的な違いがあり、聴覚野と感情処理に関連する領域に接続する繊維の量が多いために、2つの領域がよりコミュニケーションしていることをわかったそうです。




■音楽を聴いて鳥肌が立つときに脳ではどんな変化が起きている?

「ピアニストの脳を科学する」(著:古屋晋一)では、音楽を聴いて鳥肌が立つ(感動する)というときの脳の働きについて、PETと機能的MRIという2つの脳画像診断装置を使って調べた研究が紹介されています。

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まず、PETを用いることで明らかになったのは、お気に入りの音楽を聴いて感動しているときには、線条体という脳部位から、ドーパミンといって、脳が報酬を与えられたときに出す神経伝達物質がたくさん分泌されていることでした。

次に、機能的MRIを使って、線条体の働きが時間と共にどのように変化するかを調べたところ、線条体の中でも尾状核という部位は、感動する直前に活動が上昇していたのですが、一方で側坐核という部位は、まさに感動しているその最中に活動が上昇していました。

側坐核というのは「快楽中枢」とも呼ばれており、まさに鳥肌が立っているときに働く脳部位です。

お気に入りの音楽を聴いていて、「鳥肌」の快感をより強く感じるときほど、側坐核からドーパミンがよりたくさん分泌されていました。

一方、鳥肌が立つ回数が多いほど、その直前に何度も尾状核からドーパミンが分泌され、尾状核の総活動量は大きくなりました。

お気に入りの音楽を聴いて感動しているときには、線条体からドーパミンが分泌されており、また、快楽中枢とも呼ばれ、鳥肌が立っているときに働く脳部位である側坐核から鳥肌の快感をより強く感じるときほど、ドーパミンが多く分泌されていることがわかったそうです。

また、尾状核は感動する直前に活動が上昇し、鳥肌が立つ回数が多いほど、その直前に尾状核から何度もドーパミンが分泌されていることがわかったそうです。

つまり、尾状核は音楽を聴いて感動する直前であらかじめ音楽に対する感動を予測してドーパミンを出し、そして側坐核から感動によってドーパミンが出ているということです。

■まとめ

音楽を聴いて鳥肌が立つという人は、特別な脳の持ち主であり、脳は音楽で感動する直前とその感動によって、尾状核と側坐核からドーパミンが出ていると考えられます。

女性を美しくする4つの恋愛ホルモンによれば、ドーパミンはフェニルエチルアミンによって分泌が促される物質で、ドーパミンが分泌されると、やる気が出たり、活き活きとしてくるそうです。

女性はホメられるとキレイになるによれば、ストレスホルモンを減らし、ドーパミンが出ることで積極的になるそうです。

●ホメられることによって、「報酬系」と呼ばれる脳の部位が活性化し、元気になったりイキイキしてくる

●「エストロゲン」と呼ばれる女性ホルモンがたくさん分泌し、肌のコンディションが良くなる

●自信が出る

●ストレスホルモンを減らし、ドーパミンが出ることで積極的になる

つまり、音楽を聴いて鳥肌が立つという人は、音楽によってドーパミンが分泌されることにより、やる気が出たり、自信が出たり、キレイになると考えられますので、積極的にお気に入りの音楽を聴くようにしましょう!







【参考リンク】
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恋は感情ではなく、動物的な衝動|恋愛の脳領域

Dari & Dương

by Khánh Hmoong(画像:Creative Commons)




先日テレビで紹介された一つのテーマに興味を持ちました。

そのテーマはこちらの記事。

社交的な人気者は早死にする・友達の数は150人が限界・Facebookで友達が多いと脳が発達・男女の友情は成立しない|ホンマでっか 11月30日

■脳科学的に男女の友情は成立しない!?

友情の脳領域と恋愛の脳領域は離れている

特に男性は女友達と思っていても恋愛の脳領域が活性化

※生殖可能年齢までの話。

何もなかった場合は男性の恋愛の脳領域が未発達・理性が強い

それは、恋愛に関する脳領域があるという点です。

そこで、今回は恋愛の脳領域について調べてみました。

愛を司る脳の部位が特定される

(2011/11/21、スラッシュドットジャパン)

米国ラトガース大学の人類学者 Helen Fisher 氏が、脳機能マッピングを使って、恋愛を司る脳の部位を特定しました (Science News Blogの記事) 。

現在熱愛中のボランティア (17 人の米国人と 17 人の中国人) を対象に、恋人の写真と知らない人の写真を見たときの脳活動の違いを半年間に渡って観察したところ、恋人の写真を見たときは中脳の腹側被蓋野にある特定領域が活性化することがわかったそうです。

米国人と中国人で活性化する部位に違いは見られなかったとのこと。

また、自分の伴侶を現在も愛しているという結婚 20 年以上の男女 17 人 (40 ~ 65歳) を同様の手法で観察したところ、同じ部位が活発化したものの、こちらの場合は脳幹のセロトニンバソプレシンを多く含む部位も活性化したそうです。

「だから、男と女はすれ違う―最新科学が解き明かす「性」の謎」(NHKスペシャル取材班)にも同様の研究について紹介されています。

男も女も激しく恋に落ちているとき、脳の同じ場所が活発に活動する。

その場所は、腹側被蓋野、そして尾状核と呼ばれる場所の先端部分。

どちらも動物的な本能を担う部分で、脳の奥深くに位置している。

恋に落ちているときには、脳の腹側被蓋野という部分と尾状核という部分が活性化するそうです。

腹側被蓋野と尾状核とはどういう部分なのでしょうか。

腹側被蓋野は、脳の中心に位置する脳幹にあり、脳幹は呼吸、心臓活動、体温調節などの基本的な生命活動を担っている。

尾状核は、脳幹のすぐ外側に位置する大脳基底核と呼ばれる、動作や運動に関わる場所にある。

そして、脳幹と大脳基底核は、全ての脊椎動物が共通して持っている極めて原始的な脳で、別名爬虫類の脳と呼ばれている。

腹側被蓋野は人間の基本的な生命活動を担っている部分であり、尾状核は全ての脊椎動物が共通して持っている極めて原始的な脳にあるそうです。

恋の中枢はここにあるのだ。

調査結果によって、恋は感情ではなく、動物的な衝動だということがわかった。

「恋は、考えるとか、感じるといったこととは次元が全く違うものなのです。ましてや、理性でコントロールできるものでもありません。もっと原始的な抑え切れない衝動なのです。」(ラトガーズ大学 ヘレン・フィッシャー)

つまり、恋というのは、理性でコントロールできるものではなく、抑え切れない動物的な衝動だったのです。







P.S.

「恋は盲目」を科学するでも紹介しましたが、恋をしていると、恋人に対する否定的な気持ちを生み出す部分と判断力を司る部分の活動が抑制されるそうです。

つまり、人は恋をすると、恋人に対する冷静な判断力を失ってしまいます。

恋というのは、不思議なメカニズムでできているものですね。

 

P.P.S.

もう一つ気になっているのが、恋愛の脳領域が未発達の場合があるということです。

恋愛について興味がないという人は、もしかすると、恋愛の脳領域が未発達ということなのかもしれません。

 

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