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AIを活用した画像認識による皮膚疾患診断サポートシステムの実用化を目指し共同研究を開始|京セラコミュニケーションシステム・筑波大学




■AIを活用した画像認識による皮膚疾患診断サポートシステムの実用化を目指し共同研究を開始|京セラコミュニケーションシステム・筑波大学

参考画像:京セラコミュニケーションシステムと筑波大学が、AI を活用した画像認識による皮膚疾患診断サポートシステムの実用化を目指し共同研究を開始(2017/7/26、筑波大学)

京セラコミュニケーションシステムと筑波大学が、AI を活用した画像認識による皮膚疾患診断サポートシステムの実用化を目指し共同研究を開始

(2017/7/26、筑波大学)

本研究では、皮膚病の臨床画像をディープラーニングで学習し、メラノーマ(悪性黒色腫)などの皮膚がんをはじめとする複数の皮膚腫瘍を判別する「高精度な画像認識モデル」を開発します。次の段階として皮膚がん以外の皮膚病に適用範囲を拡大し、臨床画像から皮膚病全般の診断をサポートするシステムを開発します。

京セラコミュニケーションシステム(KCCS)と筑波大学はAI(人工知能)を活用した画像認識による医師向けの業界標準となる皮膚疾患診断サポートシステムの実用化を目指し共同研究を開始しました。

KCCSは画像認識モデル作成サービス「Labellio」の提供や画像認識システムの構築で培ったノウハウを活かし、システム開発を行ない、筑波大学は、、AIの機械学習に用いるデータのために蓄積した2万枚を超える膨大な臨床画像データの提供、皮膚疾患診断サポートシステムの精度評価、医療現場における適応性の評価を行ないます。

皮膚科専門医の診断支援だけでなく、専門医のいない遠隔地での診断サポートシステムの構築にも役立つことが期待されます。

【参考リンク】

■Facebook CEOも注目している皮膚がんを発見できるアプリがある!?

●「DermaCompare(ダーマコンペア)」

マーク・ザッカーバーグが注目しているのは医療用AI搭載アプリ!?によれば、スマホで撮影した写真とAIアルゴリズムによって、皮膚がんを発見することができるアプリをFacebook CEOのマーク・ザッカーバーグが注目しているそうです。

イスラエルのエメラルド・メディカル・アプリケーションが提供している「DermaCompare(ダーマコンペア)」は皮膚がん診断用として使用されているAIを搭載したアプリです。

ユーザーが画像をアップすると、過去画像やデータベース画像(黒色腫の画像データ約5,000万件)と比較し、提携している医師に診断を仰ぐというものです。

●SKIN SCAN

また、肌の写真から皮膚がんの可能性を判断するIPHONEアプリSKIN SCANによれば、皮膚のシミの写真を撮り、特殊なアルゴリズムを使って、人間の皮膚にあるフラクタル状の形を探すことで、皮膚がんの可能性を判断するアプリもあるそうです。

●Googleのイメージ認識アルゴリズム「Google Inception」を活用した皮膚がん判定ソフトウェア

Deep learning algorithm does as well as dermatologists in identifying skin cancer

(2017/1/27、スタンフォード大学)

The algorithm’s performance was measured through the creation of a sensitivity-specificity curve, where sensitivity represented its ability to correctly identify malignant lesions and specificity represented its ability to correctly identify benign lesions.It was assessed through three key diagnostic tasks: keratinocyte carcinoma classification, melanoma classification, and melanoma classification when viewed using dermoscopy.In all three tasks, the algorithm matched the performance of the dermatologists with the area under the sensitivity-specificity curve amounting to at least 91 percent of the total area of the graph.

スタンフォード人工知能研究所「Stanford Artificial Intelligence Laboratory」で行われNatureに掲載された結果によれば、convolutional neural networks (CNNs、イメージを判定するアルゴリズム) を使ったAIによる皮膚がん診断は、21人の皮膚科医の診断とほぼ同等の診断をすることができたそうです。

【参考リンク】




■まとめ

デジカメ技術と機械学習で皮膚がん診断支援システム開発|カシオによれば、カシオは、2016年4月からは、信州大学と共同で、深層学習(ディープラーニング)アルゴリズムをベースに、多数の症例画像を読み込み、機械学習を行うことで高い精度を実現する皮膚疾患のコンピュータ診断支援システムの技術開発を開始しているというニュースを以前お伝えしましたが、皮膚がん診断支援とディープラーニングの組み合わせが現在のトレンドのように感じます。

緑内障のリスク要因を4つの類型に自動で分類する手法を開発|東北大・トプコンによれば、緑内障の治療のケースにおいても、視神経の変形を肉眼で判定し、分類作業を行なう上で、医師の経験や主観的な要素が大きいため、分類が難しいことが問題となっていましたが、分類作業が自動化したことにより、経験の浅い医師でもできるようになり、また、標準化することによって、適切な治療を選択できるようになることが期待されています。

病気の診断を助けるツールや医師のスキルの向上を助けるツールが開発されることは大変良いことですよね。

京セラと筑波大学が開発している皮膚の病気の診断支援システムによって、皮膚癌から救われる患者さんが増えることが期待されます。







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睡眠中の音から機械学習により個人の睡眠パターンを視覚化・評価する技術を開発|阪大・JST

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■睡眠中の音から機械学習により個人の睡眠パターンを視覚化・評価する技術を開発|阪大・JST

睡眠中の音から機械学習により個人の睡眠パターンを視覚化・評価する技術の流れ図|提案法による睡眠パターンの可視化結果と睡眠ステージの比較
睡眠中の音から機械学習により個人の睡眠パターンを視覚化・評価する技術の流れ図|提案法による睡眠パターンの可視化結果と睡眠ステージの比較

参考画像:AI技術により音から睡眠個性を視覚化、快適な眠りのパーソナル化に期待~ビッグデータ解析で睡眠個性に応じた睡眠支援システムの実現へ~(2017/3/24、大阪大学・科学技術振興機構プレスリリース)|スクリーンショット

大阪大学産業科学研究所の福井 健一准教授と同大学歯学研究科加藤隆史教授らの研究によれば、スマホやタブレット端末で録音された音から、個人の睡眠パターンを機械学習により可視化・評価するAI技術を開発したそうです。

睡眠実験によれば、睡眠パターンの可視化については、睡眠時における脳波、呼吸、脚の運動、あごの運動、眼球運動(レム睡眠とノンレム睡眠)、心電図、酸素飽和度、胸壁の運動、腹壁の運動などを記録する「睡眠ポリソムノグラフィ検査」により推定された睡眠段階と高い関連が見られたそうです。

今回の研究成果を活用して、睡眠を管理するアプリの開発などができれば、睡眠障害を早期発見につながる可能性もあり、また、個人の睡眠パターンに合わせて、質の高い睡眠へ導く技術(照明やエアコンをコントロール)の開発なども期待されます。




■睡眠をモニタリングする方法に注目が集まっている!

睡眠をモニタリングする方法として、これまで着衣型ウェアラブルデバイスやFitbitのようなリストバンド型ウェアラブルデバイスを紹介してきました。

何も装着しないで睡眠をモニタリングする方法(AIアルゴリズムを使用して無線信号を分析し測定値を睡眠ステージに変換)を開発|MIT・マサチューセッツ総合病院によれば、MITとマサチューセッツ総合病院の研究者は、睡眠障害の診断・研究を容易にするために、身体にセンサーを取り付けずに睡眠ステージをモニタリングする方法を開発しました。

デバイスには高度なAIアルゴリズムが使用され、人の周りの無線信号を分析し、その測定値を睡眠ステージ(浅い睡眠、深い睡眠、レム睡眠)に変換します。

健康なボランティア25名にこの手法でのテストを行なったところ、80%の正確さで、EEG(脳波:Electroencephalogram)測定に基づく睡眠の専門家によって決定された評価の精度に匹敵するものだったそうです。

また、睡眠時無呼吸症候群の検査のためには、ポリソムノグラフィー(PSG)という、指先につける機器だけではなく、心電図や脳波、鼻や口の気流測定、いびき音の測定、腹部の動きなどを見るセンサーなどを装着して、一晩休むという検査方法があることも紹介してきました。

■まとめ

睡眠をモニタリングする方法の開発に注目が集まっており、今回の研究では、スマホやタブレット端末で録音された音から、個人の睡眠パターンを機械学習により可視化・評価するAI技術が開発されました。

この仕組みを用いれば、睡眠障害に関する研究が研究室から家庭へと移る可能性があり、研究がますます進むことが期待されます。

Meet the 3rd generation Nest Learning Thermostat

スマートホームのデバイスの一つとしてスマートサーモスタット「Nest」というさまざまなセンサーと人工知能が搭載された温度を調節する装置で、Nestと電化製品との連携によって、室温を快適に保ちながら、節電&省エネもできるというものを以前紹介しましたが、今回MITが開発したワイヤレスで睡眠をモニターできる技術や録音された音から、個人の睡眠パターンを機械学習により可視化・評価するAI技術を組み合わせれば、寝室をより快適にするためのデバイスにもなるのではないでしょうか?

RFID Light Bulb: Enabling Ubiquitous Deployment of Interactive RFID Systems

ディズニー研究機関、RFIDリーダー内蔵LED電球を開発–新規インフラ敷設が不要

(2017/8/4、CNET JAPAN)

Walt Disneyの研究機関Disney Researchは、RFIDリーダーやネットワーク通信機能を組み込んだLED電球を開発。電球用ソケットにねじ込んで構築、拡張できるRFIDシステムを提唱した。

また、Disney Researchが開発したRFIDリーダーやネットワーク通信機能を組み込んだLED電球と組み合わせるというアイデアも面白そうです。







【参考リンク】
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「健康になりたければ病院を減らせ」の因果関係について考えてみた|#AIに聞いてみた|#NHKスペシャル




【目次】

■AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン

ARTIFICIAL INTELLIGENCE FROM GOOGLE: THE FUTURE TECHNOLOGIES

by Strelka Institute for Media, Architecture and Design(画像:Creative Commons)

2017年7月22日放送のNHKスペシャル『AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン』では、公的な統計データや民間のデータ、大学や研究機関の調査など700万を超えるデータを「パターン認識」や「機械学習」という手法を用いて、社会に関する5000種類の情報の「つながり」や「近さ」をネットワークとして描き出した図を作成したそうです。

AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン|NHK

学習させたのは、経済産業省や総務省などの公的な統計データから、ハンバーガー店やラーメン店の数といった民間のデータ、さらには20代から80代までの個人を10年以上追跡している大学や研究機関の調査など700万を超えるデータです。
番組で紹介する”社会構造のネットワーク”は、膨大なデータの中から特徴を見つけ出すことができる「パターン認識」や「機械学習」という手法を用い、さらに、WikipediaやNHKのニュース原稿など、100万本を超える記事を「ディープラーニング」によって学習させることで、社会に関する5000もの情報の「近さ」や「つながり」を描き出した図です。数値的な振る舞いがただ「似ている」だけなく、現実世界で私たちが共に語る”近しい関係”といった概念もネットワークには色濃く反映されています。そのため、明らかに相関のないものがつながることもあります。

ここでまず行われる議論の一つとして、「AIに聞いてみた」とあるが「人工知能(AI)の定義とは何か?」がわかっていないため、本当にAIに聞いてみたことになるのか、単なるビッグデータでは?という意見です。

人工知能の定義について調べてみると、総務省によれば、『知性』や『知能』自体の定義がないことから、人工知能を定義することは難しいそうです。

【参考リンク】

最初の時点で言葉の定義がはっきりしていないことにより、計算能力が高いものをAIと呼んでしまっていることも多く、そのため、AIとAIもどきの区別がつかないと思って、AIもどきの製品が商品化されている状況にあるくらいなのだそうです。

AIもどきではなく本当のAIを作るために重要なことは、1.世界に共通した人工知能(AI)の定義を作ること、2.学習用データ(現実世界の情報)を持っていることをを示すこと、だと思います。

今回NHKが開発した「社会問題解決型AI」は、公的な統計データ、民間のデータ、大学や研究機関の調査など700万を超えるデータが入っているということでしたので、加工されていないリアルな世界の一次情報ではないものの、一般の研究者ができる範囲を超えたデータ量・種類であると感じます。

AIが学習したデータ|「NHKスペシャル『AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン』」
AIが学習したデータ|「NHKスペシャル『AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン』」

参考画像:AIが学習したデータ|「NHKスペシャル『AIに聞いてみた どうすんのよ!?ニッポン』」|NHKスクリーンショット

Twitterのハッシュタグ「#AIに聞いてみた」を見てみると、相関関係と因果関係が混同しているという意見が目立ちました。

データとデータを糸でつなぎ、ある一点をつまむと、全く関係のないと思っていた項目が引きずられて出てきたというのが今回の番組の印象だったのですが、相関関係と因果関係が混同しているという意見が出てきたのは、学習用データの質・量に問題があるのか、開発したAI・製作者側に問題があるのか、どういうものであれば相関関係と因果関係が混同していないものができたのか、についてはわかりません。

ただ、そうしたもの全部含めて、いったん棚上げして(専門家に任せるしかわからない)、番組で出てきた提言について考えてみました。




■健康になりたければ病院を減らせ

前置きが長くなりましたが、「健康になりたければ病院を減らせ」という提言について考えてみたいと思います。

健康になりたければ病院を減らせ|NHKスペシャル
健康になりたければ病院を減らせ|NHKスペシャル

参考画像:健康になりたければ病院を減らせ|NHKスペシャル|スクリーンショット

病院の数が多い(医師の数が多い)というのは安心材料の一つでもあり、病院に近いところを選ぶというのは不動産選びの材料の一つになっているものだと思っていました。

しかし、今回NHKが開発したAIは、「健康になりたければ病院を減らせ」という提言をしています。

その理由について想像してみました。

※ここからの意見は番組内容をまとめたものではなく、「健康になりたければ病院を減らせ」という提言について、こういう因果関係があるのではないかと勝手に想像したものですので、ご了承ください。

※因果関係がないといわれているものに勝手に因果関係をつけて考えるとどうなるかという実験ともいえるかもしれません。

●病院の数が減ることで優秀な医師が残るようになるから

年齢が若い医師のほうが患者の死亡率が低い!|年長の医師のほうが経験年数の少ない医師に比べて医学的知識が少なく、ガイドラインに合わせた治療を行わない!?で紹介したBMJ(英国医師会雑誌)に掲載された研究によれば、年齢が若い医師のほうが患者の死亡率が低いということが分かったそうです。

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医者と、遊びでテニスをしている人たちとのこうした類似点を指摘したのは2005年にハーバードメディカルスクールの研究チームが発表した論考だ。彼らは医師が提供する治療の質が時間とともにどのように変化するかに関する研究を幅広く調べている。医者としての活動年数が長いほど能力が高まるのであれば治療の質も経験が豊富になるほど高まるはずである。しかし結果まさにその逆だった。論考の対象となった60あまりの研究のほぼ全てにおいて医師の技能は時間とともに劣化するか良くても同じレベルにとどまっていた。年長の医師のほうがはるかに経験年数の少ない医師と比べて知識も乏しく適切な治療の提供能力も低く研究チームは年長の医師の患者はこのために不利益を被っている可能性が高いと結論づけている。p184

簡単にまとめると、長年経験を積んだ医師のほうが知識も技能が蓄積されていると期待している人が多いと思いますが、60ほどの研究によれば、医師の技能は時間とともに劣化してしまうものであり、また年長の医師のほうが経験年数の少ない医師に比べて医学的知識が少なく、ガイドラインに合わせた治療を行わない傾向になるため、年長の医師の患者は質の低い医療を受けている可能性があるというものです。

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特に複雑な症例の診断を下す医師は患者の状態について膨大な情報集めそれを吸収し適切な医学知識と結びつけて結論を導き出さなければならない。その過程では少なくとも3つの異なる作業が必要になる。それは患者についての情報を集めること、関連する医学知識を思い出すこと、そして情報と医学知識を総合して「おそらくこれだろう」と思われる症例を絞り込み想定される診断を特定して適切なものを選ぶことである。p108

病気を診断するにあたって、患者のデータと医学知識を組み合わせて適切なものを選択する必要がありますが、医師は、常に新しい知識をアップデートしていかなければ、患者にとって質の低い治療を行なってしまう恐れがあるのです。

C型肝炎の治療薬は劇的に進歩し、今では90%近くの患者が治る!によれば、C型肝炎治療薬は劇的に進歩し、今では90%近くの患者が治るようになっているそうですが、その一方で、10年20年以上前の知識を持った医師たちによって、治療が勧められないというケースもあるそうです。

病院の数を減らすということは、優秀な医師が残りやすくなるということによって、健康になるということは考えられないでしょうか?

●病院の数が減る=病院が集約されることにより、システム投資が進む

また、病院数が減るというとネガティブなイメージがありますが、病院が集約されると考えると、システムに投資ができるとも考えられます。

病院のネットワークシステムを改善することによる医療者と患者のメリットとは?|群馬大病院とNECネッツエスアイのケースによれば、従来とのシステムと比べて高速化したことにより、患者・医療者にとっての負担軽減につながり、また、データの確認がすぐにできることにより安全性もアップすることが期待されるそうです。

また、患者と医療者がコミュニケーションをとる時間も多く取れるようになるとも考えられます。

女性医師の治療を受けた患者は生存率が高い!?|医師の患者に対する共感・コミュニケーションが重要な役割を果たしている?によれば、医療における医師と患者のコミュニケーションの重要性は高まっています。

コミュニケーションの重要性が高まっているのには以下のような理由があります。

  • 主たる病気が生活習慣病へ移行したことで、ケア(care)やマネジメント(management)が大きな位置を占めるようになった
  • 患者が医療情報に触れる機会が増えたが、その情報に混乱している患者も増加
  • 医学の進歩により市民の一部は医学を万能と考えるようになり、医療への過度の期待を生んでいる

患者に対して適切な医療を行うためには、医師が患者の言葉に耳を傾け(傾聴)、気持ちを受け入れ(受容)、そのうえで医師として適切な情報を患者にわかりやすい言葉で伝えることが重要になります。

また、患者が持っている間違った医学的知識を訂正することは重要ですが、そのやり方が重要だということですよね。

まずは、患者がどのような悩み・苦労を抱えているのか、患者の声に耳を傾け、それを受け入れることによって、医師と患者間での信頼関係が生まれ、その後のケアやマネジメントが良好になると考えられます。

しかし、従来のシステムではそうした患者とのコミュニケーションにかけられる時間が少なくなってしまったり、コミュニケーションにかける時間を増やそうとすると、労働時間が増えることにより、医療者の心身の負担が増加してしまっていたのではないでしょうか。

そこで、病院が集約され、ネットワークシステムに投資することができれば、患者と医療者のコミュニケーションが増え、より良いケアができるようになることになり、健康になると考えられるのではないでしょうか?

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●病院の数が減ることにより、予防医療に重点がおかれるようになる

国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|「#健康格差」を広げないために私たちができることで取り上げた日本経済新聞社などが実施したアンケート調査によれば、医師の半数が高齢化や医療技術の進歩で治療費が高額になっていることにより国民皆保険による医療が「持続不能」と答えているそうです。

病院数が減ることを前提に考えると、できるだけ病気にならないようにすることが重視され、予防医療・予防医学・予測医療が進められていくのではないでしょうか?

がん検診といった予防医療・予防医学に取り組んでいくことは医療費の削減するためにも今後重要になっていくと考えられますし、また、QOL(生活の質)の向上といった間接的なコスト削減も期待できると考えられます。

積極的に計画・実行する人はがん・脳卒中・心筋梗塞の死亡リスクが低い|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターによれば、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の行動をとる人は、そうでない人に比べて、がんで死亡するリスクが15%低く、また、脳卒中リスクが15%低く、脳卒中心筋梗塞などで死亡するリスクが26%低いという結果が出たそうです。

その理由としては、日常的な出来事に対して、積極的に解決するための計画を立て、実行する「対処型」の人は、がん検診や健康診断を受診するため、病気の早期発見につながり、病気による死亡リスクが低下して可能性があるようです。

つまり、定期検診などの予防医学・予防医療を導入するということは、病気による死亡リスクが減少し、医療費の削減にもつながるということです。

今後は、医療とテクノロジーを組み合わせて、深刻な病気になる一歩前の段階、未病の段階で治療を行なっていくかがカギになっていくと思います。

今回のテーマと併せて考えると、病院の数を減らすと、病気にならないように予防医療への関心が高まり、病気になる一歩前の段階の未病の段階で治療が行われるようになって、病気による死亡リスクが低下し、健康になると考えられないでしょうか?

■まとめ

今回の提言は因果関係がわからないというのがポイントで、これからの時代はこうした形になっていくような予感もあります。

つまり、コンピュータが出した答えに対して、人間が後付けで理論や因果関係を考えていくという形です。

天才プログラマーが予測する「AIが導く未来」 人間の「なんとなく」は合理的に判断される

(2017/8/24、東洋経済オンライン)

言い方を変えると、今までのコンピュータによる最適化の能力では、答えは基本的に1つしかない。それがディープラーニングだと、答えがそもそもないのです。「確たる答えはないけど、なんとなくこう」っていうのがディープラーニングです。

電王・Ponanza開発者が語る、理由がわからないけどスゴイ“怠惰な並列化”

(2016/10/26、ASCII.jp)

体感で言えば、LazySMPは実はプログラマーには人気がない手法です。なぜかと言えば、前述のように結局のところどうしてうまくいくのか、その正確なところがプログラマーにはわからないからです。ディープラーニングも本質的にどうしてうまくいくのかわかっているプログラマーがいません。あくまで将棋プラグラム業界では、という話ですが。

<中略>

近代科学は対象を分解して、理由を解明していくことで世界を解き明かしてきました。しかし、近年の情報科学は人間の解釈性が著しく悪いアルゴリズムが時代の先端を走り始めています。要素を分解していっても、そこに本質を発見できていないのです。人間にはある程度以上の複雑な挙動がわからないのです。

このように、答えや本質的にうまくいっている理由はわからないけど、うまくいっているということだけはわかるということがこれからは多くなってくるでしょう。

自分の理解を上回ってしまったときに、それをコントロールすることができないため選択しないという人もいるでしょうし、理由はわからないけどうまくいっているのだからやってみようという人もいるでしょう。

電王・Ponanza開発者が語る、“自転車置き場の議論”に陥った指し手生成祭り

(2016/11/29、ASCII.jp)

人間は難しい問題に直面してしまった時、簡単な切り口を探しがちです。それ自体はまったく間違った行為ではないのですが、いつまでも簡単な切り口を求め続けることは必ずしも正しい判断ではないでしょう。人間はわからない状態をわからないままにしておくことにもストレスを感じ、わからないところに無理やり理由をつけようと考えるのが常です。

難しい問題の時には議論が起こらないのに、自分の理解ができる問題の時には議論が白熱するようなことを「パーキンソンの凡俗法則」や「自転車置き場の議論」という呼び方をするそうですが、これからは、「わからない」「理解できない」ことに対して、安易に答えを出すことなく、あきらめずにわからないままの状態で真正面から向き合い続ける姿勢が重要になってくるのではないでしょうか。

まずは理解できない自分を認め、それでもそれに向き合い続けることが、現代科学を理解して紐解く鍵となるでしょう。理解できると傲慢になるのではなく、理解できないと空虚に走るでもなく、ただ見えないものを見ようとし続けることこそが、唯一この先を見る方法になると私は信じています。

わからないまま向き合い続けるというのはストレスがかかることかもしれませんが、これから先の未来では必要な資質となるのではないでしょうか。

「AlphaGo Zero」は、過去の打ち手のデータで強化学習をするのではなく、囲碁の基本ルールだけを教えて、対局を繰り返す(3日間で500万回の対戦)ことで上達し、トップ棋士を破ってきた「AlphaGo」に対して、100勝0敗という結果を出したそうです。

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P.S.

Twitterのハッシュタグ「#AIに聞いてみた」を見てみると、みなさんさまざまな感想を持っているようです。

ただ、例えば、病院の診断支援システムにAIが導入されたとして、「因果関係はわからないけど、あなたはこういう病気の可能性が高い」といわれたときに、医師や患者はどう判断するのでしょうか。

どんなに医療にAIを活用しようとしても、医師や治療を受ける患者がその判断に疑いを持てば、利用することはできません。

つまり、AIに対する信用度を高めていく必要があるわけです。

そういう意味でも、今回の「AIに聞いてみた」という番組には価値があったのではないでしょうか?







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「生活の中でAIに任せることができたら便利だと思うこと」ランキングベスト10|掃除・洗濯・省エネ・節電・防犯・料理・買い物・お金の管理・スケジュール管理・ペットの世話




■「生活の中でAIに任せることができたら便利だと思うこと」ランキング

自動で部屋を掃除するルンバ980

by Hideto KOBAYASHI(画像:Creative Commons)

1位 掃除(47.2%)

iRobotのロボット掃除機「ルンバ」や床拭きロボット「ブラーバ」、Panasocicのロボット掃除機「RULO」、ダイソンの「360 Eye」

ルンバ980紹介ムービー

床拭きロボット ブラーバ<公式サイト>

TV-CM 30秒「逃げ場がない」【パナソニック公式】

稼働中の新製品ダイソン 360 Eye™ ロボット掃除機をご覧ください #ダイソンロボット

2位 洗濯(42.2%)

全自動洗濯機を利用しているご家庭も多いと思いますが、最近注目されているのは、全自動洗濯物たたみ機『ランドロイド』ですね。

その他にも、ハンガーにかけたままシワのばしできる衣類スチーマーといった時短家電にも注目です。

衣類スチーマー 「アクセススチーム」short ver. /T-fal

パナソニック衣類スチーマー 『こだわりの日常、こだわりの仕上げ』【パナソニック公式】

LG stylerサウナ ~衣類たちの本音トーク~

3位 省エネや節電(41.5%)

エアコンや冷蔵庫の省エネ・節電以外にもAIを活用することが考えられます。

4位 防犯/安全の管理(40.8%)

【参考リンク】

5位 料理(32.0%)

ティファールの自動調理鍋「Cook4me(クックフォーミー)」やシャープの電気無水鍋「ヘルシオ ホットクック」といった自動調理家電も出てきています。

クックフォーミー「ボタンひとつで角煮が作れる?!/T-fal

ホットくクッキング!

その他にも、自動食器洗い機も含まれると考えられます。

<働く主婦、食事は「都度作る」88%>最も短縮したいのは料理時間なのに、作り置きなどの工夫をする時間すらとれない・・・(2017/11/27、ビースタイル プレスリリース)によれば、時間をとられて負担なので短縮したいと感じていることについて子育て中ママたちに対してアンケート調査を行ったところ、第一位「料理時間を短縮したい」(55.9%)で、その他も片付けや買い物など食事関連が上位を占めているのがわかります。




6位 生活必需品の補填や買い物(31.3%)

7位 お金の管理(30.7%)

忙しいけど資産運用もしたいという人のために、ロボアドバイザーによる資産運用をするサービスが出てきています。

ロボアドバイザーとは、スマホやPCを活用した、自動で資産配分を設定し、ユーザーの代わりに資産運用を行なう資産運用提案サービスで、代表的なのは「THEO(テオ)」と「WealthNavi(ウェルスナビ)」です。

●THEO

お客さまの年齢や金融資産額に基づき、THEO が世界の約6,000種類のETF(上場投資信託)の中から、最適な組み合わせを提案し、運用します。

1万円からスマホだけで手続きが完了し、運用報酬も1%(年率)と低コストではじめられる、新しい資産運用のカタチとして、20代・30代を中心に、利用者が広がっています。

参考画像:忙しいこの国だから、ロボアドバイザーでおまかせ資産運用 THEO [テオ] 早技ムービー「忙しいこの国へ。」公開 日本は今どれくらい忙しいのか、働き方の調査から検証(2017/11/13、THEOプレスリリース)

7位 スケジュール管理(30.7%)

【参考リンク】

9位 ペットの世話(6.5%)

ペットの世話を助けるIoTを活用した自動ペットフード給餌機が出てきたり、ねこの見守り(モーションセンサーで録画、水飲みやトイレ回数のモニタリングなど)やスマートごはんサーバ(食事管理アプリ+デバイス+体重計)で猫の肥満予防、スマートトイレ(おしっこの異常を早期発見して、腎不全を防ぐ)に取り組んでいる企業もあります。

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10位 その他(0.2%)

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Google Coach|グーグルは健康とフィットネスのウェアラブル向けAIアシスタントを開発中!?




■Google Coach|グーグルは健康とフィットネスのウェアラブル向けAIアシスタントを開発中!?

Reviewing notifications on smart watch

by Intel Free Press(画像:Creative Commons)

Exclusive: Google is developing a wearable health and fitness assistant called ‘Google Coach’

(2018/8/15、Android Police)

Android Policeによれば、Googleはウェアラブルデバイス向けに健康とフィットネスのコーチをする「Google Coach(発売前に名前が変更される可能性がある)」の開発を進めているそうです。

Google Coachは、フィットネストラッカーとしてだけでなく、健康的な食事のプランや買い物リストの作成、外食先の提案、薬の服用、水分の摂取などを勧めたりもしてくれるそうです。

つまり、Google Coachは、Googleの持つデータとAI(人工知能)を活用して、健康的なライフスタイルを応援するアシスタントになるというわけですね。

アマゾン、バークシャー、JPモルガンが新しいヘルスケア企業を設立 医療費削減を目指すによれば、アマゾン、バークシャーハザウェイ、JPモルガン・チュースが共同で米国で働く従業員を対象としたヘルスケアサービス会社を設立すると発表しましたが、アメリカでも医療費が膨らんでいることが問題となっており、多額の医療費(医療保険料)を企業が負担しているそうで、高齢化や医療の進歩に伴い、企業への負担が大きくなってきています。

Fitbit、従業員の健康管理とコーチングを推進するプラットフォーム「Twine Health」買収によれば、「Twine Health」は、人々がより良い健康成果を達成できるようにし、保健システム、保健計画、職場保健医療従事者の医療費の削減に役立っているそうです。

もしかすると、Google Coachを従業員を対象としたヘルスケアサービスとして提供し、医療費削減を目指すかもしれませんね。

■まとめ

Google Coachのアイデアは、「#NOOM」|人工知能(AI)と専門コーチが行動変容をサポートするヘルスケアアプリ|特定保健指導プログラムも開始に近いものですね。

その際にも書きましたが、健康的な生活習慣に変えるためには、人間の心理をうまく活用する必要があります。

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)によれば、

デューク大学の学者が2006年に発表した論文によると、毎日の人の行動の、じつに40%がその場の決定ではなく習慣

なのだそうです。

習慣の力 The Power of Habit

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また、「スイッチ 変われないを変える方法」(著:チップ・ハース ダン・ハース)によれば、セルフ・コントロールは消耗資源であり、例が挙げられています。

スイッチ! ──「変われない」を変える方法 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

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例:ウェディングレジストリ(アメリカで結婚時に新郎新婦が作る結婚祝儀のほしいものリスト)の作成やコンピュータの購入など複雑な選択や検討をさせられた人々はさせられていない人々よりも集中力や問題解決能力が落ちる事が分かっている。

例:ある研究によると、感情を抑えるように支持された被験者は、自由に涙を流した被験者と比べて、その後の身体持久力が低下することがわかった。

私たちはあらゆる場面でセルフ・コントロールを消耗するものであり、一つ一つの行動をいちいち決定してしまうと疲れてしまうため、人は習慣として自動化された行動をしてしまうのです。

つまり、反対に考えると、変化を起こしたいときには、自動化された行動=習慣を変えなくてはならないのです。

では、どのようにすれば習慣を変えることができるのでしょうか?

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)によれば、人間の心理には、2つの基本原則があるそうです。

1.シンプルでわかりやすいきっかけを見つけること

2.具体的な報酬を設定すること

新しい習慣作りには、「きっかけ」と「報酬」が重要です。

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)では、「きっかけ」と「報酬」についての具体的な例が紹介されています。

新しい運動習慣を身につけるのに成功した人々の研究では、職場から帰宅した直後にジョギングに行くといった特定のきっかけと、罪悪感から解放された夜のテレビ鑑賞やビールといった具体的な報酬を設定した人のほうが続きやすいことがわかっている。

食餌療法についての研究では、挫折せずに新しい食習慣をつくり上げるのには、前もってメニューを作成しておくなど、事前にきっかけを決め、シンプルな報酬を設定する必要が有ることも判明した。

あるグループでは、92%の人が、気持ちが良いから習慣的に運動すると話している。運動で分泌されるエンドルフィン等の神経伝達物質を期待し、求めるようになるのだ。

毎朝、走りたければ、シンプルなきっかけと明確な報酬を選ぶ必要がある。

しかし、その後の無数の研究によって、きっかけと報酬そのものには新しい習慣を長続きさせる力はないとわかった。脳が報酬を期待するようになってはじめて、つまりエンドルフィンや達成感を求めるようになってはじめて、毎朝、ジョギングシューズのヒモを無意識のうちに結ぶようになるのだ。きっかけはルーチンを生み出すだけでなく、その先の報酬への欲求を生み出すものでなくてはならない。

「きっかけ」と「報酬」は新しい習慣を作るうえで欠かせないものですが、「きっかけ」と「報酬」そのものには新しい習慣を長続きさせる力はなく、「〇〇したい」「〇〇がほしい」というような明確な欲求が習慣のための原動力となるのです。

そのため、Google Coachにおいては、変わりたいという感情をいかに生み出すのか=「動機づけ」をいかに行うかがポイントになってくるのではないでしょうか?







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