> 健康・美容チェック > 妊娠 > 妊婦が果物を多く摂取すると子供の知能指数が高くなる傾向がある|カナダ・アルバータ大学
【目次】
■妊婦が果物を多く摂取すると子供の知能指数が高くなる傾向がある|カナダ・アルバータ大学
by Dasha(画像:Creative Commons)
(2016/8/30、ウォールストリートジャーナル)
カナダ・アルバータ大学の研究グループが同国の688人の子供を調査したところ、妊婦の果物摂取量の多さと比例して、生まれてきた子供の生後1年後の知能が高い傾向があったという。
カナダ・アルバータ大学の研究によれば、妊婦が果物を多く摂取すると子供の知能指数が高くなる傾向があることが分かったそうです。
今回の研究で調査対象となった妊婦の半数は、米政府が推奨する量の果物(1日当たり1.5カップから2カップ)を食べていなかったという。
今回の調査も行ったピウシ・マンダネ准教授によれば、妊婦に大量のフルーツを食べてほしいというわけではなく、また、あくまでも1回の研究であり、果物の摂取増加による健康への影響はまだ調査していないため、現時点では一つの可能性として考えたほうが良いようです。
ただ、半数の妊婦がアメリカ政府が推奨する量の果物(1日当たり1.5カップから2カップ)を食べていなかったそうなので、大量に食べる必要はないにしても、推奨量程度は食べることをおすすめしています。
■果物と健康の関係
●食道がん、野菜と果物で危険半減|アブラナ科のイソチオシアネートで食道がんのリスクが低下|厚労省研究班
厚生労働省研究班によれば、野菜と果物を多く食べる男性は、あまり食べない男性に比べ、食道がんになる危険性がほぼ半減するということが分かったそうです。
この研究でのポイントは、くだものを多く摂取するグループや野菜を多く摂取するグループよりも、野菜・果物の両方の摂取量が多いと、食道がんのリスクが低下しており、野菜・果物の合計摂取量が1日当たり100グラム増加すると、食道がんのリスクが約10%低下しているということです。
人間総合科学大(さいたま市)の奥田奈賀子准教授の研究グループが約9千人を24年間追跡調査した結果、野菜や果物を多く摂る人は、脳卒中や心臓病などの循環器疾患で死亡するリスクが低下するそうです。
●妊娠中に大量の果物を摂取すると血糖値が上がる恐れもある
専門家らによると、妊娠中に大量の果物を摂取すると血糖値が上がり、妊娠糖尿病や急激な体重増加などを引き起こす可能性があるという。
妊娠糖尿病は、上昇した血糖値を正常に戻す能力の低下が妊娠中に起きるか、初めて発見される病気。
妊娠をきっかけにインスリンの働きが落ち、インスリン分泌量が十分に増えずに血糖値が高くなる状態が妊娠糖尿病です。
妊娠糖尿病になると、早産や妊娠高血圧症候群を起こす恐れがあります。
■妊娠糖尿病の診断基準
●空腹時血糖値(1dlあたり92mg以上)
●75mgブドウ糖負荷試験の1時間後の血糖値(1dlあたり180mg以上)
●2時間後の血糖値(1dlあたり153mg以上)
の3つの検査値のうち、1項目でも該当した場合、「妊娠糖尿病」と診断されます。
ただし、妊娠糖尿病は、「妊娠中に初めて発見または発症した軽い高血糖とし、明らかな糖尿病は含めない」とされています。
●果物の取りすぎは中性脂肪が増えて、脂肪肝になる恐れも
果物には「糖質」が多く含まれており、この糖質は肝臓で中性脂肪に合成されて蓄積され、脂肪肝につながってしまうのです。
【関連記事】
- 女性が注意したい脂肪肝の原因とは|肝臓を守る方法は「おさかなすきやね」|あさイチ
- 果糖の取り過ぎで脂肪肝など生活習慣病になってしまう!?
- 食後高脂血症|果糖のとりすぎは中性脂肪の増加につながる!?|ためしてガッテン
■妊婦の栄養不足が子供に与える影響
●オメガ3と生まれた子供の知能の関係
魚などに含まれるオメガ3脂肪酸は脳細胞の膜組織を作るのに必要とされ、妊娠中に多くの魚を摂取した場合、生まれた子供が認知機能テストでより高い点数を得る傾向があるとされている。
妊娠中1週間340Gの魚を食べると胎児に良い?|ホンマでっかTVで紹介した1万人以上の妊婦を対象にした研究によれば、1週間に340g以下の魚類を摂っていた妊婦から生まれた子供は、340g以上摂っていた妊婦からの子供に比べて、言語能力、運動能力、社会性、すべての面で発達が遅れていたということで、この研究から妊婦は1週間に340gの魚を食べた方がよいといわれるようになったようです。
→ オメガ3 について詳しくはこちら
●葉酸
妊娠初期に葉酸が不足すると、胎児の発育に影響を与える危険性が高まるといわれています。
葉酸が妊娠において必要な栄養素だといわれるのは、妊娠初期に葉酸が不足していると、子供が神経障害を持つリスクが高まるといわれているからです 。
ここでいう妊娠初期とは、胎児の細胞分裂が最も盛んな時期のことをいいます。
葉酸はDNAが作られるときに働く補酵素で、細胞分裂には不可欠な栄養素です。
しかし、現状では、妊娠後、産婦人科等で葉酸について知り、それから葉酸を摂るようにしている女性が多いようです。
葉酸は、現時点での妊娠に関係なく、将来的に妊娠を望んでいる女性にはできれば日頃から摂取してほしい栄養素です。
→ 葉酸の効果・葉酸の多い食べ物 について詳しくはこちら
【関連記事】
●妊婦のダイエットなどによる栄養不足で子供の脂肪肝になるリスクが高くなる
やせすぎも注意 月経異常、骨粗しょう症 子どもの健康に影響によれば、妊婦のやせは低出生体重児が生まれやすく、子どもが将来、肥満や高血圧、糖尿病など生活習慣病になりやすいといわれていますが、浜松医科大と東京医科歯科大などの研究グループによれば、妊婦のダイエットなどの栄養不足により低栄養状態で生まれた子供が成長した後に脂肪肝になるリスクが高くなるということがわかったそうです。
■まとめ
果物の実験に関しても「果物の摂取が大切なのかもしれないし、果物を多く摂取する女性は最初から健康を意識した生活をしているのかもしれない」と、ハーバード・メディカル・スクールなどで栄養学等を教えるエミリー・オーケン教授は指摘する。
現時点では果物によって知能が向上しているのか、果物を多く摂取するよう心掛けている女性は健康的であるため生まれてきた子供の知能が高いのか、果物の摂取増加と知能との関係性についてはわかっていません。
ただ、今回の研究からわかることは、これから子供を産みたいと考えている女性は、果物を摂取する習慣を持っておいたほうがよいということです。
【関連記事】