> 健康・美容チェック > 睡眠不足 > 熱帯夜の夏によく眠れないとお悩みの方はエアコンの設定温度を18度前後に設定してみよう!
■質の良い睡眠には温度が大切
by Matteo Bagnoli(画像:Creative Commons)
質の良い睡眠には室温を少し下げて=研究
(2016/2/24、WSJ)
トロント大学のジョン・ピーバー教授(細胞・システム生物学)は「以前に考えられていた以上に、温度は正常な睡眠を促進する上でずっと大きな役割を果たしている可能性がある」と話す。さらに、脳の視床下部という部分の特定の細胞が温度の変化を感じ取り、眠りをコントロールすると説明。
質の良い睡眠に欠かせない要素として「温度」が重要なようです。
The Ideal Temperature for Deep Sleep
なぜ質の良い睡眠に「温度」が重要な役割を果たしているのでしょうか?
深部体温を下げる方法とは|眠くなる時は体の深部の体温が下がる!によれば、眠くなる時は、体の深部の体温が下がり、深部体温が下がると眠くなるため、就寝前には深部体温を上げない工夫が必要であると紹介しました。
トロント大学のジョン・ピーバー教授とバージニアコモンウェルス大学のナタリー・ダウトビッチ教授に共通している考え方は、温度が睡眠において重要な役割を果たしているという点です。
質の良い睡眠には室温を少し下げて=研究
(2016/2/24、WSJ)
カリフォルニア大学バークレー校のマシュー・ウォーカー教授(神経科学・心理学)は「人々は家や寝室の温度を、睡眠に最適な温度より少し高めに設定する傾向がある」と話す。
ウォーカー氏によると、眠りに入るには中核体温が華氏で2~3度低下する必要がある。「中核体温が高過ぎると、覚醒状態から睡眠状態への脳の切り替えがスムーズに行かず、最適な睡眠を導き出せない」と説明する。
カリフォルニア大学バークレー校のマシュー・ウォーカー教授によれば、眠りに入るためには、深部体温が2~3度下がる必要があり、深部体温が高すぎると、覚醒状態から睡眠状態への脳の切り替えがスムーズにいかないため、よい睡眠に導くことができないそうです。
■眠るときの室温を何度に設定するといいの!?
それでは、眠るときの室温を何度に設定するとよいのでしょうか?
質の良い睡眠には室温を少し下げて=研究
(2016/2/24、WSJ)
複数の研究で、室温の設定は華氏65度(摂氏約18.3度)前後にするのが眠りに適しているとの結果が出た。
<中略>
不眠症患者の治療に際し、睡眠の専門家たちは室温について患者に尋ね、華氏70~72度(摂氏約21.1~22.2度)に設定している患者には温度を下げるようアドバイスするとウォーカー氏は述べた。
バージニアコモンウェルス大学のナタリー・ダウトビッチ教授(心理学)は、非営利団体の米睡眠財団が通常、睡眠時の室温として華氏60~67度(摂氏約15.6~19.4)を薦めていると話す。同財団のコンサルタントも務めている同氏は「温度が低い寝室が質の良い睡眠につながることが分かっている」と続けた。
睡眠時の室温として18度前後にするのが良いそうです。
もう一つは、寝る前に温かいお風呂から上がると、体温が下がり、眠りやすくなります。
質の良い睡眠には室温を少し下げて=研究
(2016/2/24、WSJ)
英国のラフバラー大学のジェームズ・ホーン教授(精神科学)は「お風呂から上がると、体温が急速に下がる。これは就寝時に身体に必要なことだ」と説明する。同氏の研究では、若く健康な人は就寝前に暖かいお風呂に入ると、余波睡眠(脳を休ませる深い眠り)が約10%増すことが分かっている。同氏は夜早い時間に華氏約102度(摂氏約38.9度)のお湯に30分間浸かると睡眠の質が改善するとの見方を示す。
入浴は、熱い湯を避け、ぬるめのお湯に浸かり、就寝1から2時間前までに済ませておくようにするとよいそうです。
■睡眠時間が短いほどカゼをひきやすい
健康維持するためにも質の良い睡眠は欠かせない要素です。
睡眠時間7時間未満の人はカゼをひきやすい、米大学が実験
(2009/1/13、AFPBB)
毎日の睡眠時間が7時間未満の人は、同8時間以上の人よりも3倍もカゼをひきやすい。
米カーネギーメロン大学(Carnegie Mellon University)によるこうした研究結果が、米国医学会の機関誌「Archives of Internal Medicine」(1月12日号)に発表された。
米カーネギーメロン大学によれば、睡眠時間が短いほどカゼをひきやすいことがわかったそうです。
ただ、睡眠時間の長さが長ければ良いというわけではなく、睡眠の質が悪い場合でもカゼをひきやすいようです。
この記事を参考にすれば、睡眠障害(睡眠の質が悪い)により、免疫系の機能を低下してしまうため、病気になりやすいということが言えそうです。
「#睡眠負債(Sleep Debt)」|わずかな睡眠不足の影響が脳のパフォーマンスの低下・病気のリスクを高める|#NHKスペシャルによれば、「睡眠負債(Sleep Debt)」とは、わずかな睡眠不足の影響が、まるで借金のように積み重なることで、知らず知らずのうちに脳のパフォーマンスを低下させたり、病気のリスクを高める恐れがあるという考え方のようです。
【参考リンク】
■睡眠と生活習慣病との関係
■睡眠と糖尿病
睡眠障害のある患者は、糖尿病・高血圧・動脈硬化になりやすい?で紹介した大阪市立大学大学院のグループの研究によれば、糖尿病治療と一緒に不眠治療を行うことで、糖尿病が改善し、血管障害(血糖値・動脈硬化)を予防できる可能性があるそうです。
糖尿病患者の睡眠状態を調べたところ、血糖値の高い人ほど、徐波睡眠の時間が3割程度短くなるなど、睡眠の質が悪化していることが分かった。
徐波睡眠とは何なのでしょうか?
ノンレム睡眠は4段階に分けられ、最も深い眠りである3段階と4段階を「徐波睡眠」と呼ぶ。
<中略>
睡眠の中でも「徐波睡眠」は重要で、知覚、思考などをつかさどる大脳皮質を休息させ、熟睡感のある質の高い睡眠が得られる。さらにこの間に、血圧や血糖を調節する自律神経(副交感神経)が活発に働くとされる。
ここから考えられることは2つの可能性です。
1.徐波睡眠では、血圧や血糖を調節する自律神経(副交感神経)が活発に働くと考えられており、睡眠の質が低下すると、血糖値のコントロールがうまくいかなくなる
2.血糖値のコントロールがうまくいかなくなると、睡眠の質が低下し、不眠などの睡眠障害が起きる
睡眠障害がある患者は、頚(けい)動脈の内壁が分厚くなって血管が狭まっており、動脈硬化を進行させるリスクが高まっていることも明らかになった。
<中略>
稲葉教授らはこれまでの研究で、糖尿病患者の睡眠障害が心筋梗塞や脳卒中を引き起こす早朝の高血圧や血糖値の上昇などにつながることも突き止め、悪循環に陥いる危険性を指摘。
睡眠障害が、動脈硬化や高血圧、血糖値の上昇につながる可能性があるそうです。
【関連記事】
■高血圧
睡眠時無呼吸症候群 高血圧、心疾患の原因にもによれば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者は眠りが浅く、夜でも日中に働くべき交感神経が活動を続け、体を活性化させるホルモンが分泌された状態が続いているため、血圧が上がり、無呼吸による低酸素状態も重なって、心臓などに負担がかかり、心筋梗塞などのリスクが高まると考えられています。
■メタボリックシンドローム
睡眠時無呼吸症候群とメタボリックシンドロームによれば、睡眠時無呼吸症候群とメタボリックシンドロームとの合併率は高いそうです。
メタボリックの原因は、肥満であり、特におなかにたまる内臓脂肪が危険因子であり、また睡眠時無呼吸症候群の原因も、肥満によって上気道に脂肪がたまることで気道が狭くなり、無呼吸を起こしています。
メタボリックシンドロームは動脈硬化の原因となり、心筋梗塞などの心血管病の危険因子となることが知られています。
そして、睡眠時無呼吸症候群によって、さらに心筋梗塞などのリスクが高くなってしまうのだそうです。
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■睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群の患者は緑内障になるリスクが高い|正常眼圧緑内障の原因は「低酸素状態」の可能性があるによれば、無呼吸発作が起きると、眼圧が下がると同時に血中酸素飽和度も下がることがわかったため、睡眠時無呼吸症候群の患者は、低酸素状態などの眼圧上昇以外の仕組みによって視神経障害が引き起こされるという可能性があり、このことは、正常眼圧緑内障の原因の解明につながることが期待されます。
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■脂肪肝・肝臓がん
不規則な睡眠で体内時計が乱れると脂肪肝や肝臓がんになりやすい|米ベイラー医科大学で紹介したベイラー医科大学などのグループが行なったマウスの実験によれば、不規則な睡眠で体内時計が乱れると脂肪肝や肝臓がんになりやすいということがわかったそうです。
■脳の機能低下
睡眠時間が減ると認知能力と反応速度が低下|ペンシルベニア大学によれば、ペンシルベニア大学の研究チームによれば、睡眠時間を1日6時間未満に制限するという実験を行うと、自分としては普段と変わらないような感じがしていても、実際は認知能力と反応速度が落ちていったそうです。
睡眠不足がアルツハイマーを引き起こす可能性がある|米ワシントン大などで紹介した米ワシントン大などの研究チームによれば、睡眠不足・睡眠障害がアルツハイマー病を引き起こす可能性があるそうです。
物忘れがひどくなるアルツハイマー病は、脳内にアミロイドベータ(Aβ)という異常なたんぱく質が蓄積するのが原因と考えられていて、今回の研究で、Aβが起きている時に増え、睡眠中に減ることがわかったそうです。
■質の良い睡眠が最高のパフォーマンスを発揮するために欠かせないと感じている経営者が多い
by Daniel M Viero(画像:Creative Commons)
こうしたことを経営者は敏感に感じ取っているのでしょうか、最近は質の良い睡眠が最高のパフォーマンスを発揮するために欠かせないと感じている経営者が多いようです。
起業家の成功の秘訣は「睡眠・食事・運動」で紹介したSquare社のキース・ラボイズ最高執行責任者(COO)が行なったチームの分析によれば、睡眠をしっかりとらないと、良い決定が下せないようです。
また、最高のパフォーマンスを発揮するためには、マイクロソフトのサティア・ナデラCEOやアマゾンのジェフ・ベゾスCEO、Google会長エリック・シュミットも睡眠(睡眠時間)が重要であると感じています。
短時間睡眠は時代遅れ 名だたるCEOが8時間宣言 アリアナ・ハフィントン流 最高の結果を残すための「睡眠革命」(4)
(2016/12/26、日経Gooday)
睡眠を優先していることをカミングアウトする経営者、マイクロソフトの最高経営責任者(CEO)サティア・ナデラもその一人だ。彼は8時間眠ったときが最も調子がいいと話している。
アマゾンのCEOジェフ・ベゾスは8時間睡眠について語っていた。いくつもの分野で時代を先取りしている彼は、「ウォール・ストリート・ジャーナル」の取材にこう話している。「注意力が高まって、思考もはっきりする。8時間眠ると1日ずっと調子よく過ごせる」
Google会長エリック・シュミットは毎晩8時間半の睡眠を取るという。
#TWITTER 創業者 JACK DORSEY が毎日チェックする「する/しない」リストを健康的な視点から見てみるによれば、7時間睡眠をするように心がけているそうです。
Fitbitが睡眠ステージに関するデータを分析したところ、睡眠時間7時間から8時間の際に深い睡眠とレム睡眠の割合が最も高くなることがわかったそうです。
睡眠データの分析によって、睡眠が7時間以下になると深い睡眠とレム睡眠を十分に得られない可能性があり、睡眠時間7~8時間の際に深い睡眠とレム睡眠の割合が最も高くなることがわかったことから、7時間睡眠が健康に良いという一つの裏付けができたといえるのではないでしょうか。
■まとめ
寝苦しい夜にはエアコンの設定を温度を少し下げると眠りやすくなるそうなので、寝るまでに時間がかかることでお悩みの方はぜひ試してみてください。
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