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血液1滴(採血1回)で13種類のがんを早期発見する検査法を開発 3年以内をめどに事業化申請|国立がん研究センターなど




■血液1滴(採血1回)で13種類のがんを早期発見する検査法を開発 3年以内をめどに事業化申請|国立がん研究センターなど(2017/7/24)

Checking Blood Sample

by National Eye Institute(画像:Creative Commons)

血液1滴、がん13種早期発見…3年めど事業化

(2017/7/24、読売新聞)

同センターや検査技術を持つ東レなどは、がん患者ら約4万人の保存血液から、乳房や肺、胃、大腸、食道、肝臓、膵臓(すいぞう)など13種類のがんで、それぞれ固有のマイクロRNAを特定した。血液1滴で、がんの「病期(ステージ)」が比較的早い「1期」を含め、すべてのがんで95%以上の確率で診断できた。乳がんは97%だった。

国立がん研究センターなどは、血液1滴で13種類のがんを早期発見する検査法を開発し、8月から臨床研究を始め、早ければ3年以内に国に事業化の申請を行うそうです。

がん患者の血液中エクソソーム測定法に係わる共同研究開始について(2017/10/16、シスメックスプレスリリース)によれば、国立がん研究センター、JVCケンウッド、シスメックス、第一三共株は、がんの診断および治療の質の向上に向けた共同研究を開始すると発表しました。




■採血1回で13種のがんが診断できるようになる!?(2014/8/22)

国立がんセンター、採血1回で13種のがん診断 企業と開発へ

(2014/8/18、日本経済新聞)

一回の採血で13種類のがんを発見するシステムの開発が行われるそうです。

対象となるのは、胃がんや食道がん、肺がん、肝臓がん、胆道がん、膵臓がん大腸がん、卵巣がん、前立腺がん、膀胱がん、乳がん、肉腫、神経膠腫の13種類のがん。

このシステムが確立されれば、人間ドックや健康診断で早期発見・早期治療ができ、将来的には、日本人の死因第一位ががんではなくなるかもしれません。

ところで、どのようにして一回の採血で13種類のがんを発見することができるのでしょうか?

1回の採血で13種のがんを発見するシステム開発へ – NEDOやNCC、東レなど

(2014/8/21、マイナビニュース)

がん早期発見マーカーの鍵となる「マイクロRNA」とは、血液や唾液、尿などの体液に含まれる22塩基程度の小さなRNAで、近年の研究から「がんなどの疾患にともない、患者の血液中でマイクロRNAの種類や量が変動すること」が報告されているほか、抗がん剤に対する感受性の変化や転移、がんの消失など病態の変化に相関することも知られているため、新たな疾患マーカーとして活用が期待されているという。

がんによって、患者の血液中のマイクロRNAの種類や量が変動することがわかっており、それを目印として活用するそうです。

■まとめ

参考画像:新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)

新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)によれば、患者のQOLの最⼤化に向けて、個⼈の健康・医療データを活かす新たなシステムが必要であるとして、患者⾃らが納得して選択できる医療、患者の満⾜度の⾼い医療、時間・場所を問わず、必要な医療が提供される環境の実現が必要とあり、その中でも、より早く、より効果的で、より優しい医療の実現に資する、先制・個別化・再⽣医療等の先進医療や、先端技術を⽤いた医療機器の開発等取り組みが重要となるとあります。

その一つが、今回取り上げた、血液一滴から病気を早期発見できる診断技術です。

新産業構造ビジョン(2017/5/30、経済産業省)によれば、1滴の⾎液から、がんや認知症を早期に発⾒できる、低侵襲な早期診断技術を確⽴すれば、患者の満⾜度が⾼い医療の実現につながることから、こうした先制医療の実⽤化・産業化に向けた研究開発等が必要とあります。

今後ますます「先制医療」への注目が集まるのではないでしょうか?







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太りやすい体になる三つの要素とは?|運動不足・睡眠不足・自律神経のアンバランス




■太りやすい体になる三つの要素とは?

Woman sleeping

by Timothy Krause(画像:Creative Commons)

運動不足と睡眠不足が 見えない“食べすぎ”をつくる

(2009/10/21、日経ウーマンオンライン(日経ヘルス))

太りやすい体になる3つの要素として、

  1. 運動不足
  2. 睡眠不足
  3. 自律神経のアンバランス

が挙げられています。

1.運動不足

運動不足によって、筋肉が落ち、基礎代謝が落ちているため、太りやすくなると考えられます。

2.睡眠不足

睡眠不足によって、食欲ホルモンを増え、満腹ホルモンを減ってしまい、いくら食べても満足しないため、太りやすくなると考えられます。

3.自律神経のアンバランス

体脂肪の燃焼には、交感神経が活性化されることが必要なのですが、交感神経の働きが鈍くなると、体脂肪が燃焼されにくくなるため、太りやすくなると考えられます。

上記の3つのポイントを改善することで、太りやすい体から太りにくく、やせやすい体に変わるかもしれません。







【睡眠不足と肥満 関連記事】
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すい臓がんを早期発見する方法を開発したのは15歳!?将来的には生存率が100%になる可能性も?

健康・美容チェック > 膵臓がん > すい臓がんを早期発見する方法を開発したのは15歳!?将来的には生存率が100%になる可能性も?




■すい臓がんを早期発見する方法を開発したのは15歳!?将来的には生存率が100%になる可能性も?

Jack Andraka 2012 ISEF Winner

by Intel Free Press(画像:Creative Commons)

15歳の天才高校生が、すい臓がんの早期発見法を開発!5年後には生存率が100%に?

(2015/3/5、TABI LABO)

アンドレイカ君が開発した方法は、すい臓がんをたったの3セント(3円)、時間にして5分で判定できるというもの。

従来の方法と比べると168倍速く、26,000分の1以下の費用ででき、400倍の精度がある。

この検査によってがんが早期に発見されれば、患者には100%に近い生存率がある。そして今後2〜5年で、すい臓がん患者の生存率は現在の5.5%から100%近くに引き上げられる可能性がある。

2013年にすい臓がんを早期発見する画期的な方法を発見したのは当時15歳のジャック・アンドレイカ君だったそうです。

→ すい臓がん について詳しくはこちら

詳しくは元記事をご覧頂きたいのですが、すい臓がんを発見する方法を簡単にまとめると、

すい臓がんになると検出される8000種類のタンパク質を納めたデータベースの中から

・がんの初期段階からすべての患者において血中レベルが高くなる
・がんである場合のみ変化が見られる

というタンパク質を発見し、一種類の特定のタンパク質にだけ反応するという性質をもつ「抗体」の性質を組み合わせるというものです。

■まとめ

今回の記事の中にもある通り、すい臓がんは早期発見が難しく、見つかった時には手遅れである場合が多いと思い込んでいました。

「すい臓がんの85%が見つかった時には手遅れで、生存率は2%以下」

常識を疑うことから新しい発見があるんですよね。

→ 膵臓がんの症状(初期症状)・原因・チェック について詳しくはこちら







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自律神経が弱っていると脂肪を燃やせない体になる!?

ダイエット > 自律神経が弱っていると脂肪を燃やせない体になる!?




【目次】

■体脂肪の燃焼には、交感神経の活性化が欠かせない!

Tired

by Bianca Moraes(画像:Creative Commons)

運動不足と睡眠不足が 見えない“食べすぎ”をつくる

(2009/10/21、日経ウーマンオンライン(日経ヘルス))

「体脂肪の燃焼には交感神経の活性化が必須だが、現代女性はこの働きが弱い」(青木さん)。

交感神経とシーソーの関係にある副交感神経は食事や睡眠で活性化されるが、太っている人ではこちらも弱っているという。

体脂肪の燃焼には、交感神経の活性化が欠かせないのですが、現代人女性は、交感神経の働きが弱っているそうです。

また、太っている人の場合、副交感神経も弱っているのだそうです。




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■自律神経を鍛える方法

自律神経を鍛えるにはどのようにすればよいのでしょうか。

自律神経を鍛える方法として最も実行しやすいのは運動だ。

「運動している最中は交感神経が活性化され、運動後はその反動で副交感神経が活性化される」(中里さん)。

運動は単に消費カロリーを上げるだけではない効果があるわけだ。

運動は、筋肉を鍛える、カロリーを消費するだけでなく、自律神経(交感神経・副交感神経を活性化)を鍛える効果があるそうです。

自律神経を鍛えるためにも運動しましょう。

モナリザ症候群

「モナリザ症候群」とは、「Most Obesity kNown Are Low In Synpathetic Activity」という文章の頭文字を取ったもので「多くの肥満者は交感神経のはたらきが低下している」という意味。

では、この「交感神経」とは何かというと、自律神経のひとつで、緊張・興奮を促すスイッチのこと。

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、「昼の神経」とも呼ばれる「交感神経」はよく動く昼間に活発になり、またリラックスを促す「副交感神経」は夜に活発になります。

しかし、昼過ぎまでだらだらと寝たり、あまり活動的に行動しないと、「交感神経」の働きが鈍り、脂肪の代謝がスムーズに行われず、結果やせにくい体になってしまうのだとか。

交感神経の働きが低下することで、代謝が起こりにくく、痩せにくいカラダになってしまうことを言うようです。

→ 食べてないのに太るあなたは「モナリザ症候群」かも!?|モナリザ症候群解消方法|多くの肥満者は交感神経の働きが低下している について詳しくはこちら




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複数の薬剤をコントロールして放出できるスマート包帯を開発|ネブラスカ大学リンカーン校、ハーバード大学医学部、MIT【論文・エビデンス】




■複数の薬剤をコントロールして放出できるスマート包帯を開発|ネブラスカ大学リンカーン校、ハーバード大学医学部、MIT

複数の薬剤をコントロールして放出できるスマート包帯を開発|ネブラスカ大学リンカーン校、ハーバード大学医学部、MIT
複数の薬剤をコントロールして放出できるスマート包帯を開発|ネブラスカ大学リンカーン校、ハーバード大学医学部、MIT

参考画像:Smart Bandage|YouTubeスクリーンショット

ネブラスカ大学リンカーン校のプレスリリースによれば、ネブラスカ大学リンカーン校、ハーバード大学医学部、MITの研究者らは、感染を防止するための抗生物質や組織再生増殖因子、鎮痛剤などの複数の薬剤を収容し、放出できるスマート包帯を設計しました。

Smart Bandage

「薬の飲み忘れ」を根本から解決!複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲルの開発に成功|東京農工大学で取り上げた「複数の薬を異なる速度で自在に放出できる」というアイデアに導電性繊維を加えた、面白い包帯ですよね。

また、この包帯にはグルコースやpHといった他の健康関連指標を測定することができる糸ベースのセンサーを組み込むことで、自律的に治療を行う包帯を目指しているそうです。

【肌の上のラボ】汗を分析するデバイスで病気診断|ノースウエスタン大学では、Glucose(ブドウ糖)、pH(酸性・アルカリ性の度合い)、Lactate(乳酸)、Chloride(塩化物イオン)を分析し、水を飲むタイミングや電解質を補給するタイミングを知らせることができるデバイスの開発というニュースを紹介しましたが、この機能を包帯に組み込もうとしているようですね。




■まとめ

最近では、ファッションアイテムにセンサーを織り込む技術が開発されています。

●ソックスの生地に温度センサーを織り込む

siren care
siren care

参考画像:[500 STARTUPS DEMO DAY 2016] BATCH 18, Siren Care|スクリーンショット

SIREN CARE|糖尿病患者の足の炎症や傷害を温度センサーでリアルタイムに見つけるスマートソックスでは、温度センサーをソックスに織り込み、糖尿病患者が炎症や傷害をリアルタイムで検出するスマートソックス(靴下)を紹介しました。

●Project Jacquard|伝導性繊維をあらゆるファッションアイテムに織り込むプロジェクト

Project Jacquard: Making the Jacket

グーグル・Project Jacquardの「衣服ハック」

(2016/1/13、wired)

プーピレフのアイデアの正式名称は「Project Jacquard」(プロジェクト・ジャカード。その名称は伝統的な機械織りの技法にちなんでいる)。その目標は、伝導性繊維を地球上のすべての衣類と布に織り込んで、タッチセンサーや触覚フィードバックなどの機能を、ジーンズからクルマのシート、カーテンに至るまで、あらゆるものに搭載することだ。

「センサーを素材として生地に織り込むことができれば」とプーピレフは言う。「それはエレクトロニクスからの解放を意味する。身の回りにあるベーシックな素材をインタラクティヴにできるのだ」

グーグルの先進技術プロジェクト部門、ATAP(Advanced Technology and Projects)が取り組んでいるのが「Project Jacquard」という伝導性繊維をあらゆるファッションアイテムに搭載できるような技術の開発です。

伝導性繊維をあらゆるファッションアイテムに搭載できるようになるとどうなるでしょうか?

プーピレフはそれが意味することを想像し始める。着替えていることを電話が認識し、蝶ネクタイを結ぶと同時にUberでクルマを呼んでくれたらどうだろう? ランニングシューズを履くと同時に、自動的に運動記録が開始するとしたら? あるいは服の袖を一度軽くスワイプしただけで通話ができ、相手の声も聞こえるとしたら?

いま私たちが使っているスマホやウェアラブルデバイスの操作を服に触れるだけでできるようになるのです。

しかし、伝導性繊維を開発しても問題になるのは、現実の製造工程に組み込めるのかどうかです。

製造の現場に飛び込んだイヴァン・プーピレフはその製造工程の過酷さ(伝導性繊維にとっての)を目の当たりにします。

「飛び出た余分な糸の繊維を除去するために、直火にかけるなどというプロセスすらあった」と彼は言い、その荒々しさに首を振る。「そんなことが行われているとは知らなかったが、それはほんの一例に過ぎない。伸ばして水に漬け、ホットプレスにかけ圧縮する。布の種類によっては金属の爪で引き裂くことすらある。電子部品(を組み込む)とすれば、致命的だ」

製造工程では火にかけたり、水につけたり、圧縮したりするなど電子部品を組み込んだ電導性素材にとっては様々な課題が見つかりましたが、編み込みの技術や製造工程に取り入れる方法について解決していったそうです。

プーピレフは、服の袖を全面液晶ディスプレー化するという自分の夢を笑いつつ、それを本当に実現するのに関心をもつ誰かと協力することの重要性を熱っぽく語った。

脈拍数や血液中の酸素濃度などを表示し、肌に貼れる有機ELディスプレイを開発|東大で紹介した東京大学の染谷隆夫教授らの研究グループは、センサーで検知した脈拍数や血液中の酸素濃度を表示できる、肌にフィットして貼っていることに気付かないほど違和感なく装着できる有機ELディスプレイを開発したそうですので、服の袖を全面液晶ディスプレイ化するのもそう遠くない未来かもしれません。

●電導性のあるインクを使って生地を電子回路化

独自に開発した電導性のあるインクを使い、生地をワイヤレスな電子回路化するブランド「Loomia」

(2016/10/26、DiFa)

生地に特殊なインクでプリントされた電子回路は、もとのサイズから約2倍も引き伸ばすことが可能。柔軟性と伸縮性をもったスマートファブリックは、テクノロジーを使ったファッションデザインの可能性を大きく広げることになりそうです。

Loomia(ルーミア)」は、電子回路を布地に織り込むのではなく、電導性のあるインクを使って生地を電子回路化しています。

電子回路を布地に織り込む技術なのか、インクを使って布地を電子回路化するのか、それとも全く違った発想のものが出てくるのか、楽しみですね。

ファッション×テクノロジーは面白い研究が多く、着用するだけで心拍・心電位などの生体情報を取得できる機能素材があったり、バイオロジーを活用したトレーニングスーツ・ランニングシューズなどの研究が進んでいます。

●着用するだけで心拍・心電位などの生体情報を取得できる機能素材がある

着るだけで心拍数を測れる新素材 NTT・東レが開発によれば、NTTと東レは、心電計や脈拍計の電極の代わりに使える衣料用の新素材を共同開発していますし、心拍・心電位などの生体情報を取得できる機能素材「HITOE」を使ったウェア「C3FIT IN-PULSE」を活用して不整脈の臨床研究|東大病院・ドコモによれば、潜在的な不整脈検知が有効であるかを検証することを目的として、着用するだけで心拍・心電位などの生体情報を取得できる機能素材「hitoe」を活用したウェア「C3fit IN-pulse(シースリーフィットインパルス)」を活用し、長時間にわたる心拍と心電位計測を行う研究も行なうそうです。

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今回のスマート包帯のように、傷口を守りながら、皮膚の状態をモニタリングして、自律的にセンサーが判断して、複数の薬剤をベストなタイミングで放出できるようになれば、治療の効果が飛躍的に高まることが期待されます。







【参考リンク】
続きを読む 複数の薬剤をコントロールして放出できるスマート包帯を開発|ネブラスカ大学リンカーン校、ハーバード大学医学部、MIT【論文・エビデンス】