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脂肪肝(非アルコール性脂肪肝)によって慢性腎臓病のリスクが高くなる!?

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【目次】

■脂肪肝(非アルコール性脂肪肝)によって慢性腎臓病のリスクが高くなる!?

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by Brandon(画像:Creative Commons)

脂肪肝で腎臓病のリスクが増加

(2015/8/18、MEDLEY)

今回の研究は、8,329名の腎機能が正常な男性のアルコール摂取量、肝臓や代謝の機能、腹部エコーなどを評価し、その後の追跡調査によって慢性腎臓病との関連性を検証しました。

<中略>

非アルコール性脂肪性肝疾患により慢性腎臓病となるリスクが1.55倍なるという結果でした。

今回紹介したのは、脂肪肝非アルコール性脂肪肝)によって慢性腎臓病となるリスクが高くなるという論文を紹介している記事です。

脂肪肝の原因の主なものとして、カロリーオーバーな食事が挙げられますが、同様に腎臓に負担がかかる原因に、糖分の多い食事や高脂肪の多い食事があります。

糖分の多い食事や高脂肪の多い食事が続くと、血液中に「糖」や「脂肪」が増加し、それによってろ過する穴を広げてしまうため、糸球体のろ過する機能がうまく働かなくなってしまうからです。

このように、様々な病気が密接に絡み合っています。




■メタボと慢性腎臓病の関係

メタボを放っておくと、慢性腎臓病になる恐れがあるそうです。

なぜメタボと腎臓が関係があるのでしょう。

メタボ→高血圧高血糖動脈硬化→糸球体のろ過機能低下→腎臓機能低下

*メタボリックシンドロームになると、高血圧、高血糖などが原因で全身の血管が動脈硬化を起こします。

*腎臓の血管でも動脈硬化が起こり、腎臓にある糸球体(血液をろ過する腎臓の血管)が動脈硬化を起こすことで、濾過する能力が低下。

*その結果、腎機能の低下が起こる。

■まとめ

糖尿病高血圧脂質異常症高脂血症)といった生活習慣病の恐れがあると言われた時や「コレステロール値が高い」「中性脂肪が高い」といわれた時には、これまでと同じようなライフスタイルではいけませんよというサインだと思って、一度生活習慣を見直してみてくださいね。

→ 脂肪肝とは|脂肪肝の症状・原因・治し方 について詳しくはこちら







腎臓関連ワード

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塩分の摂取を制限(減塩)|おすすめの健康的ライフスタイル10箇条

ハクライドウがこれまで培ってきた約20年の健康情報をまとめた10箇条を紹介します。

あなたの健康的なライフスタイルにこの10箇条を取り入れていきましょう。




【目次】

■塩分と健康の関係

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by Dubravko Sorić(画像:Creative Commons)

●高血圧

血液中の水分量をコントロールしているのが塩分です。

血液中の塩分が適量であれば、血液中の水分量も正常で、血流も正常になります。

しかし、塩分には水分を引き寄せる働きがあり、血液中の塩分が多くなると、それだけ引き寄せられる水分量も多くなるため、血液の水分量も増加してしまい、血管の壁にかかる圧力が高くなってしまう、つまり、高血圧になると考えられます。

塩分の摂り過ぎ

→血液中の塩分濃度が高まる

→体が血液中の塩分濃度を薄めようと働くため(浸透圧を一定に保つ)、血液中に水分が取り込まれる

→血管の中の血液の量が増えることによって、血管に圧力がかかり、また、心臓への負担も大きくなる

血圧が上がる

→高血圧

→ 高血圧とは|高血圧の症状・食事・予防・原因・対策 について詳しくはこちら

●腎臓

【#世界一受けたい授業】腎臓にいい食べ物・腎臓に悪い食生活とは・CKD(慢性腎臓病)(横尾隆)

塩分の多い食事を続けると腎臓に負担がかかります。

「慢性腎臓病」が悪化すると、老廃物が血管の内皮細胞を傷つけることによって、脳卒中、心筋梗塞など血管の病気になるリスクが高くなります。

腎臓は『肝腎連関』『心腎連関』『脳腎連関』『肺腎連関』など臓器同士が連携するネットワークの要|#NHKスペシャルで紹介した京都大学大学院医学研究科の柳田素子教授によれば、腎臓は『心腎連関』『脳腎連関』『肺腎連関』『肝腎連関』など臓器同士が連携するネットワークの要となっているそうです。

腎臓が悪くなると他の臓器も悪くなるので、いかに腎臓を健康に保つかはとても大切なのです。

腎臓に良い食事としては、塩分を減らす工夫、つまり減塩を行なうこと。

厚生労働省によれば、一日の塩分の目安は、男性8g、女性7gで、日本人の平均は12.3gなのだそうです。

カリウム・カルシウム・マグネシウム・食物繊維には、増えすぎた塩分を効率よく体外へ排出させる効果があります。

カリウムは、血液での濾過装置である腎臓に作用すると考えられており、余分な塩分をより多く体外へ排出すると考えられています。

■閉経後の女性は塩分をため込みやすくなる!?

閉経期高血圧とは?予防する方法|閉経している女性は塩分をため込みやすくなる原因とは!?

私たちが摂取した塩分は体内を巡り、その2割程度が汗などで外に出ます。

そして残りの8割は一定の時間が経つと、腎臓からほぼ全て排出されます。

しかし、女性の中には尿によって塩分をうまく出せず、体内に溜め込んでしまう人がいます。

それは、閉経している女性です。

「閉経期高血圧(へいけいきこうけつあつ)」とは、閉経によって血圧に異常が出ることで、近年の研究で明らかになってきたそうです。

閉経前の女性は、卵巣から女性ホルモン「エストロゲン」が分泌されています。

このエストロゲンは月経を促すだけでなくに、塩分を尿で排出させる腎臓の働きを活性化させる役割もあるそうです。

閉経前にエストロゲンが正常に分泌されている間は余分に塩分を摂ったとしても腎臓が尿として排出してくれるため、体に塩分が溜まりにくいのですが、閉経を迎えて、エストロゲンの分泌が著しく低下すると、腎臓の機能も急激に低下し、うまく塩分を排出できない状態になってしまうそうです。

そのため、閉経後は女性の方が血圧のコントロールが難しくなり、心筋梗塞や脳卒中になる人が増加すると考えられます。

■食塩摂取量の基準

食塩をとり過ぎると血圧を上げるといわれています。

日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要|厚生労働省によれば、2015年4月1日より日本人のナトリウム(食塩相当量)の食事摂取基準を男性は1日9グラム→8グラム未満に変更され、女性は1日7.5グラムから7グラム未満に変更しました。

高血圧治療ガイドライン2014|日本高血圧学会

日本人の食事摂取基準(2010年版)では,成人において今後 5年間に達成したい食塩摂取の目標量として男性 9.0 g/日未満,女性 7.5 g/日未満を設定しているが55),平成21年国民健康・栄養調査では,男女とも約70%がこの目標量を超える食塩を摂取していると評価された。また,2012年策定の健康日本 21(第2次)では,2022年までに国民の平均食塩摂取量を8.0 gにすることを目標にした56)。2012年に発表された世界保健機関(WHO)のNa摂取量に関するガイドラインでは,一般成人の食塩摂取量を5 g/日未満にすべきとしており57),本邦の現状はこれに遠く及ばない。

高血圧治療ガイドラインによれば、食塩摂取量は一日6グラム未満となっていますが、WHOの掲げるナトリウム摂取量はさらに低く5グラム未満となっているそうです。




■減塩対策

●調理方法や調味料を変えたり、醤油さしを変える

高血圧の予防には「減塩」|血管を若返らせるプロジェクト|たけしの本当は怖い家庭の医学

  • 「ビニール袋を使った減塩浅漬け」など調理方法を工夫する。
  • 醤油の代わりに「酢」を活用する。
  • 醤油さしを「ミスト式醤油さし」や「ラー油式醤油さし」に変更することで、醤油の使用量を減らす。

●トロトロ減塩法

高血圧によい醤油!?血圧を下げる「まめちから大豆ペプチドしょうゆ」|トロトロ減塩法|#サタプラ

トロトロ減塩法とは、簡単に言うと、調味料を減らしたあんかけにすることです。

料理に使う調味料の量を減らし、代わりに水溶き片栗粉で溶かした調味料であんかけを作る方法です。

あんかけにすることによって、とろみがつくと、舌の上に残る時間が長くなり、塩分を減らしても、満足できるそうです。

使い方のポイントとしては、例えば、野菜炒めの場合は、水溶き片栗粉で溶かした調味料を火を止めてから入れること。

そうすることで、ダマになりにくくなります。

その他にも、ぶり大根(調味料を半分にしてあんかけ)や唐揚げ(下味をつけず後であんかけ)、卵焼きにも活用できるそうです。

●減塩レシピ

●ソルトチップ

高血圧を予防をするために必要なことは「減塩」なのですが、減塩食を作るのは大変だと感じる人も多いのではないでしょうか?

今回見つけたのは、塩味が薄い食べ物でも塩味を感じることができて、自然に減塩ができるという減塩技術です。

独自の減塩技術「ソルトチップ」とは?|高血圧を予防するポイントは「減塩」!

ソルトチップ(微量の食塩を含むチップ)を歯の裏に貼り付けて、塩味が薄い食事であっても塩味が感じられることで、減塩を行ないます。

●カリウム

塩分(ナトリウム)の多少に関わらず、カリウムの量が少ないと高血圧になりやすい!?

韓国の翰林大学校医科大学を含む研究グループによれば、ナトリウムの多い少ないに限らず、カリウムの量が少ないと高血圧になりやすいことがわかったそうです。

高血圧を予防・改善する食事療法「DASH(ダッシュ)食」とは?増やす食品・減らす食べ物によれば、DASH食とは、米国立保健研究所などが提唱している高血圧患者のための食事療法のことで、簡単に言えば、1 野菜・果物・低脂肪の乳製品を充分摂る、2 肉類および砂糖を減らす、という食事をすることです。

カリウム・カルシウム・マグネシウム・食物繊維には、増えすぎた塩分を効率よく体外へ排出させる効果があります。

カリウムは、血液での濾過装置である腎臓に作用すると考えられており、余分な塩分をより多く体外へ排出すると考えられています。

■まとめ

貧乏な人ほど生活習慣は不健康!?|人は(時間・お金・食べ物など)不足を認識したとき行動が変わる!

貧困は「人格の欠如」ではなく「金銭の欠乏」である|TED

貧乏な人ほど 借金が多く 貯金は少なく 喫煙者が多く 運動する人は少なく 酒飲みは多く 食習慣も不健康です

貧乏な人ほど、不健康な習慣を持っている人が多いため、「貧乏な人には欠けている部分(自制心など)がある」、極端に言えば「自業自得である」という意見を持つ人もいます。

そこで多くの人は、貧困の人に対して、健康になるために、生活習慣を改めようというアドバイスをしてしまいがちです。

しかし、歴史家のルトガー・ブレグマンさんの動画を見ると、そのアドバイスはまちがいかもしれません。

歴史家のルトガー・ブレグマンさんが調べたアメリカの心理学者の論文によれば、

「貧困生活の影響は 知能指数が14下がるのと同じこと」

なのだそうです。

また、プリンストン大学のエルダー・シャフィア教授によれば、人は不足(時間・お金・食べ物を含む)を認識したとき行動が変わるそうです。

その人が愚かだから 愚かな選択をしているのではなく どんな人であっても 愚かな選択をしてしまうような 状況に置かれているからです

つまり、貧困とは知識の欠如ではないのです。

#健康格差 とは|所得や学歴など社会経済的な地位が低いと不健康が多くなる!?#健康格差 は収入・学歴などが要因?|WHO、社会的・経済的な格差が健康の格差を生んでいるでも取り上げましたが、社会的・経済的な格差が健康の格差を生んでいるということがWHOでも一つの問題として注目されているようです。

健康格差とは、所得や学歴など社会経済的な地位が低いと不健康が多くなるといわれている格差のことです。

「所得と生活習慣等に関する状況」のグラフから見えてくるもの|厚生労働省調査によれば、所得が高い人ほど健康的な生活習慣を持っている、または健康的な生活習慣の人ほど高所得であると考えられます。

例えば、低収入ほど野菜不足-厚労省栄養調査で紹介した厚生労働省が発表した2011年の国民健康・栄養調査によれば、低収入ほど野菜の摂取量が不足しているという結果が出たそうです。

また、低所得者ほど生活習慣に問題=野菜食べず、運動しないによれば、低所得者ほど野菜を食べる量が少なかったり、運動の習慣がなかったりと、生活習慣に問題がある傾向があることがわかったそうです。

自分自身で健康管理をしている人はすでに健康に関して意識が高い行動をしていると思われるので、社会的に健康な社会を目指すならば、イギリスの取り組みが参考になるのではないでしょうか。

「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが「#健康格差」の要因|NHKスペシャルによれば、イギリスでは脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功したそうですが、その理由としては、イギリス食品基準庁が塩分を減らすように食品の塩分量の目標値を設定したことにあるそうです。

NHKスペシャルの低所得者の疾病リスクに迫った「健康格差特集」に反響の声

(2016/9/21、マイナビニュース)

2006年に85品目の食品に塩分量の目標値を設定し、メーカーに自主的達成を求めた。その理由は、主食であるパンが国民の最大の塩分摂取源となっていたためだが、メーカー側は売れ行き減を懸念。見かねた医学や栄養学などを専門とする科学者団体「CASH(塩と健康国民運動)」がメーカー側に徐々に塩分を下げるように提言した。

この提言に大手パンメーカーによる業界団体も納得し、7年でパンを20%も減塩。こういった取り組みの結果、国民1人当たりの塩分摂取量を15%減らすことにつながり、年間で2,000億円の医療費削減につながったと考えられている。

減塩のための食事を自分で作るのは大変ですが、食品メーカーが減塩に取り組むことによって、全体的に塩分摂取量が減らすことができるというのは大変いい取り組みだと思います。

最後に、塩分の摂り過ぎが気になる方は、調理方法や調味料を変えたり、醤油さしを変えたり、減塩レシピを活用するようにしてくださいね。







*良い情報が入るたびに今後アップデートしていきます。

【おすすめの健康的ライフスタイル10箇条】

【関連記事】

黄砂飛来の翌日に急性心筋梗塞が増加|慢性腎臓病の人は黄砂の影響によって急性心筋梗塞を起こしやすい|熊本大

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■黄砂飛来の翌日に急性心筋梗塞が増加

参考画像:黄砂飛来の翌日に急性心筋梗塞が増える可能性(2017/9/4、熊本大学プレスリリース)

黄砂飛来の翌日に急性心筋梗塞が増える可能性

(2017/9/4、熊本大学プレスリリース)

黄砂が観測された翌日に急性心筋梗塞を発症するオッズ比(相対危険度の近似値)は 1.46(95%信頼区間 1.09-1.95)であり、黄砂が観測された後に急性心筋梗塞患者が増えるという関連性が明らかになりました。

熊本大学の小島淳特任准教授ら、国立環境研究所の道川武紘主任研究員ら、京都大学、工学院大学、国立循環器病研究センターの研究者らと共同で行なった研究によれば、黄砂が心筋梗塞の発症と関連している可能性がわかりました。

特に慢性腎臓病のある人は、黄砂の影響を受けて心筋梗塞を起こしやすくなる可能性があるそうです。




■まとめ

今回の研究では、黄砂にさらされると心筋梗塞を発症しやすい可能性があることを示していますが、黄砂が心筋梗塞の発症リスクを上げるというメカニズムについては分かっていないようです。

黄砂飛来時は光化学オキシダント、二酸化窒素や二酸化硫黄といった大気汚染物質濃度が高くなりますが、統計モデル上でこれらの影響を排除するよう調整しても黄砂と急性心筋梗塞発症に関連性を認めました。

黄砂は比較的粒径の大きい粒子で構成されていますが、急性心筋梗塞との関連が報告されている PM2.5 を含んでいます。

黄砂飛来時には PM2.5 の濃度も高くなるので、PM2.5 の影響を排除した解析も行いましたが、同様に関連性を認めましたので、PM2.5 よりも径の大きい粒子が影響している可能性があります。

また、慢性腎臓病を有すると、体内では酸化ストレスや炎症など生体に悪影響をもたらす反応が進んでいますので、黄砂への曝露がこの反応を後押しすることでより急性心筋梗塞を起こしやすくしている可能性が考えられます。

一つの可能性として、今回の研究では、慢性腎臓病の人が黄砂の影響を受けて心筋梗塞になる可能性があることから、黄砂にさらされることによって、酸化ストレスや炎症などの反応を後押ししているのではないかという仮説が紹介されています。

これまでにも大気汚染が健康に悪影響を及ぼしているというニュースを紹介してきました。

今回の研究では、微小粒子状物質(PM2.5)、光化学オキシダント、二酸化窒素や二酸化硫黄といった大気汚染物質の影響を考慮しても、黄砂によって心筋梗塞になりやすく、特に慢性腎臓病の人は心筋梗塞になりやすいということでしたので、注意するようにしましょう。

→ 心筋梗塞の症状・原因・前兆・予防 について詳しくはこちら

→ 慢性腎臓病とは|慢性腎臓病(CKD)の症状・原因・チェック について詳しくはこちら







【参考リンク】
続きを読む 黄砂飛来の翌日に急性心筋梗塞が増加|慢性腎臓病の人は黄砂の影響によって急性心筋梗塞を起こしやすい|熊本大

クロちゃんについに余命宣告!|2型糖尿病・慢性腎臓病・肝機能障害の発覚後の教育入院で生活習慣はどう変わった?|名医のTHE太鼓判|4月23日




【目次】

  1. クロちゃんについに余命宣告!|2型糖尿病・慢性腎臓病・肝機能障害の発覚後の教育入院で生活習慣はどう変わった?|名医のTHE太鼓判|4月23日
  2. 1.自分の健康リスクを低く見積もりがちなこと
  3. 2.生活習慣の改善の仕方・アプローチを間違っていること
  4. より自然に人々の行動変容を促すことで健康になる時代に!

■クロちゃん、2型糖尿病・慢性腎臓病・肝機能障害の発覚後の教育入院で生活習慣はどう変わった?|名医のTHE太鼓判

Man of concern

by Lisa Brewster(画像:Creative Commons)

クロちゃんについに余命宣告!教育入院で“改心”も…フジモン怪しむ「嘘つきクソダルマ」

(2018/4/22、スポニチアネックス)

クロちゃんは1月29日に放送された同番組で2型糖尿病であることが判明したほか、慢性腎臓病、肝機能障害などの生活習慣病も発覚。血糖値は即入院レベルと診断された。過去の出演から暴飲暴食ぶりが全く改善されていなかったため、番組は「教育入院」を実施。

<中略>

実際に教育入院を終えてから3週間後の定期健診では空腹時の血糖値が233から103と大幅に改善。退院後の密着でも朝食を自炊し、仕事場までも7キロをウォーキングするなど生活改善が見られた。

「安田大サーカス」のクロちゃんが2018年1月29日放送の「名医のTHE太鼓判!」で2型糖尿病慢性腎臓病肝機能障害などの生活習慣病が発覚し、暴飲暴食が改善されていなかったため、専門医に食事や運動療法を指導される「教育入院」を実施しています。

2018年4月23日放送の「余命宣告3時間SP」では「教育入院」を行った結果、どれだけ生活改善がなされたかをチェックするそうです。

今回考えたいのは「生活習慣を改善する難しさ」についてです。

なぜ生活習慣を変えるのが難しいのでしょうか?

それは、1.自分の健康リスクを低く見積もりがちなこと、2.生活習慣の改善の仕方・アプローチを間違っていること、です。

1.自分の健康リスクを低く見積もりがちなこと

私たちは高齢化に伴う健康や金融リスクを低く見積もりがち!?|英エコノミスト「リアリティ・チェック:健康・経済プラン・QOLが映し出す未来像と現実のギャップ」によれば、人びとは高齢化に伴う健康リスクを低く見積もっているようです。

どんなに悪い生活習慣であっても、自分だけは病気にならないと健康リスクを低く見積もりがちであるため、実際の行動に移りづらいんですよね。

2.生活習慣の改善の仕方・アプローチを間違っていること

健康的な生活をするためには食事や運動など生活習慣を見直すことが重要だという結論になるのですが、食事バランスガイドを守ると死亡リスクが減少する!|バランスの良い食事をしようというメッセージは伝わっているの?で取り上げましたが、実は「健康のためにはバランスの良い食事をおすすめします」というメッセージでは生活習慣は変わりにくいのです。

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、「もっと健康的な食生活を送る」といったトータル的な目標は、はっきりしておらず、あいまいさがあるために、感情に言い逃れの余地を与え、失敗を正当化しやすくしてしまうそうです。

わかりやすくいえば、「健康のためにはバランスの良い食事をしましょう」というメッセージは正しいのですが、はっきりとした目標ではないために、「どうやったらいいかわからないからやらない」というような言い訳ができてしまい、「生活習慣の改善に失敗したのはわかりづらかっただけで自分のせいではない」と自分の行動を正当化する理由になってしまうのです。

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そうなると、結果的に、今まで通りの生活をしてしまうことになってしまいます。

では、どのようにすれば生活習慣を変えることができるのでしょうか?

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)によれば、

デューク大学の学者が2006年に発表した論文によると、毎日の人の行動の、じつに40%がその場の決定ではなく習慣

なのだそうです。

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また、「スイッチ 変われないを変える方法」(著:チップ・ハース ダン・ハース)によれば、セルフ・コントロールは消耗資源であり、例が挙げられています。

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例:ウェディングレジストリ(アメリカで結婚時に新郎新婦が作る結婚祝儀のほしいものリスト)の作成やコンピュータの購入など複雑な選択や検討をさせられた人々はさせられていない人々よりも集中力や問題解決能力が落ちる事が分かっている。

例:ある研究によると、感情を抑えるように支持された被験者は、自由に涙を流した被験者と比べて、その後の身体持久力が低下することがわかった。

私たちはあらゆる場面でセルフ・コントロールを消耗するものであり、一つ一つの行動をいちいち決定してしまうと疲れてしまうため、人は習慣として自動化された行動をしてしまうのです。

つまり、反対に考えると、変化を起こしたいときには、自動化された行動=習慣を変えなくてはならないのです。

具体的には習慣を変えるためにどのようなことをすればよいのでしょうか?

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)によれば、人間の心理には、2つの基本原則があるそうです。

1.シンプルでわかりやすいきっかけを見つけること

2.具体的な報酬を設定すること

新しい習慣作りには、「きっかけ」と「報酬」が重要です。

「習慣の力」(著:チャールズ・デュヒッグ)では、「きっかけ」と「報酬」についての具体的な例が紹介されています。

新しい運動習慣を身につけるのに成功した人々の研究では、職場から帰宅した直後にジョギングに行くといった特定のきっかけと、罪悪感から解放された夜のテレビ鑑賞やビールといった具体的な報酬を設定した人のほうが続きやすいことがわかっている。

食餌療法についての研究では、挫折せずに新しい食習慣をつくり上げるのには、前もってメニューを作成しておくなど、事前にきっかけを決め、シンプルな報酬を設定する必要が有ることも判明した。

あるグループでは、92%の人が、気持ちが良いから習慣的に運動すると話している。運動で分泌されるエンドルフィン等の神経伝達物質を期待し、求めるようになるのだ。

毎朝、走りたければ、シンプルなきっかけと明確な報酬を選ぶ必要がある。

しかし、その後の無数の研究によって、きっかけと報酬そのものには新しい習慣を長続きさせる力はないとわかった。脳が報酬を期待するようになってはじめて、つまりエンドルフィンや達成感を求めるようになってはじめて、毎朝、ジョギングシューズのヒモを無意識のうちに結ぶようになるのだ。きっかけはルーチンを生み出すだけでなく、その先の報酬への欲求を生み出すものでなくてはならない。

「きっかけ」と「報酬」は新しい習慣を作るうえで欠かせないものですが、「きっかけ」と「報酬」そのものには新しい習慣を長続きさせる力はなく、「〇〇したい」「〇〇がほしい」というような明確な欲求が習慣のための原動力となるのです。

そのため、このプログラムにおいては、変わりたいという感情をいかに生み出すのか=「動機づけ」をいかに行うかがポイントになってくるのではないでしょうか?

どのような目標を立てるのかも大変重要です。

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、

「いかに小さな成功であってもそれを積み上げることで自信につながる」

NFLコーチ ビル・パーセルズの言葉を紹介しています。

手の届く範囲の目標を掲げて、それを達成することにより、小さな成功を感じることは、その人にとっての自信になるはずです。




■より自然に人々の行動変容を促すことで健康になる時代に!

もう一つ考えられているのは、社会全体が健康的なものに変わっていくことです。

31歳で横浜市立大学の教授となった武部貴則教授が取り組む「広告医学」とは?|なぜ「広告医学」が必要なの?|「広告医学」の例で紹介した広告医学とは、医療・医学情報と、デザインやコピーライティングなどの広告的視点を組み合わせることで、より自然に動機付けして、人々の行動変容を促すことにより、健康を実現していくことを目指すものです。

言い換えると、先ほど紹介したのは、個人の生活習慣を変えたいという意志が重要だったのですが、ここでは人々が普通に生活しているだけで健康的な行動を起こすようになっているという考え方ですね。

横浜市大×電通『広告医学プロジェクト2016』が本格始動では3つのプロジェクトが紹介されています。

1.Another Steps ・・・つい上りたくなる健康階段

『Another Steps(健康階段)』は、一日中ラボに籠って研究に勤しむ研究者に、階段の上り下りの中で、世界50か国もの天気情報をリアルタイムで提供します。研究者が階段を使うことによって、外の世界の「今」を知るきっかけとなるだけでなく、自然に健康づくりが促進される実験的な取組として、平成28年4月に先端医科学研究棟内において実施しました。

エスカレーターを使うよりも階段の上り下りをするほうが健康的であり、階段を上り下りする中で世界の天気情報を見ることができるというものです。

ICAROS|飛行シミュレーションができるVRゲームとワークアウトを組み合わせたフィットネスマシン
で紹介したICAROSは、飛行シミュレーションができるVRゲームとエクササイズを組み合わせたフィットネスマシンもこの考え方に近いもので、ゲームをすると結果的に健康的になれるというアイデアです。

2.演劇クエスト ・・・ロールプレイングゲームで健康行動促進

このプロトタイプでは、患者さんが冒険者として院内を探索するストーリーになっており、シナリオにある選択肢にそって参加者はそれぞれ違うルートで、屋上から駐車場まで、いろいろな所を楽しみながら歩くことができ、リハビリ等の促進が期待できます。

RPGの主人公になってストーリーを楽しみながら歩くことによってリハビリの促進が期待できるというものです。

【関連記事】

「所得」「地域」「雇用形態」「家族構成」の4つが「#健康格差」の要因|#NHKスペシャルでは、イギリス食品基準庁が食品に塩分量の目標値を設定することでは脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を減らすことに成功したケースや東京都足立区が飲食店にお客に出すお通しに野菜を提供するなどをお願いすることによって糖尿病患者を減らしたケースを紹介しました。

■イギリス食品基準庁、食品に塩分量の目標値を設定

NHKスペシャルの低所得者の疾病リスクに迫った「健康格差特集」に反響の声

(2016/9/21、マイナビニュース)

イギリスでは、脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功した。これらの疾病は、低所得がかかりやすいとされているが、イギリスは高血圧などの心疾患を招く塩分を減らすことに着手したとのこと。

イギリスでは脳卒中や虚血性心疾患の死亡者数を8年間で4割減らすことに成功したそうですが、その理由としては、イギリス食品基準庁が塩分を減らすように食品の塩分量の目標値を設定したことにあるそうです。

2006年に85品目の食品に塩分量の目標値を設定し、メーカーに自主的達成を求めた。その理由は、主食であるパンが国民の最大の塩分摂取源となっていたためだが、メーカー側は売れ行き減を懸念。見かねた医学や栄養学などを専門とする科学者団体「CASH(塩と健康国民運動)」がメーカー側に徐々に塩分を下げるように提言した。

この提言に大手パンメーカーによる業界団体も納得し、7年でパンを20%も減塩。こういった取り組みの結果、国民1人当たりの塩分摂取量を15%減らすことにつながり、年間で2,000億円の医療費削減につながったと考えられている。

現在、日本人の一日の塩分摂取量として推奨されているのは、10g未満です。

ただし、高血圧患者ではさらに基準が厳しく、1日6g未満となっています。(日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインより)

減塩のための食事を自分で作るのは大変ですが、食品メーカーが減塩に取り組むことによって、全体的に塩分摂取量が減らすことができるというのは大変いい取り組みだと思います。

→ 高血圧の症状・食事・数値・予防・原因 について詳しくはこちら

→ 血圧を下げる方法(食べ物・サプリメント・運動) について詳しくはこちら

■糖尿病患者を減らした東京都足立区の事例

NHKスペシャルの低所得者の疾病リスクに迫った「健康格差特集」に反響の声

(2016/9/21、マイナビニュース)

まず実行したのは飲食店巡り。お客のお通しに野菜を提供するようにお願いし、肉のメニューと野菜のメニューを同時に頼まれても、必ず野菜から出してもらうように店側にお願いした。

その理由は血糖値の変化にある。野菜を炭水化物よりも先に摂取することにより、食物繊維が糖の吸収を遅らせて血糖値の変化量を約30%抑えられる。

東京都足立区の平均年収は23区で最も低い300万円台前半(港区の3分の1程度)で、健康寿命は23区の平均よりも2歳短く、糖尿病の治療件数が最も多いそうです。

そこで足立区は区民が「自然と」健康になるようにする対策として行なったのが、飲食店にはお客のお通しに野菜を提供すること、肉のメニューと野菜のメニューを同時に頼まれても、必ず野菜から出してもらうようにお願いをし、また、区立のすべての保育園で野菜を食べる日を設け、調理は子ども自身が担当することで、楽しみながら野菜を摂取してもらうようにしたそうです。

この取り組みによって、足立区の1人当たりの野菜消費量は年間で5kg増えたそうです。

ポイントは、人々は生活習慣を変えることなく、メーカーや飲食店が健康的な食事を提供することによって、自然と人々が健康になっていったということです。

つまり、大事なことは、社会全体が健康に対する意識を高めることで、メーカーや外食店が健康的な食事を提供するようになれば、人々も以前と比べて健康的な生活習慣への改善を意識することなくできるということです。

健康寿命を延ばすことは国の医療費を削減するためにも大事なことですのでみんなで取り組んでいきたいですね。







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便秘症の治療薬が慢性腎臓病の治療薬になる可能性|腸内環境改善による腎臓病治療法の開発|東北大

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■便秘症の治療薬が慢性腎臓病の治療薬になる可能性|腸内環境改善による腎臓病治療法の開発|東北大

Children surprise

by Michel Riallant(画像:Creative Commons)

便秘症の薬が腎臓病に効く可能性示す

(2014/12/26、ハフィントン・ポスト)

便秘症の治療薬のルビプロストンに慢性腎臓病の進行を抑える効果があることを、東北大学大学院医学系研究科の阿部高明(あべ たかあき)教授らがマウスの実験で見いだした。

東北大学大学院医学系研究科の阿部高明教授らによるマウスの実験によれば、便秘症の治療薬であるルビプロストンに慢性腎臓病の進行を抑える効果があるそうです。

腎臓病で蓄積する種々の尿毒素のうち、最も悪い作用をするといわれているインドキシル硫酸などの産生には腸内細菌叢が関わることが知られていた。さらに近年、慢性腎臓病では、腸内細菌叢を含む腸内環境全体が悪い方向に変化していることも明らかになっていた。

今回の研究の仮説のポイントはこちら。

1.腎臓病で蓄積する尿毒素の産生に腸内細菌叢が関わっている

2.慢性腎臓病では、腸内細菌叢(腸内フローラ)を含む腸内環境全体が悪い方向に変化している

→腸内環境を変えるものとして、便秘症の下剤として使われているルビプロストンで実験

ルビプロストンを投与したマウスでは、腸内細菌に由来する尿毒素物質の血中濃度が減少していた。これらの結果から、ルビプロストンは腸内環境・腸内細菌叢の変化を介して、尿毒素の蓄積を減少させ、慢性腎臓病の進行を抑制すると考えられる。

ルビプロストンによって、腸内環境・腸内細菌叢の変化を介して、尿毒素の蓄積を減少させ、慢性腎臓病の進行を抑制すると考えられるそうです。

【参考リンク】




→ 「腸腎連関」|腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが慢性腎臓病の悪化を抑制するカギに について詳しくはこちら




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