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Siren Care|糖尿病患者の足の炎症や傷害を温度センサーでリアルタイムに見つけるスマートソックス

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【目次】

■Siren Care|糖尿病患者の足の炎症や傷害を温度センサーでリアルタイムに見つけるスマートソックス

SIREN CARE|糖尿病患者の足の炎症や傷害を温度センサーでリアルタイムに見つけるスマートソックス
SIREN CARE|糖尿病患者の足の炎症や傷害を温度センサーでリアルタイムに見つけるスマートソックス

参考画像:Siren Care|スクリーンショット

糖尿病患者の健康状態を常時チェックして警報をスマホに送るSiren Careの“スマートソックス”

(2016/11/26、TechCrunch Japanese)

Sirenのソックスは靴の中敷きよりも皮膚によく密着する。センサーはソックスの生地に織り込まれていて、炎症があるとそれを検出する。その情報はユーザーのスマートフォンにアップロードされ、問題を警報する。

ソックスが異常な高熱を検出すると、そのデータはソックスとアプリとクラウドに保存される。それは足に傷害があるというサインなので、足を調べろという警報がユーザーに送られる。

Siren Careが開発したのは、糖尿病患者が温度センサーで炎症や傷害をリアルタイムで検出するスマートソックス(靴下)です。

糖尿病で足(下肢)切断のリスクが上がる?「足の痛みがない」「足の冷え」に注意!によれば、糖尿病性神経障害になり足の痛みの感覚がなくなると、靴擦れや足の傷ができても気づきにくく、また、細菌の感染への抵抗力が弱くなることによって、足が壊死してしまい、切断にまで至ってしまうことがあります。

スマートソックスが異常な高熱を検出すると、足に障害が起きているサインを送り、感染症や足の切断手術など深刻な事態になるのを防ぐことが期待されます。

→ 糖尿病性神経障害 について詳しくはこちら

siren care
siren care

参考画像:[500 STARTUPS DEMO DAY 2016] BATCH 18, Siren Care|スクリーンショット

Maは曰く、“わが社のSmart Textile(電脳織物)技術は、さまざまなセンサーや電子回路を織り込める。湿度センサー、圧力センサー、光センサー、LED、RFID、MCU、BLEなどなど、何でもシームレスに布地と一体化する”。

センサーや電子回路を布地に織り込む技術があれば、ウェアラブルデバイスをつけるという感覚さえもなくなっていくのではないでしょうか。

糖尿病患者にはこのソックスを履くように促すことにより、そのサインを早く察知することができそうですね!




■伝導性繊維をすべてのファッションアイテムに織り込む時代が来る!?

【追記(2017/1/15)】

Project Jacquard: Making the Jacket

グーグル・Project Jacquardの「衣服ハック」

(2016/1/13、wired)

プーピレフのアイデアの正式名称は「Project Jacquard」(プロジェクト・ジャカード。その名称は伝統的な機械織りの技法にちなんでいる)。その目標は、伝導性繊維を地球上のすべての衣類と布に織り込んで、タッチセンサーや触覚フィードバックなどの機能を、ジーンズからクルマのシート、カーテンに至るまで、あらゆるものに搭載することだ。

「センサーを素材として生地に織り込むことができれば」とプーピレフは言う。「それはエレクトロニクスからの解放を意味する。身の回りにあるベーシックな素材をインタラクティヴにできるのだ」

グーグルの先進技術プロジェクト部門、ATAP(Advanced Technology and Projects)が取り組んでいるのが「Project Jacquard」という伝導性繊維をあらゆるファッションアイテムに搭載できるような技術の開発です。

伝導性繊維をあらゆるファッションアイテムに搭載できるようになるとどうなるでしょうか?

プーピレフはそれが意味することを想像し始める。着替えていることを電話が認識し、蝶ネクタイを結ぶと同時にUberでクルマを呼んでくれたらどうだろう? ランニングシューズを履くと同時に、自動的に運動記録が開始するとしたら? あるいは服の袖を一度軽くスワイプしただけで通話ができ、相手の声も聞こえるとしたら?

いま私たちが使っているスマホやウェアラブルデバイスの操作を服に触れるだけでできるようになるのです。

Introducing Levi’s® Commuter Trucker Jacket with Jacquard by Google

リーバイスはグーグルが開発した繊維「Jacquard(ジャカード)」で制作したジャケット「Levi’s Commuter Trucker Jacket」を発売するそうです。

スマホと連携する袖口部分をまるでスマホを操作するようにタップしたりスワイプすることで、電話やメール、音楽の再生、道案内などの機能を使うことができます。

しかし、伝導性繊維を開発しても問題になるのは、現実の製造工程に組み込めるのかどうかです。

製造の現場に飛び込んだイヴァン・プーピレフはその製造工程の過酷さ(伝導性繊維にとっての)を目の当たりにします。

「飛び出た余分な糸の繊維を除去するために、直火にかけるなどというプロセスすらあった」と彼は言い、その荒々しさに首を振る。「そんなことが行われているとは知らなかったが、それはほんの一例に過ぎない。伸ばして水に漬け、ホットプレスにかけ圧縮する。布の種類によっては金属の爪で引き裂くことすらある。電子部品(を組み込む)とすれば、致命的だ」

製造工程では火にかけたり、水につけたり、圧縮したりするなど電子部品を組み込んだ電導性素材にとっては様々な課題が見つかりましたが、編み込みの技術や製造工程に取り入れる方法について解決していったそうです。

プーピレフは、服の袖を全面液晶ディスプレー化するという自分の夢を笑いつつ、それを本当に実現するのに関心をもつ誰かと協力することの重要性を熱っぽく語った。

脈拍数や血液中の酸素濃度などを表示し、肌に貼れる有機ELディスプレイを開発|東大で紹介した東京大学の染谷隆夫教授らの研究グループは、センサーで検知した脈拍数や血液中の酸素濃度を表示できる、肌にフィットして貼っていることに気付かないほど違和感なく装着できる有機ELディスプレイを開発したそうですので、服の袖を全面液晶ディスプレイ化するのもそう遠くない未来かもしれません。

【追記(2017/1/22)】

独自に開発した電導性のあるインクを使い、生地をワイヤレスな電子回路化するブランド「Loomia」

(2016/10/26、DiFa)

生地に特殊なインクでプリントされた電子回路は、もとのサイズから約2倍も引き伸ばすことが可能。柔軟性と伸縮性をもったスマートファブリックは、テクノロジーを使ったファッションデザインの可能性を大きく広げることになりそうです。

Loomia(ルーミア)」は、電子回路を布地に織り込むのではなく、電導性のあるインクを使って生地を電子回路化しています。

電子回路を布地に織り込む技術なのか、インクを使って布地を電子回路化するのか、それとも全く違った発想のものが出てくるのか、楽しみですね。

■まとめ

心拍などのデータを測定できる新素材を開発しているメーカーもありますので、センサーや電子回路を布地に織り込む技が生かされるようになるのではないでしょうか。

→ 糖尿病の症状・初期症状 について詳しくはこちら

→ 糖尿病危険度チェック について詳しくはこちら







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【名医のTHE太鼓判】バナナで若返り🍌血圧&尿酸値改善!6月17日【予習編】




bananas

by Shannon(画像:Creative Commons)

2019年6月17日放送の「名医のTHE太鼓判」(TBS系)では「バナナで若返る★血圧&尿酸値改善」について取り上げます。

そこで予習を行いました。

まとめると、尿酸値を抑えるためには尿をアルカリ化する食品を摂るとよくて、その食べ物の一つが「バナナ」であり、また、バナナに含まれるカリウムが高血圧を抑えてくれるので、バナナを摂るといいということですね。







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シャープ、カメラの前にいるだけで血圧が推計できる技術を開発

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【目次】

■シャープ、カメラの前にいるだけで血圧が推計できる技術を開発

シャープはカメラの前にいるだけで、人間の目には見えない血管のわずかな動きをセンサーでとらえ、血圧が推計できる技術を開発しました。

このシステムは特別なカメラは必要とせず、テレビやパソコン、スマホでも血圧を測れる未来を想定しています。

ただ、メイクをしていると顔色の変化が検出できなくなる可能性があるそうです。

■まとめ

シャープ、カメラの前にいるだけで血圧が推計できる技術を開発
シャープ、カメラの前にいるだけで血圧が推計できる技術を開発

unsplash-logoRendiansyah Nugroho

今回のニュースのポイントは、カメラの前にいるだけで血圧が推計できるということ。

血圧をコントロールするために血圧を毎日計るのはわずらわしいですよね。

わずらわしさを解消するためには、何か特別に測定しようとするのではなく、何かをする動作に組み込むというのがいいアイデアです。

以前紹介した血行状態が映る「魔法の鏡」開発|将来的には自律神経指標に基づく未病対策が目的|東北大学では、東北大学によれば、ビデオカメラとコンピューターを内蔵した鏡型ディスプレーの前に立つだけで、その時の血行状態などが分かる血行状態モニタリング装置「魔法の鏡」を開発しましたが、鏡にした理由として、洗面所や脱衣所にある鏡は多くの人々がほぼ毎日利用することを理由として挙げられていました。

大事なことは、わざわざ測定するのではなく、日ごろの習慣を変えることなく、健康管理をすることです。

健康増進のためには、行動変容が必要といわれますが、習慣を変えるというのは大変なこと。

いかに日ごろからの習慣を変えることなく、健康に近づけていけるかがこれからのヘルスケアのアイデアの鍵になるのではないでしょうか?

→ 高血圧とは|高血圧の症状・食事・予防・原因・対策 について詳しくはこちら

→ 血圧を下げる方法(食べ物・サプリメント・運動) について詳しくはこちら







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脱水症状や血糖値が上昇したときに色を変えることによって健康状態をモニタリングできるスマートタトゥーインク開発|ハーバード大学・MIT

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■脱水症状や血糖値が上昇したときに色を変えることによって健康状態をモニタリングできるスマートタトゥーインク開発|ハーバード大学・MIT

脱水症状や血糖値が上昇したときに色を変えることによって健康状態をモニタリングできるスマートタトゥーインク開発|ハーバード大学・MIT
脱水症状や血糖値が上昇したときに色を変えることによって健康状態をモニタリングできるスマートタトゥーインク開発|ハーバード大学・MIT

参考画像:Tattoos as medical condition monitors|YouTubeスクリーンショット

MIT(マサチューセッツ工科大学)のメディアラボでKatia Vegaが率いるハーバード大学医学部の研究者が行なった研究によれば、ハーバード大学で開発された生体感受性インクとタトゥーの技術を組み合わせて、脱水症状が起きた時や、血糖値が上昇したときに、色を変えることによって健康状態をモニタリングできるスマートタトゥーインクを開発しました。

Tattoos as medical condition monitors

健康状態をモニタリングできるウェアラブルデバイスはありますが、欠点として体とシームレスに結合することは難しいことやバッテリー切れの心配があります。

今回開発したインクでは、電源やワイヤレス通信機能が不要であるため、そうした欠点をカバーできます。




■まとめ

健康管理をするためのモニタリングできるウェアラブルデバイスに対して関心が高まっています。

ただし、このウェアラブルデバイスに対して3つの課題があると考えられています。

1.ウェアラブルデバイスは皮膚に常に貼り付けておかないとモニタリングできないが、貼り付けている部分の安全性に問題はないか?

2.バッテリー切れの心配やワイヤレス機器との接続が必要であること

3.健康管理にどう活かせばよいかわからないこと(例:数字で表示されてもどういう意味かわからない)

皮膚貼り付け型ナノメッシュセンサーの開発に成功|1週間貼り続けても炎症反応がない|東大・JST・慶大・理研によれば、心電図や脈拍などの生体データを計測して健康管理に活かすためのウェアラブルデバイスに関心が高まっており、さらに次世代型として薄膜フィルムやゴムシートを用いて皮膚に密着することにより高精度な生体データを計測するための血中酸素濃度計やタッチセンサーアレイ(人の指などが接触する位置情報をセンシングできるデバイス)の開発が進められています。

しかし、医療やスポーツで利用する場合には一週間以上の長期測定が必要であり、フィルムやゴムシート型のデバイスの場合、汗の分泌を阻害するため安全性についての問題がありました。

そこで、東京大学大学院工学系研究科、科学技術振興機構、慶應義塾大学医学部、理化学研究所統合生命医科学研究センター、同研究所染谷薄膜素子研究室、同研究所創発物性科学研究センターの共同研究によれば、1週間皮膚に貼り続けても炎症反応がなく、装着していることを感じないほど超軽量で極薄のナノメッシュ電極の開発に成功したそうです。

また、以前紹介した【肌の上のラボ】汗を分析するデバイスで病気診断|ノースウエスタン大学で紹介したノースウエスタン大学の研究チームが開発した、皮膚に簡単に貼りつけることができる、身体が運動にどのように反応しているかを着用者の汗を測定するマイクロ流体デバイスも今回紹介したタトゥー技術と同じようなアイデアを持っています。

このデバイスを使えば、Glucose(ブドウ糖)、pH(酸性・アルカリ性の度合い)、Lactate(乳酸)、Chloride(塩化物イオン)を分析し、水を飲むタイミングや電解質を補給するタイミングを知らせることができます。

New sweat-monitoring device explained

この汗を分析するプラットフォームは、採血がいらず、電池を必要とせず、スマホなどと接続する必要とせず、その場で健康状態をチェックすることができるというのが大事なポイントです。

ウェアラブルデバイスの弱点ともいえる、つける人にストレスなく、バッテリー切れの心配なく、スマホなどのワイヤレス機器との接続をすることなく、健康状態をチェックできるというポイントがあります。

もう一つのポイントは、色が変わると健康状態が変化していることがわかるというわかりやすさです。

健康管理UXをいかに編集してわかりやすくできるか?|ドラクエにおけるレベルデザインを象徴するアイコン「橋」を参考にしてみよう!では、健康管理をする上で、いかにその情報(言葉、画像、テキスト、動画など)をわかりやすく、受け取りやすい形に編集して、製品やサービスを利用を通じて得られる体験であるUX(ユーザーエクスペリエンス)をよいものにするかが重要だと書きました。

「健康年齢®OCR サービス」|タブレット端末のカメラを健康診断書にかざすだけで体の状態をわかりやすく表示してくれるサービス|JMDC ・キヤノンMJでは、健康診断書にかざすだけで必要な項目を自動的に抽出しOCR解析を行って一覧にし、統計モデルに照らし合わせてわかりやすく表示する技術が開発されているそうです。

また、人間は「感覚追加」を行うことで新しい世界を見ることができるかもしれない!?|デイヴィッド・イーグルマン「人間に新たな感覚を作り出すことは可能か?」よりによれば、例えば、血糖値を計測して、数値で血糖値が〇〇と出たとしても、人によっては生活習慣を改善しようとまでは思わない人もいると考え、血糖値の高さを別の形で表現するとしたら、どうでしょうかと提案しました。

今回のアプローチはインクの色が変わることで体調変化を示すというわかりやすさがありますよね。

スマートウォッチは病気の早期発見に役立つ|正常値とベースライン値の確立が重要|スタンフォード大によれば、現在進行中の研究の重要な要素は、正常値またはベースライン値を確立することなのだそうです。

Verily(元Google X)のProject Baseline studyの目的は、病気のサインを見つけ病気の予防をすること!?で紹介したプロジェクト「Baseline Study」では、尿・血液・唾液・涙といった成分からデータを収集・解析し、健康の基準値(ベースライン)を見つけることで、生体の状態や病態を示す指標「バイオマーカー」を発見し、健康維持や病気の早期発見に役立てることを目指していました。

病気が発症してからではなく、健康な体が病気になりそうなサインを見つけるというアイデアは、東洋医学における「未病」という考え方に近いものです。

人によっては、健康診断などの検査結果で異常がないにもかかわらず、体がだるい、疲れやすい、頭痛、肩こり、めまい、眠れないなどといった体の不調に悩まされた経験もあるのではないでしょうか。

「はっきりとした症状はでていない」「数値には現れないけどなんだか体調がよくない」というときを、健康な体から病気の身体へと向かう途中だと考えるとすれば、その途中で起きる「サイン」に着目して、何らかの対処を行なうことが最も効果的な医療になっていくのではないでしょうか。

そのためにも、病気かそうではないかの「Baseline(ベースライン)」を見つける研究に注目が集まっていると考えられます。

今回のパッと見た目でわかりやすく変化するタトゥーインクのようなものが普及すれば、ベースライン値で体調管理をしていくという考え方が広まっていくかもしれません。







【参考リンク】
続きを読む 脱水症状や血糖値が上昇したときに色を変えることによって健康状態をモニタリングできるスマートタトゥーインク開発|ハーバード大学・MIT

高血圧と尿ナトカリ比・身体活動量・睡眠状態をモニタリングしたデータとの関連を明らかにするための共同研究を開始|東北大・オムロンヘルスケア

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【目次】

■高血圧と尿ナトカリ比・身体活動量・睡眠状態をモニタリングしたデータとの関連を明らかにするための共同研究を開始|東北大・オムロンヘルスケア

chemistry bottles with liquid inside

by zhouxuan12345678(画像:Creative Commons)

国立大学法人東北大学 東北メディカル・メガバンク機構とオムロン ヘルスケア株式会社は、コホート調査の参加者に尿ナトカリ計、活動量計、睡眠計を配布し、尿中のナトリウムとカルシウムのバランス、心値活動量、睡眠状態をモニタリングしてもらい、そのデータと高血圧などとの関連を明らかにするための共同研究を開始するそうです。

■この研究のポイント

高血圧の原因の一つに高塩分食がありますが、2つの理由により、減塩指導は成果を上げにくかったそうです。

■減塩によって血圧が低下する人とそうでない人がいたため、減塩の徹底がなされてこなかったこと

■簡単な塩分摂取量の評価法がなかったこと

食事中の塩分摂取量のゴールドスタンダードは、24 時間蓄尿で測定される尿中ナトリウム排泄量であり、一般の方に測定していただくのは非常に困難でした。

そこで、尿ナトカリ計を用いた研究を行うことにより、塩分感受性を明らかにすることと測定の難しさの2つが解決されることになるそうです。

この研究によって、ナトリウム(塩分摂取量)とカリウム(野菜と果物の摂取量)のバランスであるナトカリ比を低く抑えることにより血圧の上昇を抑制するという研究結果を裏付けるものとなるのか注目です。

→ 高血圧を予防・改善する食事療法「DASH(ダッシュ)食」とは? について詳しくはこちら




■尿中ナトカリ比

参考画像:簡単に塩分の摂取状況が測定できる研究用の尿中Na/K(ナトリウム/カリウム)比測定器「オムロン ナトカリ計 HEU-001F」(2014/5/14、OMRONニュースリリース)

簡単に塩分の摂取状況が測定できる研究用の尿中Na/K(ナトリウム/カリウム)比測定器「オムロン ナトカリ計 HEU-001F」

(2014/5/14、OMRONニュースリリース)

24時間蓄尿検査に代わる簡便な手法を開発する過程で、世界的な疫学研究「INTERSALT研究」*4にて、血圧との関連が示されている「尿中Na/K(ナトリウム/カリウム:ナトカリ)比」という指標に着目。滋賀医科大学との共同研究により、1日1回、1週間程度、尿をセンサーにかけるだけで計測した数値が、24時間蓄尿による従来手法とほぼ同等の数値となることが分かりました。

食事における塩分摂取良を計測するには、1日分の尿をすべてためて医療機関で分析する24時間蓄尿検査が必要だったのですが、1日1回1週間ほど尿をセンサーで計測した数値がほぼ同等となることがわかったことにより、ナトカリ比を高精度で把握することができるようになったことで、これまで把握することが難しかった塩分・カリウムの摂取の状況を数値で確認することができるようになったそうです。

【参考リンク】

ナトリウム/カリウム比率|2011 年第 6 回24 時間蓄尿塩分調査報告書

(2012 年7月、日本医療福祉生活協同組合連合会)

ナトリウム(g/日)/カリウム(g/日)比率は、塩分摂取量(ナトリウム)と野菜などの摂取量(カリウム)の関係を示す指標で、この値が低いほど食生活のバランスが良いことを表します。塩分の摂取量がより少なく、野菜の摂取量がより多いほどナトリウム/カリウム比率の値は低くなります。

ナトカリ比は低い値ほど食生活のバランスがとれていると考えられます。

ちなみに、ナトカリ比の基準値・正常値について検索してみましたが、そうした値は出ていませんでした。

■まとめ

尿ナトカリ計・活動量計・睡眠計によるモニタリングにより、生活習慣と高血圧の関係が明らかにされることが期待されます。

→ 高血圧とは|高血圧の症状・食事・予防・原因・対策 について詳しくはこちら




→ 血圧を下げる方法(食べ物・サプリメント・運動) について詳しくはこちら




【参考リンク】
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