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【NHKうまいッ!】最強食材エゴマ|えごまと小いもの煮ころがしレシピ|エゴマドレッシングの作り方

健康・美容チェック > エゴマの健康効果 > 【NHKうまいッ!】最強食材エゴマ|えごまと小いもの煮ころがしレシピ|エゴマドレッシングの作り方|11月18日

2018年11月18日放送のNHK「うまいッ!」では「知ってる?最強食材 エゴマ (福島・田村市)」を取り上げました。

番組ではえごまの栽培・収穫の様子、エゴマに含まれるαリノレン酸の健康効果、えごまとえごま油の活用の仕方、えごま油(生搾り・焙煎)の搾油の様子を紹介しました。




【目次】

■えごまの栽培・収穫は簡単だけど、選別が大変!

葉が黄色くなり、茶色く実ったえごま
葉が黄色くなり、茶色く実ったえごま

エゴマの主な成分は油脂であるため、傷がつくと酸化してしまいます。

そのため、傷つけないように手作業で丁寧に収穫を行なう必要があります。

収穫後には水洗いを行ないます。

えごまは油のため水に浮くので、油が多く傷がついていないエゴマと油が少なく傷がついたエゴマをここで選別できます。

次に、手作業(目視)で一つ一つゴミを取り除きます。

エゴマの栽培はほったらかしで、夏場に雑草を取り除くほどで簡単に育てることができますが、収穫後の作業がものすごく大変です。

【関連記事】

■えごまに含まれるαリノレン酸の健康効果

えごま(白)
えごま(白)

えごまに含まれるαリノレン酸は体内でDHA・EPAに変換されます。

  • 血中中性脂肪やコレステロールの改善
  • 動脈性疾患・脳梗塞・心筋梗塞の予防
  • アレルギー性疾患・免疫機能の改善
  • 脳細胞の活性化

→ えごま(エゴマ油)の効果・効能・栄養 について詳しくはこちら

■福島県のえごまの郷土料理

  • しんごろう
  • はっとう
  • えごまと小いもの煮ころがし
  • エゴマの冷だれ
  • さい餅

■えごまと小いもの煮ころがしの作り方・レシピ

【材料】

  • エゴマ
  • じゃがいもの小いも
  • 味噌
  • 砂糖
  • みりん

詳しい分量はエゴマと小いもの煮ころがし、エゴマドレッシング|NHK「うまいッ!」を参考にしてください。

【作り方】

  1. エゴマを煎る
    エゴマを弱火でパチパチっという音が出るまで煎ります。
  2. 煎ったエゴマを擦る
    煎ったえごまをすり鉢とすりこぎで半分ほど擦ります。
  3. 擦ったえごまに調味料を加えて合わせる
  4. 小いもを油で炒めるように、かき混ぜながら煮る
  5. 小いもが柔らかくなったら、油を取り除き、エゴマを混ぜた調味料を入れて、弱火で絡ませて出来上がり!

■野崎洋光さんによるエゴマ油を使ったエゴマドレッシングのつくり方

【材料】

  • エゴマ
  • えごま油(生搾り)
  • しょうゆ
  • 玉ねぎと人参の搾り汁

詳しい分量はエゴマと小いもの煮ころがし、エゴマドレッシング|NHK「うまいッ!」を参考にしてください。

【作り方】

  1. エゴマを煎る
    エゴマは繊細な実なので、弱い火で煎り、パチパチっという音が出るまで煎ります。
  2. 煎ったエゴマを擦る
    煎ったえごまをすり鉢とすりこぎで半分ほど擦ります。
  3. 擦ったえごまに調味料・えごま油を加えて合わせる

野崎さんによれば、蒸し野菜にかけて食べるのがオススメ!

■「エゴマは高い!」という人には「エゴマパウダー」がオススメ!

福島県葛尾村で学生とともにエゴマの栽培を行なったり、エゴマの栄養効果や成分分析を行なったり、エゴマのアイスクリームやエゴマの葉と実のクッキーなどの商品開発や普及に向けて取り組んでいる郡山女子大学講師・管理栄養士である郡司尚子さんによれば、えごまの搾りかすやエゴマパウダーにもαリノレン酸が20%ほど含まれており、また、食物繊維やミネラルが含まれているので、比較的お手頃な価格で購入できるエゴマパウダー(380円/100g)を活用するとよいとアドバイスしていました。

島根県産えごま油|オメガ3(αリノレン酸)を摂ろう!
島根県産えごま油|オメガ3(αリノレン酸)を摂ろう!

【新物】島根県産えごま油(50g)|低温圧搾生搾り|オメガ3(αリノレン酸)を摂ろう! 1,944円(税込)







【オメガ3関連記事】
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運動不足の成人、世界で14億人余り|運動する人を増やすために考え方をアップデートしよう!【論文・エビデンス】




【目次】

■運動不足の成人、世界で14億人余り|座りがちのライフスタイルが広がっていることが背景

Sleepy Mami

by Guian Bolisay(画像:Creative Commons)

運動不足の成人、世界で14億人余 WHO「病気の主要リスク」と警鐘

(2018/9/5、AFPBB)

世界保健機関(WHO)が世界168か国・地域の190万人を対象に2016年の運動量を追跡調査し、英医学誌ランセット(The Lancet)に掲載された論文によれば、運動不足が原因で心臓病や糖尿病などの病気にかかるリスクが高まっている成人が世界で14億人あまりいるそうです。

今回の研究から考えないといけないことは、座りがちのライフスタイルが広がっていることと運動が重要だとはわかっていても実際にしている人が少ないことです。

■座りがちのライフスタイル

Sofa

by Incase(画像:Creative Commons)

座り過ぎが健康に良くないというのはここ数年でよく言われるようになったことですよね。

座りすぎが病気の原因になる!?|1日11時間以上座っている人は死亡リスクが1.4倍|#あさイチ(NHK)で取り上げたオーストラリア・シドニー大学による20万人以上の調査によれば、1日11時間以上座っている人は4時間未満の人と比べて、死亡リスクが40%以上高いことがわかっています。

その理由としては、長時間座り続けることによって、血液の循環や代謝に影響があって、心筋梗塞糖尿病肥満などの生活習慣病のリスクが高まると考えられます。

ポイントは、「下半身の筋肉がほとんど動かないこと」。

長時間座る

→下半身の筋肉が動かない

→血流速度が低下し、全身の血行が悪くなる

→代謝機能(筋肉が働くときに栄養を消費する)が低下

→血液中の糖や中性脂肪が消費されにくくなる

→(長く続くことで)糖尿病などの病気になる

長時間座ることはどのくらい健康に悪いのか?によれば、長時間座ることの健康への影響は次のようなものが挙げられています。

  • 脂肪を分解する酵素が90%減少
  • インスリン値は下がる
  • 善玉コレステロール減少
  • 血圧は上がる(高血圧
  • 脚の筋肉で支えていた体重は首と背骨にかかり、座ることで脳の血栓ができやすくなる
  • 肥満糖尿病、心循環系の病のリスクも高まり、心臓病のリスクも2倍になる
  • 乳がんにも悪影響を与える

座る時間が増えると、糖尿病やメタボのリスクが増える!?で紹介したオランダの研究チームによれば、座る時間が増えると、2型糖尿病の発症リスクやメタボリックシンドロームのリスクが増大することがわかったそうです。

また、【#ガッテン】1時間座り続けると22分寿命が縮む!?耳石が動かないと自律神経や筋肉の働きが衰えてしまう!30分ごとに立ち上がってアンチエイジング!によれば、長時間同じ姿勢のままでいる=「耳石があまり動かないこと」が全身の筋肉や自律神経の働きが衰え、筋力の低下、循環機能低下、代謝の異常などが起こしてしまうということがわかったそうです。

■運動が重要だとはわかっていても実際にしている人が少ない

運動したいけど運動する時間が取れない女性に2つのアドバイス|72.5%の女性が「運動する時間が不足」|63.6%が運動によって健康が改善されたと回答によれば、自身の健康維持・改善のために気をつける必要があると考えていることと実際に行なっていることについて尋ねたところ、48.3%の女性が運動の必要性を感じていると回答したものの、実際に運動を行なっているのは18.8%だけであり、意識としては健康のために運動は必要だと感じていても、実際の行動には移せていないということがわかりました。

20歳代女性、9割以上運動習慣なし|若い女性に「ロコモ」が急増している!|国民健康・栄養調査で紹介した厚生労働省の国民健康・栄養調査によれば、1回30分週2回以上の運動を続けている人の割合も20歳代の男性17%、女性8%と若い世代ほど低いことが分かったそうです。

これらのことから考えられるのは2つ。

一つは、こまめに立ち上がる習慣を作ること。

もう一つは、運動をすることのハードルを下げること。




■こまめに立ち上がる習慣を作る

最新の研究によれば、座ることをこまめに中断し、立ち上がって動くことで、血液中の糖や中性脂肪の値が改善することがわかってきています。

家事をすると肥満予防につながる!?でも紹介しましたが、近年、家事などの日常生活活動が該当する、非運動性身体活動によるエネルギー消費、NEAT(non-exercise activity thermogenesis)と肥満との関連が注目されています。

身体活動とエネルギー代謝 – e-ヘルスネット

近年、家事などの日常生活活動が該当する、非運動性身体活動によるエネルギー消費、別名NEAT(non-exercise activity thermogenesis)と肥満との関連が注目されています。

Levine et al., は、肥満者と非肥満者を比べると、非肥満者は歩行なども含めた立位による活動時間が、平均で1日約150分も少なかったと報告しました(図1)。

つまり、なるべく座位活動を減らして、家事などの日常生活活動を積極的に行なうことも、肥満予防のキーポイントといえます。

総エネルギー消費量の構成および非肥満者と肥満者におけるその違い

出典:Ravussin E. A NEAT Way to Control Weight- Science, 530-531, 307, 2005

このページによれば、肥満の人とそうでない人を比較すると、肥満の人は、立位または歩行活動が平均で1日約150分も少なかったそうです。

この結果から判断すると、座位活動を減らして、家事などを行う時間を増やすことや歩行活動をすることが肥満予防・メタボリックシンドローム予防、ダイエットにつながる考えられますので、積極的に家事に取り組んでみてもいいのではないでしょうか?

ただ、どうしてもデスクワークで座る時間が長くなってしまう人もいることでしょう。

そんな方は座ったままでかかとを上げ下げする運動をおすすめします。

座りすぎが病気の原因になる!?|1日11時間以上座っている人は死亡リスクが1.4倍|#あさイチ(NHK)で取り上げた座った状態で、かかとをゆっくりと上げ下げする「かかと上げ運動」をする実験によれば、血流速度が、安静時の4倍に改善したそうです。

そして、できるのであれば、こまめに席を立つ必要があるオフィス環境を作りましょう。

長時間イスに座っているのは、健康に良くないらしい

・電話の時は、席を立つこと
・同僚には電話やメールではなくて、会いに行って用件を伝えること
・会議は立ったまま行うこと
・違う階のトイレに行くこと
・ゴミ箱やプリンタなどを一ヶ所にあつめ、そしてそこまで歩くようにすること
・エレベータのかわりに、階段を使うこと

■運動をすることのハードルを下げること

Jogging track

by Albert Lugosi(画像:Creative Commons)

1.4 billion people are putting themselves at risk for disease by not exercising enough, according to a new report — here’s what you should be doing

(2018/9/6、Business Insider)

WHOは成人に対して、早歩きや水泳、軽いサイクリングなどの「中程度の運動」を少なくとも週150分、またはランニングやチームスポーツなどの「激しい運動」を少なくとも週75分行うことを推奨している。

一日30分または一週間に150分、体を動かすことは、ジムの運動・歩行・家事などに関係なく死亡リスクを低くする!|マクマスター大学によれば、一日30分もしくは一週間に150分のエクササイズをすると、どんな運動なのかは関係なく、死亡リスクが28%、心臓病リスクが20%減少することがわかったそうです。

週250分の運動で脂肪肝改善 「やせなくても効果あり」―筑波大研究グループによれば、肥満の人は、週250分以上早歩きなどのやや強めの運動をすると、体重が減らなくても、肝臓に蓄積した脂肪が減少したり、善玉コレステロールや肝臓の炎症を防ぐ物質が増えていることがわかっており、また、週150分の早歩きを続けるだけでも、肝臓の中性脂肪が減っており、脂肪肝・NAFLDの改善が期待できるによれば、週150分の早歩きを続けるだけでも、肝臓の中性脂肪が減っており、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の改善が期待できることがわかっています。

このように書くと、「運動する時間をとらないといけない」と考えてしまい、「運動するのは面倒だ」→「運動しない」→「運動不足」という負のループに入っていきがちです。

定期的に運動ができない理由を尋ねたところ、71.3%もの女性が「時間が取れないから」と回答
定期的に運動ができない理由を尋ねたところ、71.3%もの女性が「時間が取れないから」と回答

運動したいけど運動する時間がない女性に2つのアドバイス|72.5%の女性が「運動する時間が不足」|63.6%が運動によって健康が改善されたと回答によれば、定期的に運動ができていないと回答した女性に、定期的に運動ができない理由を尋ねたところ、71.3%もの女性が「時間が取れないから」と回答しています。

この回答から、運動をするためにはまとまった時間が必要だと考える傾向が強いのではないかという仮説が立てられます。

定期的に運動ができていない女性に、本当は定期的に運動をしたいか、また続けたいと思うかを尋ねたところ、定期的に運動ができていない女性の76.7%(「定期的に運動をしたい・続けたいが、できずに悩んでいる」34.9%、「なんとなく定期的に運動をしたい・続けたいとは思っている」41.8%)は、現状の生活を見直し、定期的な運動を行いたいと考えていることがわかりました。

つまり、運動不足を改善してもらうために大事なのは「運動をすることへのハードルを下げること」なのです。

「1日30分運動しなければならない」「週150分運動しないといけない」というのは正しいことであっても、それは運動をすることへのハードルを上げてしまっているのです。

大切なのはまずは少しの時間でもいいので運動する習慣を作ってもらうこと。

例えばこんな研究もあります。

「時間がない」という言い訳はできない?1分間の激しい運動が45分間の穏やかな運動と同じ効果がある!?で紹介したカナダのマクマスター大学の研究チームによれば、1分間の激しい運動を継続すれば、軽めの運動を45分間行なったのと同じくらいの効果があるそうです。

AMPキナーゼを運動で活性化させ、血糖値や中性脂肪を下げる|ためしてガッテン(NHK)では、なんと3分体を動かすだけでも効果があることが判明し、筋肉の中にある酵素・AMPキナーゼを活性化させることがポイントだということを紹介しました。

脂肪を燃やす有酸素運動は、一般的に長い時間行わなければいけないといわれていますが、3分間細切れに行なった運動でも中性脂肪を低下させる効果が出るということです。

ポイントは、筋肉を動かすと、AMPキナーゼが活性化し、糖や脂肪を効率良くエネルギーに変えてくれること(藤井宜晴教授(首都大学東京))、そして、どんな運動でも筋肉に刺激が入ること(宮地元彦 (国立健康・栄養研究所 運動ガイドラインプロジェクトリーダー))。

つまり、少しの細切れの時間でもいいので運動をすることは健康につながるということです。

【関連記事】

■まとめ

運動不足は生活習慣病のリスク要因であるだけでなく、認知症のリスク要因でもあります。

【関連記事】

運動不足に起因する健康問題による経済損失は年間7兆円にのぼる!|研究によれば、日常的な運動不足に起因する健康問題により、2013年の世界の経済損失は約675億ドル(約7兆円)にのぼるそうです。

また、100万人以上の人々を対象とした調査によれば、ウォーキングやサイクリングなど、1日に少なくとも1時間の身体活動をすると、1日8時間座ることに関連する死亡リスクを相殺する可能性があるそうです。

最近では「健康経営」に注目が集まっています。

これからの企業の目標は「#健康経営」!?|「健康経営」のために企業はどのように取り組んだらいいの?によれば、健康経営とは、経営の視点から従業員の健康維持・増進について取り組むことが企業にとっての収益性・生産性向上につながるという考え方です。

例えば、健康と生産性の関係|出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっているによれば、出勤していても体調不良を感じている社員は労働生産性が下がっており、それが企業の生産性損失コストの多くを占めているようです。

こうしたことを踏まえて考えると、従業員の運動不足を解消することは企業の収益性・生産性向上のためにも欠かせないことが分かります。

オフィスを自然と運動不足が解消できるようなデザインを組み込んだり、運動による健康改善に取り組んでいる従業員を励ます仕組みを取り入れるなどによって、従業員の健康を管理することができれば、ひいてはそれが会社の経営を健康にすることにもつながるので、ぜひ経営者の方は実践してくださいね!







【参考リンク(論文・エビデンス)】
続きを読む 運動不足の成人、世界で14億人余り|運動する人を増やすために考え方をアップデートしよう!【論文・エビデンス】

運動したいけど運動する時間がない女性に2つのアドバイス|72.5%の女性が「運動する時間が不足」|63.6%が運動によって健康が改善されたと回答




■72.5%の女性が「運動する時間が不足」

72.5%の女性が「運動する時間が不足」
72.5%の女性が「運動する時間が不足」

参考画像:【現代人は『免疫が”老化”する』傾向あり】多くの女性が感じている生活の3大不調の原因は、約7割の女性が抱える運動不足による免疫の老化だった!(2017/12/4、ディーエイチシープレスリリース)|スクリーンショット

【現代人は『免疫が”老化”する』傾向あり】多くの女性が感じている生活の3大不調の原因は、約7割の女性が抱える運動不足による免疫の老化だった!ー 運動不足になりがちな冬を前に全国の働く女性400名へ健康と運動に関しての調査を実施 -

(2017/12/4、ディーエイチシープレスリリース)

DHCが行なった現代女性の健康と運動に関する意識調査によれば、72.5%の女性が「運動する時間が不足している」と回答しています。

運動の必要性を感じている48.3%|運動を実際に行なっている18.8%
運動の必要性を感じている48.3%|運動を実際に行なっている18.8%

参考画像:【現代人は『免疫が”老化”する』傾向あり】多くの女性が感じている生活の3大不調の原因は、約7割の女性が抱える運動不足による免疫の老化だった!(2017/12/4、ディーエイチシープレスリリース)|スクリーンショット

自身の健康維持・改善のために気をつける必要があると考えていることと実際に行なっていることについて尋ねたところ、48.3%の女性が運動の必要性を感じていると回答したものの、実際に運動を行なっているのは18.8%だけであり、意識としては健康のために運動は必要だと感じていても、実際の行動には移せていないということがわかりました。

20歳代女性、9割以上運動習慣なし|若い女性に「ロコモ」が急増している!|国民健康・栄養調査で紹介した厚生労働省の国民健康・栄養調査によれば、1回30分週2回以上の運動を続けている人の割合も20歳代の男性17%、女性8%と若い世代ほど低いことが分かったそうです。

若い女性に「ロコモ症候群」が急増 2つのテストで「ロコモ度」診断

(2017/5/16、AbemaTIMES)

丸の内で働く20代・30代女性352人にテストを実施した結果、30%の女性に移動機能障害がすでに始まっている傾向が見られ、さらに4%に「障害が進行中」という調査結果が出た。

ロコモティブシンドロームは日本整形外科学会が提唱した、骨や筋肉、関節など運動器の働きが衰え、生活の自立度が低くなり、要介護の状態や要介護となる危険の高い状態の概念のことをいいます。

ロコモティブシンドロームの原因には、加齢による筋力やバランス能力の低下が考えられるため、高齢者に注意してもらいたいものとしてこれまでに紹介してきましたが、今回の記事によれば、若い女性にも「ロコモティブシンドロームが急増しているそうです。

東京大学医学部付属病院整形外科・脊椎外科の山田恵子医師によれば、

ロコモが目に見えるような形になるのが50代~60代以降になるが、当たり前だが、50代~60代になってから急激に運動機能が低下するわけではなく、個人差が大きくなるのが50代~60代以降ということ。それまでは少しずつ運動機能が低下していく。例えばバランス機能は30代ぐらいから明らかに低下していくので、少しずつでも体を動かす習慣をつけたほうがいい

ということで、若い時から運動する習慣を持っていないと、徐々に運動機能が低下していき、それがロコモティブシンドロームにつながると考えられます。




■運動ができている女性とできていない女性にはどのような違いがあるの?

「運動することは(ほぼ)ない」という回答をした女性は43.5%
「運動することは(ほぼ)ない」という回答をした女性は43.5%

参考画像:【現代人は『免疫が”老化”する』傾向あり】多くの女性が感じている生活の3大不調の原因は、約7割の女性が抱える運動不足による免疫の老化だった!(2017/12/4、ディーエイチシープレスリリース)|スクリーンショット

今回の調査では、「1ヶ月に1回以上運動を行う人を定期的な運動実施者」と定義し、定期的に運動しているかどうかと尋ねたところ、全体の37.8%の女性が定期的に運動を行なっていると回答した一方で、「運動することは(ほぼ)ない」という回答をした女性は43.5%という数値となり、運動をしていない女性のほうが多いという結果になりました。

定期的に運動ができている女性とできていない女性との間にはどんな違いがあるのでしょうか?

●定期的に運動ができている女性

1年以上前から継続的に運動を行っていると回答した女性が66.9%|運動によって自身の健康が改善されたと回答した女性は63.6%
1年以上前から継続的に運動を行っていると回答した女性が66.9%|運動によって自身の健康が改善されたと回答した女性は63.6%

参考画像:【現代人は『免疫が”老化”する』傾向あり】多くの女性が感じている生活の3大不調の原因は、約7割の女性が抱える運動不足による免疫の老化だった!(2017/12/4、ディーエイチシープレスリリース)|スクリーンショット

定期的に運動をしていると回答した女性に、運動を始めた時期と効果を尋ねたところ、1年以上前から継続的に運動を行っていると回答した女性が66.9%となっており、長期的に運動を継続していることがわかりました。

また、運動によって自身の健康が改善されたと回答した女性は63.6%となり、運動によって多くの女性が健康が改善されたと感じているようです。

●定期的に運動ができていない女性

定期的に運動ができない理由を尋ねたところ、71.3%もの女性が「時間が取れないから」と回答
定期的に運動ができない理由を尋ねたところ、71.3%もの女性が「時間が取れないから」と回答

参考画像:【現代人は『免疫が”老化”する』傾向あり】多くの女性が感じている生活の3大不調の原因は、約7割の女性が抱える運動不足による免疫の老化だった!(2017/12/4、ディーエイチシープレスリリース)|スクリーンショット

定期的に運動ができていないと回答した女性に、定期的に運動ができない理由を尋ねたところ、71.3%もの女性が「時間が取れないから」と回答しています。

この回答から、運動をするためにはまとまった時間が必要だと考える傾向が強いのではないかという仮説が立てられます。

定期的に運動ができていない女性に、本当は定期的に運動をしたいか、また続けたいと思うかを尋ねたところ、定期的に運動ができていない女性の76.7%(「定期的に運動をしたい・続けたいが、できずに悩んでいる」34.9%、「なんとなく定期的に運動をしたい・続けたいとは思っている」41.8%)は、現状の生活を見直し、定期的な運動を行いたいと考えていることがわかりました。

■運動したいけど運動する時間が取れない女性に2つのアドバイス

Cupcakes Clone

by Toni Holmes (画像:Creative Commons)

つまり、定期的に運動ができてない女性が運動をするためには、2つのアドバイスが有効だと考えられます。

1つは、運動はちょっとの時間だけでも効果的であること、もう1つは、家事も運動に含まれることです。

脂肪は20分以上運動しないと燃えない?というのはウソであり、運動すると、糖と脂肪が燃焼されるのですが、20分すると、脂肪を燃焼する割合が多くなるため、誤って伝わったのではないかと考えられるそうです。

「時間がない」という言い訳はできない?1分間の激しい運動が45分間の穏やかな運動と同じ効果がある!?で紹介したカナダのマクマスター大学の研究チームによれば、1分間の激しい運動を継続すれば、軽めの運動を45分間したのと同じくらいの効果があるそうです。

【関連記事】

基礎代謝よりも活動代謝を上げることがダイエットの近道|#ためしてガッテン(#NHK)によれば、“基礎代謝を上げてダイエットにつなげる”ことは理論としては正しいのですが、現実的には難しく、「ぞうきんがけ」「皿洗い」なども積み重ねれば大きなエネルギー消費量になります。

重要なことは日常生活の運動(身体を動かすこと)を増やすことにあります。

ニート(NEAT)をしないから太る!?(森谷敏夫)|たけしのニッポンのミカタによれば、ニート(非運動性熱産生)とは、Non Exercise Activity Thermogenesisの略で、日常生活でエネルギーを消費する運動以外の身体活動のことをいい、このNEATが減少しているために、肥満が増えているのではないかと考えられるそうです。

家事をすると肥満予防につながる?で紹介した身体活動とエネルギー代謝 – e-ヘルスネットによれば、肥満の人とそうでない人を比較すると、肥満の人は、立位または歩行活動が平均で1日約150分も少なかったそうです。

近年、家事などの日常生活活動が該当する、非運動性身体活動によるエネルギー消費、別名NEAT(non-exercise activity thermogenesis)と肥満との関連が注目されています。

Levine et al., は、肥満者と非肥満者を比べると、非肥満者は歩行なども含めた立位による活動時間が、平均で1日約150分も少なかったと報告しました(図1)。

つまり、なるべく座位活動を減らして、家事などの日常生活活動を積極的に行なうことも、肥満予防のキーポイントといえます。

総エネルギー消費量の構成および非肥満者と肥満者におけるその違い

出典:Ravussin E. A NEAT Way to Control Weight- Science, 530-531, 307, 2005

「運動=まとまった時間」が必要と考えるのではなく、ちょっとしたスキマ時間に体を動かす習慣を作ることが最も重要なのです。

■まとめ

【働き方調査】日本は今どれくらい忙しいの?|23.4%の人が、平日の家族との時間は1時間未満|「生活の中でAIに任せることができたら便利だと思うこと」ランキング|「生活で最も重視すること」では41.5%が「お金」によれば、最近では「働き方改革」という言葉が注目を集めていますが、働き方改革で自分や家族との時間は増えたかどうかを聞いたところ、自分の時間の増減について「変わらない」と回答した人は56.7%、家族との時間についても52.3%が「変わらない」と回答し、また、自分の時間・家族との時間が増えたかどうかについて「変わらない・減った」と回答した人がそれぞれ60.2%、61.7%と、6割の人が働き方改革を実感しておらず、就業時間内に終わらない仕事を外に持ち出したことがある人が半数を超えるなど(51.0%)、働く人々の忙しさは変わっていないようです。

最近では、こうした傾向を受けて、健康に興味はあっても体を動かす時間がないという忙しい現代人向けの商品が増えています。

運動不足に起因する健康問題による経済損失は年間7兆円にのぼる!|研究で紹介した英医学誌ランセット(The Lancet)に掲載された論文によれば、日常的な運動不足に起因する健康問題により、2013年の世界の経済損失は約675億ドル(約7兆円)にのぼるそうです。

The Lancet: One hour of physical activity per day could offset health risk of 8 hours of sitting

(2016/7/27、EurekKAlert Science News)

A new study of over 1 million people finds that doing at least one hour of physical activity per day, such as brisk walking or cycling for pleasure, may eliminate the increased risk of death associated with sitting for 8h a day.

100万人以上の人々を対象とした調査によれば、ウォーキングやサイクリングなど、1日に少なくとも1時間の身体活動をすると、1日8時間座ることに関連する死亡リスクを相殺する可能性があるそうです。

なぜ農業者は長寿なのか?|「農業者の後期高齢者医療費は非農業者の7割」を証明|早稲田大学によれば、自営農業者は寿命が長く、また死亡年齢と健康寿命の差が短いことから、いわゆる「ピンピンコロリ」の特徴が示されています。

なぜ農業者のほうが非農業者よりも長寿なのか?(要因は働き方にあるのか、体を動かすことにあるのか、食生活か、それともストレスが関係しているのかなど)ということについてはわかっていませんが、農業を通じて体を動かすことが長寿の秘訣の一つの可能性があります。

高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

そこで、フレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことができれば、要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できるというのが今注目されている考え方です。

もしかすると、農業者は、農業に携わるということを通じて、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといったフレイルになる前の状態で食い止めているのかもしれません。

例えば、【#ガッテン】1時間座り続けると22分寿命が縮む!?耳石が動かないと自律神経や筋肉の働きが衰えてしまう!30分ごとに立ち上がってアンチエイジング!によれば、長時間同じ姿勢のままでいる=「耳石があまり動かないこと」が全身の筋肉や自律神経の働きが衰え、筋力の低下、循環機能低下、代謝の異常などが起こしてしまうということがわかったそうです。

このことは「農業」が直接関係していることを示すものではなく、長時間同じ姿勢でいないことが健康にとって大事だということを示すものですが、現代人のライフスタイルが長時間同じ姿勢でいることにより不健康になっており、農業者のように体を動かすことが健康にとって良いことだということを示す一つの理由にはなりそうです。

一日30分または一週間に150分、体を動かすことは、ジムの運動・歩行・家事などに関係なく死亡リスクを低くする!|マクマスター大学によれば、どんな種類の運動(身体的活動)でも一日30分もしくは一週間に150分の運動をすると健康に良いということがわかっていますので、時間がないから運動しないと考えるのではなくて、スキマ時間に体を動かそう(例:立ち上がって掃除をしよう)というように考えるとよいのではないでしょうか?







【ロコモティブシンドローム 関連記事】
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【シューイチ】ロコモの予防・改善ができる!相撲トレ(すもトレ)のやり方(動画)・ロコモテスト(大江隆史)【中山のイチバン】

2018年9月9日放送の「シューイチ」の「中山のイチバン!」のコーナーでは「ロコモの予防ができる!相撲トレ」を取り上げました。




【目次】

【解説】大江隆史(NTT東日本関東病院 手術部長)

NTT東日本関東病院手術部長。ロコモチャレンジ!推進協議会委員長。京都府出身。東京大学医学部医学科卒。東京大学整形外科医局に入局し関連病院で研修後、東京大学医学部附属病院文部教官助手、東京大学医学部附属病院整形外科医局長、医療法人社団蛍水会名戸ヶ谷病院整形外科部長を経て現職。東京大学医学部整形外科非常勤講師も務める。後進の指導と臨床に携わりながら、患者にロコモについての啓蒙を続けている。

■ロコモとは?20代でもロコモになる!?

ロコモの要因となる3つの病気とは?|ロコモティブシンドロームチェック・ロコモにならないための運動のやり方によれば、「ロコモ(ロコモティブシンドローム)」とは日本整形外科学会が提唱した、骨や筋肉、関節など運動器の働きが衰え、生活の自立度が低くなり、要介護の状態や要介護となる危険の高い状態の概念のことをいいます。

20歳代女性、9割以上運動習慣なし|若い女性に「ロコモ」が急増している!|国民健康・栄養調査によれば、ロコモティブシンドロームの原因には、加齢による筋力やバランス能力の低下が考えられるため、高齢者に注意してもらいたいのですが、ロコモは年齢に限らず、若い女性にもロコモに該当する人がいます。

【関連記事】

■ロコモテスト

高さ40センチの台やいすを用意します。

  1. 胸の前で腕をクロスして座ります。
  2. 片足を床から離した状態で反動をつけないようにして立ち上がります。
  3. 片足で立ち上がって3秒キープ。

これができなければロコモの可能性あり!

ロコモの要因となる3つの病気とは?|ロコモティブシンドロームチェック・ロコモにならないための運動のやり方で紹介されたロコチェックを紹介します。

(1)片脚立ちで靴下がはけない

(2)家の中でつまずいたり、滑ったりする

(3)階段を上るのに手すりが必要

(4)横断歩道を青信号の間に渡りきれない

(5)15分くらい続けて歩けない

上記の5種類のうち1つでも当てはまれば、「ロコモ」の可能性があるそうです。




■「相撲トレ(すもトレ)」でロコモの予防・改善

【シューイチ】ロコモの予防・改善ができる!相撲トレ(すもトレ)のやり方(動画)・ロコモテスト(大江隆史)【中山のイチバン】|9月9日
【シューイチ】ロコモの予防・改善ができる!相撲トレ(すもトレ)のやり方(動画)・ロコモテスト(大江隆史)【中山のイチバン】|9月9日

参考画像:【DVD付き】『1日2分で一生自分の足で歩ける! 相撲トレ』PV|YouTubeスクリーンショット

【基本動作】

  1. 足を肩幅より少し広く開いて、つま先を外側に向けます。

    ※頭からかかとまでが一直線になるようにしましょう。

  2. 上半身の肩甲骨を動かすことを意識して、腕を大きく回して柏手(両方の手のひらを合わせて打ち鳴らすこと)を打つ動作を2回行います。
  3. 腰を下ろしていきます。(両手を斜めに広げながら)(相撲スクワット)
  4. そして、再度その姿勢で柏手を2回打ちます。
  5. ゆっくり起き上がって、腰をロックすることなく、再度腰を下ろして起き上がる動作をします。

※ポイントは、膝がつま先よりも前に出ないようにすること。

この動作を2セット行ないます。

実際にやってみると結構きついです。

下半身(太もも・お尻)の筋肉にしっかりと負荷がかかっているのがわかります。

【四股(しこ)動作】

  1. 左足で立って、右手を腰に添えて、左手を上げます。(片脚立ち)
  2. 左手を膝に置き、右手を太ももの後ろに添えて(膝の後ろから持ち上げると安定します)、右足をゆっくりと上げます。
  3. 上げた足をゆっくり下ろします。(四股を踏む)
  4. 腰を下ろして、両足を片方ずつ半歩前に出します。
  5. 足幅を狭めながら、ゆっくり立ち上がります。(せり上がり)

※この動作を左右両方行います。(1セット)

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■まとめ

「相撲トレ」の基本の考え方は「スロトレ」。

スロトレは、軽い負荷でありながらも、、すべての動作を“ゆっくり、止めずに、連続して行う”ことで筋肉が力を発揮している時間を引き延ばし休ませないため、筋肉量が増えるのに効果的なトレーニング方法です。

→ スロトレ について詳しくはこちら







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炭水化物の摂取量が多くなると死亡リスクが高くなり、脂質の摂取量が多いほど死亡リスクが低下し、飽和脂肪酸の摂取量が多いと脳卒中のリスクが低くなる!?

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■炭水化物の摂取量が多くなると、死亡リスクが高くなり、脂質の摂取量が多いほど死亡リスクが低下し、飽和脂肪酸の摂取量が多いと脳卒中のリスクが低くなる!?

ごはん

by Tatsuo Yamashita(画像:Creative Commons)

ランセット誌に掲載されたMahshid Dehghanさんらによる五大陸18カ国で脂肪および炭水化物摂取と心臓血管疾患および死亡との関連性について調べたコホート研究によれば、次のようなことがわかったそうです。

●炭水化物の摂取量が多くなると全死亡率のリスクの上昇と関連すること

●脂肪(脂質)の摂取は全死亡率のリスクの低下と関連すること

●脂肪(脂質)は心血管疾患、心筋梗塞、心血管疾患の死亡率と関連していなかったこと

●飽和脂肪酸は脳卒中と逆相関しているということ

飽和脂肪酸悪玉論の真相とは?|飽和脂肪酸は心臓疾患の原因にはならない?によれば、飽和脂肪酸悪玉論が叫ばれるようになってから、飽和脂肪酸の摂取量は減り、炭水化物の摂取量が増え、植物油の摂取が増えているという変化が起きているそうです。

飽和脂肪酸の摂取量が減ったから炭水化物の摂取量が増えたとは短絡的に言えませんが、炭水化物の摂取量は増えているそうで、炭水化物の摂り過ぎは、肥満や糖尿病の原因になり、さらには心臓疾患になる可能性も高まります。

<糖尿病>ごはんをよく食べる習慣がある女性の発症リスクが高い|厚生労働省研究班によれば、ごはんを多く食べる習慣のある女性は、食べない女性に比べて糖尿病になる危険性が高いそうです。

【参考リンク】

  • 米飯摂取と糖尿病との関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

    女性では米飯摂取が多くなるほど糖尿病発症のリスクが上昇する傾向が認められました。摂取量が最も少ないグループに比べ1日3杯および1日4杯以上のグループでは糖尿病のリスクがそれぞれ1.48倍、1.65倍に上昇していました

低炭水化物スコアと糖尿病との関連について|多目的コホート研究

女性で低炭水化物スコアが高いほど糖尿病発症のリスクが低下

低炭水化物/高動物性たんぱく質・脂質スコアが高いほど糖尿病リスクが低下

また、多目的コホート研究によれば、女性では、低炭水化物/高動物性たんぱく質・脂質スコアが高いほど糖尿病のリスクが低下していたそうです。

飽和脂肪酸摂取と循環器疾患発症の関連について|多目的コホート研究|国立がん研究センター

飽和脂肪酸を食べる量が少ないグループで脳卒中のリスクが上昇

飽和脂肪酸を食べる量が多いグループで心筋梗塞のリスクが上昇

従来、飽和脂肪酸は血清のコレステロール値を高くし、将来的に粥状動脈硬化になりやすくなることから、摂取を控えるような指導がなされることがありました。一方で、最近の結果から、飽和脂肪酸は無害であり、制限する必要はないという説もあります。今回の研究結果からは、日本人におけるこうした議論のひとつの決着として、「飽和脂肪酸摂取は、多すぎても、少なすぎても良くない」という結論が得られました。この結果は、日本人で約40年前に発見された「血清コレステロール値は、高すぎても低すぎても良くない」という知見とよく一致しています。

国立がん研究センターの多目的コホート研究によれば、日本人においては、「飽和脂肪酸摂取は、多すぎても、少なすぎても良くない」という結論が出ています。

ランセット誌に取り上げられたコホート研究について単純に受け取れば、炭水化物を摂る量が多くなるほど死亡リスクが高くなり、脂質の摂取量が多いほど死亡リスクが低下し、飽和脂肪酸の摂取量が多いと脳卒中のリスクが低くなるとなってしまいがちですが、これまで取り上げてきた研究を合わせると、どんな食べ物でも多すぎても少なすぎてもよくないという結論になります。




■まとめ

今回の論文では、今回の知見を含めて世界の食生活ガイドラインを再検討すべきという提言がされていました。

食事バランスガイドを守ると死亡リスクが減少する!|バランスの良い食事をしようというメッセージは伝わっているの?で紹介した国立がん研究センターの多目的コホート研究によれば、食事バランスガイドの遵守得点が高いほど総死亡のリスクが低下し、遵守得点が10点増加するごとに総死亡リスクが7%減少するという結果が出ているそうです。

死因別に見てみると、食事バランスガイドへの遵守得点が10点増加するごとに、循環器疾患死亡リスクが7%減少、脳血管疾患死亡リスクが11%減少しています。

ただ、「健康のためにはバランスの良い食事をおすすめします」というメッセージは実は伝わりにくいのです。

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)によれば、「もっと健康的な食生活を送る」といった総括的な目標は、不明瞭であり、その曖昧さが感情に言い逃れの余地を与え、失敗を正当化しやすくしてしまうそうです。

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つまり、「健康のためにはバランスの良い食事をしましょう」というメッセージは、受け取る側としてはわかりづらいもので、結果どうしたらよいかわからず、今まで通りの生活をしてしまうことになってしまいます。

ではどのようにしたらよいのでしょうか?

『スイッチ!「変われない」を変える方法』(著:チップ・ハース&ダン・ハース)ではこのような提案がされています。

例:アメリカ人に健康的な生活をさせるには?
「もっと健康的に行動しよう」と訴えるのではなく、「次にスーパーの乳製品コーナーに立ち寄ったら、ホールミルクではなく低脂肪乳に手を伸ばしなさい」というべきなのだ。
飲食行動を変える必要でなく、購入行動を変える。
「もっと健康的に行動しよう」と伝えても、解釈の仕方はいくらでもある。

よくテレビで紹介されているような、○○の不足が病気の原因となる恐れがあるので、△△を食べましょうというのは、見ている人に伝わりやすく、行動を変えやすいということなんですね。

デザインとアイデアでカンボジアの人を貧血から救った鉄製の魚「LUCKY IRON FISH」によれば、カンボジアでは鉄分不足による貧血によって極度の倦怠感やめまいで悩まされている人が多かったそうです。

しかし、カンボジアの食生活は魚と米から成り立っていて、鉄分の摂取が不足していたそうです。

「魚は幸運の印である」という地元の俗説を利用して、カントロップという魚の形に成形した鉄の塊(Lucky Iron Fish)を調理中の料理にしたところ、Lucky Iron Fishを使っている地域では鉄欠乏性貧血が50%減少したそうです。

普段食べている食事にLucky Iron Fishという鉄の塊を入れるだけで鉄欠乏性貧血が解消するというのは実にわかりやすい方法です。

「バランスの良い食事にしましょう」というのは最も正しいメッセージですが、最も伝わりづらいメッセージでもあります。

ここにもう一つ何らかのアイデアが必要になってくるのではないでしょうか?







【参考リンク】
続きを読む 炭水化物の摂取量が多くなると死亡リスクが高くなり、脂質の摂取量が多いほど死亡リスクが低下し、飽和脂肪酸の摂取量が多いと脳卒中のリスクが低くなる!?