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目の病気への理解を深めるためにスマホやVRビューワーで疑似体験できるアプリ「ViaOpta Simulator」「ViaOpta EyeLife」

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■目の病気への理解を深めるためにスマホやVRビューワーで疑似体験できるアプリ「ViaOpta Simulator」「ViaOpta EyeLife」

目の病気への理解を深めるためにスマホやVRビューワーで疑似体験できるアプリ「ViaOpta Simulator」「ViaOpta EyeLife」
目の病気への理解を深めるためにスマホやVRビューワーで疑似体験できるアプリ「ViaOpta Simulator」「ViaOpta EyeLife」

参考画像:ViaOpta Simulator|iPhone(itunes)|スクリーンショット

以前電気通信大学の「失禁研究会」が開発した失禁体験装置「ユリアラビリンス」とは?|教育や医療・介護の現場で役立つ可能性では失禁を疑似体験できる装置を紹介しましたが、スマホやVRビューワーで目の病気を疑似体験できるアプリが登場しています。

「ViaOpta Simulator」では、加齢黄斑変性、糖尿病網膜症、糖尿病黄斑浮腫、近視性脈絡膜新生血管、網膜中心静脈閉塞症、網膜静脈分枝閉塞症、緑内障、白内障などの症状による視力低下を疑似体験することができるそうです。

ViaOpta Simulator|iPhone(itunes)

ViaOpta Simulator|Android(Google Play)

「ViaOpta EyeLife」は、VRビューワーを使い、糖尿病黄斑浮腫、近視性脈絡膜新生血管、網膜静脈閉塞症によってどのくらい見えにくい生活をしているのかを疑似体験することができるそうです。

ViaOpta EyeLife|iPhone(itunes)

ViaOpta EyeLife|Android(Google Play)

【参考リンク】

→ 目の病気・症状 一覧 について詳しくはこちら




■まとめ

病気の中には本人にとっては深刻なものでもうまくその症状を伝えられず、どれくらい深刻な症状なのか周りからするとよくわからないものもあります。

このようなスマホアプリやVRを活用して、自分では体験することができない病気やけがの症状を体験する機会が増えれば、病気に対する理解が深まり、もう少しやさしい目で世界を見ることができるようになるのではないでしょうか?







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「健康年齢®OCR サービス」|タブレット端末のカメラを健康診断書にかざすだけで体の状態をわかりやすく表示してくれるサービス|JMDC ・キヤノンMJ




■「健康年齢®OCR サービス」|タブレット端末のカメラを健康診断書にかざすだけで体の状態をわかりやすく表示してくれるサービス|JMDC ・キヤノンMJ

「健康年齢®OCR サービス」|タブレット端末のカメラを健康診断書にかざすだけで体の状態をわかりやすく表示してくれるサービス|JMDC ・キヤノンMJ
「健康年齢®OCR サービス」|タブレット端末のカメラを健康診断書にかざすだけで体の状態をわかりやすく表示してくれるサービス|JMDC ・キヤノンMJ

参考画像:タブレット端末をかざすだけでカラダの健康状態が分かる「健康年齢®OCR サービス」を提供開始(2017/10/5、キヤノンMJ PR TIMES)|スクリーンショット

タブレット端末をかざすだけでカラダの健康状態が分かる「健康年齢®OCR サービス」を提供開始

(2017/10/5、キヤノンMJ PR TIMES)

「MY 健診アドバイス」は、健康診断の検査値だけではわかりにくい健康状態をタブレット端末上に一目でわかりやすく表示するサービスです。お客さまがタブレット端末のカメラを健康診断書にかざすだけで必要な項目の検査値を自動で抽出しOCR 解析を行って一覧にします。これを、JMDC が開発した統計モデルに照らし合わせ、健康状態の解析結果をすぐにタブレット端末上に表示します。カラダの年齢「健康年齢」と“ 生活習慣病予備軍”、“ 隠れメタボ”、“ 健康体” などの9段階の「健康タイプ」、さらに健康状態に応じてわかりやすい改善の指標と健康アドバイスも表示されるため、利用者は、日々、楽しみながら健康増進に取り組むことが可能です。

日本医療データセンターとキヤノンマーケティングジャパンが提供を開始するのは、タブレット端末のカメラを健康診断書にかざすだけで必要な項目を自動的に抽出しOCR解析を行って一覧にし、統計モデルに照らし合わせてわかりやすく表示する「健康年齢®OCR サービス」です。

「健康年齢®OCR サービス」は、第一生命保険がお客さまの健康寿命延伸やQOL 向上のために提供している健康増進アプリ「健康第一」に、「MY 健診アドバイス」として新たに採用されました。

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■健康年齢とは?

健康年齢とは、日本医療データセンターが保有する約160万人の健診データや診療報酬明細書(レセプト)等のビッグデータを活用し、みずほ第一フィナンシャルテクノロジー株式会社の分析技術を用いることにより算出したものです。

「健康年齢®」は、実年齢・性別に加え、BMI指数・収縮期血圧(最高血圧)・拡張期血圧(最低血圧)・中性脂肪HDLコレステロールLDLコレステロールAST(GOT)ALT(GPT)γ-GTP(γ-GT)HbA1c(NGSP値)もしくは空腹時血糖・尿糖・尿蛋白といった健康診断結果の数値を使用します。

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■まとめ

センサーの付いたウェアラブルデバイスをつけるようになって、これからどんどん健康に関する生体情報は増えていくでしょう。

テクノロジーと医療分野のトレンド|ウェアラブルデバイス・健康アプリ・医学研究|メアリー・ミーカー(MARY MEEKER)レポートによれば、インプットのデジタル化の増加によって、医療データは年間成長率は48%となっているそうです。

ただ、健康管理がどんなに大事だとわかっていても、情報にあふれる現代では数字だけで表現されていても直感的には理解できずに、継続できなければ意味がありません。

健康管理に対する関心は高いのに、なぜウェアラブルデバイス市場の成長は鈍化しているのか?|「リストバンド型」から「腕時計型」へでも取り上げましたが、ウェアラブルデバイスが「リストバンド型」から「腕時計型」へ移りつつあるのも、リストバンド型では直感的に理解できないことが関係しているのかもしれません。

健康診断書も同様に、どれだけ多くの項目の検査値があっても、これがどういう意味なのか分からなければ活用の仕様がありませんよね。

そこで、健康管理UXをいかに編集してわかりやすくできるか?|ドラクエにおけるレベルデザインを象徴するアイコン「橋」を参考にしてみよう!では、これからは健康管理をする上で、いかにその情報(言葉、画像、テキスト、動画など)をわかりやすく、受け取りやすい形に編集して、製品やサービスを利用を通じて得られる体験であるUX(ユーザーエクスペリエンス)をよいものにするかが重要であると書きました。

また、人間は「感覚追加」を行うことで新しい世界を見ることができるかもしれない!?|デイヴィッド・イーグルマン「人間に新たな感覚を作り出すことは可能か?」よりによれば、例えば、血糖値を計測して、数値で血糖値が〇〇と出たとしても、人によっては生活習慣を改善しようとまでは思わない人もいると考え、血糖値の高さを別の形で表現するとしたら、どうでしょうかと提案しました。

スマートウォッチは病気の早期発見に役立つ|正常値とベースライン値の確立が重要|スタンフォード大によれば、現在進行中の研究の重要な要素は、正常値またはベースライン値を確立することなのだそうです。

Verily(元Google X)のProject Baseline studyの目的は、病気のサインを見つけ病気の予防をすること!?で紹介したプロジェクト「Baseline Study」では、尿・血液・唾液・涙といった成分からデータを収集・解析し、健康の基準値(ベースライン)を見つけることで、生体の状態や病態を示す指標「バイオマーカー」を発見し、健康維持や病気の早期発見に役立てることを目指していました。

病気が発症してからではなく、健康な体が病気になりそうなサインを見つけるというアイデアは、東洋医学における「未病」という考え方に近いものです。

人によっては、健康診断などの検査結果で異常がないにもかかわらず、体がだるい、疲れやすい、頭痛、肩こり、めまい、眠れないなどといった体の不調に悩まされた経験もあるのではないでしょうか。

「はっきりとした症状はでていない」「数値には現れないけどなんだか体調がよくない」というときを、健康な体から病気の身体へと向かう途中だと考えるとすれば、その途中で起きる「サイン」に着目して、何らかの対処を行なうことが最も効果的な医療になっていくのではないでしょうか。

そのためにも、病気かそうではないかの「Baseline(ベースライン)」を見つける研究に注目が集まっていると考えられます。

Cardiolens|Hololensを使って相手のバイタルサインをリアルタイムで可視化するAR・MRアプリでは、MicrosoftのHoloLensを用いて”相手のバイタルサイン”をリアルタイムに見ることができるツールが開発されていることを紹介しましたが、ゲームの要素を組み合わせるとわかりやすくなるかもしれません。







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柔軟な対応には「移り気ニューロン」の活動が不可欠だった!|慶応義塾大学




■柔軟な対応には「移り気ニューロン」の活動が不可欠だった!|慶応義塾大学

Zumba

by Army Medicine(画像:Creative Commons)

移り気ニューロンの抑制で狙いを定め、やる気ニューロンの亢進で行動を始めることで、スムーズに目標を達成できる
移り気ニューロンの抑制で狙いを定め、やる気ニューロンの亢進で行動を始めることで、スムーズに目標を達成できる

参考画像:柔軟な行動選択を行う脳内メカニズムの発見-目標行動を抑制する脳領域機能の一端を解明- (2017/9/29、慶応義塾大学プレスリリース)|スクリーンショット

柔軟な行動選択を行う脳内メカニズムの発見-目標行動を抑制する脳領域機能の一端を解明-

(2017/9/29、慶応義塾大学プレスリリース)

①脳領域のうち内側部位に存在する神経細胞(「移り気ニューロン」)が活性化すると、無駄な行動が増えること。

②この神経細胞の活動を抑えることで、目標とは無関係な行動を抑制し、目標に合致する行動を行うこと。

③この神経細胞は、意欲そのもの(「やる気ニューロン」)をコントロールしているのではなく、目標が変更された時には活動抑制が外れ、柔軟な行動選択が可能となること。

慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室の田中謙二准教授、三村將教授、公益財団法人東京都医学総合研究所の夏堀晃世主席研究員、大学共同利用機関法人自然科学研究機構生理学研究所の小林憲太准教授らの共同研究グループが行なったマウスを用いた実験によれば、目標に向かう行動を起こすためには、腹側線条体の外側部位の「やる気ニューロン」の活動増加だけでなく、内側部位の「移り気ニューロン」の活動低下という協調した活動変化が必要であることがわかりました。

移り気ニューロンの抑制が目標達成のカギを握る。移り気ニューロンの興奮により柔軟性が生み出される。
移り気ニューロンの抑制が目標達成のカギを握る。移り気ニューロンの興奮により柔軟性が生み出される。

参考画像:柔軟な行動選択を行う脳内メカニズムの発見-目標行動を抑制する脳領域機能の一端を解明- (2017/9/29、慶応義塾大学プレスリリース)|スクリーンショット

こう考えると、「移り気ニューロン」の活動を低下させたままにしておいた方が気が散ることなく目標達成に向けて努力できるのかと思ってしまいます。

しかし、「移り気ニューロン」をどんな時でも抑制してしまうと、柔軟に適応できなくなってしまいます。

「移り気ニューロン」があることで、ルールが決まっているときには抑制させ、ルールが変更されたときには活動を増加させることで柔軟に対応できるのです。

移り気な人はネガティブな印象を受けているかもしれませんが、目標を達成するためには必要な行動をとっている場合もあるので、決して悪いことばかりではないのだと思ってくださいね。







【参考リンク】
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年間720億円分の抗がん剤が廃棄されている!?|廃棄される抗がん剤を減らすアイデアとは?




■年間720億円分の抗がん剤が廃棄されている!?|廃棄される抗がん剤を減らすアイデアとは?

Prescription Prices Ver3

by Chris Potter(画像:Creative Commons)

廃棄される抗がん剤、年間720億円分 慶大教授が試算

(2017/11/17、朝日新聞)

岩本さんは国立がん研究センターなどと共同で、薬の使用回数や瓶の数から1病院あたりの廃棄率を計算。国際的な医療情報データベースも使い、廃棄量を推定した。それによると、2016年度の抗がん剤の市場規模約9745億円の約7・4%にあたる約720億円分が捨てられていた。

慶應義塾大学の岩本隆・特任教授による試算によれば、年間720億円分の抗がん剤が廃棄されているそうです。

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なぜ使用量の約7%もの抗がん剤が使い切れずに残り、廃棄されてしまうのかがこの問題のポイントです。

2017年6月27日のNEWS23でも取り上げられたこの問題ですが、なぜ抗がん剤の廃棄が行なわれているのでしょうか?

その理由は、安全性の確保にあります。

余った薬剤には菌などが混入する恐れがあるため、余った薬剤を捨てることで安全性を確保しているそうです。

これまでにも残薬に関する問題についてこのブログでも取り上げてきました。

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余った薬剤を捨てることで安全性を確保することは理解できますが、そうなるときになるのが、なぜ薬剤が余ってしまうのかという点です。

抗がん剤の注射薬や点滴薬の多くは、瓶単位で売られている。患者ごとの使用量は体格によって違い、1回で使い切れないこともある。

抗がん剤の多くは瓶単位で売られていて、患者さんによって使用量が違うため、使いきれないこともあり、抗がん剤が残ってしまうそうです。

2017年6月27日のNEWS23でコメントした岩本特任教授によれば、日本では原則は使用量での保険請求なのですが、それが徹底されておらず、実際に使われていなくても全体量で請求できる仕組みとなっているという「医療界の暗黙のルール」があることも背景にはあるようです。

この問題を解決するために、厚生労働省も動きを始めています。

抗がん剤の残薬活用へ 厚生労働省が安全基準策定へ 数百億円単位の医療費削減も

(2017/8/12、産経ニュース)

ただ、1瓶から同時に複数の患者へ投与することは認められている。残薬を活用できるケースはあるものの、今のところ安全基準がなく、そのまま廃棄されることが多い。

残薬は一つの瓶に入った抗がん剤を複数の患者に使うことで減らすことができるため、欧米では、余った薬剤を複数回使用する取り組みが進んでいるそうですが、大事なポイントは複数回使用することで安全性を確保できるかどうかです。

そこで、厚生労働省は、使いきれなくなった抗がん剤の残薬を他の患者に活用できるよう安全基準づくりに乗り出す方針を固めたそうです。

安全基準を作ることで残った抗がん剤を複数回他の患者に有効活用するというのは良い方向だと思いますが、この問題を根本的に解決するできる限り使用量に合わせて抗がん剤を購入できる仕組みにするということではないでしょうか。

最近AI(人工知能)や IoT といったテクノロジーによる未来社会として掲げられた「超スマート社会」というコンセプト「Society5.0」について考えています。

Society5.0 Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」
Society5.0 Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」

参考画像:Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」(2017/5/30、経済産業省)|スクリーンショット

Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」
Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」

参考画像:Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」(2017/5/30、経済産業省)|スクリーンショット

Society5.0・Connected Industriesを実現する「新産業構造ビジョン」(2017/5/30、経済産業省)

「必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供し、社会の様々なニーズにきめ細かに対応でき、あらゆる人が質の⾼いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、⾔語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことのできる社会。」(第5期科学技術基本計画)

これまでの社会は、あらゆるものを標準化することによって、人間がその標準化された社会に合わせて生活をすることで問題を解決してきましたが、Society5.0では、多様な違いを持ったままで、必要なサービスを、必要な時に、必要な分だけ提供される社会になっていくことを目指しています。

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この必要なサービスを、必要な時に、必要な分だけ提供される社会という考え方をもとにすれば、標準化された規格品サイズの瓶での購入をするのではなく、必要な分量だけを購入しながらも安全に利用できるシステムが必要になってくるはずです。

そこで、思い出したのが、Matternet Station|自律型ドローン配達ネットワークが配備されることで医療に革命が起こる!?|スイスで取り上げた、自律型ドローン配達ネットワークで医療用アイテムを届けるシステムです。

The Matternet Station

Matternet Station|自律型ドローン配達ネットワークが配備されることで医療に革命が起こる!?|スイス

Matternet Stationは、ドックとドローンが装備されていて、医療サンプルなどを荷物を積載し、離陸し、ステーションに着陸する仕組みになっています。

Matternetシステムを使用して、技術者はQRコードをつけたボックスに血液サンプルなど医療に関するものを格納し、ドローンは信号で案内されたステーションに飛び立ちます。

受け取る側は荷物が届いたことがアプリで通知され、スマホでQRコードをスキャンしてロックを解除することで安全に医療用アイテムを受け取ることができます。

このネットワークシステムが全国だけでなく全世界につながれば、通信機能を持った端末同士が相互に通信を行うことにより、網の目状に作られる通信ネットワークであるメッシュネットワークのようにノードからノードへ転送を行うようにした医療用アイテムの配送が可能になるかもしれません。

How Mesh Networks Work

ROBIN CHASE ロビン・チェイスによるZipcarと更なるビッグアイデア

ただ、ドローンの医療応用に対しては、乗り越えなければならない法の壁がいくつもあるようですので、実証実験を続け問題を解決していく必要がありますが、検討に値するアイデアではないでしょうか?

【参考リンク】

世界初のデジタルメディスン「エビリファイ マイサイト(Abilify MyCite®)」 米国FDA承認|大塚製薬・プロテウスでは、薬の飲み忘れによって生じる治療効果が下がってしまうという問題をテクノロジー(今回の場合はセンサー)で解決しようというものでしたが、そもそも残薬が出ない仕組みにするというアイデアとして、自動的に薬を投与するインプラントというアイデアはどうでしょうか。

●自動的に薬を投与するインプラント

生体工学で健康管理|緑内障を調べるスマ―ト・コンタクトレンズという記事で、このブログでは、定期的にインシュリンを注射しなければならない糖尿病患者の皮膚に超薄型で伸縮自在の電子装置を貼り付け、自動的に注射できるような仕組みというアイデアを考えてみました。

妊娠をコントロールする避妊チップの開発に成功ービル・ゲイツ財団出資の企業によれば、海外では腕の内側などにホルモン剤を含んだ細長いプラスチック製の容器を埋め込む「避妊インプラント」が広く普及しているそうで、将来的には、糖尿病治療も同様の方法をとっていくことが予想されます。

糖尿病治療用「スマート・インスリンパッチ」が開発される(2015/6/24)によれば、米ノースカロライナ大学とノースカロライナ州立大学の研究チームは、血糖値の上昇を検知し、糖尿病患者に適量のインスリンを自動的に投与できるパッチ状の治療器具を開発したそうです。

糖尿病患者に朗報!?グラフェンを使った血糖値測定と薬の投与を行なう一体型アームバンドによれば、韓国の基礎科学研究院の研究者たちは、ユーザーの汗をモニターして、血糖値を測定し、血糖値が下がってきている場合には、極小の針で薬を注射するという血糖値の測定と薬の投与の一体型デバイスを糖尿病患者のためにデザインを行なったそうです。

「薬の飲み忘れ」を根本から解決!複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲルの開発に成功|東京農工大学によれば、東京農工大学大学院の村上義彦准教授の研究グループは、体内に薬を運ぶための入れ物である「薬物キャリア」として利用されている構造体(ミセル)に着目し、「物質の放出を制御できる機能」をゲルの内部に固定化するという新しい材料設計アプローチによって、「複数の薬を異なる速度で自在に放出できるゲル」の開発に成功しました。

自動的に必要なだけの量の薬を必要なタイミングで投与することができれば、残薬がなくなり、「残薬(飲み残しの薬)が減ることによって医療費削減」「認知症などの人が飲み忘れることがなくなる」「治療継続の負担がなくなる」といったことが期待されます。

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そして、最後にもう一つ気になる点があります。

それは、本当にその薬に効果があるかという問題です。

ゲノム解析が一般的なものになった時、AIが過去の文献や医学論文、データベースを探索するようになる!?では、抗がん剤は高価で、かつ副作用の生じることから、薬が効かない患者に副作用のリスクを負わせ、高額な医療を施す必要があるのかという問題があり、ゲノム情報を活用して、どの薬が効果を発揮できるのか、ということを事前に調べて投与する「プレシジョン・メディシン(Precision Medicine)」に注目が集まっているという話題を取り上げました。

薬の飲み忘れ問題、残薬の問題も大事ですが、そもそもその薬の効果があるかどうかがわからない場合もあり、今後は、遺伝子を調べて、その薬で対応できるのかを判断してから投与するということが常識となっていくのではないでしょうか?




■まとめ

医療費の動向|平成28年版厚生白書
医療費の動向|平成28年版厚生白書

参考画像:医療費の動向|平成28年版厚生白書|スクリーンショット

平成28年版厚生白書

国民医療費とは、医療機関等における保険診療の対象となり得る傷病の治療に要した費用を推計したものであり、具体的には、医療保険制度等による給付、後期高齢者医療制度や公費負担医療制度による給付、これに伴う患者の一部負担などによって支払われた医療費を合算したものである。

高齢化や医療の高度化により、国民医療費は増加傾向が続いています。

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医療の仕組みを抜本的に変えることは、医療費の増加という問題を解決するためには必要になるはずですので、廃棄される抗がん剤を減らすアイデアだけでなく、予防医療にもぜひとも積極的に取り組んでほしいものです。







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ロボットでインフルエンザ・風邪予防!コミュニケーションロボット「BOCCO」の『センサでおしゃべり』機能でお部屋の“乾燥”をしゃべってお知らせ




■ロボットでインフルエンザ・風邪予防!コミュニケーションロボット「BOCCO」の『センサでおしゃべり』機能でお部屋の“乾燥”をしゃべってお知らせ

参考画像:ロボットでインフルエンザ予防!お部屋の“乾燥”をしゃべってお知らせ コミュニケーションロボット「BOCCO」の新機能、『センサでおしゃべり』スタート(2017/12/12、ユカイ工学プレスリリース)|スクリーンショット

ロボットでインフルエンザ予防!お部屋の“乾燥”をしゃべってお知らせ コミュニケーションロボット「BOCCO」の新機能、『センサでおしゃべり』スタート

(2017/12/12、ユカイ工学プレスリリース)

冬は寒さと共に乾燥しやすくなる季節です。
乾燥状態が続くと、喉や気管支は防御機能が低下するため、インフルエンザウイルスによる感染が起こりやすくなります。それを防ぐ方法の一つとして、室内では適正な湿度を保つことが重要だと言われています。
BOCCOはインフルエンザや風邪などのウイルスが感染しやすくなると言われる、部屋の温度20度以下、湿度50%以下などの乾燥警戒レベルに達すると「部屋センサ」が自動的に警戒値を感知し、「乾燥しています」とスマホに通知します。
さらに、『センサでおしゃべり』機能で「部屋が乾燥しているよ。加湿器つけてね」など、設定したセリフをBOCCOがしゃべってお知らせしてくれます。

ユカイ工学のコミュニケーションロボット「BOCCO(ボッコ)」は部屋の温湿度や照度を感知してスマホに通知する「部屋センサ」で部屋の温度20度以下、湿度50%以下などの乾燥警戒レベルに達したことを感知すると、スマホに「乾燥しているよ」と通知してくれたり、『センサでおしゃべり』機能で設定をしておくと、「部屋が乾燥しているよ。加湿器つけてね」などのセリフをしゃべってお知らせしてくれるそうです。

BOCCO紹介動画 部屋センサ




■まとめ

私たちは天気予報を見るときに降水確率が何パーセントであるかを知りたいわけではなく、本当は今日は傘を持っていくべきかどうかを知りたいはずですし、また、気温が何度かを知りたいわけではなく、本当は一枚多めに服を着たり、マフラーを付けていった方がいいかを知りたいはずなのです。

それに加えて、人によって気温に対する体感温度も違ってくるので、パーソナライズされた情報でアドバイスがほしいですよね。

そのように考えると、クリエイティヴエージェンシーUniformが手掛けた風、雨、気温を知らせる3つのデヴァイス「Weather Systems」のようにざっくりとした、一目でわかる「グランサブルUI/UX」と呼ばれる(Glanceableは、一目でわかる、の意味)アプローチで、かつ自分自身だけにコーディネートされた情報を提供するようになるとよいのではないでしょうか?

Weather Systems: The weather before it happens

「BOCCO(ボッコ)」は「部屋センサ」で部屋の温湿度や照度を感知してスマホに通知したり、おしゃべりしてくれる機能を持っていますが、近い将来は個人個人の健康管理データを基に、「今日はインフルエンザや風邪などのウイルスが感染しやすくなるかもしれないから気をつけて」というようなものが出てくるのではないでしょうか?







【参考リンク】
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