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現代人はノイズキャンセリングヘッドホンの使いすぎによって会話とノイズを聞き分ける能力が低下している!?




Are noise-cancelling headphones to blame for young people’s hearing problems?(2025年2月16日、BBC)では、聴力検査の結果が正常なのに、脳が音や話し言葉を理解するのが困難になる神経疾患「聴覚処理障害(APD;auditory processing disorder)」と診断された女性のケースを紹介しています。

そして、聴覚専門医によれば、1日最大5時間着用しているノイズキャンセリングヘッドホンの使いすぎによって会話とノイズを聞き分ける能力が低下しているのではないかという仮説を立てています。

5人中1人に難聴の症状、大音量の音楽が一因に|米調査では、米国では12歳以上の5人中1人に当たる4800万人以上が片耳または両耳に難聴の症状を持つという調査結果が米国の医学誌に発表されました。

その原因としては、加齢や遺伝的要因に加え、イヤホンなどを使って大音量で音楽を聴くことが原因の1つとして指摘されています。

有毛細胞は音響エネルギーを電気信号に変換して脳に伝達する役割を果たしているのですが、ボリュームが大きすぎるとこの細胞が損傷を受け、回復できなくなるそうです。

今回の記事のポイントは、大音量の音を聞きすぎて難聴になって音が聞こえなくなったわけではなく、必要な音とノイズを聞き分ける能力(聴力)が低下しているのではないかという点であり、疑問としては、決して音が聞こえないわけではなく、聞き分ける能力が低下しても、難聴と同じような悪影響があるのかということ。

それは、難聴の影響は社会生活に影響を及ぼし、認知症のリスクを高めるといわれているから。

難聴になると認知症になりやすい!難聴は認知症の最大の原因!!!によれば、難聴によって、音の刺激や脳への情報量が少ない状態になると、脳の萎縮や、神経細胞の弱まりが進み、それが認知症の発症に大きく影響することが明らかになってきているそうです。

認知症の予防につながる9つのリスク要因|中年期の聴力低下・中等教育の未修了・喫煙・うつ・運動不足・社会的孤立・高血圧・肥満・2型糖尿病で紹介した英医学誌The Lancet(ランセット)に掲載された論文によれば、中年期の聴力低下が認知症のリスク要因なのだそうで、聴力が低下すると、周囲から通常受け取るたくさんの情報が得られなくなり、社会的に孤立することにより、認知症になるリスクが高まるそうです。

認知症の発症リスクが高いのは、脳卒中の経験がある人、糖尿病や心臓病の持病がある人、握力が弱い人、うつ傾向がある人で紹介した国立長寿医療研究センターなどのチームによれば、難聴の人はない人に比べて1・4倍認知症を発症するリスクが高いそうです。

音とノイズを聞き分ける能力が改善ができたり、また難聴のような影響がないのでしたら、それほど問題ではありませんが、もし同じような影響があるのだとしたら、将来的に認知症患者が増えてしまう恐れがあるため、今後の研究に注目です。

→ 認知症対策|認知症に良い食べ物・栄養 について詳しくはこちら







佐久間宣行さん、オールナイトニッポン0で急性胃腸炎で約1週間苦しんだことを告白!




佐久間宣行さんは「佐久間宣行のオールナイトニッポン0(ZERO)」で急性胃腸炎で約1週間苦しんだことを明かしました。

急性胃腸炎とは、発症するまで前兆もなく、胃腸に急性の炎症が起こり、突然の嘔吐や下痢、腹痛といった症状を伴う病気のことです。

急性胃腸炎の原因のほとんどが感染性胃腸炎であり、その多くがウイルス性(ロタウイルスやノロウイルスなど)ですが、細菌性のものもあるようです。

佐久間さんによれば、「ウイルス性ではなかった」そうで、原因は不明なのだそうです。

急性胃腸炎になると、発熱、下痢、嘔吐などの症状によって体の水分がなくなってしまい、場合によっては脱水症状を招くため、経口補水液による水分補給をしましょう。

→ 急性胃腸炎(感染性胃腸炎)の症状・原因・対策 について詳しくはこちら

→ 胃腸の病気の症状・原因・予防 について詳しくはこちら

→ 胃痛(胃が痛い)|胃の痛みから考えられる病気とその原因・特徴的な症状 について詳しくはこちら







一日一回塗るだけで花粉症の目のかゆみの症状が抑えられる!世界初のアレルギー性結膜炎治療剤が話題!




実際に感じている花粉症の症状第1位は「目のかゆみ」で紹介した調査結果によれば、「目のかゆみ」を実際に感じている花粉症の症状1位として挙がったそうです。

→ 花粉症の症状(目・鼻・のど) について詳しくはこちら

→ 目がかゆい|目のかゆみの原因・対策・対処法 について詳しくはこちら

そこで、話題になっているのが一日一回塗るだけで花粉症の症状の目のかゆみに効く世界初のアレルギー性結膜炎の治療のためのクリームです。

アレルギー性結膜炎治療剤「アレジオン®眼瞼クリーム0.5%」を日本で発売―世界初の1日1回上下眼瞼に塗布するクリームタイプのアレルギー性結膜炎治療剤―(2024年5月22日)によれば、世界で初めての1日1回上下眼瞼(眼周囲)へ塗布するクリームタイプのアレルギー性結膜炎治療剤です。

アレルギー性結膜炎患者さんの多くが、目のかゆみや充血といったアレルギー性結膜炎の症状によりQOLの低下を感じていて、それが一日一回塗るだけで目のかゆみが抑えられるのだったらすごいですよね。







大腸がんの発症リスクを下げる食品・栄養素とは?

先日大腸がん予防に役立つ食べ物は乳製品(カルシウム)!で紹介した研究では、他にも大腸がんの発症リスクを増やす食品(栄養素)とを紹介しています。

大腸がんの発症リスクを減らす食品・栄養素は次の通り。

  • 乳製品
  • ヨーグルト
  • リボフラビン(ビタミンB2とも呼ばれる水溶性のビタミン)
  • マグネシウム
  • リン
  • カリウム
  • 朝食用シリアル
  • 果物
  • 全粒穀物
  • 炭水化物
  • 食物繊維
  • 総糖類
  • 葉酸
  • ビタミンC

〇乳製品

→ 大腸がん予防に役立つ食べ物は乳製品(カルシウム)! について詳しくはこちら

〇マグネシウム

がんリスクを下げる抗ガン食材とはどんな食べ物なの?によれば、男性では、マグネシウム摂取量が高いほど大腸がんリスクは、低くなる傾向が見られました。この傾向は結腸のがんでよりはっきりしていました。

→ マグネシウムの多い食品 について詳しくはこちら

〇食物繊維

大腸がんの予防法としては、野菜類、豆類、果物、穀類、海草類、きのこ類、ビタミンC・Eは大腸がんの危険度を下げる効果があるといわれています。

食物繊維摂取と大腸がん罹患との関連について(国立がん研究センター)によれば、食物繊維摂取量の非常に少ない人で大腸がんリスクが高くなる可能性があるそうです。

食物繊維を多く含んだ食事を摂ることは便通を整え、発がん物質と腸粘膜の接触時間を短くし、大腸がんの予防になると考えられるため、積極的に取り入れたいものです。

→ 食物繊維の多い食品 について詳しくはこちら

〇カルシウム・全粒穀物

全粒穀物とカルシウムの摂取量が増えると、大腸がんの全死亡率が低下するという研究があります。

【参考リンク】

〇葉酸

【関連記事】

→ 大腸がんとは|大腸がんの症状・初期症状・原因・予防 について詳しくはこちら







【参考リンク】

MetALDって知ってますか?




飲酒で深刻な肝障害リスクが倍以上に、肥満や糖尿病の場合 新研究(2025年2月10日、CNN)によれば、腹囲の大きい人や糖尿病の人がアルコールを摂取すると、深刻な肝障害のリスクが倍以上になり、高血圧の人の場合はほぼ倍になることがわかったそうです。

【参考リンク】

「飲み過ぎ」減へ数値目標|アルコールによる健康障害とは?では、飲み過ぎにより高血圧、糖尿病やがんのリスクが高くなると紹介しましたが、今回の研究は肥満や糖尿病、高血圧の人がアルコールを摂取すると肝障害のリスクが高まると紹介されています。

今回の研究で気になったのは実は別のポイントにあります。

先日脂肪肝/NAFLD/NASHの名称が脂肪性肝疾患(SLD)/MASLD(マッスルディー)/MASH(マッシュ)に変わっていたの知ってましたか?では、NAFLDがMASLD(マッスルディー)に変わったと紹介しました。

MASLDとは「代謝異常関連脂肪性肝疾患(MASLD、Metabolic Dysfunction Associated Steatotic Liver Disease)」のことで、これまでの名称は、”alcohol”や”fatty”という言葉が入った病名が誤解を招きやすく、不適切であるということから名称が変更されています。

代謝機能障害関連脂肪肝疾患 (MASLD) は、高血圧、高血糖、高トリグリセリド血症、高密度リポタンパク質コレステロール (HDL-C) の低値、過体重/肥満を含む5つの心血管代謝リスク因子 (CMRF) のいずれかが診断の前提条件となる、新たに提案された命名法です。

代謝機能不全に関連した脂肪性肝疾患 (MASLD) は、脂肪肝に以下の心臓代謝危険因子 (CMRF;Cardiometabolic risk factors) の少なくとも 1 つが存在する場合に診断されます。

体格指数(BMI):BMI 25 kg/m2 以上、または腹囲が男性 94 cm、女性 80 cm 以上
空腹時血糖値:空腹時血糖値5.6mmol/L以上、または負荷2時間後血糖値7.8mmol/L以上
ヘモグロビンA1c(HbA1c):HbA1c 5.7%以上
血圧:血圧130/85mmHg以上
血漿中トリグリセリド:血漿中トリグリセリド1.70mmol/L以上
血漿高密度リポタンパク質コレステロール(HDL):血漿HDLが男性で1.0mmol/L以下、女性で1.3mmol/L以下

代謝異常が生じている場合とは、過体重や肥満、2型糖尿病がある場合のほかに、体重が基準範囲以下であったとしても、腹部肥満、中性脂肪高値/善玉コレステロール(HDL-C)低値、血圧高値、インスリン抵抗性、全身性炎症などが複数あてはまる場合も該当します。

MASLD以外で1週間あたりのアルコール摂取量が多い(女性:140~350g/週、男性:210~420g/週)場合は『MetALD』(metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease)と呼ばれるようになりました。

【参考リンク】

これからの流れはここがポイントになると思います。

まずはMASLDは代謝異常に着目し、これまでのNAFLDという考え方からアルコールを切り離して考える、そしてMASLDの中にいる、これまでは見過ごされてきた中等量の飲酒を伴う患者さんに対してMetALDと名付けて、そこにどんな治療のアプローチをすべきかを考えていこうとしているのだと思います。

新しい命名法は、これまで見過ごされてきた中等度の飲酒患者群に注目を集め、新しいサブカテゴリーであるMetALD [6]を導入しています。MetALDは、女性で20〜50 g/日、男性で30〜60 g/日の高アルコール消費を示すMASLD患者と定義されています[6]。以前の研究では、アルコール消費と心血管代謝リスク因子の共存は、付加的または相乗的な結果をもたらすことが示されています[7,8]。

別の研究によれば、1)糖尿病または高血圧の存在は、MASLD における全死亡率と有意に関連していること、2)心臓代謝因子が 1 つ増えるごとに、純粋 MASLD および MetALD(metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease:MASLD and increased alcohol intake;代謝機能の障害とアルコール摂取が重なって起こる脂肪肝の病名で、MASLDに分類され、中等量の飲酒を伴う脂肪肝を指します。) における死亡率が上昇すること、3)アルコール摂取量の増加は、特にMetALDにおける全死亡率の上昇と関連している、ということが分かったそうです。

そこで、もう一度「腹囲の大きい人や糖尿病の人がアルコールを摂取すると、深刻な肝障害のリスクが倍以上になり、高血圧の人の場合はほぼ倍になる」という最初の記事に戻って考えてみると、少し見え方が変わってきませんか?

腹囲の大きい人や糖尿病の人というのが、代謝異常の状態にある人であり、その状態にある人でアルコールの摂取量が増加してしまうと、心血管代謝リスク因子 (CMRF) に影響を与えてしまい、肝臓の病気のリスクが高くなるというのはわかりやすいですよね。

代謝異常を抱えている人は、お酒を飲む量が増えるとリスクを抱えてしまうので、気を付けてくださいね。