がんリスクを下げる抗ガン食材とはどんな食べ物なの?がんのリスクを下げるために避けたほうがいい食品とは?




「人参ジュースはもう古い」がん専門医が推奨、がんのリスクを確実に下げる最新“抗がん食材”(2024年12月5日、週刊女性PRIME)で紹介されているがん専門医である帝京大学福岡医療技術学部教授の佐藤典宏先生によれば、抗ガン食材とは、がん細胞を一気に消してくれる魔法のような食材のことではなく、がんに対していろいろな角度から効果を発揮する食材、例えば、抗酸化作用のある野菜、炎症を防ぐ魚介類、がん細胞の成長を邪魔する食材のことを抗ガン食材と呼んでいます。

詳しい内容は記事を読んでいただくことにして、抗ガン食材とはどのようなものなのかをまとめてみました。

ポイントは4つ。

1)がん細胞の増殖や転移を抑える→抗酸化作用を持つ抗酸化食品

2)がん細胞の血管新生を阻害する

3)免疫力を高める

4)がんの原因や進行の要因になる炎症を抑える→オメガ3脂肪酸

今回の記事で改めて大事だと思ったのが、野菜の色の成分「フィトケミカル(ファイトケミカル)」です。

フィトケミカルとは、植物性食品に含まれる物質の総称のこと。

植物性食品には、ビタミンやミネラルなどの栄養素、食物繊維などが含まれていますが、フィトケミカルとは、「色」「香り」「苦味」といった今まで栄養素とは考えられていなかった成分のことをいいます。

食物の5大栄養素は、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルであり、近年、食物繊維が第6の栄養素として注目を集めました。

そして、今まで食物繊維同様、栄養素と考えられていなかった「色」「香り」「苦味」等の植物性食品の成分のフィトケミカルが第7の栄養素として取り上げられるようになりました。

その意味でいうと、昔から緑黄色野菜が体に良いといわれていましたが、大事なのは緑黄色野菜の「色」「香り」「苦味」等のフィトケミカルであり、食物繊維だったんですね。

抗ガン食材として、野菜の色に着目して選んでみてはいかがでしょうか?

■ファイトケミカルを豊富に含む食品

1)抗酸化作用を持ちがん細胞の増殖や転移を抑える働きを持つスルフォラファンで、代表的なものがキャベツやブロッコリー(ブロッコリースプラウトも)などのアブラナ科の野菜。

2)アリウム属の野菜でポリフェノールの一種で抗酸化作用を持つケルセチンが豊富な玉ねぎ(玉ねぎの皮)や同じくアリウム属の野菜で抗酸化作用と抗炎症作用で二硫化アリルという成分が含まれるニンニクもよい。(にんにくを多く摂取する人は大腸がんのリスクが25%減るという研究もある)

3)抗酸化作用を持つリコピンはがん細胞増殖の抑制や、血管新生の阻害に働きかける。代表的な食材はトマト。

4)βカロテンを多く含むにんじん。

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【参考リンク】

  • マグネシウム摂取と大腸がんとの関連について|国立がん研究センター

    男性では、マグネシウム摂取量が高いほど大腸がんリスクは、低くなる傾向が見られました。この傾向は結腸のがんでよりはっきりしていました。

    予防要因としては食物繊維を含む食品、にんにく、牛乳、カルシウムがほぼ確実とされています。

■血管新生を邪魔してがんを防ぐ食品

1)ゲニステイン(大豆イソフラボンの一種)を含む大豆。がん細胞は、新しい血管を作り出す血管新生という働きを活性化させて成長しますが、ゲニステインは血管新生を邪魔してがんを防ぐ効果があるそうです。また腸内環境は全身のガンとも関係しているので、大豆の発酵食品であるみそや納豆は腸内環境を整える働きがあるので、その点でもよい食品。

2)昆布やわかめなどの海藻類に含まれるフコイダンにはがん細胞が増えるのを抑える抗腫瘍効果や血管新生を阻害する効果がある。

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■免疫力を高める食品

1)βグルカンを含むキノコ類

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■がんの原因や進行の要因になる炎症を抑える働きをもつオメガ3脂肪酸

1)サバやイワシなどの青魚

→ オメガ3を豊富に含む食品 について詳しくはこちら

■がんのリスクを下げるために避けたほうがいい食べ物とは?

【追記(2025年6月20日)】

「がんのリスクを確実に下げる」大学教授が推奨する“抗がん食材”と、医師が口にしない“定番ランチ”(2025年6月20日、週刊女性PRIME)ではフランスの10万人を対象とした研究で超加工食品(菓子パンやカップ麺、スナック、デザート類、甘い炭酸飲料やジュースなどの清涼飲料水)を最も多く食べるグループでは最も少ないグループに比べてがんの発症率が20%以上高くなっていること、また、3つの大規模な観察研究をまとめた解析では、大腸がんの発症リスクが30%上昇し、特に肛門に近いS状結腸や直腸のがんリスクが70%も高くなっていたため、注意が必要と紹介されています。

超加工食品の摂取量が多いほどがんの発症、男性の大腸がん、女性の卵巣がんのリスクがアップする!によれば、超加工食品を多く食べる男性は摂取量が少ないグループと比べると大腸がんを発症するリスクが29%高いことがわかっています。







P.S.

大腸がん予防に役立つ食べ物は乳製品(カルシウム)!で紹介した英国オックスフォード大学が学術誌「ネイチャー・コミュニケーションズ」で発表した研究によれば、乳製品が大腸がん予防に役立ち、それは主にカルシウムによるものと結論付けています。

週2回以上ヨーグルトを食べている人は大腸がんの発症リスクが20%低い!で紹介した研究によれば、長期にわたって週2回以上ヨーグルトを摂取している人は、腫瘍組織中のビフィズス菌の量に応じて、今回のケースでいえばビフィズス菌陽性(現れるという意味)の場合、大腸がんの発症リスクが20%低いことがわかりました。

<肝臓がん>DHAなどの不飽和脂肪酸を含む青魚やうなぎでリスクが約4割低下する!?|国立がん研究センターで紹介した国立がん研究センターによれば、青魚やうなぎをよく食べる人は肝臓がんになるリスクが約4割低下するそうです。

筋肉を増やすなら朝食にたんぱく質を摂ろう!ダイエット・美容・フレイル対策・サルコペニア対策に!|早稲田大学




perfect breakfast

by keico taguchi(画像:Creative Commons)

体内時計に合わせた朝のタンパク質摂取タイミングが筋量増加に効果的(2021/7/7、早稲田大学)によれば、タンパク質の摂取タイミングが、筋量増加効果に影響があることがわかったそうです。

●タンパク質摂取による筋量増加効果は、量だけでなくタイミングも影響することを明らかにした。

●筋量増加は体内時計を介して引き起こされ、それが正常に機能していることが重要である。

●朝食時のタンパク質摂取による筋量増加には、筋肉の合成を高める作用が強い分岐鎖アミノ酸が関わっている。

つまり、今回の研究のポイントは、たんぱく質は筋量の維持・増加に欠かせない栄養素であることはわかっていましたが、接種のタイミングによってもその効果が変わってくることがわかり、それは筋肉の体内時計によるもので、体内時計に合わせた摂取をすることにより、効率よく筋力・筋量を維持・増進することができるのではないかと考えられます。

■フレイル対策・サルコペニア対策とたんぱく質

最近ではたんぱく質とフレイルとの関係がよく取り上げられています。

サルコペニアとは?定義・予防・対策のやり方(運動・栄養)!

●たんぱく質でサルコペニア対策

たんぱく質摂取と骨格筋|たんぱく質の関与|フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省によれば、最近のコホート調査でも、たんぱく質摂取量が少ないことは3年後の筋力の低下と関連し、さらに高齢女性の3年間の観察で、たんぱく質摂取量が少ないとフレイルティの出現のリスクが増加することが確認されているそうです。

また、日本人の高齢女性の横断研究でもフレイルティの存在とたんぱく質摂取量との関連が明らかにされています。

これまでにも要介護者の中にはたんぱく質が不足する低栄養の人が多いということを紹介してきました。

適切な食物摂取ができず、栄養状態が悪化していることを「低栄養」と呼びます。

低栄養になると、免疫が低下したり、筋肉が減少したり、骨が弱くなったりすることで、感染症に掛かりやすくなったり、骨折するおそれが高くなるようです。

今回紹介した厚生労働省のまとめによれば、高齢者はたんぱく質の摂取量が少ないと、フレイルティの出現リスクが増加するそうです。

たんぱく質並びにアミノ酸の介入研究|たんぱく質の関与|フレイルティ及びサルコペニアと栄養の関連|高齢者|厚生労働省では、サルコペニア予防および改善の観点から、高たんぱく質食品、プロテインやアミノ酸などのサプリメント、β─ ヒドロキシ─β─ メチル酪酸(beta-hydroxy-beta-methylbutyrate:HMB)を単独もしくはアミノ酸と配合したサプリメントを補給する介入研究が紹介されています。

朝食でのタンパク質摂取による筋量増加には分岐鎖アミノ酸が大きな役割を果たしていることを示唆しています。

分岐鎖アミノ酸は筋肉の合成を高める作用が強いアミノ酸であることが知られていますが、今回の研究によれば、朝食でのタンパク質摂取による筋量増加には分岐鎖アミノ酸が大きな役割を果たしていることを示唆されており、また、高齢女性を対象にした3食のタンパク質の摂取量と骨格筋機能との関係性の調査によれば、1日のタンパク質摂取量に対する朝食でのタンパク質摂取量の比率と骨格筋指数は正の相関を示すことがわかっていますので、ぜひフレイル対策のためにも朝食にたんぱく質を摂取していきたいですね!

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■美容・ダイエットとたんぱく質

筋肉量が多い人ほど顔のシミやシワ、毛穴の目立ちが少ない!マイオネクチンがメラニンの生成を抑えている!|ポーラ化成によれば、ポーラ化成工業が行ったゲノム研究(GWAS)によれば、シミができない体質の人は、生まれつき筋肉の性質が異なる可能性があること、また、体重当りの体幹と下半身の総筋肉量が多い人ほど、顔のシミが少ないことが分かったそうです。

また、筋肉で作られる「マイオネクチン」が血液成分として皮膚に運ばれ、シミのもとであるメラニンの生成を抑えていることが示唆され、さらには、体の筋肉量が多いほど、シワ、毛穴の目立ち、色ムラなどが少ないことも明らかになったことから、美肌体質の秘密は、筋肉がカギを握っている可能性があるようです。

美容にはたんぱく質がかかせないとはご存じの方も多いはず。

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今回の研究によって、朝食にたんぱく質を摂取することがより効果的に筋肉をつけることにつながるということですので、ぜひ朝食にたんぱく質を摂りましょう!

→ アミノ酸の効果・効能・種類・アミノ酸を含む食べ物 について詳しくはこちら

→ なぜ筋肉をつけるにはタンパク質(アミノ酸)の摂取が必要なの?【論文・エビデンス】 についてくわしくはこちら







【参考リンク】

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おのののかさんがマイナス5キロの産後ダイエットに成功した方法とは?




おのののかさんのインスタによれば、おのののかさん(168cm)は2ヶ月弱で54kg→49kgと5キロ痩せに成功し、自身の産後ダイエットについてまとめています。

詳しい方法についてはおのののかさんのインスタを見ていただくことにして、気になるポイントについて考えてみたいと思います。

■ダイエットの目標を立てる

産後はダイエットする気にもならないくらい忙しいし、やせにくい

モルディブ旅行前にもう一度かわいい水着が着たい

ダイエットにおいて一番難しいのはそのモチベーションを維持すること。

おのののかさんの場合は、旅行先でかわいい水着を着たいという明確な目標があり、そのことがモチベーション維持ができたコツと言えそうです。

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■筋膜リリース

月3回ペースで育児でごっつごっつになった二の腕やら背中だるんだるんのお腹垂れ下がったお尻をもみほぐし、YouTubeを見て運動する。

体をもみほぐすことを筋膜リリースと捉えて考えてみます。

筋膜とは、筋肉の束を包んでいる膜のことです。

筋肉が長時間同じ姿勢でいると、筋肉の表面にある「筋膜」にシワが寄り、筋肉が硬くなって、筋肉の動きが制限されて、痛みやコリができてしまいます。

筋肉のコリはすぐにほぐれますが、コリとほぐしを繰り返す間に、筋肉の表面にある「筋膜」にシワができ、そのシワに引っ張られるように筋肉がコリ固まってしまうそうです。

筋膜にしわができると、筋肉が硬くなり、体のズレや歪みができてしまいます。

糖尿病の運動療法に「筋膜リリース」 身体活動量の増加、体重の減少、HbA1c値の改善によれば、糖尿病患者は筋膜が糖化されてしまい、関節や筋肉が動きづらくなってしまっているのですが、筋膜リリースによって、筋膜のシワがのばされたことにより、筋肉の動きが解放されて、筋肉が動きやすくなり、活動量が増えた結果、体重の減少、HbA1c値の改善したと考えられるそうです。

つまり、やせたいからといっていきなり運動するよりも、筋膜のしわを伸ばして筋肉が動きやすい状態を作って運動するほうがより効果的にダイエットできると考えられます。

■食事は腹8分目。食べ過ぎたら2食分はプロテイン

冨永愛さんの食事の考え方/おばあちゃんから教えてもらった「まごわやさしい」によれば、冨永愛さんは基本は腹八分目におさめ、時にはお腹いっぱい好きなモノを食べるようにしているそうです。

食事の量のコントロールを1週間をベースに考えて、食べ過ぎた日の翌日は減らすというくらいに考えた方が健康的と言えるのではないでしょうか?

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糖摂取後1時間血糖値が170 mg/dl以上はガンや動脈硬化のリスクが高い!




糖摂取後の血糖値が寿命延長に関連する‐ブドウ糖負荷後 1 時間血糖値が低いと病気が少なくて長寿‐(2025年6月23日、東北大学)によれば、岩手県大迫町で糖尿病のない平均62歳の地域住民を対象に、糖摂取後の血糖値と寿命の関係を調べたところ、ブドウ糖負荷試験の負荷後1時間血糖値が170 mg/dl未満の群は、170 mg/dl以上の群に比べて死亡が少なく、動脈硬化や悪性腫瘍による死亡が顕著に少ないことが明らかになりました。

そのことから、ブドウ糖負荷後1時間血糖値170 mg/dl未満を維持することは心臓疾患や悪性腫瘍を予防し寿命を延ばすことにつながることが期待されます。

正常者の中でも、糖負荷試験負荷後 1 時間血糖値が 170 mg/dl 未満の群(青) では生存者が顕著に多い
正常者の中でも、糖負荷試験負荷後 1 時間血糖値が 170 mg/dl 未満の群(青) では生存者が顕著に多い

■まとめ

血糖値高い糖尿病患者ほど心不全に|国立循環器病研究センターで紹介した国立循環器病研究センターによれば、血糖値が高い糖尿病患者ほど心不全で入院する割合が多いということから、血糖値と心不全には関係があることがわかったそうです。

糖尿病の診断基準であるヘモグロビンA1cの数値が高い人ほど、がんの発症リスクが高まる!|国立がん研究センターと東京女子医大で紹介した国立がん研究センターと東京女子医大のチームによれば、糖尿病の診断基準の数値であるヘモグロビンA1cの値が高い人ほど、がんの発症リスクが高まる傾向があるそうです。

糖尿病の人の大腸がんになるリスクは1.4倍、肝臓がんは1.97倍、すい臓がんは1.85倍も高いで紹介した日本糖尿病学会と日本癌学会の合同委員会の報告によれば、糖尿病の人はそうでない人に比べて1.2倍がんになりやすく、特に、大腸がんになるリスクは1.4倍、肝臓ガンは1.97倍、すい臓がんは1.85倍も高いそうです。

糖尿病の人がなぜがんになりやすいのかについてのメカニズムははっきりとわかっていないそうですが、インスリンは細胞を成長させ増殖させるホルモンなので、インスリンが増えると細胞のがん化につながるのではないか、また高血糖による炎症ががんを招いているのではないか、などが考えられるようです。

今回取り上げたニュースによれば、ブドウ糖を摂取した1時間後の血糖値が、1デシリットルあたり170ミリグラム以上の人は170ミリグラム未満の人よりも心疾患やがんを発症しやすく、死亡リスクも高まることが分かったので、病気の予防をするためには、糖負荷試験の1時間後の血糖値をチェックし、糖尿病予防をすることが、がん予防につながると考えられるので、しっかりと対策を行いましょう。

→ 血糖値とは|血糖値を下げる食品・正常値・空腹時血糖値・食後血糖値 について詳しくはこちら

→ 糖尿病の症状・初期症状 について詳しくはこちら







気候変動でヨーロッパワインがピンチ!?地理的表示(GI;ジーアイ)システムの硬直性が脆弱性の増大につながる可能性




欧州ワインがピンチ 気候変動で〝GI〟難しく 国際研究グループが指摘(2024年12月7日、日本農業新聞)で紹介されている、イタリアなどの国際研究グループによれば、地理的表示(GI;Geographical Indication(ジオグラフィカルインディケーション))の考えが定着している欧州ワインで、約5%の銘柄が今後の気候変動に適応できず生産が難しくなるなど脆弱性がとても高いそうです。特に南ヨーロッパのワイン産地が最も脆弱であるそうです。

Nature誌に掲載されたこの論文を読み、要点をまとめました。

【参考リンク】

  • Tscholl, S., Candiago, S., Marsoner, T. et al. Climate resilience of European wine regions. Nat Commun 15, 6254 (2024). https://doi.org/10.1038/s41467-024-50549-w

地理的表示(GI、原産地に基づいてワインを分類および規制するシステム)の概念は、ワインのアイデンティティを定義し、製品のユニークな特徴と原産地との強いつながりを確立する上で重要な役割を果たしています。実際、世界で最も有名なワインの多くは、ブドウの品種ではなく、その原産地で知られています。

これまでも気候変動は常にワイン造りに影響を与えてきましたが、現在の気候変動の速度は前例のないスピードであり、これまで歴史的に培ってきたもの、具体的には、好ましい立地条件、最適なブドウ品種、伝統的なブドウ栽培方法とマッチしなくなってきています。

例えば、ブルゴーニュとシャンパーニュはピノ・ノワールから作られるワインで知られていますが、ピノ・ノワールのブドウを栽培できなくなった場合、代替のブドウ品種はラベルの資格を得ることができず、また、ワイン産地の規制を改正するプロセスを経ずに、栽培者が地域外からブドウを調達したり、新しい栽培技術を導入したりすることは法律上許可されないそうです。

ワインの特徴をなすテロワール(ブドウ畑を取り巻く環境)という歴史的な考え方がありますが、気候変動への適応には柔軟性が必要だと研究グループは指摘しています。

適切なブドウ品種の開発を制限した狭い範囲のブドウ品種、固定された管理方法など地理的表示システムの硬直性は、脆弱性の増大につながる可能性があります。

現状の厳格な栽培基準や栽培地域を定める方法を維持したままだと、今日知られているワイン産地の多くは今後変化することが予想されます。

「なぜデザインなのか 原研哉 阿部雅世 対談」によれば、ヨーロッパの文化は保守であると書かれています。

ヨーロッパの文化というのは保守だと思うのです。
ヨーロッパにおける保守は「進歩を疑う」ということだと思います。要するに、いかにあなたが天才的な合理性を持っていたとしても、人類が何千年もかけて築いてきたこの叡智をあなた一代で覆すことはできないでしょう、という視点。覆すにしても、その膨大な叡智を覆すのだという重みを持って覆しなさいという慎重な態度が背景にある。積み重ねられてきた文化の堆積の尊厳をすごく大事にしているしそうだと思うんですね。

テロワールというのはその最たるものなのでしょう。

積み重ねられてきた文化の堆積の尊厳を大事にし、人類が築き上げてきた叡智を覆すにはそれ相応の態度で行うべきだというのはその通りです。

ただその叡智を一気に壊してしまうような気候変動が起きているのも私たちは実感しています。

私たち祖先もいろんな環境変化に対応して、試行錯誤を繰り返しながら、その土地にあった作物を作り上げてきたはずです。

地理的表示システムは、気候変動に適応し、テロワールと消費者のつながりを維持しながら、アップデートしていく必要があるのではないでしょうか?

我々の祖先が歴史をつないできたように。

【追記(2025年6月22日)】

豪ワイン農園、気候変動に知恵 「日焼け止め」や「大根」活用(2025年6月22日、時事通信)によれば、オーストラリアのワイン農園は気候変動対策のために、ブドウを猛暑から守る専用の日焼け止めの散布や、干ばつや豪雨で弱った土壌の再生の下草として大根を植えるなどの対策をしているそうです。

〇粘土由来のカオリナイトを主成分とするブドウの日焼け止めを開発。夏にブドウの木全体をコーティングするように散布し、酷暑から保護している。気温が35度を超えると光合成が衰え、ブドウの成熟は遅くなるが、日焼け止めを使うと木の温度上昇を抑え、計画通りに成熟を進められるという。

〇ブドウの木の列の間で野菜を育て、土の湿度を保つとともに、昆虫や微生物のすみかをつくって土を活性化させている。特に大根は地中深くに伸びるため、効果が大きいことが分かった。







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