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「骨密度は維持はできても上げる方法はない」は本当?論文ベースで調べてみた!




骨密度は維持はできても上げる方法がないと以前医師から聞きました。

しかし、検索をすると一昔前は難しかったが骨密度を上げる方法があると明治薬科大学の記事にありました。

【参考リンク】

骨粗しょう症

「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」とは、骨がスカスカになり、骨折しやすくなる病気です。

骨粗しょう症は、転倒から骨折、寝たきりになる危険性が高まることで知られていますが、自覚症状に乏しく、骨折してはじめて病気に気づく人も少なくありません。

60代女性の3人に1人がかかるとされる骨粗鬆症であり、骨粗鬆症の潜在患者は1千万人以上といわれるそうですが、自覚症状に乏しいため、実際に治療を受けている人は1割程度なのだそうです。

閉経後の女性の場合、女性ホルモン(エストロゲンは骨の形成に関わる細胞の働きを促進し、骨吸収を抑制する働きがある)の分泌が低下して骨量が急激に減るので、注意が必要です。

■骨密度が上がることはない?を論文ベースで調べてみる!

論文ベースでこの件について調べてみようと思います。

骨密度を上げることは従来難しいとされてきましたが、最近の研究では生活習慣の改善や特定の介入により骨密度の向上が可能であることを示す論文が増えているそうです。

1. 明治薬科大学の研究について

明治薬科大学セルフメディケーション学研究室の研究(2019年)は、生活習慣の改善が骨密度向上に有効であることを示しています。

研究内容:39名のモニターを対象に、カルシウム摂取や運動を中心とした生活習慣介入を6か月間実施。踵部の骨密度(YAM%)が平均6.7%向上した。これは、骨粗鬆症治療薬であるアレンドロン酸ナトリウム(6か月で平均4%改善)よりも高い効果を示した。

介入の詳細:

食事:カルシウムを意識的に摂取(牛乳は推奨せず、代替のカルシウム源を活用)。

※牛乳やチーズ、ヨーグルトは、カルシウムを豊富に含んでいるものの、脂肪分も多く含むため、コレステロールや中性脂肪、体脂肪率などが、どんどん上昇してしまうリスクがあるので、じゃこやしらす干などの小魚、にぼし粉それとお魚の缶詰を推奨

運動:ウォーキングや軽い筋トレなど、骨に適度な負荷をかける運動。

意義:薬物療法に頼らず、生活習慣の改善だけで骨密度向上が可能であることを実証。

【参考リンク】

2. 骨密度向上に関する最近の論文ベースの知見

骨密度の向上には、栄養、運動、薬物療法、またはそれらの組み合わせが関与します。以下に、論文や信頼性の高い研究に基づくエビデンスをまとめます。

(1) 栄養と骨密度

カルシウムとビタミンD:

カルシウムは骨の主要構成要素であり、ビタミンDは腸でのカルシウム吸収を促進する。1日あたりカルシウム700~800mg、ビタミンD800IUの摂取が推奨される。

論文例:Sozen et al. (2017, World Journal of Orthopedics) は、カルシウムとビタミンDの適切な摂取が骨密度の維持と向上に寄与し、特に閉経後の女性で骨折リスクを低減すると報告。

【参考リンク】

【関連記事】

ビタミンKとマグネシウム

ビタミンKは骨へのカルシウム取り込みを促進し、骨破壊を抑制。マグネシウムは骨質の強化に寄与。

論文例:Rondanelli et al. (2021, Nutrients) は、カルシウム、ビタミンD、ビタミンK、マグネシウムのバランス摂取が骨密度向上に有効であると結論。

【参考リンク】

【補足】

骨粗しょう症を未然に防ぐためにも、若いうちから骨密度を高めるために、骨を健康に保つ6つの栄養を摂るようにしましょう。

  1. カルシウム
  2. タンパク質
  3. ビタミンD
  4. ビタミンK
  5. マグネシウム
  6. 亜鉛

2019年2月5日放送の「たけしの家庭の医学」では「骨粗しょう症」を取り上げました。

骨が折れやすくなる原因である骨粗しょう症の街の人の対策はカルシウムの摂取ですが、中村幸男先生(信州大学医学部附属病院)によれば、栄養を適切に摂取し運動をしても骨折する患者がいるそうです。

中村先生によれば、カルシウム、ビタミンDの他に骨の健康に欠かせない重要な栄養素があり、それが「亜鉛」!

亜鉛の摂取を指導したところ、骨密度が大幅に改善し、また、何歳でも骨密度は上がるそうです。

→ カルシウムの多い食べ物 について詳しくはこちら

→ 亜鉛の多い食べ物 について詳しくはこちら

また、日を浴びることや運動をすることも骨を強くすることになるので、天気のいい日は運動をするように心がけましょう。

骨密度が治療が必要なほど低い場合には、薬や注射による治療を行なう必要があります。

骨折をしないためにも、また骨折治療をした後も骨粗しょう症治療をしていた患者さんの方が治りやすいので、しっかりと骨粗しょう症の治療を行ないましょう。

(2) 運動と骨密度

負荷をかける運動:

骨は物理的刺激により強化される。ウォーキング、ジョギング、筋力トレーニング(例:スクワット、かかと落とし)が有効。

論文例:Zhao et al. (2015, Osteoporosis International) は、週3回以上の重量負荷運動(例:レジスタンストレーニング)が閉経後女性の腰椎および大腿骨の骨密度を有意に向上させると報告。

【参考リンク】

【関連記事】

高強度インターバルトレーニング(HIIT):

HIIT(週3回)とビタミンD(800IU/日)の併用が、腰椎・股関節の骨密度を単独介入よりも大きく改善。骨形成マーカー(オステオカルシン)の増加とBMI低下が関連。

論文例:Marques et al. (2020, Journal of Strength and Conditioning Research) は、HIITが骨代謝マーカーを改善し、骨密度向上に寄与すると報告。

【参考リンク】

【補足】

運動習慣がないと、骨粗しょう症になりやすい理由としては、その前にスクレロスチンの値を下げて骨量を増やし骨粗鬆症を予防する方法(ランニング・水中ウォーキング・ヨガ・ストレッチ)のコツと注意点|#NHKスペシャル #人体を参考に、骨が作り替えられるメカニズムについて簡単にまとめてみたいと思います。

骨は、新しく強い骨を維持することで疲労骨折などを防ぐために、常に作り替えられていて、大人では3~5年で全身の骨が入れ替わっています。

骨の中には、骨を作る「骨芽細胞(こつがさいぼう)」と骨を壊す「破骨細胞(はこつさいぼう)」があり、この2つの細胞が骨の作り替えを行なっているます。

作り替えのペースを指示するのが「骨細胞」であり、「骨細胞」が骨を作る・骨を壊すという「メッセージ物質」によって作り替えの指示を行なっているのですが、作り替えのバランスが崩れると骨粗鬆症を起こしてしまいます。

「スクレロスチン」はメッセージ物質の一つで、「骨を作ることをやめる」というメッセージを持っており、通常は骨の量が増え過ぎないように「スクレロスチン」によって「骨芽細胞」の数を減らしているのですが、この「スクレロスチン」が大発生すると、骨量が減ってしまうのです。

それでは、なぜ「スクレロスチン」をたくさん出すということが起きてしまうのでしょうか?

骨細胞には骨にかかる衝撃を感知するという働きを持っており、その衝撃があるかないかによって、骨を作るペースを決めているそうです。

骨に衝撃がかからない生活をすると、骨を作らないでよいと考えてしまい、骨細胞が「スクレロスチン」を大発生させることによって、骨芽細胞の数を減らし、骨を作ることを休んでしまい、骨量が減ってしまうのです。

骨に衝撃がかからない生活というのは、運動をしないで一日中座っているような生活です。

つまり、運動習慣がないというのは、骨粗しょう症になりやすいということになります。

(3) 薬物療法と骨密度

ビスホスホネート:

骨吸収を抑制し、骨密度を増加させる。例:アレンドロン酸は6か月で約4%の骨密度向上を示す(明治薬科大学研究で比較)。

論文例:Black et al. (2007, New England Journal of Medicine) は、ビスホスホネートが椎体および大腿骨骨折リスクを有意に低減し、骨密度を増加させると報告。

抗スクレロスチン抗体:

骨形成を促進し、骨吸収を抑制。月1回の注射で骨密度を大幅に向上させる。

論文例:Cosman et al. (2016, New England Journal of Medicine) は、ロモソズマブ(抗スクレロスチン抗体)が閉経後女性の骨密度を12か月で10%以上増加させたと報告。

テリパラチド:

骨形成を促進する注射薬。重度の骨粗鬆症患者で骨密度向上に有効。

論文例:Neer et al. (2001, New England Journal of Medicine) は、テリパラチドが腰椎骨密度を9%増加させ、骨折リスクを65%低減すると報告。

(4) 生活習慣の改善

禁煙・節酒:

喫煙と過度な飲酒は骨密度低下のリスク因子。禁煙により骨密度低下が抑制される。

論文例:Yoon et al. (2012, Bone) は、喫煙が骨密度低下を加速し、禁煙が骨代謝マーカーを改善すると報告。

日光浴:

ビタミンD生成を促進。1日10~30分の日光浴が推奨される。

論文例:Holick (2011, Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism) は、適度な日光浴が血中ビタミンD濃度を増加させ、骨密度維持に寄与すると報告。

3. 医師の「骨密度は上げられない」発言とのギャップ

医師が「骨密度は維持できても上げるのは難しい」と述べる背景には、以下の理由が考えられます:

年齢や状態による限界:特に高齢者や重度の骨粗鬆症患者では、骨密度の大幅な向上は困難。治療の主目標は「現状維持」や「骨折予防」に設定されることが多い(例:)。

薬物療法の限界:従来の薬物療法(例:ビスホスホネート)は骨密度を数%向上させるが、成長期のような劇的な増加は期待できない。

生活習慣介入の認知不足:明治薬科大学の研究のような生活習慣による骨密度向上のエビデンスは比較的新しく、医療現場での普及が遅れている可能性。

しかし、明治薬科大学の研究や上記の論文が示すように、若い年齢層や早期介入の場合、また適切な栄養・運動・薬物療法の組み合わせにより、骨密度の向上が可能であることが科学的に裏付けられています。

4. 論文ベースでの推奨事項

以下の介入が骨密度向上に有効であると論文で支持されています:

栄養:

カルシウム(700~800mg/日):小魚、乳製品、緑黄色野菜。

ビタミンD(800IU/日):魚類、きのこ、日光浴。

ビタミンK(納豆、ブロッコリー)、マグネシウム(ナッツ類)、タンパク質(肉、魚、大豆)。

運動:

週3回以上のウォーキング(8000歩以上)、筋トレ、HIIT。

かかと落としやスクワットなど、骨に負荷をかける運動。

生活習慣:

禁煙、節酒、スナック菓子やインスタント食品の過剰摂取を避ける。

薬物療法(必要に応じて):

ビスホスホネート、抗スクレロスチン抗体、テリパラチドを医師と相談。

5. 注意点と今後の研究

個別性:骨密度向上の効果は年齢、性別、骨密度の初期値、併存疾患に依存する。高齢者では効果が限定的な場合も。

研究の限界:明治薬科大学の研究は小規模(39名)であり、大規模なランダム化比較試験(RCT)による検証が必要。

X投稿の扱い:HIITとビタミンDの研究は興味深いが、原論文を確認しない限り確定的な結論は避けるべき。

継続性:骨密度向上には数か月以上の継続が必要。短期間での劇的な変化は期待できない。

6. 結論

明治薬科大学の研究や最近の論文は、骨密度を上げる方法が存在することを示しています。

特に、栄養(カルシウム、ビタミンDなど)、運動(負荷をかける運動、HIIT)、生活習慣の改善が有効です。

医師の「骨密度は上げられない」発言は、高齢者のケースや従来の常識を反映したものと考えられますが、現在では早期介入や適切な生活習慣により骨密度向上は可能だということですね。







ビタミンA・カルシウム・ビタミンB1 日本人に足りていない栄養素ベスト3(佐藤秀美)|#世界一受けたい授業




la piccola massaia #1

by Matteo Bagnoli(画像:Creative Commons)

2015年10月10日放送の世界一受けたい授業では、”ビタミン・カルシウム・食物繊維 日本人に足りていない栄養2015”について取り上げるそうです。

講師 佐藤秀美(日本獣医生命科学大学客員教授)

Yahoo!テレビ番組予告

“3食食べているのに栄養失調になってしまう“隠れ栄養失調”の人が増えている!?
日本人が足りていない栄養ベスト3を発表!”

日本人に足りていない栄養について取り上げました。

主要な栄養21項目のうち日本人は12項目ほど足りていないそうです。

第3位 ビタミンB1

ビタミンB1が不足してしまうと、疲れやすくなるそうです。

また、ビタミンが不足した例で言えば、間違ったダイエットでビタミンB12が欠乏するとどうなるか?によれば、ビタミンB12が欠乏することによって、貧血・神経障害・ふるえ・歩行困難などといった症状が出るそうです。

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第2位 カルシウム

カルシウムはほうれん草やいわしなどに含まれていますが、ベーコンと一緒に食べると、リン酸塩によって吸収が妨げられてしまうそうです。

ビタミンDを含む鰹節などを一緒に食べると良いそうです。

カルシウム、女性の99%超が不足 やせ傾向、朝食抜く人ほど

女性の99%がカルシウム不足なのだそうです。

やせ傾向の人に不足が目立ち、朝食を抜いたり夕食を外食で済ませることが多い人ほど不足していたそうです。

⇒ カルシウムの多い食品 について詳しくはこちら

第1位 ビタミンA

ビタミンAには、細胞組織が新しく生まれ変わるのを助ける効果があり、不足してしまうと風邪をひきやすくなるそうです。

コーネル大学の研究によると、ビタミンAが不足することで糖尿病を引き起こす可能性があるそうです。

ビタミンAを含む食べ物はにんじんや鶏肉、うなぎなど。

ニンジンは油で炒めて食べると最も吸収率が高いそうです。

■まとめ

日本人に足りていない栄養ビタミンB1、カルシウム、ビタミンAの不足を補うことができる食品は「ひじき」。

ひじきと人参、油揚げと一緒に煮物にして食べるのがおすすめ。

■年代別必要な栄養素

<10代に必要な栄養素>

カルシウム・鉄分

カルシウムは骨粗しょう症予防のためで、鉄分は貧血予防のため。

オススメは、抹茶豆乳オレ。

豆乳と牛乳を半分づつ入れ、抹茶を加える。

<30代~40代に必要なのは栄養素>

抗酸化成分(ビタミンCやビタミンE、βカロテン、ポリフェノールなど)

抗酸化食品には、老化の原因となる活性酸素の増加を抑える働きがあります。

オススメは、ドライフルーツのヨーグルト漬け。

<50代以上に必要な栄養素>

食物繊維

食物繊維は腸内環境を整えることで白血球の働きを活性化、免疫力を高めることにつながるそうです。

オススメは納豆。

とろとろネバネバの納豆・メカブと発酵食品のキムチを混ぜて食べると良いようです。

■食物繊維

肥満やメタボの第3の要因に腸内細菌叢が関係している?和食を食べて予防しよう!によれば、肥満やメタボリックシンドロームを引き起こす第三の要因として腸内細菌叢(腸内フローラ)が関係しているのではないかと考えられています。

食物繊維を摂って糖尿病改善|ためしてガッテン 6月10日によれば、腸内細菌の中には、腸でインスリンを分泌するように指令を出すスイッチを増やすものがあるそうで、その腸内細菌(「バクテロイデス」の仲間の細菌)を元気にすることで、血糖値が下がりやすい=糖尿病になりにくい体質を手に入れられるそうです。

慶應義塾大学の伊藤裕先生によれば、血糖値を下げる腸内細菌を元気にするためには、エサを与えてやる必要があるそうです。

そのエサとは、善玉菌の餌となるイヌリン。

イヌリンは、水溶性食物繊維である、ごぼう、にんにく、納豆、大麦入り玄米など根菜類(根っこ野菜)、キノコ類、海藻に含まれています。

つまり、腸内細菌を元気にして血糖値が下がりやすい体質にする方法は、水溶性食物繊維を含む食品を一品増やすこと。

⇒ 食物繊維の多い食品 について詳しくはこちら

食事に水溶性食物繊維を含む食品を加えることで、腸内細菌が元気になり、腸にあるインスリンを出すように促す、すい臓に指令を送るスイッチが増えるそうです。

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「背が縮んだ」「腰が痛い」「背中が丸くなった」は実は「いつの間にか骨折」のサインかも?骨粗しょう症予防をしましょう!

健康・美容チェック > 骨粗しょう症 > 「背が縮んだ」「腰が痛い」「背中が丸くなった」は実は「いつの間にか骨折」のサインかも?骨粗しょう症予防をしましょう!




■「腰が痛い」は実は「いつの間にか骨折」のサインかも?骨粗しょう症予防をしましょう!

ばあちゃん(母)の骨粗しょう症→骨折(いつの間にか骨折)を経験して思ったのは、実はサインがあったのではないかということ。

例えば、

  • よく「腰が痛い」というようになった
  • 背中が曲がってきていた
  • 背が縮んでいたこと

腰の痛みは筋肉が傷んだから起きているわけではなく、転倒したり、怪我をしているわけでもないのに腰痛を訴えるようになった時は実は「いつの間にか骨折」のサインだったりするのかもしれません。

→ 腰痛(腰が痛い)の原因・予防・解消法(ストレッチ・体操) について詳しくはこちら

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《閉経後、骨密度は減少!》加齢によりリスク高まる「骨粗しょう症」のメカニズムと50~65才の間に一度は検診を受けた方がいい理由(女性セブンプラス)では骨の危険度チェックで、1)若いころに比べて身長が縮んだ、2)背中や腰に痛みを感じる、3)背中が丸くなってきた、4)やせている、5)飲酒・喫煙の習慣がある、6)運動習慣がない、と言うチェック項目を挙げており、一つでも当てはまる人は骨粗しょう症予備軍の可能性があるそうです。

ばあちゃん(母)の場合、1)若いころに比べて身長が縮んだ、2)背中や腰に痛みを感じる、3)背中が丸くなってきた、6)運動習慣がない、の4つが当てはまっており、骨粗しょう症の症状のサインが出ていたんですね。

若いころと比べて身長が縮むというのは、骨粗鬆症により骨密度が低下し、骨がもろくなると、骨の一部がつぶれてしまい、身長が縮むそうです。

背中が丸くなるのも同様に、骨粗しょう症により、骨折(圧迫骨折)を起こし、背中が丸くなる症状が現れます。

運動習慣がないと、骨粗しょう症になりやすい理由としては、その前にスクレロスチンの値を下げて骨量を増やし骨粗鬆症を予防する方法(ランニング・水中ウォーキング・ヨガ・ストレッチ)のコツと注意点|#NHKスペシャル #人体を参考に、骨が作り替えられるメカニズムについて簡単にまとめてみたいと思います。

骨は、新しく強い骨を維持することで疲労骨折などを防ぐために、常に作り替えられていて、大人では3~5年で全身の骨が入れ替わっています。

骨の中には、骨を作る「骨芽細胞(こつがさいぼう)」と骨を壊す「破骨細胞(はこつさいぼう)」があり、この2つの細胞が骨の作り替えを行なっているます。

作り替えのペースを指示するのが「骨細胞」であり、「骨細胞」が骨を作る・骨を壊すという「メッセージ物質」によって作り替えの指示を行なっているのですが、作り替えのバランスが崩れると骨粗鬆症を起こしてしまいます。

「スクレロスチン」はメッセージ物質の一つで、「骨を作ることをやめる」というメッセージを持っており、通常は骨の量が増え過ぎないように「スクレロスチン」によって「骨芽細胞」の数を減らしているのですが、この「スクレロスチン」が大発生すると、骨量が減ってしまうのです。

それでは、なぜ「スクレロスチン」をたくさん出すということが起きてしまうのでしょうか?

骨細胞には骨にかかる衝撃を感知するという働きを持っており、その衝撃があるかないかによって、骨を作るペースを決めているそうです。

骨に衝撃がかからない生活をすると、骨を作らないでよいと考えてしまい、骨細胞が「スクレロスチン」を大発生させることによって、骨芽細胞の数を減らし、骨を作ることを休んでしまい、骨量が減ってしまうのです。

骨に衝撃がかからない生活というのは、運動をしないで一日中座っているような生活です。

つまり、運動習慣がないというのは、骨粗しょう症になりやすいということになります。

骨粗しょう症

「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」とは、骨がスカスカになり、骨折しやすくなる病気です。

骨粗しょう症は、転倒から骨折、寝たきりになる危険性が高まることで知られていますが、自覚症状に乏しく、骨折してはじめて病気に気づく人も少なくありません。

60代女性の3人に1人がかかるとされる骨粗鬆症であり、骨粗鬆症の潜在患者は1千万人以上といわれるそうですが、自覚症状に乏しいため、実際に治療を受けている人は1割程度なのだそうです。

閉経後の女性の場合、女性ホルモン(エストロゲンは骨の形成に関わる細胞の働きを促進し、骨吸収を抑制する働きがある)の分泌が低下して骨量が急激に減るので、注意が必要です。

骨粗しょう症を未然に防ぐためにも、若いうちから骨密度を高めるために、骨を健康に保つ6つの栄養を摂るようにしましょう。

  1. カルシウム
  2. タンパク質
  3. ビタミンD
  4. ビタミンK
  5. マグネシウム
  6. 亜鉛

2019年2月5日放送の「たけしの家庭の医学」では「骨粗しょう症」を取り上げました。

骨が折れやすくなる原因である骨粗しょう症の街の人の対策はカルシウムの摂取ですが、中村幸男先生(信州大学医学部附属病院)によれば、栄養を適切に摂取し運動をしても骨折する患者がいるそうです。

中村先生によれば、カルシウム、ビタミンDの他に骨の健康に欠かせない重要な栄養素があり、それが「亜鉛」!

亜鉛の摂取を指導したところ、骨密度が大幅に改善し、また、何歳でも骨密度は上がるそうです。

→ カルシウムの多い食べ物 について詳しくはこちら

→ 亜鉛の多い食べ物 について詳しくはこちら

また、日を浴びることや運動をすることも骨を強くすることになるので、天気のいい日は運動をするように心がけましょう。

骨密度が治療が必要なほど低い場合には、薬や注射による治療を行なう必要があります。

骨折をしないためにも、また骨折治療をした後も骨粗しょう症治療をしていた患者さんの方が治りやすいので、しっかりと骨粗しょう症の治療を行ないましょう。

■まとめ

腰が痛いは、実は骨粗しょう症や骨折のサインかも?

本人に限らず、ご家族やご友人に「腰が痛い」という方がいらっしゃったら、機会がある際に骨密度検査を受けるようにおすすめしてみて下さいね。

骨密度検査の結果を受けて、数値が低い場合にはしっかりと治療に取り組みましょう。(結果が出づらいそうなので、じっくりと取り組むことが必要ですね)

→ 骨粗しょう症の症状・原因・予防 について詳しくはこちら







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乳糖不耐症の症状は○○をすることで軽くすることができる!




骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」とは、骨がスカスカになり、骨折しやすくなる病気です。

骨粗しょう症は、転倒から骨折、寝たきりになる危険性が高まることで知られていますが、自覚症状に乏しく、骨折してはじめて病気に気づく人も少なくありません。

60代女性の3人に1人がかかるとされる骨粗鬆症であり、骨粗鬆症の潜在患者は1千万人以上といわれるそうですが、自覚症状に乏しいため、実際に治療を受けている人は1割程度なのだそうです。

こういう事情がありながらも、牛乳などの乳製品に含まれるカルシウムが健康に良いということは多くの方はしっているのですが、女性の99%がカルシウム不足であるのはなぜなのでしょうか?

その一つの理由に日本人は乳糖不耐症(牛乳や母乳に含まれる乳糖を消化・吸収する酵素のラクターゼが不足しているために、下痢や腹痛などの症状を引き起こす病気。)であるといわれていることが影響しているのではないでしょうか?

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その前にまず知っておく必要があるのが牛乳が苦手な人の中には「乳糖不耐症」と「牛乳アレルギー」があるということ。

どちらも腹痛や下痢といった症状が出るのは同じですが、そのメカニズムが違います。

乳糖不耐症は、乳糖(ラクトース)を消化吸収のため分解するラクターゼという消化酵素が不足するために起きる病気です。

牛乳アレルギーは、カゼインやβラクトグロブリンなどのタンパク質が原因でアレルギー反応を起こす食物アレルギーです。

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【参考リンク】

改めて「日本人は乳糖不耐症である」ということについて考えてみます。

ウワサ16 日本人のほとんどは、牛乳を飲むとおなかをこわす|Jミルクを参考にすると意外な事実がありました。

1)乳糖の摂取量と下痢発生に関するヒト試験(※1)によれば、乳糖を60g(1,200mL)摂取のグループでは50%以上の割合で下痢が起こりましたが、30g(牛乳700mL相当)摂取したグループでも下痢は起こりませんでした。

2)15歳以上の男女10,000人を対象とした調査(※2)では、牛乳を飲んでお腹がゆるくなったり、ゴロゴロしたり、張ったりする症状の自覚を持つ人について、「いつもそうなる」人は7%、「いつでもではないがなる」は13%、「たまになる」は29%でした。

【参考資料】

  • ※1 奥恒行, ヒトにおける乳糖の一過性下痢に対する最大無作用量とそれに及ぼす食べ方に関する研究, 牛乳栄養学術研究会委託研究報告書, 2001, 123-141.
  • ※2 一般社団法人J ミルク, 牛乳乳製品に関する食生活動向調査2013.

この2つを参考にすると、牛乳1,200mLを飲むと50%以上の割合で下痢が起こったものの、一度に1.2リットルの牛乳を飲むことはほとんどなく、また牛乳を飲んだからと言って、常にお腹がゆるくなったり、ゴロゴロしたり、張ったりする症状があるわけではないということです。

「飲み方・飲む量によって乳糖不耐症の症状に違いが出ることがあるの?」「乳糖不耐症の症状には個人差があるの?」「乳糖不耐症であっても常に症状が出るわけではないの?」といった疑問が出てきますよね。

この疑問を解決するヒントの一つに「腸内細菌叢」があります。

乳糖が小腸で分解されない場合でも、大腸に存在する乳酸菌やビフィズス菌などの有用腸内細菌が多い人では、乳糖が良く分解されて、不快症状が出にくいことが近年の研究により明らかになってきました。

有用腸内細菌が多い人は小腸で分解されなかった乳糖を大腸で分解することにより不快症状が出にくいということがあるそうです。

この研究を参考にすれば、腸内環境が改善されれば乳糖不耐症の症状は出にくいということなんですね。

牛乳摂取習慣と乳糖不耐症

「牛乳による不快な症状を自覚しやすい人は牛乳など乳製品を取らない、すると乳糖を摂取する機会がないために乳糖分解を助ける腸内細菌叢が形成されない、細菌による乳糖分解の助けもないために牛乳をのむと益々乳糖不耐症の症状が自覚されやすい。」という循環が成り立ってしまうためである。

乳糖不耐症を自覚している人は牛乳を避ける

→牛乳を避けることで乳糖分解を助ける腸内細菌叢が形成されない

→今回飲むと大丈夫かなと思って牛乳を飲むとやっぱり乳糖不耐症の症状があらわれる

腸内環境が改善されれば、正確に言えば、乳糖分解を助ける腸内細菌叢が形成されれば、乳糖不耐症の症状が軽減されるにもかかわらず、このループによって乳糖不耐症の人は症状が軽減されないままになってしまうということなんですね。

乳糖不耐症の人が牛乳などの乳製品を避けるだけであれば何も問題がないように見えるのですが、ある調査によれば、乳糖不耐症を自覚する人はカルシウム摂取量が低いため骨密度も低いという結果が出ているそうです。

ここで問題になることは、乳糖不耐症を自覚する集団は、乳糖不耐症を自覚しない集団に比較して、カルシウム摂取量が低いため骨密度もまた低い、という疫学調査の結果が得られていることである。

そう考えると乳糖不耐症の症状を軽減するために腸内環境を改善=乳糖分解を助ける腸内細菌叢を作りたいところです。

そこで考えられる一つの方法が「毎日飲み続けること」!

乳糖は消化に時間のかかる難消化性オリゴ糖の一種であり、腸内細菌叢に影響します。毎日飲み続けることで、乳糖分解性の腸内細菌が増加して腸内環境が改善され、乳糖の分解や代謝を増進できることが期待できます。

牛乳を毎日飲み続けることで乳糖分解性の腸内細菌が増加して腸内環境が改善され、乳糖の分解や代謝を増進できることが期待できるそうです。

ただ牛乳を毎日飲み続けるには抵抗がある人も多いでしょうが、飲み方を工夫することで少しずつ腸内環境を変えていくことができるそうです。

●数回に分けてゆっくり飲む

一度にたくさん飲むことで乳糖不耐症の症状が出やすくなるので、乳糖が分解しやすくなるように少しずつ数回に分けて飲むとよいそうです。

●温めたり、混ぜたりして飲む

牛乳を温めると消化酵素ラクターゼの働きも盛んになるそうです。コーヒーや紅茶、ココアにして飲む、料理に加えるのもよいそうです。

●牛乳にこだわらずヨーグルトやチーズを食べる

ヨーグルトは乳酸菌の発行によって乳糖が分解され減少しており、またチーズは乳糖のほとんどが製造工程の中でホエーに移って取り除かれているので、乳糖不耐が起こりやすい食品です。

■まとめ

1)牛乳を毎日飲み続けることで乳糖分解性の腸内細菌が増加して腸内環境が改善され、乳糖の分解や代謝を増進できることが期待できる。

2)数回に分けてゆっくり飲む、温めたり混ぜたりして飲む、牛乳にこだわらずヨーグルトやチーズを食べるなど工夫する。







男性は乳製品摂取量が多いと全死亡・循環器疾患の死亡リスクが低い!ペプチド・カルシウム・カリウムが血圧を下げてくれる!




乳製品摂取と死亡のリスクとの関連について(国立がん研究センター)によれば、男性では乳製品摂取量が多いと全死亡・循環器疾患の死亡リスクが低いことがわかったそうです。

乳製品由来の活性ペプチドは、血圧の上昇に働く酵素を阻害することによって血圧を下げる働きがあります。また、乳製品はカルシウムやリン、カリウムなどのミネラルも多く含んでおり、これらの栄養素も血圧低下に働きます。

牛乳には、カルシウム、カリウムなどのミネラルを含んでおり、これらの栄養素は、ナトリウムの排泄を促し、血圧を下げる作用があります。

■ペプチド

乳製品に含まれるペプチドには、血圧を下げる効果があるものがあります。

ペプチドMKP:森永乳業が開発した牛乳由来のペプチドで、血圧を上昇させるアンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害する効果があります。
ラクトトリペプチド:アサヒグループ食品がカルピス酸乳の研究から発見したペプチドで、ACEを阻害する効果や血管内皮機能改善の働きがあります。
トリペプチドMKP:森永乳業が発見したカゼインペプチドの一種で、血圧が高めな人の収縮期血圧と拡張期血圧のいずれも低下させる効果があります。

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■カルシウム

乳製品からのカルシウム摂取量が多いと脳卒中のリスクが低下する可能性がある!?で紹介したカルシウム摂取と循環器疾患の関連について(国立がん研究センター)によれば、総カルシウム摂取量の最も多いグループでは最も少ないグループに比べて脳卒中の発症リスクが0.70倍と低いことがわかったそうです。

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また、乳製品からのカルシウム摂取量が最も多いグループでは最も少ないグループに比べて、脳卒中の発症リスクが0.69倍と低いことがわかったそうです。

日本人では総カルシウム摂取量や乳製品からのカルシウム摂取量が多い人は少ない人に比べて血圧値が低いことがこれまでの研究により明らかとなっています。また、血圧値だけでなく、カルシウム摂取は血小板の凝集やコレステロールの吸収を抑えることも報告されています。

カルシウム摂取量が多い人は血圧が低いことがわかっており、また、カルシウム摂取にはコレステロールの吸収を抑える働きがあるため、脳卒中を予防するのではないかと考えられます。

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■カリウム

高血圧を予防・改善する食事療法「DASH(ダッシュ)食」とは?増やす食品・減らす食べ物によれば、DASH食とは、米国立保健研究所などが提唱している高血圧患者のための食事療法のことで、簡単に言えば、1 野菜・果物・低脂肪の乳製品を充分摂る、2 肉類および砂糖を減らす、という食事をすることです。

カリウム・カルシウム・マグネシウム食物繊維には、増えすぎた塩分を効率よく体外へ排出させる効果があります。

カリウムは、血液での濾過装置である腎臓に作用すると考えられており、余分な塩分をより多く体外へ排出すると考えられています。

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これらの栄養素の働きにより、乳製品を摂取するグループの死亡リスクが低くなった可能性が考えられます。

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