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肥満やメタボの第3の要因に腸内フローラ(腸内細菌叢)が関係している?和食を食べて予防しよう!

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【目次】

■肥満やメタボの第3の要因に腸内フローラ(腸内細菌叢)が関係している?和食を食べて予防しよう!

朝食

by zenjiro(画像:Creative Commons)

肥満、第3の要因に「腸内細菌の変化」 伝統的な和食で予防可能

(2014/5/6、産経新聞)

肥満やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)を引き起こす大きな環境要因に食べ過ぎや運動不足が挙げられる。3つ目の環境要因として、膨大な腸内細菌の集まりである腸内細菌叢(そう)が関係していることが、ゲノム(全遺伝情報)解析が進んだことで明らかになってきた。専門家は健全な腸内細菌叢を保つには欧米型の食事ではなく、伝統的な和食が良いと推奨している。

肥満メタボリックシンドロームを引き起こす第三の要因として腸内細菌叢(腸内フローラ)が関係しているのではないかと考えられているそうです。

■やせ型腸内細菌と肥満型腸内細菌

やせない原因は腸にあった!?やせ型腸内細菌と肥満型腸内細菌|腸サビ|世界一受けたい授業 10月29日によれば、腸内細菌の中に肥満型腸内細菌とやせ型腸内細菌がいることが分かってきたそうです。

肥満型腸内細菌とヤセ型腸内細菌は両方とも誰もが持っており、同じものを食べていても、肥満型腸内細菌が多い場合は、栄養の吸収をどんどん促進させて肥満になってしまうのだそうです。

ヤセ型腸内細菌を多く持っている人は太りにくい体質ということになります。

米ワシントン大学の研究によると、肥満型腸内細菌を与えたマウスとやせ型腸内細菌を与えたマウスを同じエサで育てた実験で、肥満型腸内細菌を与えたマウスは体脂肪が47%も増えたのに対し、やせ型腸内細菌を与えたマウスは27%しか増えなかったという結果になったそうです。

アメリカ人には肥満型腸内細菌を持つ人が多いと言われており、日本人にはヤセ型腸内細菌を持つ人が多いと言われています。

それは和食や食物繊維の多い野菜をよく食べているため、肥満型腸内細菌が抑制されているのではないかと考えられるそうです。

今回の記事でも同様のことが書かれています。

「腸内には約1千種、総重量で1キロの細菌が存在し、共生している。それらの共生関係が崩れると、肥満・メタボといった代謝性疾患やアレルギーなどの免疫疾患につながる」と本田氏は解説する。

理化学研究所統合生命医科学研究センターの本田賢也・消化管恒常性研究チームリーダーによれば、腸内細菌叢のバランスが崩れると免疫疾患につながるそうです。




■どんなことで腸内細菌叢のバランスは崩れてしまうの?

どんなことによって、腸内細菌叢のバランスは崩れてしまうのでしょうか?

共生関係を崩すものとしてはまず、脂肪が多くカロリーの高い欧米型の食事が挙げられる。本田氏によると、高脂肪食を1週間続けただけで細菌叢の構成が変化したという複数のデータがあり、肥満の原因となる細菌は「食事で摂取した糖類などの分解を促進し、体内により吸収しやすい形にする働きがある。そういう菌が高脂肪食を好み、それを餌に増えるのではないか」。

次に、食物繊維の少ない食事や、同じメニューを繰り返し食べることも共生関係を崩す。いずれのケースも「バクテロイデスとファーミキューテスという腸内細菌のグループの細菌量が変化して崩れる」ことが判明している。

高脂肪食を続けることや食物繊維の少ない食事、同じメニューを繰り返し食べることによって、腸内細菌の共生関係を崩してしまうそうです。

例えば、高脂肪の食事が善玉菌殺す-北大グループ研究によれば、高脂肪の食事を食べると、胆汁が大腸の善玉菌を殺し、腸内細菌のバランスを壊すことがわかっています。

■腸内細菌叢を健康に保つ方法

では、どのようにすれば、腸内細菌叢を健康に保つことができるのでしょうか?

現時点で最大の予防方法は食事にあるという。

本田氏は「健全な腸内細菌叢を保つためには、野菜を含め、さまざまな食材を少しずつ摂取できる伝統的な和食が適している」と話している。

肥満やメタボリックシンドロームにならないためには、食物繊維が豊富な伝統的な和食をとることで、健全な腸内細菌叢を保つことが重要だということですね。

→ 腸内フローラを改善する食べ物 について詳しくはこちら







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寄生虫によるダイエット効果を科学的に証明!そのメカニズムとは?|群馬大学・国立感染症研究所




寄生虫によるダイエット効果〜世界で初めて科学的に証明される〜(2019/4/9、群馬大学プレスリリース)で紹介されている群馬大学の下川周子助教と国立感染症研究所の久枝一部長らが行った実験によれば、高脂肪食を与えて予め太らせたマウスに、ある種の寄生虫を感染させると、体重の増加が抑えられることがわかったそうです。

なぜ寄生虫が感染すると体重の増加が抑えられるのでしょうか?

一つの理由は、エネルギー代謝が上がること。

寄生虫が感染すると、エネルギー代謝に関係する脂肪細胞内のUCP1(un-coupling protein 1:ミトコンドリアの内膜に存在する脱共役タンパク質で、脂肪細胞に存在し、ノルエピネフリンが脂肪細胞上のβ3 受容体に結合するとUCP1の発現が上昇しミトコンドリアにおいて熱産生が行われる)の発現が上昇していることがわかったそうです。

太らせたマウスに寄生虫を感染させると、感染していないマウスと比べて、体重の増加が有意に抑えられた。
太らせたマウスに寄生虫を感染させると、感染していないマウスと比べて、体重の増加が有意に抑えられた。

UCP1の発現が上昇すると、熱産生が高まり、脂肪細胞は脂肪燃焼するようになるのですが、寄生虫が感染することにより、UCP1の発現が上昇して、ミトコンドリアにおいて熱産生が行われ、やせやすい体になっていると考えられます。

そこで気になるのが、なぜUCP1の発現が上昇するのかという点。

寄生虫マウスでは、血中ノルエピネフリンの濃度が増加
寄生虫マウスでは、血中ノルエピネフリンの濃度が増加

寄生虫感染マウスの血中ノルエピネフリンの濃度を調べたところ、かなり高い量のノルエピネフリン(神経伝達物質)の濃度が検出されており、寄生虫感染マウスではノルエピネフリンが増加することで交感神経が活性化し、脂肪を燃焼方向へ働かせていることが分かりました。

次に気になるのは、寄生虫がどのようにノルエピネフリンが増加させ交感神経の活性化に働きかけているのかという点です。

寄生虫マウスではノルエピネフリンを分泌することで知らせる腸内細菌であるエシェリキア属とバシラス属が増加。
寄生虫マウスではノルエピネフリンを分泌することで知らせる腸内細菌であるエシェリキア属とバシラス属が増加。

寄生虫を感染させたマウスにおいて、バシラス属やエシェリキア属といった、ノルエピネフリンを分泌させるような腸内細菌が優位に増加していることが明らかになりました。

高脂肪食を食べて通常より太ったマウスに寄生虫を感染させると、腸内細菌叢が変化し、ノルエピネフリンを分泌するエシェリキア属やバシラス属などの腸内細菌が増加。ノルエピネフリンは脂肪細胞上に存在している受容体と結合すると、ミトコンドリアUCP1の発現が上昇し熱産生を行なうことが知られている。
高脂肪食を食べて通常より太ったマウスに寄生虫を感染させると、腸内細菌叢が変化し、ノルエピネフリンを分泌するエシェリキア属やバシラス属などの腸内細菌が増加。ノルエピネフリンは脂肪細胞上に存在している受容体と結合すると、ミトコンドリアUCP1の発現が上昇し熱産生を行なうことが知られている。

つまり、寄生虫が体重を増加させる一連の流れをまとめると次のようになります。

腸管に寄生する寄生虫がマウスの腸内細菌叢を変化させ、バシラス属やエシェリキア属といったノルエピネフリンを分泌させるような腸内細菌を増加させる

→ノルエピネフリンが増加することによって、交感神経が活性化

→UCP1の発現が上昇

→熱産生

→体重の増加を抑制

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【参考リンク】

歯磨きなどで口の中をきれいに保つことが腸の病気の予防につながる!?|腸管に定着すると免疫細胞の過剰な活性化を引き起こす口腔常在菌がいる|早稲田大・慶大




■歯磨きなどで口の中をきれいに保つことが腸の病気の予防につながる!?|腸管に定着すると免疫細胞の過剰な活性化を引き起こす口腔常在菌がいる|早稲田大・慶大

通常時は腸内細菌がクレブシエラ菌の定着を阻止しているが、腸内細菌が乱れるとその抑止効果がなくなり、クレブシエラ菌が腸内で定着・増殖する。その結果、腸管でTH1細胞が増加し、宿主の遺伝型によっては炎症を引き起こす可能性がある。
通常時は腸内細菌がクレブシエラ菌の定着を阻止しているが、腸内細菌が乱れるとその抑止効果がなくなり、クレブシエラ菌が腸内で定着・増殖する。その結果、腸管でTH1細胞が増加し、宿主の遺伝型によっては炎症を引き起こす可能性がある。

参考画像:腸管に定着すると免疫細胞の過剰な活性化を引き起こす口腔常在菌(2017/10/20、早稲田大学)|スクリーンショット

口腔常在菌の中には、異所性に腸管に定着すると免疫を活性化するものがいる

(2017/10/20、慶應義塾大学)

共同研究グループは、口腔細菌が炎症性腸疾患や大腸がんなどの患者の便中に多く検出されることに注目し、口腔細菌が腸管内に定着することによる腸管免疫系への影響と病気との関わりについて研究を行いました。

慶應義塾大学医学部の本田賢也教授(理化学研究所統合生命医科学研究センター消化管恒常性研究チームリーダー兼任)と早稲田大学理工学術院の服部正平教授らを中心とする共同研究グループが行なったマウスによる研究によれば、腸内細菌叢の乱れに乗じて、口腔に存在するクレブシエラ菌が腸管内に定着することにより、TH1細胞と呼ばれる免疫細胞の過剰な活性化を引き起こし、炎症性腸疾患(クローン病や潰瘍性大腸炎)などの発症に関与する可能性があることがわかったそうです。

この研究を参考にすれば、口腔が腸の病気を悪化させる可能性のある腸の細菌を作るところであると考えれば、菌が増えないように歯を磨くことが腸の病気を予防する方法といえるのではないでしょうか?




■まとめ

舌の汚れを清掃をすることがガン予防につながる!?によれば、舌の上に付く白い汚れ「舌苔(ぜったい)」の面積が大きいほど、呼気に含まれる発がん性物質アセトアルデヒドの濃度が高いことがわかったそうです。

また、舌苔を取り除くと呼気に含まれるアセトアルデヒドの濃度が減少することから、舌の清掃をすることががん予防につながる可能性がありそうです。

舌の汚れとガンの関係|舌苔の取り方(除去・ケア)|駆け込みドクターによれば、歯磨きを使って舌苔をとっている方もいると思いますが、誤って使うと、舌の粘膜を傷つけやすいので、「舌クリーナー(ゼツクリーナー)」を使うとよいそうです。

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1.口の中が乾燥しているときは、専用の保湿剤で舌を湿らせておきます。

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2.舌クリーナーは、軽い力でなでるように奥から手前へ数回動かします。

3.口をよくゆすいで舌の清掃は終了です♪

【参考リンク】

【江田島市】歯科衛生士のマル秘テクニック 舌の清掃編 にき歯科チャンネル006(口腔ケアチャンネル)

Bad Breath Test – How to Tell When Your Breath Stinks|YouTube







【参考リンク】
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【腸内フローラ】善玉菌、悪玉菌、日和見菌の理想的なバランスは2:1:7ではない!?

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■善玉菌、悪玉菌、日和見菌の理想的なバランスは2:1:7ではない!?

All Women Lifeguard Tournament 2012

by Shawn Perez(画像:Creative Commons)

今回紹介するのは、腸内細菌の常識のお話です。

さまざまなテレビ番組で、腸内細菌の理想のバランスは、「善玉菌20%:悪玉菌10%:日和見菌70%」であると紹介され、このブログでもそのようにお伝えしてきました。

【関連記事】

しかし、腸内環境研究者・福田真嗣さん(メタジェン代表取締役社長CEO/慶應義塾大学先端生命科学研究所特任准教授)によれば、テクノロジーの進歩により、遺伝子レベルや代謝物質レベルで腸内環境を分析できるようになったことによって、実はこうとは言い切れないということが分かったそうです。

多ければ良いのか善玉菌 意外に知らない腸内環境

(2016/11/7、日経Gooday)

善玉菌にも怠け者の菌がいたり、悪玉菌や日和見菌にも良い働きをするものがいるということがわかったそうです。

このことは、腸内細菌の比率にも関わってきます。

つまり、ある人にとっての善玉菌、悪玉菌、日和見菌の理想的なバランスと別の人にとってのバランスは違ってくるということがあり得るということです。

→ 腸内フローラ について詳しくはこちら




■まとめ

【腸内環境研究最前線】「病気ゼロ社会」の実現へ “便チャー企業”が描く未来

(2016/11/1、Mugendai)

私たちが実現したい未来は、東洋医学で言う「未病」状態を便の分析から精度良く検出し、病気になる前に腸内環境を適切に改善することで健康状態を取り戻す、究極の予防医学を実現する社会です。

今回紹介した記事で紹介した福田真嗣さんは、未病(東洋医学では健康と病気の間に未病という状態が存在し、健康から未病を経て病気になるという考え方)の観点から、世界中の人々の便から得た腸内環境情報をを元に「腸内環境データベース」を作り、腸内環境を改善することで、病気を未然に防ぐ社会を実現したいと考えているそうです。

以前、【2つの未来予測】1.未病の観点から病気のサインを見つける、2.健康的なライフスタイルがお金のような価値を持つでは、未病の観点から病気のサインを見つける予防医療・予防医学が重要になると紹介しました。

人によっては、健康診断などの検査結果で異常がないにもかかわらず、体がだるい、疲れやすい、頭痛、肩こり、めまい、眠れないなどといった体の不調に悩まされた経験もあるのではないでしょうか。

「はっきりとした症状はでていない」「数値には現れないけどなんだか体調がよくない」というときを、健康な体から病気の身体へと向かう途中だと考えるとすれば、その途中で起きる「サイン」に着目して、何らかの対処を行なうことが最も効果的な医療になっていくのではないでしょうか。

「病気の治療」から「病気の予防」へと関心は移っているというサインはすでに表れています。

ザッカーバーグ夫妻、人類の病気を予防・治療するプロジェクトで30億ドルを投資で紹介したザッカーバーグさんはこのようにコメントしています。

ザッカーバーグは「アメリカでは病気にかかった人々を治療するための支出に比べて、そもそも人々が病気にならないように研究するための支出はわずか50分の1しかない」と述べた。

ザッカーバーグさんのコメントは、病気を発症してからではなく、病気予防に重点を置くという考え方は、東洋医学の「未病」という考え方に近いと思います。

また、この未病という考え方は現在「フレイル(フレイルティ)」という言葉でも使われています。

「フレイル(高齢者の虚弱)」の段階で対策を行ない、要介護状態の高齢者を減らそう!で紹介した厚生労働省によれば、「フレイル」とは加齢とともに、心身の活力(例えば筋力や認知機能等)が低下し、生活機能障害、要介護状態、そして死亡などの危険性が高くなった状態のことを言います。

高齢者は健康な状態から急に要介護状態になるわけではなく、食欲の低下や活動量の低下(社会交流の減少)、筋力低下、認知機能低下、多くの病気をかかえるといった加齢に伴う変化があり、低栄養、転倒、サルコペニア、尿失禁、軽度認知障害(MCI)といった危険な加齢の兆候(老年症候群)が現れ、要介護状態になると考えられます。

しかし、フレイルの段階で、適切な介入・支援を行なうことができれば、要介護状態に至らず、生活機能の維持・向上が期待できると考えられます。

【関連記事】

国民皆保険による医療、医師の半数「持続不能」|「#健康格差」を広げないために私たちができることで取り上げた日本経済新聞社などが実施したアンケート調査によれば、医師の半数が高齢化や医療技術の進歩で治療費が高額になっていることにより国民皆保険による医療が「持続不能」と答えているそうです。

こうしたことを考えると、できるだけ病気にならないようにすることが重視され、予防医療・予防医学・予測医療が進められていくのではないでしょうか?

その意味でも、腸内環境を改善することによる病気ゼロ社会を目指すという考え方には今後も注目していきたいと思います。







【関連記事】
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「腸腎連関」|腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが慢性腎臓病の悪化を抑制するカギに

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■「腸腎連関」|腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが慢性腎臓病の悪化を抑制するカギに

「腸腎連関」:腸内細菌叢のバランス制御が慢性腎臓病悪化抑制のカギ
「腸腎連関」:腸内細菌叢のバランス制御が慢性腎臓病悪化抑制のカギ

参考画像:「腸腎連関」:腸内細菌叢のバランス制御が慢性腎臓病悪化抑制のカギ(2017/4/13、東北大学)|スクリーンショット

「腸腎連関」:腸内細菌叢のバランス制御が慢性腎臓病悪化抑制のカギ-腸内細菌叢は腎臓病に対して良い面と悪い面の二面性を持つ –

(2017/4/13、東北大学)

今回の成果から、腸内細菌叢は尿毒素の産生という腎臓病にとって負の影響を有している一方、短鎖脂肪酸産生やアミノ酸代謝といった有益な作用を担っており、その結果、腸内細菌叢がいない状態では腎臓病がより悪化しやすいといことが分かりました。

このことは、腸内細菌叢は腎臓病に対して良い面と悪い面の二面性の役割を有しており、腸内細菌叢のバランスの制御が慢性腎臓病の進展予防に重要であることを示唆するものです(図4)。

さらに、同様に腸内細菌叢によって産生され動脈硬化の原因になるトリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)注 5 は、腸内細菌叢由来に加えて食事成分由来の TMAO も腎不全時に体内蓄積することが明らかになりました(図 2)。

トリメチルアミン-N-オキシド(TMAO):食事中の肉などに含まれるカルニチンやコリンを材料として腸内細菌叢の代謝によって体内で産生される物質です。TMAO の蓄積は動脈硬化や心筋梗塞などの血栓症の原因の一つであることが近年報告されており、世界的に注目されています。

東北大学大学院医学系研究科の阿部高明教授と三島英換医学部助教、慶應義塾大学先端生命科学研究所の福田真嗣特任准教授らのグループによる研究によれば、腸内細菌叢が腎臓病に対して良い面と悪い面の二面性を有しており、腸内細菌叢のバランスをコントロールすることが慢性腎臓病の進展予防に重要であると考えられるそうです。

→ 慢性腎臓病(CKD)の症状・原因 について詳しくはこちら




■まとめ

慢性腎臓病の病態においては、腸内細菌叢の変化や腸管壁の性状変化など腸内環境の変化が報告されており、腸管は腎臓と相互に影響を及ぼしているという「腸腎連関」の存在が近年明らかになりつつあります。

腸と脳は自律神経系を通じて双方向の情報伝達を行いながら、生体機能の恒常性を保っており、このメカニズムを「脳腸相関」といいます。

例えば、セロトニンの97〜98%は消化管の中にあるそうで、腸のセロトニンはストレスがかかると働きが活発になり、そのことによって、内臓の知覚過敏と消化管の運動異常を引き起こし、内臓の知覚過敏からは腹痛や腹部膨満感、運動異常からは便秘や下痢などの便通異常(過敏性腸症候群)が起こってしまいます。

→ 腎臓は『肝腎連関』『心腎連関』『脳腎連関』『肺腎連関』など臓器同士が連携するネットワークの要|#NHKスペシャル について詳しくはこちら

今回のプレスリリースによれば、腸管は腎臓と相互に影響を及ぼしあっているそうです。

以前マウスの実験によれば、便秘症の治療薬に慢性腎臓病の進行を抑える効果があり、腎臓病で蓄積する尿毒素の産生に腸内細菌叢が関わっていることを紹介しましたが、今回の研究はそのことを裏付ける研究となりそうです。

→ 便秘症の治療薬が慢性腎臓病の治療薬になる可能性|腸内環境改善による腎臓病治療法の開発|東北大 について詳しくはこちら

腸内環境を整えることがストレスや腎臓病から身を守るためにも重要ということになっていきそうですね。

→ 慢性腎臓病(CKD)の症状・原因 について詳しくはこちら




→ 乳酸菌(ガセリ菌)が「脳腸相関」を介してストレス性の不調・腹痛(便秘・下痢症)・不眠の改善効果を実証|カルピス・徳島大 について詳しくはこちら




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