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入れ歯、ブリッジ、インプラントなどの継続使用が高齢者の寿命を延ばす可能性がある!




入れ歯などの継続使用が高齢者の寿命を延ばす可能性(2025年6月12日、東京科学大学)によれば、全国の65歳以上の高齢者約4.8万人を最大9年間追跡した結果、入れ歯、ブリッジ、インプラントなどの歯科補綴物を継続して使用していた高齢者は、使用していなかった高齢者と比べて、平均で3.7ポイント生存率が高く、特に歯が20本未満の人では5.9ポイント高いことが分かったことから、歯科補綴物の継続使用が高齢者の寿命の延伸に寄与する可能性を示しました。

【参考リンク】

  • Matsuyama Y, Aida J. Dental prosthesis use and mortality: A time-varying exposure analysis with machine learning. J Prosthet Dent. 2025 Jun 5:S0022-3913(25)00413-5. doi: 10.1016/j.prosdent.2025.05.007. Epub ahead of print. PMID: 40480892.
自分の歯が多く保たれている高齢者は健康寿命長く、要介護日数短い
自分の歯が多く保たれている高齢者は健康寿命長く、要介護日数短い

参考画像:自分の歯が多く保たれている高齢者は健康寿命長く、要介護日数短い (2017/6/28、東北大学プレスリリース)|スクリーンショット

認知症と歯の関係(歯の残存本数・歯周病)はあるの?オーラルフレイルを知って健康寿命を延ばそう|自分の歯が多く保たれている人は、健康寿命が長く、要介護期間が短い|東北大学で紹介した東北大学の松山祐輔歯科医師が行なった研究によれば、自分の歯が多く保たれている人は、寿命が長いだけではなく、健康寿命(日常生活に制限のない期間)が長く、要介護でいる期間が短いことがわかったそうです。

歯の健康は体の健康に大きく関係! – 山梨県歯科医師会で紹介されている東北大学が70歳以上の高齢者116名を対象に行なった調査によれば、認知症の疑いがあるグループが9.4本だったのに対して、健康なグループは平均14.9本の歯が残っていたことから、認知症と歯の健康に関連性があることがありそうです。

からだの健康は 歯と歯ぐきから – 8020推進財団で紹介されている「口腔と全身の健康との関係Ⅱ:名古屋大学医学部口腔外科の研究調査」によれば、アルツハイマー型認知症のほうが健康な人より残っている歯の本数が少ないことが分かっています。

【参考リンク】

今回の研究結果は、自分の歯ではなくてもきちんと歯の治療を行っている人ほど寿命を延ばす可能性があるというのがポイントですね。







低栄養の原因はアルブミン不足|ためしてガッテン(NHK)

2010年4月28日放送のためしてガッテン(NHK)では、「まさか私が?急増する新型・栄養失調の恐怖」を取り上げました。

食べ物であふれるこの日本で栄養失調(低栄養)の人が増えているそうです。

ダイエットをしすぎて「栄養失調」になっているわけではなく、3食普通に食べている人や痩せていない人も栄養失調になっているそうです。

なぜ栄養失調(低栄養)の人が増えているのでしょうか?




【目次】

■低栄養の原因はアルブミン不足|ためしてガッテン(NHK)

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by Aisyah Hifni(画像:Creative Commons)

またそれは年代別に分けられる問題でもなく、70歳以上の6人に1人が栄養失調であり、若い女性にも増えているそうです。

そして、この状態のままにしておくと、貧血や骨折、肺炎、さらには脳出血まで引き起こす恐れがあるそうです。

■なぜ栄養失調が増えているのでしょうか?

この栄養失調は、血液中の「ある物質」が不足することによってなるそうです。

この物質が足りないと、血管や免疫細胞、筋肉などの組織がスムーズに作られなくなり、体にさまざまなトラブルが起こってしまうそうです。

このある物質とは、「アルブミン」。

アルブミンとはタンパク質の一種で、血液を流れている血清タンパク質のおよそ6割を占めています。

つまり低栄養とは「タンパク質不足」のことなのです。




■たんぱく質が不足すると、どうなるのでしょうか?

赤血球の材料が少ない→「貧血」

血管を作る材料が少ない→「脳出血」

免疫細胞を作る材料が少ない→「肺炎」「結核」

筋肉を作る材料が少ない→「転倒」→「骨折」

■なぜたんぱく質が不足してしまうのでしょうか?

低栄養になった人の食事を見てみると、食に偏りがありました。

以前は、家族のために栄養を考えて、肉や卵などを使って料理をしていたのですが、一人暮らしになってから、自分が好きなものだけを食べるようになり、肉や卵を使った料理を食べなくなってしまい、たんぱく質が不足してしまったようです。

高齢者の孤食が「低栄養」になるリスクを高めてしまうようです。

■まとめ

糖尿病高血圧などの生活習慣病を予防する食事をすることが、高齢者の食事として必ずしも良いというわけではないのですね。

簡単にバランス良い食事をすることが大事といってしまいがちですが、それぞれの食品・栄養素が持つ役割を知った上で、その年代に合わせた食事をしていきたいですね。

→ アルブミンを上げる食事|肉を食べてアルブミンを上げたグループは死亡リスクが低い!? について詳しくはこちら




【関連記事】

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健康寿命を延ばす「10の方法」:生活習慣と食事、運動がカギ!




青魚(さんま)
青魚(さんま)

健康寿命を延ばす「10の方法」生活習慣と食事、運動がカギ!【健康とからだ新常識】

(2009/5/9、ダイヤモンド・オンライン)

1.食事は1日3回、朝食を抜かない
2.魚を積極的に食べる
3.「べジフル7」(野菜5皿+果物2皿)
4.抗酸化物質を取り入れる
5.お酒を飲むなら赤ワイン
6.腹八分目でカロリー制限
7.定期的、継続的に体を動かす
8.情報をアウトプットする
9.ストレスは毎日解消する
10.今日の自分を記録する。

加齢制御医学を専門とする白澤卓二・順天堂大学大学院教授による長生きのための生活習慣の提言をまとめた表から見えてくるのは、食習慣、運動、ストレスがポイントとなってくるということです。

カロリー制限・カロリーコントロールにより、寿命が延びるという研究がなされています。

そのため、腹八分でカロリー制限することが寿命を延ばす秘訣といえるのでしょう。

ただし、食事の質は落とさないことが大事。

魚を積極的に食べることや野菜・果物を多く摂ること、抗酸化物質を取り入れることは忘れないようにしたいですね。

長寿遺伝子を活性化させるために、食事と並んで重要なのが運動だ。

運動は定期的に、継続的に行なうことが重要だ。

「脂肪に含まれるアディポネクチンというホルモンは、血管修復や脂肪燃焼作用があるが、太った脂肪細胞からは分泌されなくなってしまう。

つまり、脂肪細胞を太らせないようにしなければならず、生涯にわたって運動する必要がある」(白澤氏)

興味深いことに、運動は何歳から始めても遅過ぎることはないという。

たとえば水泳。体力や泳力は年齢とともに低下していくが、「練習によって開発される能力は高齢になっても向上することが専門家のあいだで確認されている」(白澤氏)。

アディポネクチン』とは、脂肪細胞から血液中に分泌されるホルモンで、糖尿病動脈硬化症などを予防する効果があるといわれており、近年注目されています。

アディポネクチンの健康効果|中性脂肪を減らす・メタボリックシンドロームの改善・高血圧予防によれば、メタボリックシンドロームが進行する=内臓脂肪が増えると、アディポネクチンは減少してしまいます。

それは、この物質は内臓脂肪が増えれば増えるほど減少する性質を持っているためです。

アディポネクチンには中性脂肪を減らす働きがあるため、アディポネクチンが減少すると中性脂肪が増加していきます。

■まとめ

寿命を延ばすために運動は欠かせません。

大事なことは運動はいつ始めても遅すぎることはないということ。

今からでも始めた方がいいということですね。

そして、その運動を定期的に、継続して行うことで、寿命を延ばすことができるということです。

ぜひ参考にしてみてください。







【アディポネクチン関連記事】
続きを読む 健康寿命を延ばす「10の方法」:生活習慣と食事、運動がカギ!

握力が強いほど長生き?|循環器病の発症リスクも低い|厚生労働省研究班




■握力が強いほど長生き?|循環器病の発症リスクも低い|厚生労働省研究班

Rock!

by Øyvind Wahl(画像:Creative Commons)

握力が強いほど長生き、循環器病発症も低リスク

(2012/2/20、読売新聞)

握力が強いほど長生きする傾向があることが、厚生労働省研究班(研究代表者=熊谷秋三・九州大教授)の約20年間にわたる追跡調査で明らかになった。

死亡リスクだけでなく、心臓病や脳卒中といった循環器病の発症リスクも下がっていた。

健康状態を表す指標として、握力が使える可能性があるという。

厚生労働省研究班によれば、握力が強いほど長生きする傾向があり、また循環器病発症リスクも低かったそうです。

日頃から身体を使っていることや筋力が握力に現れるということなのでしょうか?







【関連記事】
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LIFE SHIFT(ライフ・シフト) が話題!寿命100年時代に社会はどう変わる?|【思考実験】1000歳まで寿命が延びたら?




■LIFE SHIFT(ライフ・シフト) が話題!寿命100年時代に社会はどう変わる?

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by Paul Downey(画像:Creative Commons)

平均年齢100年時代をどう生きるかということを問われている本「ライフシフト」が話題ですよね。

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誰もが100歳まで生きることができるようになったときに、どのようなライフプランを立てたら良いのかというのは、これまで生きてきた人から学ぶことができないため、自分たちで考えていかなければならない問題です。

100歳までというと、あとどのくらい働いて、どのくらいのお金を貯める必要があって、どのような社会保障となるシステムが必要なのかを今のシステムの延長線上で考えてしまうおそれがあるので、こういう場合には、1000歳というとんでもない数字を目標に考えてみると全く新しいシステムを作り上げなくてはならないため、思考実験としていいのではないでしょうか?

1000歳というと馬鹿げた数字のようにも思えますが、ある英国の科学者が人間の寿命が1000歳まで伸びるという仮説を立てています。

■人間の寿命は今後20年で1000歳以上に延びる!?

英科学者が寿命について大胆予測「今後25年で1000歳まで生きられるようになる!」

(2011/7/6、ロケットニュース24)

英国の科学者が寿命に関して、大胆の予測を立てている。

それは今後、150歳の誕生日を迎える人が大勢現れ、25年先には1000歳まで生きることも可能のなるとしているのだ。

この予測は、老化の戦略的予防を考える「Strategies for Engineered Negligible Senescence(SENS)」のオブリー・デ・グレイ博士によるものだ。

彼は老化防止や若返りの権威であり、過去に寿命に関する発表を多数行っており、学会でもその名を知られている。

彼によれば、「今後、およそ25年以内に、医学は老化に対して決定的なレベルに達する」という。

世界中の多くの伝染病の治療法が発見され、医学と疾病との闘いは終わると予測している。

そのうえで、細胞レベルでのダメージの蓄積を修復し続けていれば、長寿は夢ではなくなる、寿命1000歳も夢ではないと結論付けているのだ。

「長寿遺伝子を鍛える カロリーリストリクションのすすめ」(著:坪田一男)でオーブリー・デ・グレイ博士による「人間の寿命は今後20年で1000歳以上に延びる」という説(2004年)を目にしたときは驚きました。

人間による「不老不死」「長寿」への夢は、医学の進歩によって、もしかすると叶うかもしれません。

「Beyond Human 超人類の時代へ」(著:イブ・ヘロルド)では、人工心臓をはじめとする人工臓器(人工肝臓・人工肺・人工腎臓・人工膵臓)の研究について紹介されていて、最先端の医療テクノロジーにより、寿命が大幅に長くなる未来が描かれています。

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■寿命が100歳まで延びたら、社会はどうなる?

寿命が100歳まで延びたら、私達の社会はどうなってしまうのでしょうか?

そうなったとき社会の形は大きく変わらざるをえなくなります。

例えば、こうしたことが考えられます。

  • 企業のスパンが以前よりも短くなっていることを考えると、終身雇用で定年まで居続けられる人はほとんどいなくなるであろうことが予想されます。
  • また、長寿になれば、60歳以降も働かなければならないという人は増えるでしょうし、第2、第3の人生まで考えないといけないでしょう。(セカンドライフ⇒サードライフ)
  • 平均寿命が100歳を超えてきたとしたら、年金のシステムはどうなるのでしょう?
  • 100歳まで生きることを前提としたマネープランをたてないといけなくなる。

他にもいろんなことがでてくるでしょう。

【関連記事】

■まとめ

人間の寿命の限界は115歳(くらい……かもしれない)

(2016/10/6、BBC)

人間の寿命はどんなに伸びても最長で約115年かもしれない。米ニューヨークのアルバート・アインシュタイン医科大学の研究者らが、研究成果を英科学誌ネイチャーに発表した。

1000歳というのはとんでもない発見がない限り難しいとは思いますが、だれもが100歳にまで生きられる時代に突入していく中で、「もし寿命が1000歳まで延びたら」「平均寿命が100歳を超えたら」という視点で社会をみてみると、面白い意見が出てくると思います。







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