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心不全を発症させるタンパク質「アンジオポエチン様タンパク質2」発見 高血圧や加齢が過剰分泌の一因|熊本大

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【目次】




■心不全を発症させるタンパク質「アンジオポエチン様タンパク質2」発見 高血圧や加齢が過剰分泌の一因|熊本大

ANGPTL2による心不全の発症・進展のメカニズム
加齢や高血圧などの圧負荷によるストレスを受けた心筋細胞→心筋細胞におけるANGPTL2の産生・分泌の増加(ANGPTL2が心筋細胞自身に作用し、心筋の収縮力維持に重要な機能を低下させる)→心筋の収縮力維持に重要な心筋細胞の機能低下(心筋細胞内のカルシウム濃度調節機能・心筋細胞のエネルギー産生機能)→心筋の収縮力低下→心不全病態の発症・進展

参考画像:心不全の新たな発症メカニズム解明と新規遺伝子治療法の開発|日本医療開発機構(熊本大学プレスリリース)スクリーンショット

<熊本大>心不全促すタンパク質 研究グループ発見

(2016/9/29、毎日新聞)

問題のたんぱく質は「アンジオポエチン様タンパク質2」。本来は組織の正常な働きを助ける作用があるが、心筋細胞内で過剰に分泌されると、細胞のカルシウム濃度の調節やエネルギーを生成する力を弱める。その結果、心筋の収縮低下を招き、心不全を引き起こすという。また、高血圧や加齢が過剰分泌の一因となることも突き止めた。

熊本大大学院生命科学研究部の尾池雄一教授の研究グループによれば、心筋細胞から過剰に分泌されたたんぱく質の一種「アンジオポエチン様タンパク質2」が心不全を発症させることを発見したそうです。

「アンジオポエチン様タンパク質2」は、組織の正常な働きを助ける作用があるそうですが、心筋細胞内で過剰に分泌されると、細胞のカルシウム濃度の調節やエネルギーを生成する力を弱めてしまうことで、心筋の収縮低下を招き、心不全を引き起こしてしまうそうです。

■心不全とは

でんぱ組・最上もがさん、心不全を告白|「疲れなくて息苦しくない体が欲しい。」によれば、心不全とは、心臓の働きが不十分なことが原因で起きている体の状態のことで、病名ではないそうです。

心臓のポンプ機能が低下することによって、肺に多くの血液がうっ滞し、血液のガス交換がうまくいかなくなることで、疲れやすい・息苦しいといった症状が出るようです。

鉄分補給で心臓若返り・心不全予防|たけしのみんなの家庭の医学によれば、心臓は1日に約10万回鼓動していて、加齢とともに心臓機能は落ちていきます。

心臓では収縮や拡張が繰り返されていますが、心臓の機能が弱くなると、十分な血流を送ることができずに、心不全に陥りやすくなってしまいます。

【関連記事】




■アンジオポエチン様タンパク質2(ANGPTL2)

心不全の新たな発症メカニズム解明と新規遺伝子治療法の開発

(2016/9/28、熊本大学プレスリリース)

熊本大学大学院生命科学研究部の尾池雄一教授らの研究グループは、これまでの研究において、分泌タンパク質であるアンジオポエチン様タンパク質2(ANGPTL2)が、老化した細胞や様々なストレスを受けた細胞から過剰に分泌され、持続的な炎症(慢性炎症)を引き起こすことで動脈硬化性疾患、肥満症、糖尿病等の生活習慣病やがんの発症・進展を促進することを明らかにしてきました。

尾池雄一教授らの研究グループは、アンジオポエチン様タンパク質2(Angiopoietin-like protein 2, ANGPTL2)が過剰に分泌され慢性炎症を引き起こすことで動脈硬化症糖尿病肥満などの生活習慣病がんの発症を促進することを研究してきています。

【参考記事】

メタボリックシンドロームを引き起こす鍵因子を発見(炎症によるメタボリックシンドローム・糖尿病発症メカニズムの解明へ期待)

(2009/9/21、熊本大学プレスリリース)

尾池教授らは今回、肥満の脂肪組織ではアンジオポエチン様たんぱく質2(Angptl2)注2)が多く発現していることに着目し、このたんぱく質の機能について研究を行いました。その結果、Angptl2は肥満の内臓脂肪組織で発現が増加しており、炎症の発症・維持で重要な役割を果たす「単球注3)細胞」を病変部に呼び込んで、脂肪組織の慢性炎症を引き起こすこと、それにより全身でのインスリン抵抗性が生じ、糖尿病の発症につながっていることが分かりました。また、Angptl2の増加が、動脈硬化症の前病変として考えられている血管内皮細胞の炎症性病変を引き起こすことも分かりました。

がんの転移抑制へ期待 がん転移を促進する因子の同定と作用メカニズムを解明!

(2012/2/17、熊本大学プレスリリース)

今回、尾池教授らは、肥満の脂肪組織において慢性炎症を引き起こし、その結果メタボリックシンドロームや糖尿病の誘因となるアンジオポエチン様たんぱく質2(ANGPTL2)が、低酸素や低栄養などのがん組織内微小環境によってがん細胞そのものから分泌されるようになり、がん細胞から分泌された ANGPTL2 は、①がん細胞の転移に重要な血管新生を増加させること、②がん細胞自身に作用しがん細胞の運動性を増強させ、その結果がん細胞の浸潤や転移が促進されることを見出しました。

■ANGPTL2が心不全の発症・進展を促進しているメカニズム

1.ストレスを受けた心筋細胞でのANGPTL2の産生・分泌の増大

2.ANGPTL2による心筋細胞のカルシウム濃度調節やエネルギー産生機能の低下および心不全発症・進展の促進

3.適度な運動による心筋細胞でのANGPTL2の産生量の減少

4.マウス心筋細胞におけるANGPTL2産生増加の抑制をもとにした心不全の新規治療法の開発

5.ヒト心筋細胞におけるANGPTL2産生抑制によるカルシウム濃度調節やエネルギー産生機能増進の可能性

今回の研究によれば、加齢により老化した心筋細胞や高血圧などによるストレスを受けた心筋細胞、心不全患者の心筋細胞では、ANGPTL2の産生・分泌が増大していることを発見したこと、また、適度な運動によって心筋細胞でのANGPTL2産生量が減少することを発見したことから、高血圧を予防する生活習慣や適度な運動をすることが現時点で私たち自身でできる心不全予防法といえるのではないでしょうか。

→ 高血圧とは|高血圧の症状・食事・予防・原因・対策 について詳しくはこちら

→ 血圧を下げる方法(食べ物・サプリメント・運動) について詳しくはこちら

■まとめ

現在、心不全治療は対症療法が主ですが、心筋細胞でのANGPTL2産生増加を抑制する遺伝子治療は、心機能低下のメカニズムそのものにアプローチする根本治療としての新規心不全治療戦略として期待できるだけでなく、健康長寿社会の実現にも貢献することが期待されます。

心筋細胞でのANGPTL2産生増加を抑制する遺伝子治療によって、心不全を根本から治療することができるようになるかもしれません。







世界初!iPS細胞から作った心臓の筋肉細胞を重症心不全患者に移植する大阪大の臨床研究計画を条件付きで承認




■世界初!iPS細胞から作った心臓の筋肉細胞を重症心不全患者に移植する大阪大の臨床研究計画を条件付きで承認

Surgery

by Army Medicine(画像:Creative Commons)

<厚労省部会>iPS細胞の心臓病臨床研究、条件付き承認

(2018/5/16、毎日新聞)

承認された臨床研究計画は、血管が詰まって血液が十分に届かず心臓に障害が出る虚血性心筋症の患者が対象。18歳以上80歳未満の3人に、他人のiPS細胞から作った2枚の心筋の円形シート(厚さ0・05ミリ、直径数センチ)を心臓表面に張り付ける。がん化や免疫拒絶反応などに対する安全性を調べ、心機能の変化についても観察する。

厚生労働省の再生医療等評価部会は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った心臓の筋肉細胞をシート状にして重症心不全患者の心臓に移植する大阪大の澤芳樹教授(心臓血管外科)のチームが2018年3月に届け出ていた臨床研究計画を条件付きで承認したそうです。

研究チームは既に患者自身の脚の筋肉細胞から作製する細胞シートを開発し、2015年に国から条件付きで再生医療製品として承認を受けている。シートから出るたんぱく質が心臓の働きを改善するとみられ、iPS細胞の方がより高い効果が期待できるという。

大阪大学の澤芳樹教授は、2009年には、IPS細胞で心筋梗塞改善=マウス使った実験で確認|阪大によれば、三木健嗣研究員らのチームが行なったマウスの実験によれば、iPS細胞を使い、心筋梗塞の改善に成功し、2016年には重い心臓病の子供のふくらはぎの細胞から作った心筋シートを心臓に移植する治験を始める|阪大によれば、澤芳樹教授らは、重い心臓病の子供のふくらはぎの細胞から作ったシート(心筋シート)を心臓に移植する治験を始めていました。

【参考リンク】







梅宮辰夫さん、8つの合併症(肺炎・心不全・腎不全・糖尿病・高脂血症・狭心症・心房細動・高血圧)を発症し生死をさまよっていた

here it goes!

by craig Cloutier(画像:Creative Commons)




■梅宮辰夫さん、8つの合併症(肺炎・心不全・腎不全・糖尿病・高脂血症・狭心症・心房細動・高血圧)を発症し生死をさまよっていた

梅宮辰夫 8つの合併症で死の淵“意識不明”で「今夜がヤマ」

(2016/6/23、スポニチアネックス)

しかし「その2日間がいけなかった。8つ、合併症が出た」と告白した。肺炎、心不全、腎不全、糖尿病、高脂血症、狭心症、心房細動、高血圧。

2016年6月23日放送の「ダウンタウンDX」に出演した梅宮辰夫さん(78歳)は今年2月にひいた風邪から体調を崩し、入院を2日延ばしたところ、8つの合併症が出たそうで、入院時、梅宮さんの奥様クラウディアさんとマネジャーが呼ばれ医師から「今夜がヤマだ」と言われたそうです。

■梅宮辰夫さんを襲った8つの合併症とは?

●肺炎

厚生労働省の人口動態統計の死因別統計によれば、「肺炎」で亡くなる人が年間12万人を超え、肺炎は「がん」「心臓病」に次ぐ第3位となっています。

【関連記事】

●心不全

心不全とは、心臓の働きが不十分なことが原因で起きている体の状態のことで、病名ではないそうです。

心不全の症状としては、血液を送り出す能力の低下による症状と血液のうっ滞によって起こる症状があります。

血液を送り出す能力の低下による症状としては、心拍出量が減ったことが原因で、「疲れやすい」「だるい」「動悸がする」などの症状があります。

血液のうっ滞によって起こる症状としては、血液を送り出す能力が低下すると、心臓から前方へ血液が進みにくくなり、心臓の後方、血液を受け取る側で血液のうっ滞が起こります。

【関連記事】

●腎不全

慢性腎臓病がさらに重症化した状態を慢性腎不全といい、慢性腎不全とは、腎臓の機能が低下し、正常に働くことができなくなった(血中の老廃物が排泄できなくなる)状態です。

→ 腎臓の病気|腎臓病の症状・種類・原因・食事・検査 について詳しくはこちら

中性脂肪値が高くなると様々な病気を引き起こす原因になる!?

糖尿病

糖尿病の症状・初期症状の例

 

 

高脂血症脂質異常症

高脂血症は、血液中の脂質(コレステロール中性脂肪)が多すぎる病気のことをいいます。

●狭心症

【狭心症の症状】

  • 胸の圧迫感
  • 肩やおなかや背中の痛み

【関連記事】

●心房細動

通常心臓は規則的に一分間に60から100回拍動しますが、心房細動になると、心臓は不規則に300回以上拍動します。

心房細動自体は命にかかわるようなことはありませんが、心房細動が起きると、心臓内の血がよどんで血のかたまり(血栓)ができやすくなり、それが脳の血管に詰まると重症の脳梗塞につながるそうです。

→ 脳梗塞の症状・原因・予防 について詳しくはこちら

【関連記事】

高血圧

高血圧を放っておくと、動脈硬化によって、脳卒中心筋梗塞慢性腎臓病(CKD)糖尿病腎症など様々な病気の原因となります。







でんぱ組・最上もがさん、心不全を告白|「疲れなくて息苦しくない体が欲しい。」

mogamimoga

参考:スクリーンショット(webキャッシュ)




でんぱ組・最上もが心不全を告白「疲れなくて息苦しくない体が欲しい」

(2015/9/29、東スポWeb)

歌うの すきで、みんなの前でパフォーマンスをするのも すきなんだけれど、苦しいのは呼吸なんだ。”休む”以外の方法で、心不全てどうやったら治るのだ。疲れなくて息苦しくない体が欲しい。

でんぱ組.incの最上もがさんが心不全をインスタグラムで告白したそうです。

参考リンク】

■心不全とは?

心不全|国立循環器病研究センター

心不全とは、病名ではなく、「心臓の働きが不十分な結果、起きた体の状態」をいいます。

心不全とは、心臓の働きが不十分なことが原因で起きている体の状態のことで、病名ではないそうです。

■心不全の症状
  • 血液を送り出す能力の低下による症状
    心拍出量が減ったのが原因で、「疲れやすい」「だるい」「動悸がする」など。

  • 血液のうっ滞によって起こる症状
    血液を送り出す能力が低下すると、心臓から前方へ血液が進みにくくなり、心臓の後方、血液を受け取る側で血液のうっ滞が起こります。

心臓のポンプ機能が低下することによって、肺に多くの血液がうっ滞し、血液のガス交換がうまくいかなくなることで、疲れやすい・息苦しいといった症状が出るようです。

■まとめ

体に無理をせず、いいペースで続けていって欲しいですね。







【心不全 関連記事】

成長ホルモンの分泌を促進する物質「グレリン」とは?




Fields growing

by Andy Rogers(画像:Creative Commons)

次代のノーベル賞候補 常識覆す“ハンター” 

(2009/1/2、産経新聞)

「若さのもと」とも言われる成長ホルモンの分泌を促進する魔法のような物質がある。国立循環器病センター研究所(大阪府吹田市)の寒川賢治所長(60)が発見したホルモン「グレリン」だ。

食欲の増進や心機能の改善などさまざまな機能を持つホルモンで、心不全や拒食症、がんの治療にも効果があるという。

将来的には老化を抑える治療薬の開発にも期待されており、まさに21世紀に夢の薬を生み出す物質といえる。

日本人で初めて米科学誌が選ぶ注目科学者の第1位にも選ばれた彼は、間違いなく将来のノーベル賞候補だ。

成長ホルモンを分泌を促進する物質「グレリン」を発見した寒川さんは将来のノーベル賞候補なのだそうです。

記事によると、グレリンは食欲増進・心肺機能の改善などの機能を持つホルモンであることから、心不全、拒食症、がんの治療に効果があるそうです。

また、急性心筋梗塞の患者の死亡率を下げたり、糖尿病に効くことも分かってきているそうです。

将来的には、老化を抑える治療薬になるのではないかと期待されているそうです。

グレリンに注目ですね。







【グレリンに関する記事】
続きを読む 成長ホルモンの分泌を促進する物質「グレリン」とは?