【目次】
- なぜフィットネストラッカーがダイエットの妨げになってしまうのか?|ピッツバーグ大学
- 【仮説】なぜフィットネストラッカーが被験者の減量の妨げになってしまったのか?
- 運動によるダイエットは太る原因にもなる!?
- 「計るだけダイエット(レコーディングダイエット)」は女性に向かない!?
■なぜフィットネストラッカーがダイエットの妨げになってしまうのか?|ピッツバーグ大学
by yagisu(画像:Creative Commons)
(2016/9/27、WIRED)
ピッツバーグ大学ジョン・ジャキシク教授が行なったフィットネストラッカーに関する行なった実験は2つ。
【参考リンク】
- Effect of Wearable Technology Combined With a Lifestyle Intervention on Long-term Weight LossThe IDEA Randomized Clinical Trial(2016/9/20、JAMA)
1.低カロリーの食事+フィットネス+ダイエット日記を行なう実験
最初に、彼らは研究対象として痩せたいと思っている肥満体の若い成人471人(18歳~35歳、平均体重約95kg)を選抜した。被験者たちは最初の6カ月間、低カロリーの食事を摂取して決められたフィットネスプランをこなし、ダイエット日記に進捗状況を記録し、毎週グループカウンセリングに参加した。6カ月後、全員が平均して約7.7kg~8.6kgの減量に成功した。
ダイエットをしたいと考えている肥満体のグループに6か月間低カロリーの食事と運動、ダイエット日記に記録し、カウンセリングに参加してもらったところ、平均して約7.7kg~8.6kgの減量に成功したそうです。
2.フィットネストラッカーで記録するグループとウェブサイトに活動記録を残すグループを比較
次に、被験者はふたつのグループに分けられた。一方のグループはフィットネストラッカーを18カ月装着し、もう一方のグループは、ウェブサイトに活動の記録を残すという一般的なダイエットを行った。
24カ月経つまでに、グループにかかわらず被験者の多くが最初の6カ月で減らした体重から増量していた。最終的に、一般的な方法でダイエットをしたグループは、研究開始時と比べて平均5.9kgの減量に成功したが、フィットネストラッカーを使った方のグループは、平均3.6kgしか減量できなかった。
この文章を正確に読み解くと、6か月間低カロリーの食事と運動、ダイエット日記に記録し、カウンセリングに参加したグループは平均して約7.7kg~8.6kgの減量に成功しましたが、その後の18か月でウェブサイトに活動記録を残すダイエットを行なったグループもフィットネストラッカーを装着したグループも両方ともリバウンドしているという結果が出ています。
ただフィットネストラッカーを装着したグループのほうが体重が増えていることから、フィットネストラッカーを使ったからといって減量を助けることにはつながるわけではない、ということではないでしょうか。
■【仮説】なぜフィットネストラッカーが被験者の減量の妨げになってしまったのか?
今回の研究では、なぜフィットネストラッカーが被験者の減量の妨げになってしまったのか、その理由については答えが出ていませんでした。
記事ではその理由としていくつかその理由が挙げられています。
フィットネストラッカーをつけると、体を動かすようにはなるが、お腹がすくので食べすぎてしまうのだろうか。あるいは、毎日フィットネスの記録が自動的に行われる状態であった結果、毎日目標を達成するのは大変だと感じて、早々に諦めてしまったのかもしれない。
■運動によるダイエットは太る原因にもなる!?
運動はダイエットに向いてない?|運動することで以前よりも多くの食事をしてしまう人がいる!?によれば、運動によるダイエットは太る原因にもなると考えられています。
1.代償作用(運動したご褒美として食べる、動かなくなる)
運動を始めたことによって、たくさんの人が実験前より多くの食事をとるようになった、もしくは運動したご褒美として実験前より家で動かなくなったということだ。チャーチ博士はこの現象を「compensation(代償作用)」と呼んでいる。
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2.運動によって自制心が弱くなり、我慢できなくなるから
2000年に心理学者のマーク・ムレイブン氏とロイ・バウマイスター氏が発表した論文によると、人の自制心は筋肉に似ているらしい。なぜなら自制心も使った後は弱くなるから。
よって、ダイエットのために自分を奮い立たせて1時間ジョギングをしても、その後自制心は低下し、お昼はサラダではなく自分の好きな脂っこい食べ物や甘い食べ物をついつい食べてしまうのだ。
リツイートはあなたの決断力を疲労させ、誤った決定を行なってしまう原因になる!?によれば、「筋肉を使えば疲れるように、自制心を働かせれば、その後の自制心に短期的な機能障害が起きる」そうで、研究者たちはこれを「自我消耗」と呼んだそうです。
認知的疲労とは、精神的に疲れる作業をしてエネルギーを使い果たした時に、認知力(特に注意力)が減少した状態であり、私たちの持つ認知力(特に注意力)は筋肉を使えば疲れるように、使えば使うほど消耗してしまうのです。
決断疲労によって行なう行動は2つ考えられます。
1.決断疲労によって疲れた脳は考え抜く力がないため、「どうにでもなれ」という決断をしてしまう。
2.潜在的にリスクの高い行動を嫌い、決断することをやめてしまう。
そのため、ダイエットのために自制心を使うと疲れてしまうことで、ついつい「どうにでもなれ」という行動をしてしまうと考えられます。
3.運動によって筋肉が増えれば基礎代謝が上がると考えられているが、そう簡単には基礎代謝は増えない
確かに、筋肉の増加によって基礎代謝量は増えるのだが、2001年にコロンビア大学が割り出した数値によると、1パウンド(約0.45キログラム)の筋肉は1日に6キロカロリー、1パウンドの脂肪は1日に2キロカロリーを基礎代謝として消費している。
つまり、頑張って10パウンド(約4.5キログラム)の脂肪を筋肉に変えたとしても、1日の基礎代謝量は40キロカロリー(バター小さじ一杯分)しか増えないのだ。
“基礎代謝を上げてダイエットにつなげる”ことは理論としては正しいのですが、現実的には難しいことなのだそうです。
つまり、フィットネストラッカーをつけたことで運動する習慣を持ったものの、かえって太ってしまう結果となったのかもしれません。
■「計るだけダイエット(レコーディングダイエット)」は女性に向かない!?
以前「計るだけダイエット」という朝と晩、自分の体重を計ってグラフにつけるだけで、いつの間にかやる気が出てくるという超簡単なダイエット法がためしてガッテン(NHK)で紹介されていましたが、「計るだけダイエット」は男性の成功率が高い反面、特に女性から「長続きしない」「リバウンドした」という声が挙がっていたそうです。
その理由としては、女性は男性に比べて分析が苦手である傾向があるため、計るだけダイエットに失敗してしまうそうです。
女性がダイエットを成功させるには、女性ホルモンの周期をうまく活用することが必要なのだそうです。
挫折なし!失敗なし!女性の最強ダイエット|ためしてガッテン(NHK)
■エストロゲン
- エストロゲンは内臓脂肪を小さくしてくれる。
- エストロゲンの多い時期は、生理後~約10日間。
- エストロゲンは内臓脂肪を小さくしてくれるので、この時期はダイエットしやすい時期と言えます。
- エストロゲンの多い時期は、生理後~約10日間。エストロゲンは内臓脂肪を小さくしてくれるので、この時期はダイエットしやすい時期と言えます。
- エストロゲンの多い時期に有酸素運動を行う。
■プロゲステロン
- プロゲステロンは、エネルギーを脂肪(主に皮下脂肪)として蓄える。
- プロゲステロンの多い時期は、生理前の約10日間。
- プロゲステロンが多いと皮下脂肪になりやすいので、食べ過ぎに注意する時期と考えましょう。
- プロゲステロンの多い時期は食べ過ぎに注意する。
もしかすると、リバウンドしてしまったのはフィットネストラッカーによる分析が苦手なタイプの人がいて、リバウンドしてしまったのかもしれません。
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