> 健康・美容チェック > 熱中症 > 熱中症は真夏より梅雨明けが危険!?|梅雨明けこそ熱中症のリスクが高いので注意
■熱中症は真夏より梅雨明けが危険!?
by Thomas8047(画像:Creative Commons)
熱中症 梅雨時も油断大敵(2012/6/2、日本経済新聞)によれば、東京都内で熱中症で救急搬送された人は、夏本番の8月と並んで梅雨の晴れ間や梅雨明け直後も多かったことが東京消防庁のまとめで分かったそうです。
なぜ梅雨の晴れ間や梅雨明け直後に熱中症になる人が多いのでしょうか?
■なぜ梅雨明けこそ熱中症のリスクが高いのか?
熱中症を伴う重たい脱水症は、梅雨のおわりにかけて増えてくる傾向があるそうです。
熱中症の原因には「かくれ脱水」がある!?|#みんなの家庭の医学によれば、暑くなって湿度が上がり、発汗で体液が失われて脱水症が起こります。
熱中症といえば、気温だけに注意しがちですが、実は「湿度の高さ」にも注意が必要なのです。
熱中症予防のためにも、「暑さ指数(WBGT)」(環境省)をチェックしよう!によれば、暑さ指数とは、単なる気温とは異なり、人体への影響が大きい1.湿度、2.日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境、3.気温、の3つを取り入れた指標なのですが、湿度、輻射熱、気温のうち、最も大きな要素を占めるのが「湿度」です。
湿度が高いと、身体の熱を放出する力が弱まるため、かいた汗が蒸発しにくくなり、体温が十分に下がらないため、気温が同じであれば、湿度が高いほうが、熱中症になりやすくなります。
【暑さ指数(WBGT)】
温度基準 (WBGT) |
気温 | 注意事項 |
危険 | 31℃以上 | 高齢者においては安静状態でも発生する危険性が大きい。 外出はなるべく避け、涼しい室内に移動する。 |
厳重警戒 | 31-28℃ | 外出時は炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する。 |
警戒 | 28-25℃ | 運動や激しい作業をする際は定期的に充分に休息を取り入れる。 |
注意 | 25℃未満 | 一般に危険性は少ないが激しい運動や重労働時には発生する危険性がある。 |
※(28~31℃)及び(25~28℃)については、それぞれ28℃以上31℃未満、25℃以上28℃未満を示します。
日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.3」(2013)より
■熱中症の症状
- なぜ熱中症になると「熱失神(めまい・立ちくらみ・失神)」という症状を起こしてしまうのか?|熱中症の症状
- なぜ熱中症になると、熱けいれん(筋肉痛・手足がつる・こむら返り・筋肉の痙攣・大量の汗)という症状を起こしてしまうのか?
- なぜ熱中症になると熱疲労(めまい・頭痛・吐き気・嘔吐)の症状を起こすのか?
- なぜ熱射病になると、体温が高い・意識障害・手足の運動障害・けいれん・おかしな言動や行動という症状を起こすのか?|熱中症の症状
■熱中症になりやすい環境・原因
熱中症は脱水状態や睡眠不足、腸内環境の悪化などにより体温調節機能が働かなくなることが原因で起きるによれば、人間には、体温をコントロールする機能があり、暑くなると汗を出して気化熱で体を冷やす作用があります。
しかし、その体温調節機能にトラブルが起きると、自律神経が乱れてしまい、血流障害が起こって、めまいや頭痛、吐き気などの熱中症の症状が起こります。
体温調節機能が働かなくなる原因は、脱水状態や睡眠不足、腸内環境の悪化が考えられるそうです。
腸内環境が悪化すると、体温調節機能に影響が及ぶ理由は、血液循環や消化吸収、呼吸などは自律神経によってコントロールされ、互いに影響を及ぼし合う関係にあるためなのだそうです。
熱中症で死亡した人の9割が屋内|65歳以上の高齢者やエアコン不使用のケースが多いによれば、エアコンがない人やエアコンがあるのに発見時には使っていなかった人に熱中症でなくなったケースが多いようです。
熱中症は自宅での発症が最も多い!熱中症になったらどう対処したらよいか?で紹介した独立行政法人・国立環境研究所によれば、熱中症で緊急搬送された人のうち、自宅での発症が最も多かったそうです。
その理由としては2つ。
2.高齢化
体温の調節機能が衰え、熱中症になりやすい高齢者が室内にいる割合が高くなったこと。
室内での死亡例を見ると、エアコンが作動していなかったケースが目立つため、室温28度、湿度70%を超えたらエアコンを使ったほうがいいようです。
■熱中症対策(応急処置)
それでは、熱中症になったら、どうすればよいのでしょうか?
(1)涼しい場所に移し、衣服をゆるめてリラックスさせる
建物が近くにない場合には日陰で休ませましょう。
建物が近くにあればエアコンの効いた部屋で休ませましょう。
(2)首筋、脇の下、脚の付け根を(冷たいペットボトルなどを使って)冷やす
脈拍のとれる位置は血管が皮膚に近いため、そこを冷やすと、冷却された血液が全身を巡ることで、クールダウンします。
(3)顔が赤いときは頭を高く、青白ければ足を高くして寝かせる
(4)意識があり、嘔吐がなければ水分補給させる
水分だけでなく塩分などの電解質も失われていると考えられますので、水に塩分などの電解質と糖とがバランスよく配合された経口補水液を利用しましょう。
【材料】
- 水 1リットル
- 砂糖 20-40g
- 塩 3g
- レモン果汁 1/2個
※経口補水液を飲みやすく感じるときは脱水状態だと考えてください。
【関連記事】
(5)皮膚が熱ければ、風を送ったり熱い部分にぬれタオルを当てる
(6)皮膚が冷たければぬれタオルをしぼり、冷たい部分をマッサージ
(7)意識がなかったり、急に体温が上がったらすぐ救急車を呼ぶ
(2017/6/10、毎日新聞)
三宅センター長は、Fluid(水分補給)▽Icing(冷やす)▽Rest(安静にさせる)▽Emergency call(救急車を呼ぶ)--の四つを挙げる。覚え方は「FIRE」。ただし、行う順番は逆からで、まず救急車を呼び、患者を涼しい所に運んで服を緩めて安静にさせ、首や脇の下や太ももの付け根を冷やして、できれば水分補給をさせる。
帝京大医学部付属病院の三宅康史・高度救命救急センター長によれば、熱中症の応急手当は「FIRE」で覚えるとよいそうです。
ただし、行う順番はつづりとは逆の順番で行なうそうです。
E(Emergency call:救急車を呼ぶ)
→R(Rest:涼しい場所に運んで安静にする)
→I(Icing:首筋、脇の下、脚の付け根など血管が皮膚に近い場所を冷やす)
→F(Fluid:水分補給)
■まとめ
梅雨明けこそ熱中症のリスクが高いので注意しましょう。
そして、熱中症の応急手当は「FIRE」で覚えてくださいね。
→ 熱中症の症状・対策・予防 について詳しくはこちら