López-Otín C, Blasco MA, Partridge L, Serrano M, Kroemer G. Hallmarks of aging: An expanding universe. Cell. 2023 Jan 19;186(2):243-278. doi: 10.1016/j.cell.2022.11.001. Epub 2023 Jan 3. PMID: 36599349.
老化の12の指標(Hallmarks of Aging)のうち、生活習慣の改善によってある程度対処可能な項目は何でしょうか?
ニュージーランドで行われた研究(Elliott ML et al., 2021)によれば、老化の速度は人によって大きく異なり、老化を「生物学的年齢」(体の実際の衰え具合)を測定したところ、1年間で老化する速度が、0.4年分(ゆっくり老化)から2.4年分(急速に老化)と、最大で約6倍の差があることを発見しました。
論文例 1:
タイトル: “Gluten-Free Diet in Non-Celiac Gluten Sensitivity: A Systematic Review”
著者: Lionetti, E., et al.
掲載誌: Nutrients, 2021
内容: 非セリアックグルテン過敏症の患者において、グルテンフリー食が疲労感や消化器症状、頭痛などの改善に役立つ可能性がある。疲労感の軽減は、腸内環境の改善や炎症の抑制による間接的効果と考えられる。ただし、一般人口への効果は不明で、プラセボ効果の影響も指摘されている。
リンク: https://www.mdpi.com/2072-6643/13/8/2579
補足: 疲労感の改善は一部の患者で報告されているが、グルテンフリーが全ての人に同様の効果をもたらす証拠はない。
論文例 2:
タイトル: “The Role of Gluten in Skin Diseases”
著者: Drucker, A. M., et al.
掲載誌: Journal of the European Academy of Dermatology and Venereology, 2018
内容: セリアック病患者やグルテン過敏症の人では、グルテンフリー食がアトピー性皮膚炎やその他の皮膚症状(例:皮膚炎疱疹様皮膚炎)の改善に関連する可能性がある。ただし、ニキビとの直接的な関連は証拠が限定的で、グルテンフリー食が肌のキメや艶を改善するという主張を支持するデータは不足している。
リンク: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/jdv.15150
補足: 皮膚症状の改善はグルテン関連疾患を持つ人に限られ、一般的な「艶肌」効果は科学的根拠が薄い。
論文例:
タイトル: “Advanced Glycation End Products in Foods and Their Effects on Aging”
著者: Uribarri, J., et al.
掲載誌: Journal of the American Dietetic Association, 2010
内容: 高GI(グリセミック指数)の食品、特に精製された小麦製品(白パン、パスタなど)の過剰摂取は、血糖値の急上昇を招き、AGEsの生成を促進する。AGEsは皮膚のコラーゲンを損傷し、シワやたるみを加速させる可能性がある。ただし、これは小麦に特異的な現象ではなく、糖質の多い食事全般に当てはまる。
リンク: https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0002822309012093